今日はお休みv
  さて、とりあえずファイト!なのですv
  あ、ちなみに当然このリナとガウリイなので。
  小説とは結果は違ってますよぉ?ふふふふふv

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        狭間の選択     ~襲撃、目的、いざゆかん~
   

     ゆらり。
    一瞬ガウリイの姿が陽炎のように揺らめく。
    その長身の体はゆっくりと少しばかり小さく小柄にとなってゆき。
    ストレートの髪質は少しばかりウェーブが入り。
    たくましい肩幅は丸みを帯び。
    その変化は一瞬の出来事。
    通常の人ならば肉眼で見えることもなく姿が揺らめいたとおもった次の瞬間には、
    そこにいるのは先ほどとはまったく異なる体系をしている一人の女性がいきなり出現した。
   そう見えるのが関の山。
   実際はガウリイが男性の姿から女性形態にと変化しただけなのだが。
   「しっかし、あんたむちゃくちゃに体系というか姿、変わるわよねぇ?
    私はスタイルと体系が少し変わる程度だけど。」
   まじまじと女性の姿に変わったガウリイをみつつつぶやくリナに。
   「…ま、母親が何しろ何の生物というか生命に属さないというか…
     何しろあのミリーさんの側近ともいえるらしい精霊だからなぁ。」
   などとしみじみつぶやいているガウリイ。
   物心つく前からそんな状況で育っている彼のこと。
   多少のことでは動じるはずもなく。
   ―また、多少のことでは彼に勝てるものなどもいない。
   「…あんたのその母親って一度見てみたいわよ(汗)」
   何でよりによって人間なんかとの間に子供を・・・(汗)
   などとふとそんなことを思いつつ額に伝わる一筋の汗。
   「お?♡それじゃ、今すぐにでもいくか?オレの実家?オレとしてはリナを両親に紹介したいし♪」
   声色までかわりころころと澄んだ鈴の音のような声でいっているガウリイに。
   「?何いってんのよ?今はあんたの剣を探すのが割きよ。
    それに別にただの旅の連れ、を紹介するのに何で両親に紹介しなくちゃなんないのよ?
     おかしいでしょ?」
   あきれた声でそんなことを言っているリナではあるが。
   …これでも気づかないのかぁぁ~!?リナぁ~!?
   そんなリナのまったく気づいてない様子にだくだくと血の涙を流しかけているガウリイ。
   普通、両親に紹介したい。とかいった時点でそのあたりのことには気づくとおうのだが。
   ……今だにここまでいわれても、まったくガウリイの気持ちに気づいてないリナである。
   この調子ではストレートに告白したとしても、ただの冗談として捉えられ、
   間違いなく気づかないであろう。リナは。
   いや、ストレートに告白しても気づかない可能性の法がかなり確立的には高いか。
   ガウリイの思いに間違いなくないであろう。
   
   「あらあら、がんばってるわねぇ。ガウリイさん。」
   「くすくす。まだまだ道のりは遠いわねぇ♡」
   などとそんな二人の様子をある場所から視つつ笑っている二人の姿。
   そんな光景がとある場所で繰り広げられているなどと、リナたちは知る由もない。


    「ほら、も、寝ましょ。」
   ごそごそと布団にもぐりこみ。
   そういうリナに対して。
   「ああ、お休み、リナ。」
   そういってガウリイ・・・否、ララもまた布団にと入る。
   といってもオレ、間違いなく寝られないよなぁ…はぁ…
   などと布団にはいって深くため息ついているのだが。
   好きな人が隣で寝ていてしかも何もできない生殺し。
   その状態で爆睡できる人間がいるならばぜひともあってみたいな。
   などとそんなことを考えて気を紛らわしていたりするガウリイなのではあるが。
   まあ、気持ちはわからなくもない。
   やがて、隣のベットから規則正しい寝息が聞こえ始め。
   「…本気でこいつ、オレに対して警戒心…もってないし…はぁ~……」
   ごそりと。
   完全にすやすやと眠りについているリナの寝顔をみつつ。
   盛大にとため息をついていたりする。
   まあ、こいつが相手だしな。
   気長にアプローチするか。
   そんなことをおもいつつ、リナの髪の毛をくしゃりとなでる。
   しばらくリナの寝顔に見入っていることしばし。

