闇の行方   第9話


「さて・・・・。・・・・あいつの後任は・・誰にしましょうかねぇ?」
とりあえず、しばらく、また、
バイトの休暇を貰い、ルナは行動に出る。
ルナが向かうは・・・かつての。
『滅びの砂漠』と言われた場所と。
とある、村はずれにある、竜の谷・・と呼ばれる場所に・・・。

まったく・・・。
あいつが馬鹿なことをしてくれるから・・・。
・・・そろそろ・・・・アクア・・・・復活させましょう・・・・。

ルナの決意は、固い。


「何だ!?貴様は!?」
道を歩いていたルナに。
竜がいきなり怒鳴ってくる。
「邪魔よ。」
ルナはいって、無視して、さらに奥にと進んでゆこうとする。
とある小さな村のはずれの小さな谷。
別名、竜の谷。
「女!!待てというに!ここから先にはいかすわけにはいかん!」
無視して、進もうとするルナに。
さらに食い下がろうとする。
「・・五月蝿いわね・・。私、今ものすっごぉぉく、気がたってるんだけど?」
ぎろ。
ルナがひとにらみ。
キィィィイン。
その瞳のもつ力に射抜かれて動けなくなっている。
「・・・・ぐ?(汗)」
動こうにも動けない。
ものすごいプレッシャーである。
今までに、こんな経験はしたことがない。
まだ生まれて、百年と少し。
「あんたのような、幼竜にかまっている暇はないの。
  私の用があるのは、ここの、『刻の魔道書』って、あんた達が呼んでいるものなんだから。」
すたすたすた。
かまわずに無視して。
歩いていくルナ。
この先に、ルナが目指す場所はある。
「ぐ・・・こ・・のぉ・・」
るぉ・・。
口を開き。
ブレスを吐こうとする。
―が。
キィィン。
その口が。
光の輪で覆われてしまう。
「むぐぅぅぅぅ!?」 
なぜか、そのまま、暴れ始める竜。
ここのルスを任されている彼は。
そのまま、人の姿になって、口を覆われたので。
じたばたともがいていたりする。
「まったく。ルイアナも躾がなってないったら・・。」
ぶつぶついっているルナ。
やがて、そんなじたばたもがいている、竜を無視して。
ルナは崖にとたどり着く。
「ここね。」
すっ。
手をかざすと。
ゴゴゴゴゴ・・・・・。
音をたてて。
その崖の壁が開いてゆく。

「何やっておるんじゃ?」
がさがさ。
村に降りていた老人が。
もがいていた若い竜をみて声をかけている。
ぺり。
口に張られていた金色の輪をとりはがし。
「ああ!!あの女ぁぁ!」
「?あの女?」
そのまま、ぺこりとお辞儀をすると。
ルナのほうにと走ってゆく。

「こ・・この人間がぁぁぁ!」
あ゛~。
「五月蝿いわねぇ・・。」
ぎろり。
「あんたと遊んでいる暇はないのよ。」
ルナがひとにらみ。
「・・・・ん!?こりゃまてぃぃぃい!!」

ぼっごぉぉぉぉんんんん!!!

