闇の行方 第38話
あたりを埋め尽くす朱金色の光。
・・・とくん。
何かとても大事な何か。
それとともに・・・・すぐそばに感じる・・・・暖かな波動。
ぎゅっと自分を抱きしめるように腕を組み。
「・・・・・・ガウリイ・・・・あんた・・・・」
ようやくそのとき。
自分の・・・・いや、自分そのものの本体を包み込むようにしてそこに存在しているガウリイにとふと気づく。
そして。
目の前にいるのは・・・・
「・・・・・アザチェス・・・・」
ゆっくりと見開いたその瞳は・・・金色にと輝いている。
まるで湧き上がるように思い出してゆく記憶の波。
そして。
そのまま。
スパパパァァン!
思いっきり横にいるガウリイの頭を。
その手に出現させた銀色のハリセンではたくリナ。
「いってぇ!?何すんだ!?リナ!」
いきなりのリナの行動に思わずガウリイが抗議の声を上げているが。
「こ・・・・の・・・ばかぁぁ!何あんた・・・危ないことをしているのよ!」
そういうリナの目には・・・大粒の涙があふれ、顔は紅潮している。
わかってしまった。
わかりたくなかったのに・・いや、だからこそ・・なのかもしれない。
ずっと・・感じてたどこかで安心した感覚を。
ガウリイと・・離れたあの時から・・・しばらくしてから・・ずっと。
その原因が・・・まさか、ガウリイが存在としての意義から離れて。
完全に独立した・・・・簡単にいえば自らを包み込むような・・・
自分とほぼ同じ存在に・・・・仮になっているということが。
そして、その事実は。
ガウリイの存在を・・・・危ういものにさせている・・ということに他ならない。
どの存在にも当てはまらなくなっているガウリイは。
・・・・もし今この状態で死亡などした場合は・・・。
完全に永久に・・・・永遠に、ガウリイとしての魂を構成していたその物質。
いや、記憶すらもすべて・・・・・完全に消滅してしまう。
という事実に・・・リナは気づいたのだ。
どうして自分のために・・・そこまで。
そう思うと怒りとともに・・・・悲しくなってくる。
・・・彼が・・・いなくなったら・・・・あたしは・・・・。
そう思うと涙が溢れ出してくる。
「大丈夫だよ。オレはリナをおいてはいかないから。たとえどんなことがあってもな。」
そんなリナの想いがわかったのかリナの頭にぽんぽんと手をのせて、
軽くなでるガウリイ。
「・・・・とにかく、リナはそこで待ってろ。こいつとの決着は・・オレがつける!」
そういいつつ、リナににっこりと微笑んで、血まみれになりながらもきっとアザチェスをにらんでいるガウリイ。
「そんな!ガウリイ!今の状態じゃ!」
リナの声が悲鳴に近い声に変わっているが。
そのままガウリイに後ろからだきつき。
「ダメ!そのままじゃ・・ダメ!あたしが・・やる!」
あいつを・・・・育ててしまったのが。
自分だと・・・・どこかでそう・・・理解ができるから。
そうおもいつつ、すっとリナが手を虚空に伸ばす。
と。
そこに出現する銀色の文様が刻まれているちょっとした大鎌がひとつ。
「ダメだ!オレがやる!」
「だぁ!これはあたしの役目なの!」
「いーや!好きな女にそんなことはさせられない!」
「あのねぇ!どこにそんなのが理由にって・・ちょっとガウリイ////」
「・・・・・・・・ねえ?どーでもいいけど・・・・。父様たち・・・のろけてない?あれ・・・・どうみても。」
「・・・・・だね。とゆーか・・母さまの気配・・かわったんだけど?」
そんな会話をしているリナとガウリイをみて結界をはりつつ、
そんな会話をしているエリーとカウ。
「・・・・・・だぁぁぁぁ!われの前でいちゃつくなぁぁぁ!」
いきなり目の前でキスをはじめているリナとガウリイをみて。
叫んでいるアザチェス。
・・・・まあ当然の反応といえば反応であろうが。
何しろ、完全に忘れ去られているのだからして。
「・・・・ガウ・・」
「・・・・リナ・・・・・」
完全に二人の世界に入り込んでいたりするリナとガウリイ。
名残惜しそうにリナの唇からガウリイが離れると。
