☆スレイヤーズ・ロールプレイングゲーム☆

     掛け替えのない真実    プロローグ


     

「じゃ、次の目的地は決まりだな。」
何かこいつ・・・やけに押しが強くないか?
そんなことをあたしは思うが、まっ。いっか。
たまには里帰りというのも悪くはない。
ここ二年以上はっきりいって里帰りをしていないのもまた事実だし。
つらい思いをしつつ、迎えた二度目の魔王との戦い。
どうにかガウリイの怪我も癒え、次に向かう場所はどこがいいかとあたしが聞いたところ。
何を考えているのか・・・多分絶対に何も考えていないのだろうが。
あたしの自称保護者、ガウリイはなぜかあたしの実家であるゼフィーリアにいきたいなどといいはじめ。
確かに今から出発したらゼフィーリア名物の収穫祭には間に合うかもしれないが。
だがこいつ、本当に乙女の実家にいくという意味・・・理解・・してないんだろうなぁ。
はぁ。
二度目の魔王覚醒は・・・その素体になった人物は・・・あたしもガウリイもよく知っている人物だった。
大切な人を失って、どうしていいのかわからずにその身の中にいる魔王と手を結び、
それでも彼女の元に行くべく自分ではどうにもできずに・・・あたしたちの手にかかることを望んだルーク。
・・・・・もし・・・・あたしが・・・・ルークと同じような目にあったら・・・。
考えただけで寒気がする。
あたしは・・・・きっと・・・・。
「んじゃ、とりあえず次なる目的地はあたしの実家。
  ゼフィーリアの首都、ゼフィール・シティ。それでいいわね?ガウリイ?」
しかし・・・・どーしてこいつ、こんな目にあってまであたしと一緒にいてくれるんだろうか?
ふとした疑問があたしの頭を掠めるが、でも今さら・・あたしだってガウリイと離れたくはない。
ルークの一件で痛感したのは・・・あたしは・・・・このくらげを・・・・。
「おう!」
何ならガウリイがうれしそうにいってくるけど、そんなにゼフィーリアの葡萄が早く食べたいのかしら?

あたし、リナ=インバース。
自称あたしの保護者こと相棒のガウリイ=ガブリエフと旅を始めてはやもうすぐ三年近く。
その間にいろいろあった。というかこいつと出会ったのがそもそもの運のつきというか何というか。
こいつと初めて出会ったときにしょっぱな魔王覚醒に立ち会うハメになり。
それからというものまあ純魔族との戦いだの、伝説の魔獣ザナッファーとの戦いだの。
挙句はついにはこの世界の魔王が作り出した五人の腹心のうちの二人。
魔竜王に冥王・・・この二人に狙われるわ、しかも先日においてはとうとう。
覇王を撃退したあたしたちの前に出現したのは・・残りの二人。
獣王と海王らしいし・・・。
・・・・何かあたしガウリイと出会ってから・・波乱万丈な正を送ってないか?
そう思うのはあたしの気のせいであろうか?
まあ、とりあえずは。
次なる目的地も決まったことだし。
「・・・・じゃ、どの方面からいく?」
何しろここ、サイラーグ。
周りが山に囲まれているせいか、ウルル山脈を越える道のりと。
それとマレン街道を抜ける道、それと海を越える道とがあり。
それらを除くとしても、まずはラルディーグ王国に抜けるかまたはディルスに抜け、
ゼフィーリアを目指すようになる。
さて、どっちにいくとしようか。



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