闇の行方  第28話



<ギャラクシーバレス>


「ほっ・・・。」
どうにか、間に合った・・・。
ほっと、深淵の空間で、息をついている紫がかった、蒼い髪の女性。
『・・そうね・・。一時は・・どうなるかと・・思ったわ・・。』 
姿はないが、響いてくる声。
もし、あのまま、リナが自害してたら・・・。
確実に。
最悪のピジョンに・・・。
この世界は・・瞬くまに消滅していた・・・。
『あとは、リナとガウリイしだいよ。』
「・・とりあえず、第一の関門は・・突破ですね・・。」
よかった。
一番、心配なのが、このときだった。
ガウリイがリナ様の子供をみたとき。
自分の子供と、気づかずに・・。
自分は・・必要とされていない。
と、勘違いしてしまうことが。
彼の性格からすると、そのまま、消滅を選んでしまう、
そして・・リナ様は・・それに・・自分がゆるせなく・・・耐えられない・・。
『そうね。・・・・後は、まあ、数年後のことだけどね・・。』
「・・・・アザチェス・・ですか・・・。」
『そう。確実に、今のリナの波動で・・目覚めたわよ・・・。』
「・・・・リナ様・・・・。」
まだ、リナは意識を閉ざしたままである。
ガウリイの方は、さきほどの、リナ様の本名で、すべてを・・思い出しているようだけど。
仮の存在となっている彼で・・リナ様を本気のアザチェスから、守りきれるかどうか・・。
ルナは不安になる。
『まあ・・・そのときにならないと・・・。・・こればっかりは・・・ね。』
まあ、あっちのピジョンは、そう悪いのが起らないから・・。
さして、大丈夫だとは・・思うけど・・ね。
それでも、リナが心配なエル。
「とりあえずは・・・。」
『・・そーね・・・・。部下S・・どつきにいくわよ・・。』
「・・・当然です!!」
ゆらり。
そのまま、ルナの姿は、かき消えた。


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


 <リナスサイド>


―――――どかっ!!!!

まったく・・・・。
いいかげんにしろぉぉぉぉ!!!!
部下Sの分際で!!
私は、過去だというのに、無償に、腹がたって、思わず、母様の中にいる部下Sに攻撃をぶちかましていた。
だって・・・。
許せないのよぉぉぉぉぉ!!!!
ぜいぜい・・・。
ま、この程度の干渉なら、大丈夫でしょ。
きっと♪


 ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


<リナサイド>


何が起ったのか・・わからなかった・・・。 
あたしに、向けられた、何かの力。
「このくそSぅぅぅぅ!!!!!いいかげんに、リナ母様の中からでなさいぃぃ!!!
  今のあんたには、分離できるだけの力があるでしょうが!」
いつのまにか、あたしの隣に来ているリナス。
何か手を突き出して・・・。

ふと、見ると・・。
黒い髪の六歳程度の、男の子を・・足蹴りしていた。


「この馬鹿が!!あんたのせいで!!」
どがばぎゃ!!
「な゛な゛な゛な゛なぜ、人間が封印といて、我を解放できる!?」
何か、わめいているその少年。
ゆらり。
なぜか、目を据わらせまくって、エリーとカウがリナスの方によってくる。
「・・・・リナス姉様・・あたしも協力するわ・・・。」
「・・・僕も・・・。元はといえば、こいつのせいだ!!!」
どがばぎちぎゃばごっ!!
―……三対一。
―・・・・あれ?
あたしの中の・・・気配が・・ない?
ふと、あたしが気がつくと、
あたしの中にあったはずの、『赤瞳の魔王ルビーアイ
の気配が・・なくなっていた・・・。
変わりに・・感じる別の力。
なつかしく・・そして、暖かく、そして、当たり前のような・・その力・・・。
「・・・リナ・・・お前・・。」
ガウリイが、あたしをしっかりと、抱きしめたまま、いう。
「・・・・魔王が・・いなく・・なっ・・た?」
目を丸くするあたし。
・・・一体、何が?