こてんとガウリイの胸にとうづくまるように倒れこんでいるリナ。
・・・失いたくない。
何があっても・・・・こいつだけは・・・・・。
・・・・・そっか・・・・あたし・・・・・
・・・・・きっと・・・・・・初めてあったあのときから・・・・・。
今に至り・・・どうして今まで、ガウリイがあんなに気になっていたのか。
そして・・・また。
初めて・・・・今回ガウリイとであったときに。
一瞬で気を許してしまったのも・・・おそらくは・・・・。
ようやく自分が・・・・何ものなく・・自分自身として。
ガウリイを好きだったのだと自覚しているリナ。
・・・・かなり遅いといえば遅いのであろうが。
人として生活している中で少しは自分の心を見つめることが、
この百五十億兆万年という時間の中で・・・ようやくできたというところか。
・・・かなり遅すぎるといえばそうなのであるが。
もうかつてのように・・・・彼から逃げ出そうとは思わない。
そんなことをしたら・・・・ガウリイが消滅してしまうのがわかっているから。
・・・・・あたしは、もう・・・逃げない。
ぎゅっとガウリイを抱きしめるリナ。
と。
ポウ・・・・・。
まるでリナとガウリイを包み込むように淡い光が二人を包み込んでゆく。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
「あら?ようやく・・・・」
ふと気配に気づき笑みを浮かべる。
ガウリイにかけていた仮の存在への術は。
今・・・完全にリナが受け入れたことを受け。
この瞬間ガウリイの魂・・いや、そのものが。
リナの中に・・・・この世界の核そのものと融合を果たしている。
そのことに気づき、笑みを浮かべている絶世の美女たる金色の髪の女性。
ゆっくりとではあるがだけども確実に。
今まで不安定であったガウリイの存在そのものが。
確実に変化しているのが見て取れる。
「ルナ。ようやくここまでこぎつけたわよ?」
そういってその女性が目の前にいる女性にと微笑みかける。
「・・・・・何かかなり悔しいですけど・・・」
などといいつつも、どこかひとつの区切りを迎えてほっとした表情のその女性。
紫ががった青い髪に紅の瞳。
「・・・・・まあ、さすがリナというか・・・・。・・・・時間・・・かかりすぎたわねぇ・・・・。」
人として生活をしていても
すぐにはガウリイを【好き】なのだとは自覚してなかったリナ。
そして・・・・そのことに気づいても・・・・
あれからかなり幾度転生を繰り返したことか。
「・・・・・・まあ、百五十億兆万年・・・・かかりましたから・・・ここまで・・・」
どこか遠い目をしていっているルナのその言葉に。
くすりと笑い。
「そうね。確かに短いようでながかったわねぇ。とりあえずあれが終わったら、リナの復活祝いねv」
「はい!」
満面の笑みを浮かべている女性が二人。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
・・・・ぐっ!
力が・・・・失われてゆく。
リナとガウリイが光に包まれているそれをみつつ。
どんどんと自分の力の・・・源たるそれが失われつつあるのを感じ取り。
思わずうめく。
「・・・・くっ!このまま・・・・消えて・・・たまるか!われを作り出したのは・・貴様たち!貴様たちがわれを作り出した!」
がっと鋭い形相をして二人にと襲い掛かってゆくアザチェス。
―だが。
ガン!
光の壁に阻まれ近づくことすらできない。
目に映るのは抱き合うリナとガウリイの姿。
・・・・力が・・・そがれてゆく。
何よりも・・・・自分に力を与えてえていたのは・・・・。
ほかならぬリナがガウリイを拒んでいた感情・・・それに他ならない。
だがしかし奪われてゆく力とともに。
それ以上にリナを独占したいという、ガウリイの感情が逆に彼に力を与える。
どちらの力が有利なのかはたまたわからないが。
わかることは・・・・とにかく。
このままでは・・・・今までのように力が振るえない。
ということ。
このまま・・・・黙って二人を融合させて・・たまるか!
