闇の行方 第22話
「あああ!それは、口にいれたらだめぇ!」
「リナ姉様・・・・そんなに叫んでも無駄だってば・・・。ここは、やっぱり精神に直接にv」
赤ん坊を育てるということは。
一から、その自我というか精神を育てることでもある。
その真っ白いまでの記憶と意識に自我を持たせてゆくのは・・・。
並大抵のことではない。
・・・ま、まあ。
リナのお腹にいた、約三年半の年月で。
基礎はすでにお腹で出来上がっている赤ん坊たちであるが・・・・。
旅をしつつ、二人して。
赤ん坊の世話をしつつ。
二人は旅を続けてゆく・・・・・。
「まあまあ、いいではないですか?お食事でも?」
その言葉に。
「そーね。リナス、泊めてくれるって。んきゃぁvラッキーv」
赤ん坊をつれて。
旅をしていても。
やはり、宿をとるのは必要で。
そして・・先立つものも絶対に必要となってくる。
この地で。
あまり目立たないようにしながら。
依頼をうけつつ、一箇所には長く留まらずに。
そんな旅の最中、受けた依頼。
おりしも、何か近々祭りがあるとか何とかで。
宿はすべてふさがっており。
今日の宿はどうしようかと思っていたその矢先。
ここ、数日という契約で、リナ達に護衛の依頼をしていた依頼人がそんな提案をしてくる。
その台詞に。
リナスは顔をしかめて。
「リナ姉様?やっぱり宿は探しましょうよ・・・。」
子供を産んでから・・いや、それ以上に。
リナはかなり綺麗になっている。
今まで以上に男達が放っておかないほどに。
そして・・・今もまた。
「何いってんのよ!?リナス!無料よ!無料!こんなおいしい話、断るのは正義じゃないわよv」
にっこりと笑い。
ここの町に滞在する間の宿賃が浮いたv
などと一人喜んでいるリナ。
「ええ、この私の食事の相手をしてくれれば。部屋などいくらでも貸してさしあげますよ?何しろ夜は一人で寂しくてねぇ。」
その依頼人の男性のその言葉に。
「・・・?メイドとか使用人とかいるでしょ?」
きょとんとしているリナ。
「いやあ、このたびの祭りで。いろいろと用事があるとかで、飛び回ってまして。
この広い屋敷には、夜は私だけなんですよ。」
にこやかに。
そういいつつ、金の髪をさらりとかきあげる。
「そーなんですか・・・。」
それだけいいつつ。
うーん。
それじゃ、あたし達がここに泊まっても。
誰にも迷惑かけないってことねv
などと思っているリナに。
・・・・ふふ。
どうやら、この人は・・・旦那と生き別れ・・いや、多分死に別れでしょうし。
酔わせて、そのまま・・・・ふふふ・・・。
体がうずいてしかたないでしょうしねぇ。
特に夜は♡
この私がなぐさめてあげますよv
美しい魅力をもったリナさん♡
などと思っているこの町の領主たるこの家の主人。
そのまま。
依頼人の意図も気付かないままに。
無防備に依頼をうけて、そのまま。
・・・夜になると誰もいないという、その家に泊まることを決めていたりするリナ。
・・・・・・ああああああ!
子供を産んでもちっとも!
リナ母様のその手の危険に対する概念は消えてないぃぃい!