   ごそ。
   がさごそ。
   しばらく一時以上、経過したであろう、すでに時刻は深夜。
   窓をこじ開ける音と、それとかんぬきをはずす音。
   カチャン。
   かんぬきが切り取られる音がし。
   そして。
   音もなく彼らが止まっている部屋の扉が開かれる。
   窓の外からは風の音とどこかでないている虫の声。
   それと梟の声が聞こえていたりするが。
   そして、ベットで眠っているはずのリナにと近づいたちょうどそのとき。
   「-!?」
   それはそこに何もないことにと気がついた。
   あわてて布団をのければそこにはすでにもぬけの殻。
   「…で?乙女の部屋に無断侵入する人は、どこの誰?」
   気づけば後ろから聞こえてくる女性の声と。
   「いい根性してるなぁ?ん?」
   などといっている若い男性の声が。
   その声にばっと振り向き。
   「ちょっと!?ガウリイ!何また男性に戻ってるのよ!とっととララに戻んなさい!」
   スパコォン!
   足元のスリッパを脱ぎガウリイをはたくリナに。
   「あのなぁ?リナ?侵入者相手に男性の方が有利だろうが。」
   そういいつつ唖然としている侵入者を見て言い放つガウリイに。
   「問答無用!」
   などといいつつ、いきなり手の平に炎の玉を出現させる。
   「だぁぁ!夜にそれはやめろって!わかった、わかったってば。」
   しぶしぶながら再びララの姿にと変化する。
   「―~~~!!!!!!?」
   押し入った男はもはやバニック。
   それも当然であろう。
   何しろそこにいた男性が、いきなり女性にと代わったのだから。
   しかも、男性のときとは違い。
   かなり大きめ…これは男性のときにはちょうどいい。
   という理由でガウリイが着ている寝巻きのままである。
   という理由でなのだが。
   とにかく少し大きめのダブダブした寝巻きを着ている一人の女性。
   「さってと、聞かせてもらいましょうか?何だって乙女が寝ている部屋に、
    不法侵入してきたのかしら?」
   にっこりと。
   …さきほどガウリイに向けて放とうとしていた炎の玉を。
   とりあえず片付けるのはもったいない。
   という理由で無難なその襲撃者にとかましているリナ。
   そう問いかけている襲撃者はかなり体が焦げていたりするがお構いなしにと問いかける。
   「聞かないんだったらこのまま炭にして痕跡のこさずに消しちゃうわよ?」
   にっこりと微笑むリナの手には次なる光の玉が出現していたりするが。
   「わ、わかった!わかったから!命まではとらないでくれぇぇぇぇぇぇぇ!」
   どうやら話がかなり違うじゃないか!
   などと心でわめきつつ。
   かなり狼狽しているその男性。
   別に縛られているわけでも何をされているわけでもないが。
   ずりずりとヘヤの隅にといき震えていたりする。
   まあ、いきなり目の前で男性が女性に代わったり。
   消すのもったいないしという利用でいきなり炎の玉をぶつけられたりしたら、
   当然の反応ともいえるであろうが。
   そもそもこの部屋、リナたちが泊まっている部屋にと押し入ったのが彼の運のつきであろう。
   そんなリナの声にいまだに少しばかりこげたローストビーフのにおいを漂わせ、震えながら
   「き…きいちまったんだよ。食堂で。あんたらが話していただろう?
    魔力剣を持ってるって。盗めばいい金になると思ってよ…」
   そういいつついまだに震えているその男性に。
   思わず顔を見合わせているリナとララ。
   「なるほど。どうやら何とかって領主は。こんなごろつきまで使ってるみたいだぞ?リナ?」
   かわいい顔をしているのに口調が男言葉なのはどうかしらね?
   などとふとも思うが、ま、ガウリイだし。
   それで済ませ。
   いってくるガウリイのその言葉に。
   「…あのねぇ。ソラリアよ!ソラリアの領主!何でも今は領主代行という話だけど。」
   こげた男の目の前でそんな会話をしているこの二人。
   その会話に目を見開き。
   「な゛!?あんたら知ってたのか!?」
   「さて、もうちょっと詳しくはなしてよね?でないとあんた、
    国家反逆材で役人に突き出すからv」
   そうにっこりと微笑みいうリナのその言葉に。
   「な゛!?どうしてそこに国家がでてくるんだよ!?」
   おー。動揺してる、動揺してる。
   その様子を少し楽しそうに眺めつつ。
   「あら、あたしたち国の依頼でうごいてんのよ。-で。
    そんなあたしたちの部屋に盗みに入ろうとしたあんたは当然国家反逆罪。
     ま、よくて死刑、悪くて無期懲役かしらねぇ?」
   にこやかにさらりと言い放つリナの言葉に。
   「な゛!?知っていることは全部、話す!話すから、それだけはぁぁぁあ!」
   闇夜に。
   男の懇願とそして絶叫が響き渡ってゆく。


