闇の行方  第29話


こほん。
「母様?父様?いい加減に離れたら?」
ふと、冷めたようなそれでいて暖かいような台詞で。
思わずはっとなる。
みれば。
自分達をにこにこと微笑みながら見ている二人の子供達。
そのにこにこと微笑む姿をみて。
おもわずはっと正気にに戻る。
かぁぁぁ!///
真っ赤になる自分に気付く。
「が・・ガウ・・//」
まっかになりつつ、しっかりと抱きしめられているその手を。
振りほどこうとしても、効果はなく。
見上げればにこにこと微笑んでいるガウリイの笑顔が。

・・・ずっと、この笑顔に逢いたかった。

「・・リナ、逃げようとするなよな?」
「・・・・うっ///」
耳元でそうささやかれつつ、首筋にガウリイの息がかかる。

その感触がくすぐったい。
「それはそうとv母様v僕達に紹介してよね?」
にっこりと微笑みつつ、ガウリイにしっかりと抱きしめられている格好の、母であるリナに微笑みつついっているカウリイ。
「え・・・えっと・・その・・・。こいつは・・ガウリイっていって・・その・・・。
   ・・・あんたたちの・・その・・・お・・おとうさん・・よ//」
その言葉を紡ぎだすだけで真っ赤になる。
はっきりいって恥ずかしいことこのうえない。
そんなリナの様子をみて。
・・・・リナ、変わらないなぁ♡
とろけそうになるほどに微笑んでいるガウリイ。
ちなみに。
未だにしっかりとリナの背中と腰に手をまわし。
リナをしっかりと抱きしめたままではあるが。
「りぃなvオレにも紹介してくれよな?この子達のこと♡」
その言葉に。
「・・・えっと・・その・・あの・・・・////」
何といっていいものか。
・・・まさか、ガウリイと離れたから・・。
こいつを忘れたくないから。
・・・・同じような名前・・カウリイとつけたなんて・・。
話したくないし・・恥ずかしいし///
などとおもい、戸惑うリナであるが。
「とりあえず、はじめまして、父様。僕、カウリイっていいますv」
にこやかに笑みを浮かべる。
ガウリイそっくりの男の子に。
「はじめまして!父様!あえてうれしいです!私はエリアンヌっていいます!エリーってよんでください!」
ずっと会いたかった。
自分達の父親。
その父親が・・今目の前にいる。
そういってリナの紹介より早く。
ガウリイに自己紹介をしている二人の子供達。
「そっかぁ。」
カウリイという言葉でぴんとくる。
つまり・・・リナは。
自分と同じ名前を・・息子につけたのだということに。
くす。
「かわいいなぁ♡リナは♡」
そういいつつ、リナの頭に軽く口づけするガウリイに。
「・・やぁん///」
真っ赤になって多少からだをぴくりとさせているリナ。
こんな母の姿をみるのは始めてで。
戸惑うこともあるにしろ。
だけども、母が嫌がってないどころか。
その表情からかなり喜んでいるのも見てとれる。
そんなリナを名残惜しそうにそっと放し。
「そっか、エリーとカウか。」
そういいつつ。
ひょいと。
傍らにいるエリーを抱き上げるガウリイ。
「うーん、リナにそっくりだな♡」
いきなり抱きかかえられて少し驚くが。
「わぁぃ!父様!!会いたかった!」
そのまま、首筋に手をまわして喜ぶエリー。
「あ!エリーばっかりずるい!父様!僕も!」
そんなエリーをうらやましそうにみていっているカウ。
無邪気な二人の様子に。
思わず笑みがこぼれるリナであるが。
「エリー姉様もカウ兄様もずっと、父様にあいたかったんだよ?リナ姉様?」
そんなはじめての親子の対面をしているガウリイ達をみて。
笑みを浮かべるリナに。
さらりと釘をさしているリナス。
そのことばにはっとなる。
・・・自分が。
ガウリイの側から離れていたばっかりに。
・・・・不可抗力とはいえ。
この子達に・・父親がいなかったのは・・・事実。
罪悪感にも捉われるが。
だが・・あのときはほかにどうしようもなかった。
愛しているから・・・いるからこそ。
・・自分のせいで・・傷つくガウリイを・・見たくなかったリナ。

目の前では。
ガウリイに交互に高く持ち上げられ。
まるで小さい子供に親がよくやるような。
そんなほのぼのとした光景が繰り広げられていたりするが。

あの子達も・・父親に甘えたかったんだ・・・。
こんなに生き生きしている子供達の表情をみるのは。
リナははじめてのような気がする。
そんなことをぼんやりとリナはおもいつつ。

