エターナル・スレイヤーズ ~第1話~
う~ん。
何か、あっちの『あたし』はすごいことになってるような…
そんなことをも思うけど。
だけど、今のあたしは動ける状態ではないし。
どうにか、時間をかけて、自分の中、つまりは精神力で。
ここにあった残留思念を取り込むことに成功したのはいいものの。
いまだにちょっとでも気を抜くと闇にととらわれそうになるこの現実。
以前、切り離したあたし自身。
すなわち、今の『あたし』は。
基本となるリナとしての深層意識を反映している。
まあ、あたしと分離したがゆえに、あたし自身の力はかなり実力的には低下してるけど。
それもあるし、あのとき、あたしがまだ完全に万全の体調ではなかった。ということもあり。
しかたなく、いやいやながら、というか、姉ちゃんが怖いがゆえに。
こうして、あたしは今自分の精神と肉体をそれぞれ、一部ほど分離させたんだけど…
まあ、本来のあたしの実力に伴うくらいの力は。
何かすっとこ神官からアイテムを買い受けて。
どうにか元に近いくらいの実力はあちらもまた兼ね備えてるみたいだけど。
「しっかし、何でこうもあたしの周りには問答無用で事件が舞い込んでくるんだ?」
思わず、ぼやいてしまうのも、絶対に仕方がない、とおもう。
今はとりあえず、肉体的な代謝機能を止めているから。
さして問題もなく、ここでずっとこうして【魔王の残留思念】をどうにか浄化させることに力を注いでいるけど。
あたしが力を分けたのは。
一応は、精神的な部分の一部のみ。
何しろ、どれだけの時間を用するかわかんなかったし。
肉体なんてもってたら、風呂とか、そういった様々なものがここでは取れないし。
まあ、そんな理由もあるにしろ。
とりあえず、自力で、精神体も物質化できるように、姉ちゃんから、
さんざっん!特訓受けてるからねぇ…あたしは…
まあ、思い出したら怖いから思い出さないようにはしてるけど。
というか、かなりの力を削ぐから、本来ならば使わないし。
というか、使うことすらもないこの力。
だけど、もう一人のあたしはといえば。
まあ、なぜか問答無用でちょっとしたハプニングに巻き込まれていたりするし。
とりあえず、ここ、物質的な時間、というか、時間率がまったくもって関係ない。
精神世界の一部にと、空間がどうやら設置しているらしく。
あたしがちょっとしたルナ姉ちゃんから教わってた結界を張るだけで。
とりあえずは物質世界、つまりは地上への干渉はまったく届いてないようだし。
だからまあ、無理ができるんだけど…
しかし、問題なのは、そこではなく。
今、あちらの『あたし』と行動しているあの神官。
つうか、おもいっきしこっちでは、あの正体が視えてるんだけど…
あたしの強い思いなどは、ダイレクトにあちらの『あたし』にも伝わるから。
あっちの『あたし』もバシリ神官の正体には気づいてるらしいけど。
まあ、誰からも聞かれてないから、精神体を分離させてるなんて。
あっちのあたしは言ってないようだけど。
あいつもまた、誰にもいってないようだしね。
つうか、あいつのことだから、忘れてたりして…
まあ、あれからいろいろとあっちもあるようだしねぇ。
コピーレゾとか、セイルーンとか。
挙句は、ディルスとか…
どうやら、あちらはあちらで。
獣神官ゼロスの導きで、『異世界黙示録』の場所に行くようだけど…
そーいや、この空間で、あの呪文、つかったらどうなるんだろ?
・・・・ものすっごく怖い予感がするから、使ってはないけどさ。
そんなことを思いつつも、とりあえず。
意識をあちらにと向けつつも、
とりあえずは自分の内部にと取り込んだ、残留思念を浄化することにと専念しているあたし。
ここはどれだけ時間がたったのかなんてわからない。
周りにあるのは、暗い、暗い、光も何もない空間のみ。
そんな中で気が狂わずにいれたのは。
あちらの自分の行動がダイレクトに、感情だけでもつたわってくるからに他ならない。
「しっかし、カタート山脈かぁ。ついでにディルス王国?うーん…」
ディルス。
かなり思い出深い国ではあるけど。
そもそもは。
昔姉ちゃんと一緒にあの国にいったから、あの術が完成したわけで…
ふと、昔の感慨にふけっていると。
「へぇ。まさかとはおもったけど、こんな場所に例の人間がいるじゃないか。」
なぜか、この場にいるはずのない声があたしの耳にと届いてくる。
「誰!?」
思わず振り向く。
ここには、普通の存在は入ってこれないはず。
というか…ここは一応は精神世界の一部の世界。
振り向いたあたしの視界に移ったのは。
見たこともない青年が一人。
しかも、見ただけでわかる。
ぞくっ。
思わず身震いする。
声をかけてきた人物の後ろに見えるのは…強大なる闇。
しかも、普通の魔とかの闇とは異なり。
その中に、神族に俗する気配も多少感じられる。
以前、というか昔、姉ちゃんから受けた、神魔融合呪文。
あれに似た感じがひしひしと感じられる。
「…あんたは…」
思わず、立ち上がりつつ、といっても、ここには足場、などというものはないにしろ。
右も左も、左右どこも、足がつける、と思えばそこが足場となる空間なのだからして。
「ふっ。俺はヴァルガーヴ。ガーヴ様の忠実なる僕。」
ガーヴ!?
何でそんなやつの手先が!?
というか!?
そーいや、あっちの『あたし』が何やらそのガーヴに狙われてるとかいう話ではあるけども!?