残りの力を振り絞り・・・・リナたちに向かってゆくアザチェスの姿が。
「・・・・アザチェス・・・・あたしは・・もう・・・・・
ガウリイを・・・拒まないわ・・・ううん、拒む必要なんて・・・・ないのよ。今・・やっとわかったの・・・だから。」
だから。
・・・・・ガウリイを拒んでいたがゆえに生まれた彼もまた・・・自分の一部。
だから。
そのこだわりを捨てよう。
そういってすっと腕を伸ばすリナ。
「・・・・だから、あたしの中に・・戻ってきなさい。」
「何ぃぃぃ!?リナ!オレ以外のやつをうけいれるな!オレがすべてをうけいれる!」
そんなリナの言葉にすぐさま否定の言葉を言っているガウリイ。
「な゛!?あのね!あれはあたしの心の一部なの!・・・だからあたしの中に戻すのが筋ってものでしょ!?」
「いや!リナがオレ以外の男を受け入れるのは・・・それが、たとえ元リナのこころの一部であってもダメだ!」
「だぁぁあ!ききわけがないことをいうなぁ!」
「・・・・・・くっ!われは・・・・消えるわけには・・・ゆかぬ!」
バシュ。
リナとガウリイがそんなたわいなのい言い争いをしている中。
・・・・出現したときと同様に掻き消えているアザチェスの姿。
サラサラサラ・・・・・・。
すべての空間といえる空間に・・・朱金色に輝く黒い粒子が・・・降り注いでゆく。
さぁ・・・・・。
アザチェスがいなくなるのと同時に。
あたりに太陽の光が差しこみ。
暗かったあたりが・・・・明るく染まってゆく。
チチチ・・・・・・・。
空には小鳥が飛び交い。
透き通るまでの青空が広がり風がここちよく吹いている。
「・・・・おわったの?」
空が明るくなったことに目をほそめ。
空を見上げるカウのその言葉に。
「・・・・ううん。これが・・・始まり・・・かな?」
・・・・滅んだわけでは・・・ない。
ただ・・・・。
いいかけてやめる、それは・・・今いうべきことではない。
「それはそうと。リナス姉!?いったいどうしてここに!?」
ようやくもう大丈夫だと安心するのと同時に。
ふと疑問というか効きたかったことをリナスに問いただしているエリー。
「え?ああ、ちょっとね。今のを防ぐのが・・・私の最後の役目・・・かな?」
そういいかけるリナスの体が金色にと輝き始める。
「・・・・リナス姉?」
そんなリナスをみて首をかしげるカウ。
「・・・・そろそろ、私もこの時代に存在・・・できなくなってきたみたいね。」
そういいつつ、リナとガウリイの方をみる。
・・・・まだその身に宿ったわけではないが・・・・・。
だがしかし。
今のでわかった。
自分が・・・・どうして父と母の力を・・・均等に保って誕生したのかが。
今の・・・・二人の融合によって生まれた・・・その力・・そのものが。
・・・・リナスの・・・核。
・・・・魂にはまだ発展してないものの。
だが、それでも、リナスの原点は・・・今確かに。
リナとガウリイの中に・・・今まさに誕生したのだ・・・ということが。
同一時間上に同じ存在が二人いることはありえない。
ましてや・・・過去と未来・・・・つながって入るが・・・平行線上にあるそんな世界の。
それは、時間を自由に司どることもできるこの世界そのものたるリナが。
かつて定めている・・・制約。
「・・・って!?リナス!?」
ふと、ガウリイからようやく開放され。
あわてて家にと戻ってきたリナが目にしたのは。
光の粒子となって消えかけているリナスの姿。
「・・・・ばいばい。リナ母さま、ガウリイ父様。今度あうときは・・・私は・・・二人の・・・・子供として・・・・」
シャラン。
にっこりとリナスは微笑み・・・・そして。
その姿はまるで鈴がなったような音を残し。
その場から・・・・掻き消えてゆくのであった。
「・・・・な゛!?リナス!?」
――・・・・・・・・あ。
それと同時に・・・・自分の中に何かを感じる・・・・。
新しい・・・・・命の・・・予感。
「・・・・・リ・・・・ナ・・・・ス?」
まだそこに存在していないが。
確かに。
生まれてくるための準備というか新たな力の誕生の予感に。
リナは確信する。
・・・・近い未来。
・・・・・リナスが・・・・・娘が・・・・自分に宿る・・ということを。
−続くー
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まえがき:
・・・・・だれも突込みが入らないなぁ・・・・。
ちびちび防御・・・くすん。
・・・まあアニメではなかったから・・・・あまり有名でないのかなぁ?