ただ、ぼんやりとそんなガウリイ達の様子を眺めてゆく。



年月は実際には二十年経過している。
そうは頭ではわかっていても。
ガウリイの中では。
リナと別れて・・あまり年月はたっていなく感じているのもまた事実。
何しろ、リナの手がかりを捜してゼフィーリアに出向き。
そのまま。
とある宮殿につれていかれて。
ついこの間までそこにいたガウリイである。
肉体における時間は。
はっきりいってすぎてはいない。
その間。
何でも本質からの改造とかいうやつをしている間。
その精神は、ずっとまあ、確かにすごい美人としかいいようのない絶世の金色の光を纏った女性に。
リナを守る・・という目的で特訓させられていたののも・・・また事実。
初めてみる子供達は。
ガウリイとリナにそっくりで。
思わず顔が綻んでしまう。
あの、たった一回。
・・・ガウリイにしてみればそうらしい・・・・。
それでリナに子供ができていた。
というのも喜ばしいことこの上ないが。
だがしかし。
子供達の側にいてやれなかったのもまた事実。
そんなことをおもいつつ。
交互に子供達を抱きかかえてゆくガウリイ。

「とりあえず、いつまでもここで立ち話もなんだし?近くにある宿にでもいかない?ガウリイ父様?リナ母様?」
こほんと咳払い一つして。
そう提案してくるリナスのその言葉に。
「・・・あ・・うん。・・・って、リナス?そーいや、何でガウリイのこと・・。父様って呼んでるの?」
ふと、その言葉に我にもどったリナが。
今さらながらにその言葉に気付く。
・・・・そーいえば。
リナスあたしのこともその・・・母ってよんでなかった?
首をかしげるそんなリナに。
にっこりと笑って。
「そういえば、リナ姉様・・ううん、リナ母様に正式に自己紹介してなかったっけ?」
そういいつつ、その場に服のハシをつかみかしこづくリナス。
「今さらですけど、自己紹介をさせていただきます。私は・・リナス。リナスレイヤー=ラナ=ガブリエフ。
・・・リナ母様とガウリイ父様の二番目の娘です♡母様達を助けるために未来からきました♡」
・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・はひ?」
その言葉に思わず目を見開くリナであるが。
一瞬何をリナスがいっているのか理解できてない。
という事実もあるのだが。

「・・あ、やっぱり、そうじゃないかと思ったんだ。僕。」
「えー?じゃ、リナス姉様が実は姉様でなくて私達の妹なんだぁ。」
あっさりと認めているカウとエリー。

何となくだが確信はなかっただけ。
リナスが未来から来ている・・ということは。
目をまるくしているそんなリナに。

「実は私のいる時代で、母様達が消えかけてて・・。で、エリー姉様達にいわれてこの時代に♡」
にこやかにそういいつつ。
「つまり、私はリナ母様とガウリイ父様の間に生まれる。これからの娘なんです♡あ、ルナさんも当然しってますよ♡」
にこやかに爆弾発言をしているそんなリナスの言葉に。

しばらく・・・リナの思考は完全にと停止した。

そして。
しばらくの沈黙の後。

「え・・・・ええええええええええええ!!!!!!!!!?」

リナのものすごい叫びが。
澄み渡る青空にと広がってゆくのであった・・・・。



「さって、僕達はどうする?」
「うーん、何しよ?」
リナスが実は、自分の娘・・であったという驚愕の事実をしらされて。
混乱するリナを抱きかかえ。
そのまま近くにある宿屋にと向かっているリナ達一行。

ちなみに。
二十年ぶりの夫婦の再会なんだから。
という何とも気のきくカウのその言葉で。
リナとガウリイ。
リナス、エリー、カウリイ、この三人で。
二部屋別々にとっていたりする。
ここは、さすがに観光名所ということもあり。
各部屋にバス&トイレは完備され。
しかも結構風呂は広い。
地熱を利用した、発電。
とかいうリナ達が住んでいた地域ではあまり発達してない、いわゆる科学というものを使っているのではあるが。
この辺りは島の裏手。
ということもあり。
泊り客はリナ達の親子だけ。
部屋に入っている両親のいるはずの部屋から、
絶え間なく何やら声がたまぁぁぁに風にのって聞こえてきていたりするが。

「うーん、とりあえず、折角だしvこの辺りにいる海賊いびりにでもでかけない?」
にっこりと当然のことごとくそう提案してくるリナスに。
「あ、それたのしそーvでも、父様と母様に断らなくても・・いいのかな?」
そういいつつ、ちらりとリナ達がいる部屋の方の壁をみているエリー。


『・・・ああああっ!ガウ・・リっ!』
『リナ・・・・。』

何やらそんな響くような声が・・。
どうやら風呂で何やら話しているのかな?
とエリーは思い。
カウとリナスに到っては。
・・・はっきりいって、想像がついていたりする。
・・・両親が風呂場で何をしているのかが。
「・・・ええと、多分言わなくても大丈夫とおもうょ?
   私のいた時代。大概父様、母様を早くても十日は手放さないし。」
さらりと爆弾発言しているリナスに。
「・・・・以前母様から聞いたことあるけど・・。何でも始めてのときも15日連続だったっていってたし・・・。」
お酒によったリナがついつい口を滑らせたその事実なのであるが。
「????」
よく意味ができてないエリーは。
ただただ首をかしげるのみ。