「ちょっと!?何でそんなやつがこんなところにいるのよ!?関係ないでしょ!?」
思わず怒鳴るが。
「まさか、とは思ったがな。あんたの気配をこの場所から感じて。
もっとも、どうやらあんたはアレの精神の一部のようだが…
だが、ということは、あんたを倒せば、あちらの女の力もそがれる、ということか?ん?」
何やらそんなことをいいつつも、こちらにゆっくりと歩み寄ってくるその男性。
背後に視えるは、黒い羽をもった竜。
「…まさか、あんた…」
あたしはかつて、姉ちゃんから、話を聞いたことがある。
黒い翼をもち、黄金竜千匹以上の力を一匹で補うばかりの力をもっていた古代竜の話を。
それに似ているのだ。
この目の前のこいつは。
雰囲気が。
「冗談!みすみすやられてたまるもんですか!そんなことしたら、それこそ、『あたし』が完全に力を震えないじゃない!」
震える体を何とか押さえ。
とりあえず、びしっと指をつきつけて。
目の前の男性にと言い放つ。
「― へぇ。つまり、あんたを倒せば、あの方か困らなくてすむ、ということだ。」
そんなあたしの言葉に何やら笑みを吊り上げてそんなことをいってくるこの男性。
「・・・っくっ!」
突如として出現した、目の前のこの青年というか、神族?魔族?竜族?
すべての気配が感じ取られる。
こんな・…今のこの状態の自分では!!!
「や、やられてたまるもんですか!あたしは・・・あたしは、まだ!世界のおいしいものを食べつくしてないのよ!!!」
ごけっ!
あ、何かこけてるし。
あたしの言葉になぜかその場にこけているし、こいつは。
とりあえず、今のうち!
何でかわかんないけど、今しかないし!
こいつがこけている隙しか、逃げるチャンスははっきりいってない!
そう自分に言い聞かせ。
「ラグナ・・・ブレード!!!」
すでに唱えていた術を解き放つ。
というか、この空間では、その気になれば、力ある言葉だけで、術が発動する。
あたしの手の中にと出現する黒い刃。
金色の魔王の力を借りた虚無の刃。
「・・・な・・・に!?」
術が何なのかわからないのか、はたまた、その術の特性に気づいたのか。
何やら驚愕の瞳を見開いているけど。
そのまま、体制を取り直そうとするそれにむかい、かまわずにきりつける。
「ぐわっ!?」
何やらそれから、悲鳴が漏れていたりするけども。
あとは…
とにかく、ここから逃げるのが先決だし。
だからといって、生半可な術ではこいつの足止めにもならない。
なら、することは、ひとつ!
「闇よりも暗きもの 夜よりもなおふかきもの 混沌の海にたゆたいし金色なりし闇の王…」
ざざっと早口でカオスワーズをつむぎだし。
いまだにきりつけられて何やら叫んでいるそれにむかい。
かまわずにと、完成したそれを解き放つ。
「ギガ・スレイブ!!!!」
あたしがそれを解き放つと同時に…あたしの視界は…はじけ。
そのままあたしは意識そのものを失ってゆく。
何か気絶するあたしの意識の中で。
暗い、暗い、金色の闇が具間みえ…そのまま、あたしは完全にと意識を失った…
「あの空間で我の不完全ながらの力を使うとはな。」
たゆたいしその存在。
人、というちっぽけな小さな存在。
だが、その意思の力は純粋で、そして力強く。
ブラス思考のみを考えている。
しかも…
「意思力だけで、部下Sを閉じ込めるとはな…まあいい。あの空間で我の力を制御したのは確かに認めざるは得ないがな。
だが…その代償は…まあよい。そのまま流れにそって、汝は汝のその思いのままに…」
この人間。
あまり我の力を制御できる存在は限られた数しか存在しえない。
ましてや。
精神体のままで、我の力を制御するなど。
しばらく視ているだけの価値はありそうだしな…
ならば。
このまま、このものをこちらの流れに乗せてみるのもまた一驚。
このものたちがどのような道を進むのか。
これはわが気まぐれ。
しっかりとあがくがよい。
-第2話へー
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まえがき:
うーん。
つうか、ヴァルガーヴ、出てくるのはここだけ、という何とも哀れな(こらこらこら!
ま、いっか(よくないです!
何はともあれ、いくのですv
スーパーファミコンをブレイしてて一番初めに思いついたお話です!(こらこらこら!
(いくつおもいついたんだ・・・?笑)
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あとがきもどき:
薫:だしちゃいました。エル様(まてぃ!
L:ちょっと!?まさか、あたしの出番はこれだけ!?
薫:・・・・・ぎくっ!
あ・・・・あはははは・・・・・・・
L:そりゃ、面白そうだから、あのの時間率にのせたけど!
だからといって、これだけの出番、というのはどういうことよ!?
薫:あ゛あ゛あ゛!すいません!
だって、エル様がかかわってる。
と暴露したら、すぐに寝たばれじゃないですか・・・・
L:それを隠すのがあんたの仕事でしょ?
薫:・・・・・あぅ・・・・・(涙)
L:と・に・か・くvあたしをしっかりと活躍させなさいねv
薫:・・・・・・これではおそらくは活躍しないかと・・・・
って、無言で大鎌を構えるのはやめてくださいぃぃい!
漫遊記をどうにかがんばりますからぁぁぁあ!
L:それはそれvということでv
ざっしゅ!!
薫:ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
L:はい。薫の代理のエルです。
薫はどこかにいきましたから。
何か、これ、スーパーファミコン版のスレイヤーズ。
あれをブレイし始めた初期に思いついた話だそうです。
あたしが裏ではかかわってるのにこいつ書かないつもりなのよね…
もう少し、説得しとくとしますかねv
それでは、また、次回で会いましょうねvそれではv皆さま、ごきげんよう♪
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