空気が振動している。
先ほどの、あたしがガウリイを失ったその負の力で。
―〃北の魔王〃が、復活した証に・・・。

「・・・リナ・・・あいつ・・・。」
「・・・みたいね・・・。」
どがばぎゃ!
リナスと、子供達に、足蹴りにされている少年。
それからは・・・・。
魔王の気配。
そのものが、発せられていた。
んっふふふふ・・・・。
そういうこと・・・・。
「いい根性してるじゃないのよ!!よりによって、母様と、父様利用して、復活しようとするなんて!!」
リナスが何やらいいながら、それに、向かって、何か攻撃しているが。
・・ん?
「お前のせいで、僕らは、父様と、今まで、一緒にいられなかったんだぞ!」
カウリイが、ラティルトなんかをかましていたりするけども。
「母様を苦しめた罰!!」
エリアンヌは、いつ、覚えたのか、ラグナブレードで切り刻んでいる。
どがばぎゃ!!
どすざすぐしゃ!
ざすずしゃ!!

んっふふふ・・なるほど・・そういうことね・・・。
「んっふふふふふ・・・。あたしも参加するわ・・よっくも、今まで、あたしを振り回してくれたわねぇ~・・。」
「オレも・・よくも、今まで、リナを苦しめてくれたな・・。」
あたしとガウリイの瞳に殺気が宿る。
「ぼ・・暴力反対!!」
『五月蝿い!!!!魔王(のくせに)何をいう!!!』
あたし達家族と、リナスの声が、きっちしと重なる。

そう。
こいつは、どうやったのかは、知らないが。
どうやら、今まで、あたしの中にいて、さんざん、あたしをくるしめていた、その現況たる魔王らしい。
多分、リナスが何かやって、分離に成功したのだろう。
これは・・。
しっかりと、お礼をしておかないとねぇ・・♡

どがぎぴぱぎごけめぎゃ!!

かくして、あたしと、ガウリイ。
エリー(エリアンヌ)とカウ(カウリイ)、そして、リナス。
この五人による、赤瞳の魔王ルビーアイシャブラニグドゥの、7/1の、蛸殴り&呪文攻撃&精神攻撃が開始された。

ぜいぜい・・・。
元はと、いえば、すべてこいつのせいだ!!!!!
あたしがあんなに苦しんだのも!!!!!!!!


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆

  <エリー&カウリイサイド・・客観的部分>


初めてみる父であるであろう。
その男性は。
本当にカウリイにそっくりで。
そして・・また。
母がガウリイが死に掛けているのをみて壊れそうになったのを目の当たりにし。
それでなくても、どうして自分達が父親と暮らせないのか。
常々思っていたそのこと。
その原因が・・・・。
どうやったのかは分からない。
いや、何となくだが分かる。

・・ガウリイが助かったその一瞬。
表・・つまりは、身を潜めていたリナのそこから。
つまりは、身を潜めていた・・リナの奥底にあたる部分から。
出てきたそれを。
力】を使って、どうやら押し出した・・ということは。

だがしかし。
その押し出された魔王を見ると。
ふつふつと怒りが湧き出てくる。
・・・・こいつのせいで。
自分達は、両親と今まで過ごせなかったのだ・・と。
そして・・。
いつも・・リナを泣かしていた・・・その原因。
その原因が・・・今。
リナスの手によって外にはじき出されている。
そのまま、顔を見合わせて。
こくりとうなづくエリーとカウ。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「この馬鹿が!!あんたのせいで!!」
どがばぎゃ!!
そういいつつ、少年を足蹴りにしているリナス。
「な゛な゛な゛な゛なぜ、人間が封印といて、我を解放できる!?」
普通ならありえないこと。
だがしかし。
目の前にいる少女は。
もう少しでその精神と体を乗っ取ることに成功しかけていた、リナ=インバースのその体から。
確かに自分をはじき出したのは・・・紛れもない事実。
その驚愕の事実に驚いているのは。
少年の姿をしていようとも、一応、この世界の魔王、シャブラニグドゥ。
その欠片の7/1。

思わず顔を見合わせる。
この・・・こいつのせいで。
自分達が・・・・両親と過ごせなかったのだということと。
そしてまた。
母がないていた・・・原因の・・・・はっきりいって。
その要因。
魔王である少年を足蹴りにしているリナスを見据え。
そのまま、にっこりと絶対零度の笑みを。
エリーもカウリイもその顔にと浮かべ。
「・・・・リナス姉様・・あたしも協力するわ・・・。」
「・・・僕も・・・。元はといえば、こいつのせいだ!!!」
そういいつつ。
足蹴りにしたり、ロッドを取り出して、ぼろぼろに叩いていたり、術をかましていたりするリナスに。
続いている子供達二人の姿が。
どがばぎちぎゃばごっ!!

