闇の行方  ~第1話~


「リナをオレにください。―結婚させてください。」

ぶぶぅぅぅぅ!!!

あたしとガウリイがあたしの実家に戻ったとき。
ガウリイが、あたしの家族にいきなりいった。
「ガガガガガウ////」
真っ赤になるのが自分でもわかる。
「リナ・・あんたは?」
紫ががった蒼い髪の女性が、対面にいる栗色の髪の女性にいっている。
「ああああたしは////」
真っ赤になるのがわかる。
「オレは・・リナがいないと生きていかれません。」
さらにいう、金髪の男性・・ガウリイ。
ガウリイ=ガブリエフ。
「やらん!!リナはお前なんかにはやらぁぁぁぁん!!」
一人、わめいている黒い髪の男性。
「いーわよ。リナも彼方のこと、好きのようだから。」
「私もいいわ。・・それに、ガウリイだし。」
「だめだぁぁ!!!」
「五月蝿い!!!彼方(父さん)!!」
「・・はい・・・。」
女性二人に言いくるめられる黒い髪の男性。
栗色の髪の女性・・リナの父親である。
たしいて、残りの二人は、リナの姉と、リナの母親。
リナ。
リナ=インバース。
ここ、ゼフィーリアのゼフィール・シティ。
ガウリイとリナは、サイラーグの戦いの後、二人して、ここに戻ってきていた。


ぼ~・・・・・。
なんとなく空を見上げる。
嘘みたいだった。
ガウリイが・・・・。
「リィナ、どうしたんだ?」
後ろから声をかけてくる・・・あたしの一番大切な人。
「ガウ////」
かぁぁぁぁ。
全身が真っ赤になる。
「リナの返事・・まだなんだけどなぁ♪」
にこにこといっているガウリイ。
ずるいよ。
いきなり、両親と姉ちゃんにいうなんて。
あたしの答えは・・決まってるじゃない。
・・・・彼方の側に・・ずっといたいの・・・・。
あたしは、世界よりも、何よりも・・彼方が一番大切だから・・・・・。
ふわり。
真っ赤になるあたしを正面から抱きしめてくるガウリイ。
とくん。とくん。
ガウリイの心臓の音が聞こえる。
・・・暖かい。
「・・・いい・・・の?こんなあたしで?」
あたしの側にいると、必ず、面倒が舞い込んでくる。
・・それでも?
「リナしかいないんだ・・・。」
「・・・ガウ・・・・。」
そこで、言葉がさえぎられた。
ガウリイがあたしの唇をさえぎったから・・
「・・・・ん・・・・」
あたしも・・・好きだよ・・愛してる・・・ガウリイ・・・・・。

夜空に輝く満天の星。
素直になれないあたしを祝福するかのように。
「・・・・・・うん///」
あたしは・・・・ガウリイのプロポーズを・・・受けた。
一緒にいたいから。
彼と離れるなんて・・・あたしには、耐えられないから。