   男の話によるとやはりというか。
   この先にあるソラリアの町。
   そして町の中心にあるのがこのあたりを収めているロードラングマイヤーの城。
   何でもこの男の知り合いにお金に困っているやつがいて。
   その男性がしばらく前におごるなどいって金払いがよくなったらしい。
   話を聞くとひょんなことから手にいれた魔力剣をそこの領主が高く買い取ってくれた。
   そして、リナたちの会話を食堂で耳にとはさみ。
   自分も一儲けしようとして部屋にと剣を盗むために押し入った。
   というような内容。
    
   「ま、話はわかったわ。」
   そういってその手にもっている光の玉をかき消すリナに安堵のため息をつき。
   「助けてくれるのか!?」
   希望の眼差しでリナを見つめる。
   「あら、誰が助けるっていった?」
   「おーい?リナ、こいつちょっと仕置きしてもいーか?」
   「役人に突き出すんだから殺さない程度ならいーわよ。」
   この男性のもうひとつの目的。
   結構かわいい子だったから一人だったらそのまま寝込みを襲って…
   という目的を瞬時にガウリイは見通し、にこやかなまでの冷たい笑みを男に向けていたりする。
   「な゛!?オレは話たじゃないかぁぁあ!」
   叫ぶ男の言葉に。
   「あら、何いってんのよ。助けるとはいってないでしょ?
    ま、役人に突き出すつもりだし。殺さない程度にはしておくわよ。」
   「これなんか人に使ったらどういうことになるかな?」
   などといいつつごそごそと。
   袋から小さな小瓶を取り出しているララ。
   その中には何か小さな透明な何かがうごめいていたりする。
   「確かに気にはなるわねぇ。でもそれって確かエルさんが魔王に使った残りとかいってなかった?」
   先日何でも部下の仕事が滞っているからとかいう理由で。
   『ちょっとお灸をすえたときに使ったこれ、あまったからあげるわ。』
   といってもらったその小瓶。
   「何でも部下たち専用に創り出した新種とかいってたけど。
    人にはまだ試したことないとかいってたし。」
   さらりというガウリイ・・いや、ララのその言葉に。
   「うーん、それは確かに私も興味はあるわねぇ。」
   にっこりと微笑んでいるリナ。
   ある意味似たもの同士、というところではあるであろうが。
   いきなりとんでもない単語を聞かされてこちらは逆にすでに顔面蒼白になっている男性。
   「うどわぁぁ!?あんたら鬼かぁぁ!?」
   そう叫ぶその言葉に。
   「あら、見たとおりの人間よ。」
   「そうそう。」
   きゅぽん。
   そういいつつリナがガウリイより手渡された小瓶のふたを開ける。
   人間、正体不明の物にほど恐怖を感じることはない。
   しかも果てしなくいやな予感がひしひしとする。
   その様子をみて。
   「て、てめえらなんか!あの。リナ=インバース以下だ!」
   プチッ。
   彼としては悪口をいってどうにかこの場をそちらに意識を向けようとしているのであるが。
   それは逆に逆効果。
   「なぁぁんですってぇぇ!?どういう意味よぉぉぉ!?」
   そう叫ぶリナに。
   「あーあ。知らないって面白いなぁ。おーい。こいつがそのリナ本人だぞぉ?」
   怒ったリナもやっぱりかわいいよなぁ。
   などとリナの表情をながめてそんなことを思っているガウリイ。
   親切にも男に説明していたりする。
   「な゛!?だってムネあるぞ!?洗濯板のはずだ!リナ=インバースは!」
   ぷちちちちち。
   「ドラグスレイブ!!!」

   ドガゴァァァァァン!!!!