しばらくガウリイに抱きしめられたまま。
何が起こったのか理解ができずに。
そのままガウリイにしっかりと抱きしめられた格好になったままのリナ。
その視線の先では・・。

リナス、カウリイ、エリアンヌ。
その三人が・・・黒い髪で六歳程度の男の子。
そんな子供に攻撃などを仕掛けていたりする。
しばらくそんな様子を呆気にとられてみつつ。
やがて。
ゆっくりとリナの思考が回りだす。

「・・・リナ・・・あいつ・・・。」
ガウリイもそのことに気付いていたりするが。
それよりも。
そこにいる、子供達・・・ユーリとエリー。
この二人は・・・分かる。
分かるが・・・・。
・・・・どうして三人目の自分とリナの子供らしき気配をしている娘が。
そこにいるのであろうか?
何かオーラもこの時代とは違うような気もするし。
などと思っているガウリイ。
「・・・みたいね・・・。」
リナはそのことには気付いてないが。
だがしかし。
リナスたちがズタボロにしている少年の気配は・・嫌でもわかる。

・・・この二十年。
自分を・・苦しめていた・・・・・そもそもの原因。

どうして自分の外にはじき出されたのかは分からない。
おそらくはリナスが何かやったのであろう。
そう脳で判断するとともに。
だんだんと怒りがこみ上げてくるリナ。
さもあらん。
・・・・魔王が体の・・魂の中にいたがために。
リナは・・・・離れたくもない大切な人の側から離れる決意をしたのだから。


「いい根性してるじゃないのよ!!よりによって、母様と、父様利用して、復活しようとするなんて!!」
・・・・は?
今・・・リナス・・何ていった?
まあエリー達の父親だけど、確かにガウリイは。
などと思いつつ、そういっているリナスのその台詞を違う意味で捉えているリナに。
・・やっぱり・・もしかして・・。
ある可能性に完全にと気付いているガウリイ。

「お前のせいで、僕らは、父様と、今まで、一緒にいられなかったんだぞ!」
そういいつつ、ラティルト、しかもリナスの力によって。
どういうわけか混沌の力が上乗せされているそれを。
魔王に数発叩きつけているカウリイに。
「母様を苦しめた罰!!」
リナスよりリナに隠れて教えてもらっていた、呪文。
闇の刃で切り刻んでいるエリアンヌ。

どがばぎゃ!!
どすざすぐしゃ!
ざすずしゃ!!


辺りに声にならない魔王の悲鳴と。
そして。

術が炸裂する音と。
何かを切り刻む音が鳴り響く。


「んっふふふふふ・・・。あたしも参加するわ・・よっくも、今まで、あたしを振り回してくれたわねぇ~・・」
ようやく思考が回転を始め。
・・まず、リナの脳裏に浮かんだのは。
今までの借りを返す!
という当然の内容。
「オレも・・よくも、今まで、リナを苦しめてくれたな・・。」
ガウリイはガウリイで。
リナを苦しめたんだ・・素直には滅ぼさない・・・。
などとおもいつつ、思いっきり精神世界面からも殺気を放っていたりする。
・・・リナはまったくそれには気付いてないが。
「ぼ・・暴力反対!!」
『五月蝿い!!!!魔王(のくせに)何をいう!!!』

どがぎぴぱぎごけめぎゃ!!

