闇の行方  第15話


火竜王の神殿に勤めていたとき。
父と母から聞いたことがある。
火竜王ヴラバザードの一人娘だという。
シーメイ=ウル=フレアザード。
火竜王ヴラバザードの第一地位継承者。
この世界の竜王の一人、火竜王ヴラバザードの、一人娘。
確か・・・・どこかに行儀見習いに出されている。
そう聞かされていたのだが。
どうやら話しを聞く限り。
ヴラバザードによって、砂漠地帯に幽閉されていたのを。
なぜか、赤の竜神の騎士であるルナの手と。
滅んだと思っていた水竜王の手でその幽閉から助け出され。
先日父親に代わって火竜王の地位に就任したという、その新竜王。

それに伴い。
元竜王であるヴラバザードは、その地位を解かれ。
神族からも追放されたと聞いた。


その彼が。
何を考えてなのか。
人間世界において、何かをしようとたくらんでいる。
そう聞かされたのはつい先日。


「まったく、人というものは。本当に油断がなりませんわ。」
一人旅をしていると。
よくこういったごろつきのような盗賊に襲われる。
始めは丁寧に断っている彼女であるのだが。
そのあまりのしつこさにキレて、レーザーブレスをうっかりはいてしまうこともしばしば。
長い金色の髪を長く伸ばして。
そして、すその長いスカート。
よもやそのスカートのしたに。
軽く数キロはあろうか、モーニングスターを隠しているとは。
誰が想像できようか。
まあ、見た目は普通のただの女性。
だがその実体は・・・。

彼女の本来の姿は黄金竜。
たまぁに未だに人間の姿に慣れないこともあり。
お茶目にも尻尾を後ろから出していたりもするが。
か弱い女性を襲うなど言語道断。
・・・・どこがか弱い?
と突っ込みが本来ならば入るであろうが。

彼女・・フィリアのブレスと。
モーニングスターの攻撃によって。
辺りの自然は、瞬く間に。
荒野と化し。
辺りに転がるのは、黒くこげたうごめく物体の数々。


「悪人には別に呪文をかけて差し上げる義務はありませんわね。」
・・・・・どこかどこかの魔道士に性格が。
影響されたのでは?
といえるような台詞を放ち。
「とりあえず、今はあそこに早く向かうのが先決ですわね。」
そういいつつ。
山が掻き消えた方向をみつつ。
そこにむかってすたすたと。
何事もなく進んでゆくフィリアであった。


「君たちも、こんな人間のいうこと聞いてたらだめよ?
   人の中にはこういって嘘ついて利用しようとする輩が一杯いるんだし?」
抗議の声を上げている、黄金竜の三匹・・いや、三人の子供達に。
諭すように言っているのは。
栗色の髪に碧い瞳をしている女の子。
「そうそう、リナスの言うとおりよ?」
何でもないようにいいつつ。
ごそごそと。
そこに完全に白めを回して倒れている盗賊の頭や、その仲間たちか。
懐をあさり、金目の物を物色し。
そんなことをいっているのは。
栗色の髪に紅の瞳をしている女性。

その体のうちに。
異なる気配が二つ感じられるのは・・・。

「あれ?お姉ちゃん?おなかにあかちゃんがいるの?」
ふと、そのことに気付いて問いかける、盗賊達に利用されていた、幼い竜の子供達。
「すごぉぃ!じゃぁ、お姉ちゃんのおなかに卵があるんだね!?」
いや・・卵って・・・。
思わずその言葉に顔を見合わせ。
「・・・・ええと、人と竜族は。生殖方法・・違うんだけど・・・・。」
そんな彼等に笑いをこらえつつ言っている少女。
「・・・・そーいゃ、竜族は・・卵を産むんだったわね・・。」
その言葉に。
どこか遠いところを見ている女性―リナ。
「人は哺乳類だから・・・・。」
そんなことを言っている少女の言葉に。
「・・・・・そうね・・。リナス・・。」
完全にどうやら、リナのおなかの中に卵があると信じ込んでいるそんな彼等をみつつ。
どうやって説明したらいいものか。
多少戸惑いを見せている・・・・リナとリナスの二人の姿。