・・・一人、絶叫を上げているリナスの心は。
リナには分かるはずもなく・・・・・。
「・・・・さて・・・・いわずと知れた・・夜這いは必要ですよねv」
いそいそと。
深夜。
何を考えているのか、バスローブ一つで。
リナがいる部屋に向かっているその男性。
そして。
リナとリナスは違う部屋にしている。
まあ、赤ん坊は、リナの部屋だが。
それは別に問題ではない。
あの白い肌はどんなに綺麗なことだろう。
どんな声で啼くのだろうと思うと。
思わずこれからが楽しみになってくる。
「・・・・・やっぱし・・・。」
そんなくらい廊下に一人の人影。
そこには、腕をくみ。
・・・確かに、夕食に一服もったはずのリナスの姿が。
・・・・ちなみに、リナにも盛っている。
そのために。
リナはぐっすりと眠っているのであるが・・・。
「・・・そんな格好でどこに行く気ですか?ロード?」
じと目でそういうリナスに。
「い・・いやぁ・・・外の空気を吸おうかと・・。」
「ここ、テラスからは反対ですし?入り口からも反対です。」
さらりといいつつ。
そして。
一体どこから取り出したのか。
後ろからちょっとした大きさのロッドを取り出して。
彼にと突きつける。
「・・・・いっておきますけど?・・・リナ姉様に手出ししようとしたら・・・・。問答無用で・・・・殺しますよ?」
ぞくりとするほどの低い声でそう言い放つ。
こんな子供に威圧されるはずはない。
だがしかし。
その言葉と同時に辺りの空気が凍りつく。
軽く油汗を流しつつ。
「ふ・・・ふん。そんなことしたら・・・貴様らが手配を・・・」
その言葉ににっこりと。
「あvご心配なくvそれは人の記憶をちょこっといじって。
あなたという存在が、始めからいなかったことにすればいいですから♡」
そして、にっこりと。
すっとロッドを左肩にのせるようにして。
「それに♡死体も何ものこらないように綺麗に消して差し上げますからv単なる行方不明で処理されますし♡」
にこやかに、さらりと怖いことを言っているリナス。
「・・・とりあえず、リナ姉様に。邪な思いを抱かないように?矯正処置は・・・必要ですし・・・ね♡」
にこやかにそういい、宣言し。
すっと。
一歩前にでるリナス。
「よ・・・よせ!近づくな・・って・・・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!?」
その周囲に悲鳴が響き渡るが。
リナスはすでに。
この一角を結界で覆い。
声が漏れないようにしていたりする。
まったく。
何を考えているのか。
リナを捜す・・という名目というか。
やっていることは・・かつてと同じ。
「・・・・新、火竜王の名の元に、命じます。・・・父の・・・・彼の行いを正すために。彼を拘束するように。」
『はっ!』
新しく火竜王となっているそんな彼女のその言葉に。
火竜王・・という肩書きに仕えている者達は。
かつての上司を捕まえるために・・・。
一斉にと行動を再開してゆく。
「・・・・・あれ?」
ふと。
いつのまにか眠ってしまったことに気付く。
気付けば・・いつのまにか日は高い。
確か、食事をして・・で。
部屋にもどって授乳をし。
・・・そこからの記憶がない。
「・・・ま、とりあえず、今日から、三日間。
護衛の仕事と、宿もゲットしたしvエリー、カウ?お母さん、がんばるからね?」
きょとんとした瞳で見上げているそんな我が子二人の額に。
そっとキスを落とすリナ。
「・・・・・・あれ?ウェンさんは?」
ふと、食堂に下りると。
そこには依頼主であるウェンの姿が見えない。
そんなリナのその言葉に。
「まだねてたけど?」
「・・・あっそ・・・。」
もう日も高いのに。
ずいぶんとゆっくりなのねぇ。
などとリナは思いつつ・・・・。
朝になりやってきた使用人たちがつくった朝食を食べつつ。
そんなことを思っているリナであった。
残りの欠片の可能性のあるものと。
・・・そして。
世界の脅威になりえる存在は・・・・。
全て排除する!
