闇の行方 ~第3話~
どくん。
ガウリイ!
「リナ?」
・・夢。
ガウリイが・・死ぬ・・夢。
ここ、最近、よく嫌な夢を見るリナ。
目の前にいるガウリイにしがみつく。
ぎゅ。
「リナ?」
「・・・ガウリイ・・このままでいて・・・。」
ガウリイにしがみつき、リナは眠る。
ガウリイの心音を聞いていたら、いやな夢は見ないから・・・。
すぅ。
やすらかに眠るリナ。
「―お休み、リナ・・はぁ・・オレ・・また寝られそうにないな・・・。」
好きな女とともに同じベットで寝るのはいい。
でも・・手がだせないのだ。
リナの心の準備ができてないから。
無防備なまでのリナの姿。
婚約してから・・ずっと、ガウリイは理性と戦っていたりする。
毎晩。
「・・リナがいいっていうまで・・気長に・・まつさ。」
リナの瞼にキスをするガウリイ。
「・・お休み・・・リナ・・・・。」
婚約してから、ずっと。
同じ夜が繰り返されていた―。
「ガウリイ!!!!」
どしゅ!!
吹きあふれる鮮血。
リナを庇い、大怪我するガウリイ。
リナがわけあり期間中だというのに・・。
襲い掛かってくる高位魔族。
ここ、数日・・・。
日増しに、攻撃は増してきていた。
く・・このぉぉ~!!!!
「
「ぎゃぁぁぁぁ~!!!!」
リナの放った闇の刃であっさりと滅びる高位魔族。
高位といっても、神官とかのクラスではないけど。
「しっかりして!!
リナ急いで、ガウリイの傷を癒すために、呪文を唱える。
癒しの光がガウリイを包んでゆく・・・。
リナとガウリイが婚約し・・ゼフィーリアを離れてから。
あれからすでに二年が経過していた。
リナは・・まだ、ガウリイとは結婚はしてしない。
――踏み切れないのだ。
怖くて。
ガウリイを失うのが怖くて。
魔力が高まっているのは、いいのだが。
あの日前後ともなると、今度は、困ったことがおこっていた。
つまり、魔力が暴走しかねないのだ。
ドラグスレイブの変わりの術は・・リナは完成させていた。
―
ギガスレイブより、扱いが簡単で。
何より、アレンジがしやすいという利点。
リナは・・ちょくちょくこの術を応用して、魔族の攻撃をしのいでいた。
「ひっく、ひっく・・。」
「馬鹿だな・・泣くなよ・・リナ。リナが泣いたら・・オレ・・どうしていいか・・。」
とりあえず、近くの宿に部屋をとり、ガウリイを寝かせてから、
あたしは止め処もなく涙があふれる。
そんなあたしをガウリイが半分起きて、抱きしめる。
・・・暖かい。
――原因は・・あたし。
あたしの中にある魔王の欠片。
―おかしい。と自分でもわかっていた。
ルーク=シャブラニグドゥを倒したあの直後から。
ゆっくりと、人とは違う時間率で、自分の肉体の時間が変化しているのがわかっていた。
あのあと、ゼフィーリアにもどって・・ガウリイがあたしにプロポーズしてくれた。
うれしかった。
だから・・・あたしとガウリイは婚約した。
その直後。
ゼロスによって・・ガウリイが大怪我されられた。
・・・あたしを目覚めさせるべく。
ガウリイが傷ついたとき・・あたしは、あたしでなくなりかけた。
―けど・・ガウリイがいたから。
あたしは・・あたしでいられている。
「――リナ。」
「・・・ん・・。//」
あたしに優しく口付けしてくるガウリイ。
―とさ。
―だから・・。
いけないと分っていた。
あたしの中に欠片があるのがわかって、ガウリイに婚約はなかったことにして。
と頼んだときも。
ガウリイは、
『リナは、リナだ。・・魔王になんて、させないから。オレが守るから。オレは・・・リナがいないと生きていかれない・・。』
そういって、あたしをつよく抱きしめてくれた。
あたしは・・・甘えてしまったのだ。
その優しさに。
――いけないと、分っていた・・分っていたから・・・・。
あたしは・・ガウリイと婚約はしているものの・・結婚はしていない。
踏み込んだ関係にまでいっていない。
――だから、今までは、最後までは・・しなかった。
ガウリイは、いつでも、待つから。
あたしの心の準備ができるまで。
といって・・あたしのわがままを許してくれていた。
いつも・・深い口付けとまり。
―だけど・・・・。
あたしは・・今日・・はっきりと確信した。
今までとは違う魔族達の動き。
・・・それは・・。
今までは、あたしを傷つけることによって、あたしの精神を弱らせてから、あたしの中の魔王を覚醒させようとしていたのが・・。
・・・方法を変えたのだ・・ということに。
あたしを傷つけて・・覚醒させるのではなく・・・
てっとり早い方法に切り替えたのだということに。
今日・・はっきりとあたしは確信した・・
――あたしの唯一の弱さ・・。
――誰よりも大切な人・・・。
――ガウリイ・・・・。
あたしは・・・彼がいないと・・生きていかれない・・・・。
魔族達は、そんなあたしの心をわかってしまい、あたしでなく・・ガウリイに標的を絞ったのだ。