「こんなに幸せで・・いいのかなぁ・・。」
しばらく、そのまま、あたしの実家にいることになった。
姉ちゃんがガウリイと剣の手合わせなどをしたいがためらしい。
あたしの手には、ガウリイから貰った、婚約指輪。
ピンクのダイヤや、プルーダイヤがちりばめられている。
・・・ガウリイにしては、奮発したわよねぇ。
よく、あたしに気づかれないように、お金ためてたもんだわ。
「へぇ・・。リナさん、今幸せなんですか?♡」
虚空より、声がしてくる。
「・・・・うっさい!!エルメキア!!ランス!!」
気配のするほうに向かって解き放つ。
「リナ!!」
ガウリイが気配を感じて、あわてて、あたしの所にやってくる。
夜明けの闇が、一段と濃く感じるその一点。
なんで、夜外をあるいていたかというと・・。
その・・一つの屋根の下でガウリイと寝ている・・とおもったら、無償に恥ずかしくなって、寝られなかったから。
今までは、こんなことはなかったのに・・。
「ひでぶ!ひどいですよぉ!!リナさぁんん!!」
なぜか、まともに、おっこちている黒い塊。
「うっさい!!あんた、何しに来たのよ!!!ゼロス!!!!」
あたしは、こいつを知っている。
ゼロス。
獣神官ゼロス。
にこにこと終止わらってても、一番くえないやつ。
ついでにいえば・・・魔族。
あたしは、魔族からも命を狙われている。
あたしのせいじゃのに!!
あたしに喧嘩ふっかけてきた、あんたらが悪いのよ!!
「リナ!!」
ガウリイがあたしを庇うようにして、立ち塞がる。
ぞくり。
何か違和感がする。
ゼロスから。
いつもの表情が・・・ゼロスの目が・・見開かれる。
「幸せ・・ですか♡なら・・そのギャップ・・いいでしょうね♡」
「危ない!!リナ!!!」
どしゅ!!
・・・・・・。
何が起ったのかわからなかった。
あたしを庇うようにして、立っているガウリイ。
その背中に・・・べっとりと・・血が・・・。
肩が・・半分・・黒い錐に貫かれていた。
傷の間から見える白いもの・・それにこびりつく、どすぐろい肉の塊・・
い・・・・・いやぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!!ガウリイぃぃぃぃ!!!!!!!!
ごうっ。
あたしの中から、何かがわきおこってくる。
〃・・・ほう・・・・・。〃
やだやだ!ガウリイ!!死ないで!!!
〃これは・・・力が・・・〃
いやぁぁぁぁ!!!!
「おめざめくださいな♡魔王様♡」
ゼロスが何かいっている。
「い・・・いやぁぁぁぁ!!!!」
何かが・・いる。
あたしの中に・・


「くっ!!!ゼロス!!」
きぃぃぃぃんん!!!!
ガウリイが大怪我しているというのに、ゼロスに剣を一閃させる。
「な゛!?」
完全にゼロスを捕らえているガウリイ。
「くっ!!でも・・もう、遅いですよ♡ガウリイさん♡リナさんは・・・魔王様になるんですから♡」
身体半分ガウリイの剣によって、もっていかれた、ゼロスが闇へと解け消える。
「あ・・あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
リナの身体から吹きあれる瘴気の渦。
「リナ!!!」
ガウリイがリナを抱きしめる。
瘴気に当てられ、傷つくガウリイ。
「大丈夫だ!俺は大丈夫だから!!」
「い・・いやぁぁぁ!!!」
さらにましてくる瘴気。
「リナ!!!!!」
「―ガウ・・・・。」
そんなリナに、ガウリイは口付けする。
深い深いくちづけ。


ガウリイ・・ガウリイ・・・。
・・・・ガウリイ!!!!
あたしは、ガウリイの暖かい温もりで、自我を取り戻してゆく。
混乱していた思考が落ち着いてゆく。
〃・・・ちっ・・・・・。まあ・・・いい。チャンスは・・まだ・・・ある・・。〃
あたしを抱きしめる力強い手。
「ガウ・・・・。」
目を開けると、傷だらけになった、ガウリイの姿。
ところどころに見える血の塊。
半分骨が見えて、・・血があふれんばかりに流れている。
ううん。
血は・・。あまりでてない。
それが・・ひどい怪我だって・・わかる。
「リナ!!!」
あたしがガウリイをみて、呆然としていると。
顔を真っ青にした、姉ちゃんがやってくる。
「ルナティックヒール。」
姉ちゃんが聞いたことのない呪文を唱える。
ガウリイに手をかざす。
見る間に、ガウリイの傷が・・ふさがってゆく。
「・・ガウリイ・・よかっ・・た・・・・。」
どさっ。
あたしは、そのまま、意識をうしなった。

〃しぶといな・・・。〃
いやよ。
って、なんであんたがあたしの中にいるのよ!!
邪魔しないでよ!!
〃・・威勢は、いいな。リナ=インバースよ。・・だが・・・人の身で・・いつまで自我を・・保てるかな?〃
うるさい!!
あたしは、あんたなんかにはまけないわよ!!
守りたいから。
大切な、世界よりも大切な人がいるから!!
〃・・・・ほぅ・・・。〃
・・・何よ・・・その意味ありげな言葉は・・。
空の戒め解き放ち・・凍れる黒き虚ろの刃よ・・・。
〃!?なぜ、精神のみで、呪文を唱えられる!?〃
うっさい!!根性があれば何だってできるのよ!!
なんなら・・・不完全のギガスレイブ・・いくわよ!?
〃ふっ・・。まあ・・・・いい。きっかけは・・いつでもある・・・・。〃
あ・・まて!!
あたしからでてけぇぇぇぇ!!!!!
〃・・それが出来ないからな。まあ・・時間はあるんだ。お前は・・我が取りこむ・・。〃
絶対にいやぁぁ!!!!
〃ふっ・・・いってろ・・・・。〃