その彼の勝手な思考のその元に・・・・。
元、火竜王ヴラバザードが狙うのは・・・・。
元、結界中。
・・・・セイルーン王国。
「一体、何が起こっているのですか!?」
空を見上げれば。
無数・・ではないが。
・・・・なぜか、上空で竜達がひしめき合っていたりする。
そんな、セイルーン上空では。
「ヴラバザード殿!?一体、何を考えているんですか!!?」
悲鳴に近い、まだ若い・・といっても。
かるく千年は越えているであろうそんな彼のその言葉に。
「何をいう?不確定要素は取り除くに限るであろう?・・・のう?ミルガズィア殿?」
その言葉にわなわなと震えるミルガズィア。
そして・・・・。
「・・・・まったく、あいかわらずというか・・・。」
そこには。
溜息をついている、一人の小柄な年をとった女性の姿が・・・・。
その姿に。
しばし。
紅い髪に紅い瞳のヴラバザードは凝視し。
「・・・・・・ラグラディア・・・・。」
小さくうめく姿が。
ここ。
ゼフィーリアの上空で。
見受けられてゆくのであった。
まったく・・・・。
何を考えているのか。
もう・・・。
放っておくわけにもいかないであろう。
その身を二つにと分離させ。
・・・・一つは。
ここ、ゼフィーリアに・・・・。
そして・・・・、
もう一つは・・・・リナの方に向かっている彼をみて。
ルナはかなり溜息をつき。
ゼフィーアの首都。
ゼフィール・シティの中から。
すっと、目を細めて。
その方向を見つめ。
「・・・・・・・・もう、これ以上・・・・リナ様に手出しはさせないからね!」
すでに、忠告はしている。
にも関らずに・・・。
リナを襲おうとしている彼を。
・・・・もはや。
ルナは許しておけるはずもなく・・・。
そのまま。
ふいと。
自らの部屋で補佐官としての仕事をしていた残痕か。
書類などを舞い上げつつ。
そこから姿をかき消してゆくルナ。
なぜか。
数日にわたる、護衛の仕事は。
かなり楽で・・。
というのも。
当の護衛をしてくれ。
といった領主のウェンが。
その間。
食事などを取るにも部屋で取り。
・・・外に出かける様子がなかったためであるのだが。
とりあえず。
何はともあれ。
まったく護衛もしていないのに。
約束の数日分の依頼料を手に入れてほくほくのリナ。
リナは知らない。
リナスによってすこしばかり、その依頼主の領主がちょっとばかり精神錯乱を起こして。
この数日寝込んでいた・・ということを。
まあ、知らぬが仏とはよく言ったもの。
リナ母様にチョッカイかけるものは。
たとえ、それが・・・誰であろうと許さない!
そう、決意を新たにしているリナスであった・・・・。
-続くー
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まえがき:
久方ぶりに、スレのドラマCDをききつつの打ち込みですv
ふふふふ・・・・♡
・・・・いい加減に欝の場面・・・おわってよぉぉお!
といいつつ、打ち込みしないと・・いつまでもおわらないのよね・・・・・。
しくしくしく・・・・・。
・・・・しかも、脱走している猫達は戻ってこないし・・。
何で?呼んでも返事もしなければ姿も見せない・・。
・・・・さっき、外で猫が喧嘩する声みたいのなのが聞こえたから・・。
心配なのにぃ・・・しくしくしく・・・・・。
2003年6月1日・・・・。
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あとがきもどき:
薫:・・・・ようやく戻ってきました。ルナとモモ・・・。
お願いだから外・・・危ないから外にでないで・・・・(涙)
飼い主の心配なんか・・わかってないんだろうなぁ・・・。
この猫(こ)達・・・・くすん。
・・・・えと。ルナが完全にプチ切れるのは・・。
次回・・・・ですかね?
・・・今回、短いのはきにしないように(こらまて!)
・・・・・何か今日は本当に打ち込む気力がわかないのです・・・。
・・・・・何で?
・・・・はっ!そーいや、今日は昼も夜も食べてない!?(こらまて!)
いや・・・朝からずっとTOD2をやってたもので(こらこらこら!)
ではでは。
などといいつつ。とりあえず・・・・。
今回は・・・たったの17KB・・・・・・(汗)
あ・・・あはは・・・・。
・・・・気分転換に裏でもうちこむかな・・・(こらこらこら!)
何はともあれ。また、次回でv
2003年6月1日。某日
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