    闇夜に。
    リナのドラグスレイブによる光の花火が上がってゆく。

   
   「うーん、たいしたお金にはなんなかったわねぇ。」
   小さな皮袋の中身を確認しつつつぶやくリナに。
   「ま、あんなこそ泥だからなぁ。」
   そういって横を昨夜とは異なりいつものように男性の姿のままリナの横を歩いているガウリイ。
   リナが昨夜、放った術は確かに宿を崩壊させた。
   が。
   リナが術を放つ直前にガウリイが結界を張っていたこともあり。
   実際には被害はなし。
   とりあえず死に掛けた男性を回復させておいてから、
   しばらくリナは気のすむまでたこ殴り&呪文攻撃していたりしたのだが。
   ちなみに、小瓶に入っていたその生物も当然のことながら使用していたりする。
   それゆえに一夜でなぜか髪を真っ白にし、なぜか気を狂わせている男性を。
   役所に突き出してのその帰り道。
   あちこちで盗みを働いていた常習犯であったにもかかわらずに、
   出た報奨金がたったの銀貨五枚。
   「でも少なすぎるわよ。これはやっぱり地道に盗賊いじめとかやって、
    アジトからお宝、ぶんどったり、ガウリイにオリハルコン作ってももらってうっぱらったほうが、
    お金になるわね。」
   などと銀貨を袋の中にみつつそんなことをいっているリナ。
   ま、あまり作りすぎたらそれはそれで逆にオリハルコンの一般価格が低下するから。
   それはあんまり避けたいし。
   などとそんなことをも思いつつ。
   「ま、とりあえず。ここの領主が何かをたくらんでいる。
     すくなくとも魔力剣を集めている。というのが本当だとはわかったな。」
   そういってぽんぽんとリナの頭をなでてくるガウリイに。
   「そーね。」
   びしゃりと。
   そんなガウリイの手を払いのけていっているリナ。
   これは案外、いい品物が手にはいるかもね。
   などと心の奥底では思いつつ……

 

 

   大きくなりつつ町ほほど活気とそしてそれに比例したゆがみが発生するもの。
   ここ、ソラリア・シティも例外ではない。
   町を大きくしていったその名残の壁などがあちこちにと張り巡らされ。
   はっきりいって町全体がちょっとした巨大迷路の模様をかもし出している。
   町全体を壁が囲む。そんなつくりの城下町はいたってポビュラーなもの。
   この町もそういった典型的な例の一つに過ぎない。
   ―が。
   町が大きくなるごとに当然のことながら住人は増える。
   その中に住居や施設が納まりきらなかったら当然それは壁の外にと立てられる。
   そしてそれらを囲んで別の壁を張り巡らせ…エンドレス。
   その結果がこれ。
   ソラリア・シティはぐねぐねと不規則に走る壁によっていくつもの区画にと分断されているのである。
   慣れていない人間にとっては動きにくいことこの上ない。
   この町の地図がばか売れしている、というのもそんな背景によるものであろう。
   少なくともこの町で迷子になって衰弱寸前で保護された旅人も少なくなかったりするのもまた事実。
   町の中央にはそこには城が見えてはいるが。
   そこにたどり着くまでにはちょっとしたコツがいる。
   「それで?どうすんだ?リナ?」
   そう問いかけるガウリイに。
   「そーね。とりあえず近くの食堂で軽く午後のおやつでも食べましょ。」
   のんびりと歩き、この町にとたどり着いたのが昼をかなり過ぎたころ。
   少しばかりおなかを満足させて。
   それから行動することにしているリナとガウリイ。
   そして。
   食堂からでて城にと向かおうとする彼らの前に立ちふさがったのが。
   壁の迷路。というわけである。
   「しっかし話には聞いていたけどここまでややこしいつくりになってるとわねぇ。」
   話には聞いたことがある。
   町全体が巨大迷路だ。
   といっていた旅人もいたりした。
   それはただの言葉のあやだと聞き流していたリナではあったが。
   こうして自分が経験してみるとそれが事実だったとよくわかる。
   「確かにな。でもリナ。壁の年季とかみればいつのものかわかるから。
    領主のところにいくんだったらふるい壁を伝えばいいんだろ?」
   のんびりというガウリイのその言葉に。
   「そーよ。」
   リナとて伊達に家族から物の年代を見極める特訓を受けているわけではない。
   少し注意をしてみればそれがいつ、どのような時代に建設されたものか。
   使われている材質、技量、そして風化具合。
   などを総合してどれが新しくどれが古いのかなどは見てわかる。
   ガウリイはリナとは違い注意してみなくともあっさりとそのあたりは見分けていたりするのだが。
   「とりあえず、今日のところは城の近くに宿でも取りましょ。」
   「だな。あ、リナ何があるかわからないからオレこのままでもいいよな?」
   そういうガウリイのその言葉に。
   「―宿の金額によるわ。」
   