「ん・・・・。」
目覚めると、心配そうな、ガウリイの顔。
「よかった・・・・リナ・・。」
あたしをそのまま、抱きしめてくる。
「ガウリイ・・・・」
よかった。
ガウリイが無事で。
・・・でも・・・。
あたしの中には・・・。
「・・・ガウリイ・・婚約・・・破棄・・しよ?」
ガウリイにしがみつき、あたしは震える声でいう。
「・・・リナ!?」
ガウリイの目が驚愕に見開かれる。
「あたしの・・中には・・・魔王が・・・・。・・・いつ、目覚めるか・・わからない・・・・。」
あたしの手で、ガウリイを傷つける。
あたしは、そんなのは望まない。
ぎゅっ。
―え?
さらに、あたしを抱きしめるガウリイの手が強くなる。
「リナは、リナだ。・・魔王になんて、させないから。オレが守るから。オレは・・・リナがいないと生きていかれない・・。」
まるで、捨てられる子犬のような、寂しい目。
おいていかれる、幼子のような瞳。
「・・・いい・・・の?」
「リナは・・リナだろ?オレは・・リナ以外の隣には・・いたくない・・・」
「ガウリイ・・・・。」
いけない。
とわかっていた。
本当は・・いけない。
と。
でも・・・・。
何より、あたしが・・ガウリイから・・離れるなんて、考えられなかった。
「・・・・魔王なんかに、負けるな。―リナ。」
「・・・うん。」
ガウリイが側にいてくれる。
ねぇ。
ガウリイ。
知ってる?
彼方が側にいるだけで、あたしは、誰よりも強くなれるの。
たとえ・・相手が魔王でも、彼方がいるから・・。
あたしは・・・・負けない。
ぎゅ。
「・・・ごめん・・・ガウリイ・・変なこと・・・いって・・・」
ガウリイの服を強くつかみ、ガウリイを抱きしめる。
でも・・・・。
「じゃ♡しよ♪」
ガウリイがなぜか怪しく笑っている。
「そ・・それは・・いや//」
う゛//
それは・・つまり・・その///
・・やだ//
だって・・・。
あたし達・・・結婚してないし。
「・・・心の整理がつくまで・・まっててくれる?ガウリイ?」
ごめんね。
これは、あたしのわがまま。
ガウリイに抱かれてしまうと・・。
あたしは、絶対に彼方から、逃れられなくなる。
ううん。
その隙に・・心の油断で、魔王に乗っ取られてしまうかもしれない。
そうしたら・・あたしが彼方を殺してしまう・・・。
だから・・・。
あたしが、絶対に、魔王に負けない。
大丈夫。
と思えるまで・・まって。
「わかった、無理じいは・・しない。いつでも、待つから。リナの心の準備ができるまで。
  でも・・寝るのは、何もしないから、一緒に寝ような♡」
ぼん!!!///
こ・・こいつわぁぁぁぁ!!!//
しれっというガウリイ。
何もしないって・・・。
でも・・・。
「・・・うん。側にいて・・・。///」
一人だと、その隙に、乗っ取られそうになるから。
側にいて。
彼方のぬくもりを感じさせていて。
そうしたら・・・あたしは、強くなれるから・・・・。