エリアンヌ=エルメス=ド=ガブリエフ。
その容姿だけではなく・・。
その手のことに関する・・性格まで。
母であるリナにそっくり受け継いでいるのである。


「でも、海賊なんて、何かたのしそう!それいこ!」
「確かに。海賊いじめかぁ♡楽しそうだしv母様達には手紙でもドアにはさんでおけばいっかv」
あっさりと。
だがしかし。
海賊いじめ・・もとい、退治という魅力には勝てなかったらしく。
・・・・とりあえず、置手紙を両親が泊まっている部屋の扉の下にと挟んでおいて。


もう次の日の朝になるというのに。
一向に出てきそうにないリナとガウリイの部屋に手紙を挟み。
外にでてゆくリナス、エリー、カウリイのこの三人。

リナスが未来から来ている。
ということには驚いたものの。
だがそれでも。
性格、意見など、完全にうち溶け合っていたこともあり。
あっさりと納得しているエリーとカウ。
この辺りのさっぱりしたところというか柔軟な思考は。
やはりリナとガウリイの二人の子供達だけのことはある。


「海賊だぁぁ!」
この辺り。
確かにリゾート地などでも有名ではあるが。
そのために。
まず海で魔物などに襲われる心配など皆無であった、ここ。
地竜王の庇護下にあるこの地。
それゆえに、こういった海を根城にする海賊なども。
多発しているのもまた事実。
今日もまた。
海上に。
一つの船団より悲鳴があがりゆく。

「んっふふ!海賊発見!」
空をとびつつ探索していたリナスたちが。
海賊に襲われている船団を見つけたのは。
宿からでて数十分もかかっていないまさにそんなとき。

カンキンキン!
剣の交じり合う音と。
悲鳴が響き渡っているそんな中。
「おとなしくこの船をあけわたせぃ!」
などといいつつ、剣を振り上げている黒く太陽でやけて、脂ぎった四肢をしている男性が。
そこにうづくまっている子供を守るようにしてすくんでいる親子に剣を振り下ろそうとしたその刹那。
ドォォン!
間違えのない。
何らかの爆発の音が。
そんな彼を吹き飛ばしてゆくのであった。

リナス達の海賊いじめ・・もとい。
海賊退治は。
・・・これより、数週間に及んでゆくこととなる・・・・。



目にはいったのは。
無防備な客船を狙っている海賊船のその姿。
「・・・・ユーリ兄様!」
そういって。
目をぎらぎらと怒りに震わせているエリー。
エリーがこう、ミドルネームでカウのことを呼ぶときは。
かなり怒っているか、または機嫌のいいときに他ならない。
視線をむければ。
今にもそこにいる親子連れを殺そうとしている海賊の姿が。
「・・・・・悪人って、救いようがないよね。」
そういって、呪文を唱えようとするカウであるが。
カウが気付くよりも早く。

エリーがその手に船には燃え移らないようにアレンジした、ファイアーボールを気付いたら叩きつけている光景が。
海賊船に襲われている船がいる海上のうえにて。
みうけられているのであった。

エリーは、いや、エリアンヌは。
家族などに害を及ぼそうとする人物には、はっきりいって容赦はしない。

それは。
自分が生まれたときから側に両親・・父がいなかった。
ということにも起因しているのであった・・・・。

                      -続くー

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まえがき:
んっふふふふ!
祝!ようやく欝の回を脱出したよぉぉお!
くぅ・・・長かった(欝になるからと打ち込まなかった証拠ですな・・・笑)
(打ち込みしないといつまでたっても終るわけはない・・・爆!)
何はともあれv無事に再会したリナとガウリイv
しばらくは二人のラブラブと振り回される?(笑)子供達にお付き合いくださいなv
・・・そーして結婚式ののちにアザチェスだよ・・・おい(こらまて!)
ではではv

・・・それはそうと。
どうしてうちの父親は・・・仕事に出るときに玄関を全開にして、でているのよぉぉ!
まぁぁぁた猫がでたじゃないかぁぁあ!(しくしくしく・・・・。)
などとぼやいている2003年の6月14日・・・某日・・・・。
・・・とかいってたら。いつの間にか次の日にぃ・・あはははは(まてこら!)
この気まぐれ・・どうにかならないかな?(笑)

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あとがきもどき:
薫:とりあえず。最近前説明が長いよーだし。振り分けること決定v(こらまて・・・)
  ・・・うーん。一人称とかは楽なんだけど・・。
  全員の視点を描く客観的視点は・・むずかしひ・・・。
  まだまだ向上せなければな。うん(汗)
  ではでは・・・またv


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