   ―結果。
   二人部屋の方が一人部屋を二つ取るより高くつき。
   二部屋とることとなるリナたちであった。



   城の中心に鎮座する、ロード・ラングマイヤー。その拠点。
   規模からすると大きくもなく小さくもなく。
   明灰色の意思をくみ上げ装飾の方も華美すぎず地味すぎず。
   ほぼ平凡どおりというところか。
   しかし。
   「ずいぶんと、まあ。」
   おもわず回りを見渡して苦笑をもらすリナ。
   あからさまに普通の施設に見えるものが気配そのものが違っている。
   城の周りに点在する施設。
   最近このあたりにできたという施設はことごとく怪しいものばかり。
   一見するとただの役所のようだったり神殿だったりはするのだが。
   まとっている気配が異なる。
   面白いまでにここは怪しいです、といわんばかりに周りに中が見えないように塀が張り巡らされ、
   しっかりと始終兵士が警備、警戒をし。
   一般の入場客は適当な理由をつけて頑固として入らせない。
   そんな施設がかなり目立っていたりする。
   宿のおやじさんの話によればここ最近で一気にそんな建物がかなり増えたらしいのであるが。
   「だなぁ。ここまで軍事施設つくらなくてもいいだろうに。」
   のんびりと城のまわりの城下町を歩きつつ平和に会話をしているリナとガウリイ。
   「うーん。どうやら今回の依頼、ビンゴ、だったようだわね。
    ガウリイ、使い魔、出せる?」
   そういうリナのその言葉に。
   「お前でもできるだろうが。」
   すぐさまに突っ込みをいれているガウリイだが。
   「あら、こんなか弱い私に魔力使わす気?」
   にっこりと微笑みかけられ。
   「うっ!わかったよ…」
   使い魔。
   といっても別に本当に魔を使っているわけでもなく。
   ただの通信などに用いるのに便利、というそれは。
   リナもガウリイも家庭の事情により自らの精神の一部を別の実体化とさせて、
   通信手段などに用いることが可能なのである。
   「『うわさは事実。これ以後内部に潜入して調査。』それだけでいいわ。」
   この町の魔道士協会の周りにも兵士がいたことから間違いなく。
   この町の魔道士協会もこまのひとつにされていることは間違いない。
   それゆえに別の町の魔道士協会からつなぎを取ってもらうほうが確実。
   「了解。」
   リナの言葉にガウリイがふと空を振り仰ぐと。
   そこに今までいなかったはずの青い鳥が出現する。
   ガウリイが自らの精神の一部を実体化させた使い鳥。
   そして、当然のことながらそれは人の言葉を話すことは可能。
   元はガウリイ自身でもあるのだからして。
   まあ普通の人はそんなことはわからないので。
   人の言葉を話す鳥、というものは多数存在する。
   中には覚えた相手の言葉のままに話す鳥、というのも存在する。
   その事実があるのでこの方法で今まで二人は怪しまれたことはない。
   そのままバサバサト、町を後にしてゆくトリをみつつ。
   「んじゃ、証拠をつかみに今晩にでも、忍び込みましょv」
   にっこりと横にいるガウリイにと微笑みかけるリナであった。