「い・・・痛いですぅぅぅ!!お師匠様ぁぁぁ!」
いきなり、老人に頭を叩かれて。
その場にうずくまる若い竜。
「まったく。ルイアナ、あんた、若いやつらにどういう躾・・してるの?」
ぎろ。
ルナ、その目が多少据わっているが。
「まままままままままさか・・(汗)」
だくだくと汗を流している老人。
この谷の長老であり。
ここを守っている長でもあるルイアナ。
かつて。
二度ほどあったことがある。
「す・・・スィーフィードさ・・ま(汗)」
その場に膝まづく。
「・・・・え゛!?(汗)」
その言葉に。
師匠と呼んだ老人と、ルナを見比べている若い竜。
「ま、いいわ。とりあえず、アクアの欠片。いい加減に力、満ちたころだし。まだ早いけど、もう復活させるから。」
ルナの言葉に。
「・・・え゛?(汗)」
しばらく硬直するルイアナ。
「??お師匠様?アクア・・って?」
「馬鹿!水竜王様のことにきまっているだろ!何回授業したか!」
ぽぽかっ!
再び、手にもっていた杖で頭をたたいていたりする。
「あ・・あの、すると、ミルガズィア殿たちが守っている、あちらの竜達の峰にも??(汗)」
ルイアナの言葉に。
「当たり前でしょ?まったく・・・。Sのやつ・・・。」
ぶつぶつぶつ。
Sのくせに、リナ様を苦しめる原因・・つくるなんて・・。
ぶつぶつ。
ぶつぶつと文句をいっているルナ。
よりによって、深遠なる真の王の、心の弱い部分にその身を置いて。
封印解除を試みるとは。
たかが、魔王のくせに。
などと、いらだっているルナ。
それと・・・。
火竜王ヴラバザードも、こちらに関しては許せるはずもなく。
何しろ、リナを狙ったのは。
これで何度目のことか。
もはや、ルナの堪忍袋の緒もきれた。
さすがに、リナが実は、深遠なる真の王である。
というのをバラスわけにもいかず。
そんなことをしたら、どうなるか。
なりを潜めている反逆者達も。
今のうち、力を閉じているリナを狙ってやってくるのが目に見えている。
「とりあえず、そういうことだから。アクア、水竜王(アクアロード)復活させるから。文句はないわね?」
言い放つルナの瞳に。
逆らえるはずもなく。
というか、すでに、そのまとう雰囲気から、逆らえる雰囲気ではない。
完全に怒りのオーラがにじみ出ていたりする。
「いや・・あの?復活・・とは?ここにあるのは。水竜王様の、刻の部分。過去の知識などの欠片にすぎませんが?(汗)」
よく意味がわかっていないルイアナ。
白いひげを蓄えた老人の姿をしているが。
「だからよ。欠片をあつめて、完全復活させるのよ。これがあれば、復活できるし。」

いつでもできることであったが。
自然にまかせて。
力が満ちるまで、アクアの復活はまっていた。
だが。
リナがらみとなると話は異なってくる。
ルナにとって。
リナにかえられるほど大切なものはないのだからして。

「水竜王様って・・。確か、降魔戦争でばらばらになって、欠片だけ残して死なれたのでは・・。」
完全に滅びてもいないが。
欠片がばらばらになり。
復活はできないであろう。
そう、言われていたはずである。
少なくとも。
彼ら、水竜王に使えていた黄金竜や水竜達にとっては。
そうずっと伝え聞いていた。
そして。
その欠片となった部分を。
異次元空間に出来たその意識の一部の入り口である、竜達の峰で、入り口を守りつつ。
他にもある入り口には。
それなりの門番を儲けている。
知識などが悪用されないがために。
ここで守っている『刻の魔道書』と呼ばれているものも。
その欠片の一つ。
異世界黙示録クレアバイブルと呼ばれているものほどに。
大量の知識は引き出せないが。
「完全には滅びてないし。何より、あの程度で滅びるなんて。エル様も私も認めないから。」
きぱ。
言い切るルナ。

リナが今眠りの状態で。
力を閉じている代わりに。
その目覚めを待つ代わりに。
金色の王が、リナに代わって。
とりあえず、ここの代理をやっている今の状況。
ここの、混沌たる空間は。
金色の王の一部でもあるが。
その中でも、ここの空間はリナそのものだからして。
金色の王もあまり干渉はできないのである。
下手に干渉すると。
リナにかなり負担がかかるがために。
自らの妹として創り出しているここの空間そのものたる核の。
リロード・・深遠なる真の王ギヤラクシーオブナイトメア
そのリナが、眠りに入ったのは。
百五十億兆万年前。
それも、一人の存在を守りたいがゆえのその決断。

そして。
今。
ようやく、素直になって、いい方向に行こうとしていたのに。
こともあろうに。
ここの魔王であるたかが赤瞳の魔王が。
リナの心に入り込み、封印解除を狙ってさえいなければ・・。
すべてがまるく収まるはずであったのに。
その封印の拠点を置いてある場所が場所だけに。
リナのその心が傷つき。
リナがリナでなくなってしまうがゆえに。
たかが、魔王。
されど魔王。
リナの中に、今回生まれたときにシャブラニグドゥが封印されている。
とわかっても。
手出しができなかったのだから。
唯一の方法は。
リナ自身の力を使うか。
または、それに準ずる力をもったもの。
その力を使ってでないと。
しかも、その力も同等なものでなくては。
リナの心に傷がつく。
彼が側にいれば、どうにでも彼がいるから。
力がわくのであろうが。
今、そのリナの想い人たるガウリイは。
これ以上、自害を続けたら。
リナの精神が破壊されてしまうがゆえに。
最終手段を執り行っている。
つまりは、問答無用で。
リナの許可なく、リナと同等な存在にするべく。
ギャラクシーパレスにて。金色の王が存在の転換の措置を。
深遠なる真の王のの力を使って施しているのである。
かなり危険なかけ。
万が一。
それで、ガウリイがリナに拒まれると。
ガウリイは存在することができずに。
・・・そして。
間違いなく、リナの精神も。
それに耐えられずに。
この、リナ自身でもある空間たる世界は。
すべてが消滅する。
跡形もなく。