ガウリイがいなくなれば・・あたしの精神は・・間違いなく、あたしの中の魔王に乗っ取られる。
彼がいるから・・抑えられているのに気づいたのだ。
ごめ・・ガウリイ・・。
ぽろぽろと涙がこぼれる。
――もっと早くにこうすべきだったのだ。
あたしの中に・・魔王がいると解ったあのときに・・。
でも・・放れられなかった・・弱いあたし。
ガウリイの優しさに甘えてしまったから。
失うのが怖かった。
側に・・ガウリイがいないと、あたしでなくなりそうで・・怖かったから・・。
――だから・・あたしは、決心した。
「―ガウリイ・・・最後まで・・して・・・いい・・よ////」
ガウリイに抱きしめられている状態で、あたしは小さくいう。
真っ赤になりながら。
「―リナ?」
ガウリイがあたしを見てくる。
優しい目。
こくん。
あたしは、恥ずかしいけど、小さくうなづく。
あたしは・・・ガウリイと婚約はしてても・・踏み切れなかった。
いってしまえば・・・二度と、後戻りできなくなるから。
・・でも。
「・・いいのか?リナ?」
「・・・うん。」
―ぼすっ。
あたしをベットに沈めるガウリイ。
「・・リナ・・・愛してる・・・。」
「ん・・・あたしも・・・ガウリイ//」
ガウリイがあたしを優しく抱擁してくる。
あたしは・・ガウリイにそのまま、身を任せる。
「っ!!!痛いっ!!//」
「・・大丈夫か?」
「―はぁ//う・・うん//」
ごめんね。
最後だから。
最初で最後だから。
――だから、ガウリイ、あたしに勇気を頂戴。
彼方から離れても・・一人で生きていかれるように。
あたしがあたしでいられるように。
あたしに、彼方を強く残して。
彼方にとっては・・酷のことだとわかっていても・・・。
あたしを抱くことで彼方はきっと・・・・。
・・・でも・・あたしは・・・愛しているから。
・・・だから・・失いたくないから・・・・。
「ガウリイ//愛してる///」
「オレもだ・・リナ。」
ベットの上で、あたしとガウリイは最初で最後の一つと重なる。
<間>
すぅ・・・・。
隣で安らかに眠る男性。
リナも彼の胸の中で目を覚ます。
――今しかない。
これ以上・・彼に抱かれ続けたら・・決心が崩れるから。
下半身がずきずき痛み、全身も鈍く痛み、おきあがれない。
―けど。
そんなこといってられない。
――決めたから。
――だから、こういう関係になった。
――勇気が欲しかったから。
リナとしてみれば、一夜限りのつもりだったのだが。
ガウリイがリナを15日以上に渡って・・放さなかったのは・・。
よっぽど我慢していたからに他ならない。
「・・ん・・・・。」
目が覚めると、横にはガウリイの姿。
「ゴメンね・・許して・・愛してる・・だから・・・さよなら・・。」
最後のお別れにガウリイに深く口付けするあたし。
あれからいったい何日たったのか。
これ以上・・ガウリイに抱かれていると・・。
あたしの決心が鈍るから。
彼方に甘えてしまうから。
「――
――忘れて。
あたしのことは。
ベットから出て、服を着替えて、姿見で髪を梳いてから。
あたしは、荷物を全て置いたまま、空間を渡り、壁をすり抜けた。
品物は、彼方の役にたてて。
ガウリイ。
身体に残る鈍い痛み。
ガウリイとの絆の証。
――大丈夫。
ガウリイとの思い出があるから。
彼方が生きている限り・・あたしは負けない。
・・でも・・・。
「寂しいよ・・ガウリイ・・・。」
とめどもなくあふれる涙。
― でも・・側にいちゃ・・いけない。
そうしたら・・あたしは、いつか、彼方をこの手で殺してしまうかもしれない。
― だから・・。
― さよなら。
誰よりも・・大切な・・・愛している、ガウリイだからこそ。
― だから・・さよなら。
― 『さよなら、愛してるがウリイ。世界よりも何よりも彼方だけを。
――だから、あたしは彼方を失えない。何よりも大切だから。
―だから・・さよなら。探さないで。
――生きて。彼方が生きていてさえいてくれれば・・あたしは大丈夫だから。
――このままだと、あたしは、いつか彼方を殺してしまう。
――彼方があたしのせいで死んでしまうかもしれない。
――彼方に何かあったら、この世界だでなく全てを壊してしまう。
――だから・・愛してる・・愛してる・・だから・・さよなら・・ガウリイ。
――さよなら・・・・。 リナ 』―
忘れてほしくない。
― だけど、何りも、愛しているから。
彼方に幸せになって欲しいから。
― だから・・・。
あたしは彼方から離れて一人で生きてゆく。
― ガウリイとの思い出を胸に・・・・。
「おばちゃん、延滞料金・・いくら?」
あたしは音を立てないように壁をすり抜け、フロントにいく。
一晩分しか払ってなかったから。
「ああ。あんたかい。・・・まあ、やぼはいわないけど・・さ。男と女だ。
・・でもねぇ。15日たってるってのは・・大変な彼氏もったもんだね、あんたも。」
「じ・・・・!!!!////」
ぼんっ!!!
