闇の行方  第31話


「だぁぁ!あんたが嫌いだから子供達も食べないのよ!だからあんたも今日から食べなさい!」
「いいじゃないかv同じものが嫌いというのでオレの子供だって♡すっごくうれしくなるしv」
にこやかに、そんな会話を今日も今日とて繰り広げているリナとガウリイ。
リナ、それ・・・一度遺伝してるんだから・・
本人たちが直す気がなかったら、無理なんだけどねぇ?
「だぁぁぁ!そーいう変なよろこびかたするなぁ!」
ぜいぜい。
すくっと立ち上がりいっているリナ。
「まあまあ?リナ母様?血圧上がるよ?」
「だって・・・母様がピーマン食事にいれるんだもん・・・・。」
そういいつつ、父親を見習い、無理に食べなくてもいいのかと。
今さらながらにピーマンを振り分けているカウとエリーをみつつ。
「ほらみなさい!父親が手本を示さないと!子供が真似するのよぉ!」
静かな森の中にリナの怒号がこだまする。
「・・・父様のピーマン嫌い・・・私にも遺伝してるんだよね・・・・」
ぽそりというリナスのその言葉に。
「何ですってぇぇぇ!?ガウリイ!今からでもおそくないわ!
  今日から全ての食事はピーマン尽くしよ!リナスにまで遺伝してたまりますか!」
そういって決意を新たにしているリナ。
『ええええ!?リナ母様!?(僕)(私)達も!?』
そんなリナの言葉に目を見開いているリナ、カウ、エリーの三人に。
「えええええ。リナ、それはごむたいな・・・・」
まるで捨てられた子犬のような表情をしてリナに抗議の声を上げているガウリイ。
・・・・そういえば、ガウリイ。
あたし達の感情から・・・誕生したのはいいけど・・・・。
変に副作用がでて・・あの味がだめになったのよね・・・・味覚的に。
面白いことに。
それ変えずにそのまま転換してるから・・・無理とおもうけどねv
ガウリイの苦手克服は♡
「と・に・か・く!ゼフィーリアにつくまでは!
  宿とかでもあたしが食事をつくって!苦手克服に専念させるからね!あんた達!」
『えええええええええ!!!!!?』
リナのその台詞に。
ものの見事に声を一致させているリナス、カウ、エリー、ガウリイ。
「・・あ、私戻る前に先に未来にもどろうかなv」
すっと逃げようとしていたりするリナス。
がしっ。
「んっふふvリナスちゃんv逃げられるとおもってるの?♡今後のためにしっかりと苦手は克服しましょうね♡」
「・・・・うう・・・(涙)」
にっこりと笑うリナのその言葉に。
涙を呑んでいるリナス。
リナがこういう表情をするときには。
未来でも・・・そして、今でもその性格は同じだと十分に理解ができている。
・・・つまりは、逆らうと・・・後が怖い。
それはもう身にしみて理解しているリナス。
いや、この時代でリナにそういったお説教をうけたことはないにしろ。
やはり体と本能が覚えているその経験は、ここでも健在。
そして、はたと。
「あ、そーだ、ガウリイ父様が完全に好き嫌いを無くしてくれて。
  そーしてから私を作ってくれたら、私も連動的に好き嫌いがなくなるし!
  だから私は今は別に克服しなくてもいい、というわけで♡」
『リナス姉様!それずるい!』
そんなリナスの提案に抗議の声を上げているエリー達。
「それはそれ♡さ、そうと決まったら♡明日からはぴしばしいくからねvあんたたち♡」
そういいつつ、うきうきとしているリナをみてとり。

「・・父様、力づくで説得してくれない?次の町でも?(汗)」
「そりゃオレとしては♡でもお前たちはどうするんだ?」
ガウリイとしてはリナと二人っきりになるのはとても望ましいこと。
だけど子供達とのスキンシップも大切にしたいガウリイ。
何しろ二十年、彼らの側にいなかったのだから。
といってもまだエリーもカウも六歳程度の子供のままなのであるけど。
「うーん、僕達はとりあえずこの辺りの盗賊でも壊滅させておくよ。
  のんびりやったら十日くらいかかるだろうし。その間に母様・・説得して(涙)」
本気でガウリイに交渉しているカウだし。
「ま、そういうことならまかせとけvやっぱり実力行使はものをいうだろうしなv」
そんなカウの提案ににっこりと微笑んでいたりするガウリイ。
ちなみに、この会話、リナにはまったく聞こえてないけど。
「さ!あんた達v今日はリナちゃん特性の野菜スープよv」
どこからともなく、食後のデザートを作ったリナの声が。
そんな会話をしているガウリイとカウの耳にと届いていたり。