   夜の闇を支配するのはただ風の音のみ。
   近くに酒場でもあるものならばざわめきも聞こえるものであろうが。
   そういったものは当然なく。
   明かり(ライティング)の術をかけられた街頭があちこちにぽつり、ぽつりとたたずんで、
   弱弱しい光を放っているが夜の闇を照らしてはいない。
   天にかった半月が雲の間に隠れれば街灯の側を除くすべては闇にと包まれている。
   その闇に紛れリナとガウリイは昼間の下見で目をつけておいた施設にと近づいてゆく。
   「しっかし、これって便利よねぇ。」
   なとどいいつつ身につけている小さなショールを手にもっていっているリナに。
   「エルさんたちも何を考えているんだか…」
   などといいつつため息ついていたりするガウリイ。
   この依頼を受けたときにいつもながらにちょっとやってきたとある二人に。
   渡されたのがこのショール。
   ちなみにガウリイは青、リナは赤。
   薄いレース状のショールではある。
   「ま、いいじゃない。わざわざ術、使う必要がないんだし。」
   「まあな。」
   その交換条件が。
   ―しっかり楽しませてね♡
   でなければな。
   そんなことを心の奥でつぶやいているガウリイとは裏腹に。
   リナの方は逆に便利なアイテムをもらってしごくご機嫌。
   何しろこれを身につけていれば、絶対に相手に姿が見られない。
   という品物なのである。
   …まあ、何を考えてそんなものをリナたちに手渡したのかはおておくとしても。
   リナがご機嫌なのはいうまでもない。
   二人が目指している施設は昼間一番警戒が厳重であった場所。
   建物自体は一見普通の神殿のようなつくりになってはいるが。
   その神殿に漂う気とそして独特の雰囲気は見間違えるはずもなく。
   周りを取り巻く高い塀とそしてすでに夜だというのにいまだに厳重に警備をしている警備兵の数々。
   それがその建物が普通の神殿ではない、ということを明白に物語っている。
   「しっかし本と、これ、便利だわv」
   にこにこと上機嫌でそんなことをいっているリナ。
   まあそうであろう。
   すこしばかりこの建物の周りの状況を把握しようと飛んでみたところ。
   まあ、いるわ、いるわ。
   建物ひとつに厳重なまでの警戒態勢をとっている警備兵の数々が。
   本来ならばリナがよく使う魔力強化している縄を使って屋根から忍び込む。
   という方法をとるつもりだったのだが、こういったベンリなアイテムがある今となっては、
   話は別。
   まあその縄もちょっとしたドラゴン程度ならぶら下げられる程度の強度はあったりするのだが。
   どうどうとそのまま姿を隠しもせずに警備兵の目の前を通り過ぎても。
   まったく気づかない警備の連中。
   それが面白くてついついその前でふざけてみたりもしつつ。
   そのまま庭を回りこみ、一番厳重そうな警備の場所を目ざとくみつけ。
   警備兵たちの巡回バターンを観察し。
   そこにある扉をチェックする。
   普通の鍵ではなく『封錠(ロック)』の魔法で扉を開かなくさせている、という徹底振り。
   だがしかし、リナにそんなものは通じるはずもなく。
   「封除(アンロック)」
   これまたルナに仕込まれて所得している術、かぎあけの術を使うリナ。
   このリナとガウリイが身につけいるショールの欠点。
   それはただひとつ。
   …確かに姿は相手には見えないが、声は聞こえる。
   そのような特性をもっていたりする。
   リナにこれを手渡した本人たちいわく。
   『その方がスリルもでて面白いから♡』
   ―らしいのだが。
   それゆえに周りに誰かがいるときにうかつに話したりでもすれば、
   声が聞こえそこに自分たちがいる、ということを示すことに他ならない。
   リナの言葉に反応し。
   キッ。
   小さく何かがきしむような音がする。
   扉が開いた音なのであるが。
   そのまま建物の中にと滑り込んでゆくリナとガウリイ。


