闇の行方 ~第2話~
ん?
ちらっ。
目に入ったのは・・・・。
・・・・あれは・・・・・。
紫がかった、蒼い髪の女性は・・顔をしかめた。
ここ、数日、覗いていた気配。
・・・・ちっ。
あ・・あいつはぁぁぁぁぁぁぁぁ~!!!!!!
「スポット♪私、今日、バイト、用事があるから、休みますっていっといて♡」
庭先にいるペットの獣人にいい、ルナは、行動にでる。
すぅ。
精神を集中させ・・・・瞬く間に、女性の姿は・・そこからかき消えていた。
すぅ。
出現したのは、どこかの神殿らしき場所。
「女!!何しにきた!!」
つっかかってくる竜。
「・・・五月蝿いわよ。・・・・『どきなさい』」
声に力を込めていう。
びくっ。
その声に、一斉に、震え上がる門番やってる竜達。
つかつかつかつか・・・・。
暁色の、上下の服に蒼いマントをたなびかせ。
女性は・・一つの扉の前にたっていた。
ばったぁぁぁぁぁんん!!!
いきおいよく、扉が開かれる。
『何やつ!!!ぶれいな!!!!』
その場にいた存在が一斉にいう。
『五月蝿いわよ!!!』
一喝する女性。
それと同時に、ほとんどのものが凍りついたように動けなくなる。
つかつかつか・・・・。
「き・・・貴様・・は!?」
奥にある椅子に座っている一つの存在。
それが女性に向かっていう。
『・・・・ヴラバザード・・・・。何、ゼフィーリアの様子・・うかがっているのよ?』
ひたり。
すらり。
剣を突きつけていう女性。
雰囲気から発せられるスザマシイまでの神気。
『―ひっ!!!ス・・・・スィーフィード・・さ・・ま(汗)』
ここにいたり、彼らは現れた女性の正体に気づく。
遅すぎである。
「・・・で?まぁさか、あんた・・リナに手を出すつもりじゃ・・ないでしょうね?
・・私・・いったわよね?リナには手出し無用って・・・。この前のことといい・・・・。あんたは・・・・・・。」
声に殺気がこもっている。
「し・・しかし!あのリナ=インバースは危険因子を!」
言い訳するヴラバザード。
「ふん、あんたのその言い分・・聞き飽きたわよ。――いい?今度は・・前回のようには・・いかないわよ?
私が留守の間に・・あんたがやったこと・・・千年前のこと。・・忘れたわけじゃないでしょうに。
・・・それに・・・。この前の、闇を撒く者の一件においても。」
その言葉に、だくだく汗ながしている傍らの男性。
真っ赤な髪に真っ赤な瞳。
炎のごとくのその風貌。
「リナに手を出したら・・。あんた、問答無用で、首。そして、消滅だからね。
・・リナに手をだすこと。それすなわち、反逆となると知りなさい!!いいわね!!火竜王ヴラバザード!!!」
つきつける言葉。
「スィーフィード様!?」
驚愕する火竜王。
この世界の赤の竜神の腹心の部下のうちの一人である。
「いっとくけど・・。神族からの永久追放よ。そして・・この命令に逆らうこと。
世界そのもの、・・金色の母や、深淵なる真の王に反逆するものと知りなさい!!」
その言葉の意味は・・火竜王には解るはずもない。
ただ、この世界を金色の王より、任されているはずの、
深淵なる真の王は・・なぜか、ここ百五十億兆万年、姿を見せていないときいている。
意識を閉じて、その代わりに、金色の王がここで、目覚めを待っているのだと。
火竜王は・・一度足りとて、この世界そのものであるという、深淵なる真の王にあったことはなかった。
そんな名前が、なぜ、このスィーフィード様より出てくるのか?
「そんなこと!!神族からの永久追放や、消滅なんて。
・・・いくら、
にやりと笑う火竜王。
くすり。
「・・そうかしら?アビス・ラズ・ポートの御名において・・といっても?♡」
びしぃぃぃ・・。
その言葉に彼は完全に凍りつく。
あったことはない。
だが・・。
深淵なる真の王の補佐官にして、側近だという、そのとおり名。
『
別名、『
火竜王は・・その正式な名前を知らなかった。
金色の王、深淵なる闇の王に続く、実力の持ち主。
深淵の王が眠りについているこの状況では、実質的に、それが取り仕切っていると聞いている。
「・・・な・・なぜ・・その名前が・・・。」
汗を流しているヴラバザード。
「あんたには、知る必要・・ないわ。」
こいつにいえば、こいつのことだから・・・。
また馬鹿なことをしでかすにきまっている。
仕事をこなすために・・・ギラクシーパレスに戻っていたとき。
こいつが、勝手に、古代竜・エンシェントドラゴンを滅ぼしたように。
「解ったわね!リナに手を出したら・・エル様からも、きつっっい、お仕置きがあると知りなさい!!!」
まず、お仕置きではすまないが。
それをいうなら・・魔王もであるのだが。
「それだけよ。―いいわね。リナには手出し・・無用!!」
ふいっ。
それだけいって、その場からかききえる。
「――ルナ=スィーフィード様!?」
ヴラバザードの叫びだけが・・神殿の大広間にこだました。
「・・・いったい・・・あの・・・リナ=インバースとは・・・・。」
だが、それであきらめる彼では・・なかった。
「何をいう・・。危険は取り除くに限るじゃないか・・・。」
事が住めば、今までのように、謹慎程度ですむさ。
とことん、勘違い街道まっしぐらの火竜王。
今度は・・そんな今まで程度にはいかない・・というのに。
「―ドラグスレイブ!!」
―どくん。
「あ゛・・あ゛あ゛・・・・。」
「―リナ!!!!」
術を放った後にくる魔力の高まり。
「―ガウリイ・・・・。」
暖かい・・・。
彼がいなければ、あのまま、闇に捕らわれるかと思った。
ガウリイがリナを強く抱きしめる。
リナがリナであるがゆえに。