リナ達家族・・プラス未来から来ている未来の家族を含めた。
ガブリエフ一族の攻撃というかお仕置きというか制裁は、夜を徹して行われてゆくのであった・・・・。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆


「ふうvすっきりv」
「とりあえず、これ、どうする?」
すでに精神世界面より実体化する能力すらもなくしているが。
だがそれは。
無理やりに精神世界面よりひこずりだされ。
すでにぼろきれのような状態になっているそれ。
「とりあえず、多分ルナさんもお仕置きしたいだろうから。そっちに送りましょ?・・・えと、リナ姉様達もそれでいい?」
というか。
・・・・・エル母様達もやりたいだろうし。
などと思っているリナスの心情は、リナ達は知らない。
結構すっきりした表情のカウリイにそんなことをいっているエリー。
そして、そんな二人に意見を出しているリナス。

・・・・うっ!
「そ・・・そーいや・・・あたし・・姉ちゃんに・・まったく・・あれから・・・。報告もしてないぃぃ!?(絶叫!)」
その言葉に。
ようやく。
今の今更。
・・・・この二十年。
まったく連絡を取ってなかったことに気付いて。
顔色をさっと悪くしているリナ。
今までは・・・自分の中にいる魔王のことで。
頭が一杯であったが。
・・・よくよく考えてみるとる
・・・・自分は一方的に、ガウリイから離れたわけで・・・。
・・・しかも・・・。
・・・・・姉ちゃんは・・・あたしが妊娠していたことも・・・・。
知っていてリナスをよこしたわけで・・。
あわわわわ・・・・・(滝汗)

みるまに。
そのことに思い当たり、全身の色が真っ白と成り果ててゆくリナであるが。

「リナ?所で、リナ?ちゃんとオレを紹介してくれよな♡この子達、オレの子だろ?」
そういいつつ。
ちゃっかりと肩を抱き寄せて軽くそんなリナの額にキスをして。
リナの目の前でにっこりと微笑むガウリイ。
その言葉に。
ようやく気絶しそうになるその意識を保つリナ。
「え・・・えと・・その・・・。・・・あんた以外の子って・・思わないなわけ?」
思わずふとした疑問がリナの口からこぼれ出る。
確かにガウリイの子供ではあるが。
ガウリイと・・一緒にいたのは。
・・・・もう二十年も前のこと。
・・・だけど、この子達は・・・まだ六歳程度・・。
そんなリナのかすれるような台詞をきき。
クスリと笑って。
「・・・・リナがオレ以外に心を許すわけないっていうのは。さっきのことでも十分♡にわかったしな♡」
そういって、軽くキス。

・・・・ボン!

その台詞と。
 いきなりキスされたことで。
真っ赤になって硬直しているリナ。

そんなリナをみつつ。
「うーん、やっぱり両親がそろって仲がいいのが一番よねvユーリv」
「そうだよねvエリーv」
などと言いながら、そんな両親二人をしばらくからかう子供達二人の姿が。
白い砂浜の上で。
・・・・・数時間の間見受けられてゆくのであった。


・・・・数時間も一体、何をしていたのかというと・・・・。
・・・・ガウリイがリナを開放しなかったのではあるが。


  ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆



・・・・・もう、手放さない。
・・・・・・・・・・もう、離れない・・・離れたく・・・ない。

そう思いつつ。
互いに子供達の前だというのに。

その存在すら忘れ。

数時間の間。
二人の世界にどっぷりと入り込んでいるリナとガウリイであった。


                -続くー

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まえがき:
ルー・・・・・。
続きを書いてたレポート用紙が見つからずに。とほーにくれてる今現在・・・。
しくしくしく・・・・・。
この山とある本の中の何処にまぎれたぁぁ!?(こらまて!)
しくしくしく・・・・・。
ま、何はともあれ。編集・・・する気なんて・・・なかったのに。
何編集してるんですかねぇ?私は(まてこら!)
・・・・ま、いっか。見つからなくても内容はわかってルンだし。
たとえ以前に書いた表現と変わろうが、基本は変わらないだろうし(おひ・・)
だけどもよーやく欝脱出の回に♡
ルンルンルンvv


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あとがきもどき:
薫:・・・・・ふうvこれでいろいろ視点はよーやくおしまいv
  ・・・・次回でリナスの正体vリナ、知りますね(笑)
  そーして宿屋v・・・・・リナガウは危険なので・・・。そこはぼかして(おひ)
  (・・・気が向いたら某所に打ち込むかも・・まてまて!)
   そこは子供達がその間何をしていたのかに決定vそれではv

ふっふっふっvこれからはラブラブ一直線なのさv
・・・・さて。次のクライマックスは・・・・アザチェス登場シーンだわな・・・。
あはは・・・・・。
ではでは。もーしばらくお付き合いくださいなのですv
2003年6月13日

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