リナがガウリイの元を離れたのは。

自分の中に魔王が封印されていて。
ガウリイが傷つくたびに。
いつか、自分がガウリイを殺してしまう。
傷つけてしまう。
その不安に駆られたことと。
リナの中にいる魔王を目覚めさせようとして。
リナの心の支えであるガウリイの命を。
魔族、そして、火竜王が狙い始めたがゆえのこと。

そう。
認めるわけにはいかない。
とりあえず、ばらばらになっても。
存在することを条件にアクアには命令してある。
アクアは、四竜王の中で。
唯一。
実は、ルナが、単なる赤の竜神という肩書きの存在ではなく。
リナ直属の・・。
深遠なる真の王の側近であり、補佐官でもある。
深遠の補佐官アビス・ラズ・ポート
別名、紫蒼の紅玉パール・レッド・ラズリであることを知っている。
「とにかく、時間がないから。アクア、復活させるからね。邪魔はしないで。」
きっぱりと言い切るルナに。
動けない竜達。
本気のルナのその気迫にかなうわけもない。

言い放ち。
崖の壁に生じた穴の中に。
ルナはすたすたと入ってゆく。

この奥にあるのは。
異世界黙示録クレアバイブルと呼ばれているものに近い。
水竜王の魂の欠片ともいうべき記憶の欠片。
刻の魔道書と呼ばれている珠(オーブ)。
それを求めつつ。


「はいはい♪ってことで♪―深淵斬滅アビヌスレイブ―♪」
どっがぁぁぁぁぁんんんんん!!!!
「あ、リナ姉様!!こいつら、こんなにお宝、もってます!」
「何ですって!リナス!!残さずに没収しなさい!」
「分かってます!身包みはぎます!」
いいつつ。
黒こげになっている。
とある村はずれの裏街道。
そこで旅人を襲っていた盗賊を、問答無用で呪文一発で撃墜しているリナ。
そして、その呪文で黒こげになっている盗賊達から。
文字通り、身包み剥ぎ取って。
残さずに回収しているリナスの姿。
この辺りの性格は。
さすがに、未来からやってきていて、リナの性格を受け継いでいるだけあって。
かなり気があっていたりする。
そのことをリナは知らないのだが。
まさか、このリナスが。
未来からやってきている自分とガウリイの娘だなどとは。
呆然・・。
そんなよく似た二人のやり取りを眺めている襲われていた男性。
しかし、その視線は。
リナを見据えて止まっている。
・・・・綺麗だ。
リナに一目ぼれしているこの男性。
「・・・・!」
その視線に気づき。
きっと睨んでいるリナス。
リナはまったく気づいてないが。