しくしくしく・・・・・。
・・・・ちなみに、ええ、はまりましたよ。
とゆーかスレが上の方でヒットしているとき、私は完全にセーラームーンにはまってましたから。あはは(実話)
何しろ!つぼ!輪廻転生!生まれ変わりの恋人同士!しかも・・・ええ!?で。
好きなんですv輪廻転生ものv(なので南総里見八犬伝も好きv)
スレは・・・・とゆーかアニメをみてからすかっ!
としましたね(笑)やっぱり小説と動画の違いでしょうねぇ?(こらこら)
小説のときには・・・あんなに機敏に頭の中でも動いてなかったぞ(爆!)
それはそーと、うちのモモは何をされてもおきないんですが?(笑)
・・・・よっぽど遊びつかれたのか?
・・・今日は父は外にだしてなかったな。ほっ(安堵)
しかし・・・・白目をむいてちろりと舌を出してぴくりともしないで。
寝るのはやめようね・・・・ルナ・・・(汗)モモも・・・・(汗)
心臓に悪いのよぉ・・・(涙)・・・・いえねチビのときもそんな状態で・・・。
・・・みつけたときはすでに息がなくて・・ぐったりしてたから・・しくしく・・・・。
・・・・まだ暖かかったからあのとき・・・死んでからすぐだったんだろうなぁ・・・。
・・・いまだに後悔してますよ・・・もうすこし!
もっと早くに見つけていればぁ!・・・しなずにすんだかも・・チビ・・・くすん。
真っ白ですっごく聞き分けのいい猫だったんですけどねぇ。
生まれて一年で死亡は・・・早すぎ・・・・しくしくしく。
(ナナが死んでから病気してんで退院したときにもらった猫
↑とゆーか両親にいってもダメ!と言われたので無理やりに連れ帰った(笑))
うちの家・・全員動物好きなもので・・。
つれて帰ればこちらのものなのさvあはははは(おーい!)
まあ、何はともあれ・・・いこう。
一年・・・・・あはははは・・・・(滝汗)・・・が・・がんばろう(汗)
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あとがきもどき
薫:・・・・・アザチェスは滅びたのか!?
・・・・・いや、それはどうなのだろうか?(汗)
・・・・・・・・これの元にしている話がわかる人ならわかるでしょう・・・・。
ちなみに、この闇vやりたかったのは・・・・実は。
最後のうさぎちゃんとまもちゃんの結婚式のあのシーンv(まてぃ!)
・・・いや、リナスを出す!と思いついた時点で。
リナスの原型は・・・・スモールレディなんだから。
んじゃ、最後もあれでいってやれvみたいなもので。
・・・・・何しろこれ・・・・おもいついたの海藤雄馬さんの。
【過ぎ去りし風】からでしたからねぇ。このエデン&闇の行方は・・・・。
・・・・それはそうと・・・・雄馬さん・・・早くよくなって退院してくださいね。
切実に願っております・・・・・。
・・・・さてっと。
次回で・・・・ルナとリナ・・・そーして。
・・・・・エスが驚愕の事実を・・しる・・・・かな?
そーして深遠なる真の王の完全復活v
んではではv
2003年6月30日&7月1日。
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