瞬時に真っ赤になるあたし。
そ・・そんなに、ガウリイにあたし・・!!!?///
「・・・・う゛ぞ?(汗)」
「嘘いってどうするんだい?」
・・そりゃまあ・・・・//
はっ!!
そういう問題じゃなかった!!
いや・・これも大問題だけど!!
は・・はやくしないと!!
あいつ・・変なことろで常識が通じないところがあるから!!
「え・・ええと(汗)じゃあ・・延滞宿泊料金・・と。あ、あと。」
ごそごそ。
あたしは、財布は、ガウリイにおいてきたので、あたしのへそくりからだす。
「あんた一人かい?彼氏は?」
―ぎく。
表情が一瞬こわばるのが自分でわかる。
「あ・・あいつは・・まだ・・しばらく・・やすんでるから・・。」
震える声をなんとか、平常のように見せかける。
「そうかい。」
ほっ。
あまり、つっこんでこられなくてよかった。
「とりあえず・・あと、一週間分・・先渡ししとくわ。
あいつが・・何日・・滞在するか・・わからないし・・。・・余ったら・・とっといて・・・。」
あたしがいうと。
「あんたは?」
聞いてこないで・・・。
「あたしは・・・いく・・ところ・・がある・・から・・。」
声が震える。
本当は嘘。
いくところなんてない。
ただ・・・あたしがあいつから逃れるための・・・嘘。
このままだと・・・あたしがいつか、あいつを殺すきっかけになってしまうから。
「じゃ!」
きびすを返し、そのまま、宿から出る。
辺りは、夕暮れ。
誰もいないのが・・あたしにとっては都合がよかった。
・・・あたしは・・・宿を出た直後・・空間を渡った。
とめどもなくあふれる涙。
ねえ。
ガウリイ・・。
ごめんね・・。
でも・・・彼方が・・・何よりも・・大切なの・・・・。
解って・・・・。
だから・・・さよなら・・・・・・・。
-続くー
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まえがき:
こんにちわ♪
ううううううううううううううう(汗)
ああああああああああああああ!!!!!!!!!!
はっ・・!!!
す・・・すません!!!!
ここから、かぁぁぁぁなり、暗くなります・・・(汗)
あ゛ああ゛!!!!!!
って・・Sぅぅぅぅ!!!!お前が全て悪いぃぃぃぃい!!!!!!!
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あとがき:
エル:・・・何回転生しても・・リナはリナね・・・はぁ・・・・。
姫:エル・・このままじゃ・・ここ・・・やばくない?
エル:・・まっね。あたしはここに、基本的には、大きなことはできないわ。
あたしが手を出すと・・歪みが生じるから。
ここは、完全にあの子そのものの世界なんだから・・・。
あたしは・・・あの子が力を閉じている間・・あの子の変わりに・・。
ここを保っているだけ・・・・。
姫:エルが手を出すと・・下手したら、リロードの精神・・傷つくからねぇ・・。
エル:そうなのよねぇ・・・。
・・・・もとはといえば、Sのせいよ!!!!!!!!
それでなくても、あの子・・何回も自害してるせいで、精神・・やばくなってるのよ!!!!?
姫:・・・・確かに。自分が嫌いな状況で・・自害でもしたら・・・。
完全に精神崩壊・・するわね・・・。
エル:ガウリイは認めるわよ。あたしとルナがあの子を心配して、
生まれた魂なんだし!!でも・・でも!!あの子が消滅したら・・意味ないじゃない!!!
姫:・・それ、未来の世界でも、エリー達が騒いでるってば・・・。
エル:・・・ああ!!腹がたってきた!!ユニット!!!!部下達で憂さ晴らし・・するわよ!!
姫:ここ以外でいきましょうね♪ここでやったら・・アウトよ?♡下手したら、アザチェス・・起きるし♡
エル:解ってるわよ!!!
姫:・・じゃ、いきましょ♪
(二人・・いなくなる・・・・。)
薫:あ゛あ゛・・・・リナぁぁぁ!!
素直になりましょぅよぉぉぉ!!!!!(涙)
では・・・・・。
リナス:リナ母様・・・・・(涙)
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