とりあえずその場は、完全に緑色のそのスープを。
リナ以外の全員が顔をしかめつつ飲み干し。
そして、次の日。
宿にとまったリナ達一行。


「・・・・えっと、この辺りにいる盗賊がこれくらいだからv僕達で盗賊退治をしようねv」
そういってにっこりと微笑むカウのその台詞に。
「・・・・え?リナお母様は?」
いつもリナと一緒に盗賊いじめをしているのでそう質問しているエリー。
「今母様、父様にあの一件説得してもらってるから。・・うーん、大体10日以上・・・かからないと説得無理かも・・・」
まあ、短くてもいつもそれくらいだし。いつも。
などと思っているリナスに。
「エリー?気にしたらだめだよ?もし父様が母様の説得・・失敗したら?
  ・・・母様のことだから・・毎日・・・食事にピーマンでるよ?永久に・・・」
ぽんとエリーの肩に手を置いて真剣な表情でいっているカウ。
「・・・う・・・それは・・いやかも・・・。そーだね。たまには父様と母様、二人っきりにさせてあげてもいいわよねv」
「そうそうv」
言い換えれば、リナは生贄・・ともいえるのかもしれないわね(笑)
ま、あたしはリナが幸せならそれでいいけど。
・・・・でも何か理不尽なのよねぇ・・・。
ちょっと後でどこかのところにでもいってこの怒りを解消しておきましょうv

そのまま、リナスたち三人は、この辺り一体の盗賊を壊滅しつつ。
ガウリイがリナをどうにか説得するのを待ちわびて。

そんなこんなで数週間後。
結局、リナ、ガウリイに折れていたりするけど。
ま・・・当然でしょうね・・・リナ、ガウリイにはかなり甘いからねぇ・・・・。

そんなのんびりとした日常をすごしつつ。
リナ達の進路はすでに今は船の中。


「これが到着したそこが沿岸諸国かぁ。」
リナのそのつぶやきに。
「あ、リナ母様?それからどうするの?私としてはアメリアさん達に報告しておいたほうがいいと思うけど?」
にっこりというリナスのその言葉に。
「・・・・う・・・(汗)まあ、それはおいおいと・・・。って・・リナス?あんたアメリア達・・・知ってるの?」
ふと、リナスに聞いているリナ。
「ええまあ。」
そっか。
よく考えたらこの子・・・未来の・・その・・あたしの子供っていってたし・・。
知っててもおかしくないか・・・・。
一人納得しているリナだけど。
まあ、確かにそれもあるんだけどねぇ。
「・・とりあえず先に姉ちゃんに報告に戻らないと・・・・。後で何いわれるか・・・・(汗)」
ぶるり。
そういいつつ身震いしているリナ。
まあ、まだリナ・・力はその内部にもどったのもも・・・覚醒はしてないからねぇ。
リナとして・・・リロード=ナファレス=ドナ=ナイトメアとして。
リナ=インバースとしてはルナ=インバースに恐怖というか恐れというか畏怖を抱いているしね。
幼いころのトラウマと絶対に勝てない・・というその思いから。
まあ・・ルナもかなり、リナが自害なんかをしでかさないように。
・・・・しっかりと鍛えていたからねぇ・・・うんうん。
「じゃ、ルナ叔母さんに報告したら僕達も会える?
  そのリナ母様の正義の仲良し四人組の一人だというアメリアさんに?」
ずるっ!
その言葉に思わず床にこけそうになるリナ。
「・・・・えっと・・・カウ兄様?・・ルナさんのこと・・間違っても【叔母さん】何ていわないほーが身のためよ?(汗)」
完全に力を使いこなせて、リミッターが外れた状態ならばいざ知らず。
一応、今の二人の体は人間のその器に他ならず。
その辺りの器の関係もあり、今のままでは・・体力的にルナにはかなわない。
それを知っているリナス。
一応自分がカウたちの実の妹だともう公表したリナスは、それ以後。
いつも・・未来で二人を呼ぶ呼び方に戻していたりするけども。
「そうよ!カウ!間違っても姉ちゃんをそんな呼び方しないでぇ!ころされるぅ!」
本気でわめいているリナをみて。
『・・・・いったいどんな・・リナお母様のお姉さんって人は・・人物なの?(汗)』
エリーとカウが二人して同時に冷や汗かきつつ言っていたりするけど。
・・・ま、会えばわかるわよ。姉様達。」
私は生まれたときからすでにもう、深淵なる真の王の子供として誕生してたから。
ルナさんにはそんな畏れとか別にないけどね。
などと思っているリナス。
やがてリナはひとしきりわめいた後に。
「・・・ん?そーいや、カウ?・・・誰から聞いたのよ?それ?正義の・・何とかって?」
きょとんとするリナに。
「え?!もしかしてリナ母様しらなかったの!?あれほど世界各地でベストセラーとして売られているこの本を!?」
そういいつつ、一つの本を取り出していっていたりするカウ。

そこには、
【著者 セイルーン王家 監修セイルーン王家 】
そう裏表紙に表記されている。
題名は。
【世界を元の姿に戻せし魔を滅する者達(デモンスレイヤー)と正義の仲間達】
【取材協力:竜達の峰長老・エルフ・ディルス王国等】
そう書かれている一つの・・いや、数冊の本が。
カウが持っている水晶の荷物の中から出てきたりする。

「かしなさい!」
ぱらばらばら。
それをメクって、わなわなとリナの体が震えだし。
「あ・・・アメリアはぁぁぁ!何を考えているのよぉぉぉ!!」
リナの絶叫が。
船室にと響き渡ってゆく。