あたしの中に・・・魔王の欠片が・・封印されている・・・・・


「リナ・・ゴメンね・・。」
朝食のとき、なぜか、リナの姉であるルナがリナに謝ってくる。
「姉ちゃん?」
リナが不審におもう。
こんな表情の姉は・・みたことがない。
ゴメンね。
貴女を守りたかった。
・・だから、あいつを封印したのに。
あいつは・・こともあろうに、貴女を封印の対象に選んだ。
・・・あたしは、貴女に・・リナ様に・・幸せになって、ほしいから・・・。
だから・・・・人として生き、記憶のない貴女。
この世界の輪廻の輪に彼がのってきたとき、貴女も一緒にここにきた。
・・・だから。
エル様に頼んで・・あたしも人になった。
あいつを封印した。
それが・・・こんなことになるなんて。
私は・・何よりも、リナ様に・・笑っていてほしいから。
これ以上・・貴女様が・・彼を失って・・・。
傷つくのを・・・見たくないから。
自らの命をその手で奪う行動を・・・見たくないから。
いつもそう。
貴女は、彼を追って、自殺。
何度生まれ変わっても。
彼もまた、リナ様を守るために、命をかけて、守りぬき・・そして、死ぬ。
今回は・・うまくいきかけていた。
それなのに・・・・。
私がかけた、貴女様への封印。
でも、リナ様が、デモンブラッドを飲み込んだときから。
私の封印は・・解かれてしまった。
貴女が生まれたとき・・貴女の中にあいつがいるとわかって。
私は・・・自分を恨んだ。
リナ様を苦しめるために、私は・・あいつを封印したんじゃない・・・。
ガウリイ。
ガウリイ=ガブリエフ。
今回も、朴訥に、リナ様を愛してくれている。
それは、彼の魂のできた過程によるものだとしても。
でも・・・私は・・・何よりも、リナ様には心から笑っていてほしいから。
二人の想いの歪みから生じている反逆者。
この世界にあだをなす存在。
今は・・リナ様が、力と意識を閉じたことで、どうにか沈黙をまもっている。
でも・・ね。
リナ様・・・貴女様の精神が・・・壊れれば・・・。
いくら、今は、エル様が、貴女さまの代わりに、ここを守ってくれてても。
・・この世界は・・崩壊するんですよ。
でも・・・私は・・・リナ様には、心から笑っていてほしいから・・。
だから・・・・。
記憶のない貴女。
せめて、記憶のないまま、幸せになって。
そして、気づいて。
リナ様は・・一人でないということに。
リナ様の封印が解ければ、あいつは、完全にかなうわけがない。
でも・・・・。
それでは・・駄目。
だから・・・ごめんなさい・・・・・


「姉ちゃん?」
あたしは、なぜか、泣きそうな姉ちゃんの目が気になった。
「・・・ガウリイ。リナを絶対に守ってよ!」
ガウリイにいう姉ちゃん。
「当然ですよ。誰にも・・・リナは渡しません。・・・全身全霊をかけて!!」
・・ぼっ!!!//
何こいつは、真顔でそんなこといってるのよ!!
は・・恥ずかしいじゃない!!
いまだに不機嫌な父さん。
まあ、父さんとガウリイが知り合いだった。
というのには、ちょっとびっくりしたけど。
あたしも・・守るから。
ガウリイ・・彼方を。
この命をかけてでも。


それからというもの。
―あたしを狙ってくる魔族が・・格段に増えていった・・・・・


こ・・これいじょう、ここにいたら、あたし・・・姉ちゃんに殺される・・かも(汗)
何しろ、姉ちゃんの手を煩わせるまでに魔族はしつこいし・・・・


だから。
あたしは、ガウリイと共に。
ゼフィーリアを旅立つことにした。
大丈夫。
ガウリイがいるから・・・・。
だから・・・・。
あたしは・・強くなれるから・・・・。
魔族なんかの思い通りになるものか!!!!


                     -続くー

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まえがき:
こんにちわ♪
この本編・・視点がいろいろと・・・(滝汗)
ま、どうにかなる(多分!)←まて!!
とりあえず、リナ視点を主にして・・と(だからまてぃ!)
ゼフィーリアに戻ったところからです♪
ではでは♪

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あとがき: 
    薫:ううん・・・。意味が・・意味がぁぁ!!!(滝汗)
      いやぁ・・。リナの感情優先で書いてみたら・・。
      まあ、描写がなってないわ。ないわ。(自覚はある・爆!)
      いや・・だって・・。
      ガウリイの傷のえぐれ肩とか・・・。
      うぞぞ!!あ・・鳥肌が・・・(汗)
      まあ・・・それでは・・・(滝汗)
   ルナ:シャブラニグドゥぅぅう!!!!許さないからねぇぇぇ!!!
    薫:あ゛~あ゛・・。
      こりゃ・・・・ルナさん・・正体・・ばれかねないなぁ・・・・。(汗)
      ま、Sが悪いから・・いっか。←非道(笑)
      ではでは♪

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