周りにあるのは。
岩の下敷きになったり、何らかの力によっと吹き飛ばされた。
ちょっとしたクレーターのみ。



「いーい?ともかく、どんな存在でも。悪人や、悪竜に、人権はないの。
    竜権(?)とあんた達はいうのかもしれないけど。ともかく、こういう輩の対処方法はね・・・。」
そういいつつ。
こういった、輩に対する態度を。
彼等・・三人の子供達に教えているリナに。
そんなリナと一緒に。
「そうそう、悪人には人権ないし。何だったら、あまりに聞き分けない人は。金色の母様の元に送り届ければいいしv」
その言葉にぎょっとして。
「リ・・リナス?あんた・・・あれをしっているの?」
思わずさらりといったリナスの言葉にぎょっとなるリナ。
「え?あ・・・ああ。まあ。ちょっと。」
そういって言葉を濁し。
「・・あれ?リナス姉様?誰かがこっちにくるよ?気配からして・・・・・黄金竜の女性みたいよ?」
何気に話題を変えているリナス。

「・・・・・・あら?この気配って・・・。」
リナスの言葉にそれに気付いてはっとなる。
その気配は・・・リナのよく知っている気配であるがゆえに。
ほっ。
リナの意識が別にそれたことにほっとする。
――まだ知られるわけにはいかない・・というか、絶対に。
今の段階で、リナに知られるわけにはいかないのだ。
・・・自分が、リナとガウリイの未来からきている実の娘だということを。
今の段階で、もしリナが知ってしまえば・・。
どういう行動に出るのか・・。
想像に難くない。
そして、それを利用して、魔が再び何かを仕掛けてくることは・・必死。

切実に会いたくて、会いたくて・・・側にいたいのは。
リナの本音。
今どうにか正気を保っていられるのは。
おなかにいるガウリイとの二人の子供と。
そして・・・・。
リナとガウリイにどことなく感じが似ている少女・・リナスの存在があってこそ。
・・まあ、リナスが二人に似ているのは。
当たり前であるのだが。
リナはまだ。
リナスから未来から来ている自分とガウリイの実の娘だと。
未だに知らない。


何かの気配と声がする。
視界の先に映るのは。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?リ・・・ナ・・・・さ・・・・ん?」
そこにいるはずのない、栗色の髪に紅の瞳をしている女性。
思わず世の中、似た人間は三人はいるというので。
別人かとも思ったが。
まさか、そこまでそっくりで。
倒れている人間から、身包みはぎつつ物色している人間など・・。
そうそう同じ人間はいるとは思えない。


周りに多数のクレーターが出没している中。
そんな中で。
先ほどフィリアにちょっかいかけてきた仲間なのかそうでないのか。
ともかく、同じような盗賊達を倒して、
その体から金目のものを全て没収している女性の姿を認め。
思わずフィリアは呆然と。
その姿をみてその場にしばし。
立ち尽くすのであった・・・・・・


              −続くー


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まえがき:
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・確か・・・。
前話・・・打ち込んだの・・・いつ?(こらこらこら!)
4月かぁ・・・今・・5月だぞ?あはははは・・。
それをいうなら・・・おまけの希望シリーズ・・・あははははは・・・(カラ笑い)
・・・・・えと・・・表現・・・・かなりきわどいかも・・(汗)
あははは・・・・。
ちなみに。
話しが進んでませんので。
表現が怪しいんだったら、読みたくない!という人は・・。
このままで。その他の人は・・こちらからどーぞ?(こらまて!)

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あとがきもどき:
薫:えーと。リンクをまともに張るのは。
  きわどいシーンを削除したやつのほーにしますね。
  なのでページは少ないです。
  さて。
  次回でフィリアとリナの正式な出会い?(まて!)
  そして?
  キレるフィリアv
  ・・・・さって、どこまでフィリアが切れる様子を表現できるかなv
  んではではではvv

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