ちなみに。
ゼルガディス達の意見や、ミルガズィアの意見を元に構成されているそれは。
結構今や・・・いや、出版されてから数日もたたないうちに世界各地で、ベストセラーになっているんだけど。
リナ・・かなり傷心してたから・・・周りのことに目がむいてなかったのよねぇ。
・・・でも、今の今まで気付かなかったリナもリナらしいわよねv


「・・・・・・これにかかわったやつら・・・殺すぅぅぅ!」
じたばたし始めるリナに。
「だぁぁぁ!おちつけ!リナ!」
そんな今にも暴れて呪文を放とうとするリナを押し留めているガウリイ。

港はもうすぐvv


じたばたと今にも制裁にいきそうなリナを何とか押し留めているうちに。
「うーん、いい風だよね?」
「というか・・・僕達今日・・何処で寝る?」
「あ!甲板でねるとか!星空綺麗だし!」
おそらくは今日は部屋に戻っても。
間違いなく今戻ったら・・・どういう常態になっているのか。
リナスとカウは理解している。
「どうして部屋で寝ないの?」
そんな会話をしている兄と妹・・・といわれてもまだよくびんとこないが。
エリーにとっては・・リナスはやはり姉であり・・未来の妹・・といわれても・・・の状態だったりするようだけど。
そんな二人に聞いているエリー。
「うーん・・・・。きにしないように!」
説明を省いているリナスに。
「それに、ほら?エリー?星空綺麗だよ?」
「うわぁぁぁ!本当だ!」
雲ひとつない空には無数の煌きが瞬き。
それはまるで宝石箱のよう。
などと思ってその星空を見入っているエリー。
完全に話しをはぐらかされたことにすら気づいてないこの鈍さは。
エリーはこの辺りもまた・・リナ譲りだし・・・・。

結局エリーの質問はうやむやのまま。
その日は甲板で寝ることに決定しているリナス、カウ、エリーのこの三人。

リナとガウリイはというと・・・・。
あ、やっぱり(笑)ま、仲がいいのはいいことよねvうん。

港に着くのは二日後の昼ごろ・・・・

結局夜風が気持ちいいという理由でそのまま。
残りの日も甲板にて夜を過ごしていたりするリナスたちだけど。
何はともあれ。
二日ぶりに元結界内部に戻ったリナは。
久しぶりに感じる日の光を浴びて目を細めていたりする。
結局あのまま、ガウリイに掴まってたからねぇ。リナは(笑)
「・・・・二十年ぶり・・・・か。」
かつて、リナが以前津波でちょつぴし破壊してしまったその町は。
今ではもう活気を取り戻していたりする。

「へえ、ここがリナ母様達が育った元結界内部かぁ。」
そう感心の声をだしているカウをみてとり。
・・・・そういえばこの子達・・・この地につれてきたこと・・なかったわね・・・・・。
ふとそんなことを思っているリナ。
「ここの名物はアカッシとイルマートにある死の入り江が有名よv」
何気にエリーとカウに説明しているリナスのその言葉に。
「だぁぁぁ!リナス!いらないことを二人に教えるんじゃないぃ!」
そう叫んでいるリナに。
「そういえばリナが以前、俺と出会う前と出会ってから二度とも。ギガ何とかを唱えて死の入り江にしたんだっけな?」
さらっといっているガウリイ。
本当ならばきちんと術の名前もいえるのだけど。
わざとぼけているのはリナの突っ込みが欲しいからだったりするこのガウリイ。
すぱぁぁぁあん!
「変な詳しい説明のしかたをするなぁぁぁあ!」
そういいつつ、ガウリイをはりせんではたくリナをみつつ。
「・・・・母さま・・・一体何やったの?(汗)」
「きにしないように!エリー!カウ!」
にっこりと二人の肩に手をおいて絶対零度の笑みを浮かべているリナ。

何はともあれ。
リナ達は二十年ぶりに元結界の中にあった大陸にと戻ってきていたりする。
向かうは・・ゼフィーリア。


・・・・予定では・・・・・二年先・・・・か。
あいつが目覚めるのは・・・・・。
そんなことをあたしはおもいつつ・・・・・。


                                -続くー

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まえがき:
・・・やっぱり私のパソコンは猫が守っているのでせうか?(汗)
猫がパソの上にいないと・・・なぜかネット・・おちるし・・・しくしくしく・・・。
ああ、世の中は不思議に満ちている・・・・。
何はともあれ。
頑張ってこれをいくぞ!おー!!(まてこら!)


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あとがきもどき:
薫:・・・・・今回はエル様視点v(まて!)
  エル様・・・・一応リナ達・・・見守ってます。ええ。
  だってエル様にとってのここでのリナは。妹として創り出している存在ですし。
  ・・・さって、次回でゼフィーリアvんで結婚式だv
  ・・・・・・・うし、アザチェス登場まで・・・あと少し・・・・
  (一体何人がこいつのことを覚えているのか?爆!)
  ではではvv

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