   「―くらいわねぇ。」
   ふとつぶやくリナに。
   「そっか。これくらいまだ明るいほうだぞ?以前エルさんにとことんとかいう、
    場所に連れて行かれたときにはもっと暗かったし…」
   などとのほほんといっているガウリイ。
   「混沌。でしょ?…しっかし。…毎回思うけどあんたよくそれで生きてたわよね…」
   こいつ、この私よりかなりハードな家庭環境よね。考えてみたら。
   などとそんなことを思いあきれつつガウリイを見ていっているリナ。
   「ま、幾度か確かに死に掛けたなぁ。とゆーか死なせてもらえない。
    というのが事実なんじゃないか?」
   「…ありえるわね。」
   などと何ともほのぼのとした会話をしつつ。
   二人が建物の中にと侵入し入った場所は。
   ひとつの部屋の中。
   ランブひとつすらともってもいない。
   普通ならただの闇が広がっている。としか目に映らないであろう。
   だがしかし。
   このリナとガウリイはある意味普通ではない。
   屋根の一角にあるステンド・グラスから月と星の明かりが少しではあるが差込み。
   部屋をほのかに照らしている。
   そして。
   延々と規則正しく床にと並んでいるひとつの影たち。
   床に並んでいる無数の影は何のひとはなくそれこそ普通の礼拝堂とかに並んでいる、
   普通の木の長い椅子たち。
   「うーん、普通の礼拝堂みたいねぇ。」
   などとつぶやくリナに。
   「おーい。リナ?隠し入り口らしいものが数箇所あるが、どうする?」
   ・・・おい!
   あっさりとただっ広い場所のしかも無数にあると思われる椅子などの中から。
   隠し扉の入り口でもあるスイッチを見つけ出しているガウリイ。
   「…あんたよくこんな中から一瞬で探し当てられるわよね…」
   思わず心でつっこみつつあきれた声をだしているリナ。
   まあ気持ちは…わからなくもない。
   まあこの場に何かあるのは一目瞭然ではあった。
   敷地の周りに塀を張り巡らせ、警備の兵士をダース単位以上で動員し、
   挙句は扉は術で封印。普通の礼拝堂ならばそこまでは絶対にしない。間違いなく。
   おそらくはこの礼拝堂にしか見えない場所のどこか、
   たとえば延々と並んでいる椅子などのどれかのひとつがスイッチとかになっていて、
   地下にあるであろう隠し施設の入り口になっいる。
   そこまでは把握したリナではあったが。
   短時間でそのようなスイッチを見つけるなど。
   いくらリナでもそれは時間をかけなければできるものでもない。
   が、さすがというか何というべきか。
   ガウリイはいともあっさりと、数分もたたないうちにそれを発見していたりするのだ。
   「ま、仕込まれてるからな。」
   さらりというガウリイに。
   「…深くは聞かないことにするわ。それで?どこにあるの?」
   「ここ。」

   ガコン。
   ガウリイが椅子のしたにあった隠されていた何かの模様らしき場所を押すと。
   横に出現する地下への入り口。
   と。
   「リナ!」
   そういうが否やリナの手をつかんで自分の方にと引き寄せるガウリイ。
   それと同時に。
   ヴォン!
   いきなり闇にと生まれた闇がリナの頭のすぐ脇を掠めて通り過ぎてゆき、
   それはやがて床に当たって砕け散る。
   「ほう。術で姿を消して・・か。唯のねずみではないな。
    だが、声まで消していないというのが敗因だな…」
   それと同時に低くかすれた男の声が。
   リナとガウリイの耳にと聞こえてくる。
   みれば。・
   うっすらと月明かりのもれるステンドグラスの側にたたずむ影ひとつ。
   「あらら、みつかっちゃったか。」
   あっけらかんというリナの声に。
   「どうすんだ?リナ?」
   のほほんと聞いているガウリイ。
   「どうするも何も。いくわよ!」
   それと同時にいきなり。
   「明かり(ラティング)よ!」
   最大出力、しかも持続性。
   ちなみにリナが最大出力をした場合、かるく網膜は焼ききるだけの光を放つ術が完成する。
   それを放ちそのままいっ気にとその場から駆け出すリナ。
   その後を続けて追うガウリイ。
   「ぐわぁあ!目が、目がぁあ!」
   などといってのたうちまわるその影は。
   典型的な暗殺者(アサシン)スタイル。のそれとは異なり。
   いうならば少し前にベゼルドの町で対峙したとある一味とまったく同じそれであった。

 

                             -続くー

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    あとがきもどき:
     薫:・・・・・・・・何で今頃セーセームーンが再版なんでしょうか?
       ・・・・しかも今の絵のほうがかわいーぞ?
       元の本全館もってるからなぁ。
       とゆーか、そのゼンプレのテレカ!
       以前展示会で販売してたやつじゃぁぁあ!
       ・・・・目の前にあるのに時間外だからって、売ってもらえなかったのさ・・・。くすん。
       でもやっぱりまだ人気あるんだなぁ(しみじみ)
       だったらセメテ即位するまでの話をやってほしい。切実に。
       そういえばその後に始まったPQエンジェルズ・・・。
       たったの数話からなかよし誌上から消えたけど・・・。
       やっぱゴキブリが主人公なのがだめだったのかなぁ?
       あれの続きもきにになりますよ?ね?武内先生ぃぃ!?(まて)

       さてさて、エル様がた・・・いったいリナたちに何を手渡して(汗)
       ま・・・まあ、いいけどね・・・・。
       何はともあれ。
       次回でルクミリ登場にいけるかなv
       それでは、また次回でv