「―ありがと。もう大丈夫よ・。」
にっこりと、最も大切な人にいうリナ。
・・・なんとなく、想像はしてたけど・・。
ドラスレが使えないっていうのは・・・・。
・・・・やっかいね・・・。
使うたびに、自分の中にいる魔王が活性化するのがわかる。
気を抜けば・・乗っ取られそうになるほどに。
リナが自我を保っているのは・・・常にガウリイが側にいるから。
いつも、自分を見守って、抱擁してくれているから。
だから・・自分は・・自分でいられる。
かといって、使えないというのは困る。
ゼフィーリアを出発してからも、魔族による襲撃は、定期的にやってくる。
目覚めかけた直後ほどではないが。
リナは知らない。
リナの精神を乗っ取りかけた魔王に、金色の王が激怒して、ちょっぴし、お灸をすえていたりするというのを。
魔王は、なぜ、お灸をすえられたのか、理解してないが・・・。
「これは・・・・他の呪文・・使わないと・・だめね・・・。」
ドラグスレイブは、もっとも強力。
それ以上に強力なのは・・ギガスレイブしかない。
しかし、下級魔族程度なら、いいが、中級、上級魔族相手では・・そうはいかないであろう。
「・・・例の呪文・・・早く完成・・させなきゃ。」
隣にいる大切な人を守るためにも。
リナは・・力が欲しかった。
ゼフィーリアにいるとき。
リナは・・・魔王に精神を乗っ取られそうになってから、魔道士協会に赴いた。
そして・・『
自己流でも開発したが、やはり、基礎は踏まえていたほうがいいと思ったから。
―何より、ガウリイが傷つくのが・・怖かったから。
ガウリイが、ゼロスによって、傷つけられたとき。
自分は何もできなかった。
しかも、そのきっかけは・・自分。
それが、くやしかったし・・・守りたかった。
彼を。
だから・・苦手に思っていた分野まで、
きちんと、応用から一から勉強し、今では、自分の物として、取り入れているリナ。
ゆえに・・今までは、できなかった、
ラティルトや、リザレクション・フロウブレイクといった、高位な術とされている分野の魔法も。
今や、リナはこなすことが出来る。
「深淵・・・か。」
なんとなく、この呪文ならば・・ギガスレイブと違い。
自分にも制御が簡単に出来ると思った。
実家の倉庫でみつけた一文。
―深淵なる闇 光よりも眩しき存在 闇よりもなお暗き存在 混沌を抱擁する存在 ―
それ以上は・・かかれていなかった。
というより、消されていた。
だが。
なんとなく、それが、新たな、呪文のきっかけになるように・・・。
リナは直感で感じ取った。
その応用して、組み立てている呪文が・・いくつか・・ある。
まだ、試しては・・ないが。
発動しなかったことを考えると・・怖いのだ。
まあ、自らの中に、デモンブラッドがあるせいで、魔力は格段に上がっている。
しかも・・・そのせいで、人としての、肉体の時間率も変ってきている・・。
というのも・・・。
リナにはよくわかっていた・・・。
リナの肉体は・・・人としての時間率を離れ・・・。
ゆっくりと、ゆっくりと・・進み始めていた。
成長速度が極端に異なるのを・・リナは感じている。
本当なら・・離れないと・・いけないのでは?
そう思うが・・・リナには、その勇気がなかった。
何より、ガウリイと離れたくなかった。
だから・・全力でガウリイを・・世界よりも大切な人を・・守ると誓った。
たとえ―自らの肉体が、人のそれではなくなっても、リナとして、自分として―。
この想いは・・・。
リナの無意識の行動により。
魔族に・・リナの弱点を知られることとなるとも知れずに・・・・
リナの弱点。
それは・・・・。
何よりも、大切な人。
『ガウリイ=ガブリエフ』
-続くー
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まえがき:
こんにちわ♪
さて・・と(汗)
闇の行方。リナとガウリイがゼフィーリアを旅たちました・・。
これから・・物語は始まりますのです・・・・・(汗)
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あとがき:
薫:・・次の初めで・・・お仕置きコーナーいこっと♪(まて!)
S:まてぃぃ!!
薫:あんたが、リナさんの精神の内部に身を置いているのが悪い!!
せめて、心にだったら、ルナさんやエル様に打つ手があったものを・・。
S:まてまて!!なぜ、エル様の名前がでてくるんだ!!
薫:・・・知らなくていーです。どーせ、お仕置き決定だし♡
あんなに、多々にいた中で、よりによって、リナさんの魂、封印対象に選んだ自分を呪ってください。
・・弱さを見つけたから・・でしょーけど・・・。
自分で自分の首を完全に絞めているよーなもんですね♡
S:・・どーいう意味だ!?
薫:そのままです。
・・・・ま、私は・・しりません。
あんたのせいで、この世界が完全消滅しでもしたら・・・。
・・・ただでは、すまないでしょうけどね・・・。
S:????
姫:まあ、それを防ぐために、リナスもくるから・・・。
薫:あら、すみれちゃん。
S:・・・・ぎくっ!!
姫:んっふふふふ♪私も、こいつには、ちょおぉぉと、腹がたってたのよね♡
えいvv
S:ぐぎゃ・・・・・・・・。
薫:・・自業自得ですね・・。
姫:エルとルナも呼んできましょう♪三人で、こいつには、お仕置きが必要よね♪
(Sをつれて、かき消える・・・)
薫:・・・確かに。
・・・ま、それでは・・次回で。
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