よっし♪
次はっと♪
「大丈夫でしたか?いやぁ、お礼なんて、気持ちほどでいいですよ?」
何気に催促しているリナ。
盗賊を倒して。
さらに襲われている人からも謝礼を貰う。
かなりおいしいじゃないのよ!
こういわれて、お礼などはださない。
という人はまずいない。
それを踏まえての、確実なお礼の催促である。
リナは、にっこりと微笑みかける。
・・・その笑みが。
男性に、どういう気持ちを起こさせるかを。
まったく理解もせずに。
しばらく、リナを嘗め回すようにみつめ。
「いやぁ、どうもありがとうございます。実は、私は、ここの王室に住んでいるんですよ?
  よければ、お礼に王室で食事でもいかがですか?」
その裏に潜む意味も理解せずに。
「喜んで!」
やった!
王室ってことは、もっと稼げるかも!
かなり見当違いなことを想っているリナ。
「あ゛あ゛あ゛・・・・。」
また・・・(汗)
最近。
リナは目に見えて、綺麗になっている。
それはリナスにも分かっている。
それゆえに。
言い寄る男性も、下心丸出しの誘いをしてくる男性も、少なくないというかむちゃくちゃに多い。
それすべて。
リナが気づいてない。
というのだから、よけいにたちが悪い。
何しろ、驕るといわれて、ついていかないのは、恥である。
と言い切るリナ。
これっぽっちも身の危険など。
考えてもいないのだ。
リナスは頭を抱えるが。
「それでは、お待ちしておりますね♡」
いいつつ。
従者をしたがって、戻ってゆく助けた男性をみつつ。
「聞いた!?リナス!これは、かなりのご馳走!と謝礼!!期待できるわよ!」 
リナがガッツボーズをとる。
「・・・・リナ姉様・・・本気で食事だけって・・。思ってる?」
頭を抱えているリナス。
「?ほかに何があるの?」
何いってるの?
この子は?
本気でわかってないリナ。
「・・あいつの視線・・気づかなかった?(汗)」
誰にでもわかるほどの。
・・・下心丸出しのその視線。
リナスが睨んで殺気を飛ばしても。
懲りてないその視線。
「?????何のこと?それより!んっふっふっ♪一億くらいは、出せそうよね♪王室ってことは♪」
「・・・はぁ・・・・。」
「ほら!リナス!!行くわよ!!」
ルンルンルン♪
これは、棚から牡丹餅ね♪
盗賊を苛めてお宝ゲット♪
ついでに、襲われていた人も助けて、その人からも謝礼!
いやぁ♪
しかも、その襲われていたのが王室関係者だなんて♪
あたしってついてる♪
完全に謝礼と、まっているであろう。
豪華な食事だけを思っているリナは。
足取りも軽く。
この国の王室がある町にと。
向きを変えてゆく。
「ほら、早くぅ!リナス!」
足鳥も軽い。

「・・・父様・・・お願い・・。早くきて・・・(涙)」
父様の苦労・・・。
私・・・・。
よぉぉぉぉぉく分かった・・・・・・・。
ため息をつくリナス。
リナと旅を始めて。
もはや大分たつ。
とことんその関係には鈍く疎いリナのこと。
リナスが間に入ってなければ。
どうなっていたか(汗)
という事件も今まだに多々とある。
リナスは父親譲りで。
母親譲りでもあるのだが。
容赦しないときには、とことん行動するタイプである。
しかも。
リナスが制裁を加えても。
リナをそういう目でみる存在は後を立たない。
町から町へ。国から国へ。
と移動しているにもかかわらず。
何には、ついてくるやつもいたりしたが。
そういうやつには、リナスがリナに気づかれないように丁寧に断って。
・・・・もしくは、力づくでともいうが。
事なきを得ているのであるが。
「ファイトよ!リナス!!父様が転換を終えて、母様の元にくるまで!頑張るのよ!」
未来のためにも。
姿が消えかけていたあの未来。
―そんな未来はいやだから。
今、この過去が。
正常にならない限り。
自分の知っている未来もなく。
姉と兄も存在せずに。
・・・そして。
自分もまた存在しなくなるからして。


ぱんぱん!
顔を叩き。
気合を入れて。
「よおおおおし!今回も頑張って母様を守り通すぞ!!おー!!!」
一人気合を入れているリナスの姿は。
うきうきと先を進むリナには知る由もない。


                            -続くー

   HOME     TOP     BACK    NEXT

#####################################

まえがき:
こんにちわ♪今回は、あくあさん、ふっかぁぁつ!!!!(まて!)
と、リナ&リナスの旅路です♪
ああ・・・・かぁぁぁぁなり間があいている・・・(汗)
・・・先に過去を完結させてから・・。こっちをいくかなぁ・・(かなりまて!)

エル:あんたが他のを打ち込んでいるからでしょうがぁぁ!
  薫:ひぎゃぁぁぁぁ!!そ・・・それでは!!!!
 
あ゛あ゛!!すいませぇぇぇぇんんんん!!
エル様ぁぁぁぁ!!!!

遠くで、泣き叫ぶ声がしていたりする・・・・。


#####################################

あとがき:
薫:・・・久方ぶりの打ち込みですわさ・・・(まて!)
   アクア復活・・・。次回ですね・・・・(汗)
   ・・・・・・・一体・・これも何話になるんだろ??(汗)
   過去のほうのエデンも・・。
   これから暗くなる一方だし・・・(涙)
   あぅあぅあぅ・・・・。
   ま・・・おいおいと・・・・ですね(汗)
   それでは。また・・・・・・・。

   HOME     TOP     BACK    NEXT