☆スレイヤーズ・ロールプレイングゲーム☆ 掛け替えのない真実
「とりあえずディルスにいかないか?」
そういってきたのは他ならないガウリイ。
「・・・・そーね。」
ガウリイの言葉にあたしはうなづく。
確かにどっちにしても一度ディルスにいったほうがいいであろう。
いや、ディルスというよりは・・・・セレンティアに。
あの丘の上にある共同墓地の一角に。
・・・・あたしたちにはその責任がある。
・・・・理由はどうであれ彼を手にかけて殺したのは他ならない・・あたしなのだから。
とりあえず話しもまとまり。
あたしたちはサイラーグを後にする。
死霊都市サイラーグ。
とうとう不幸もここに際まり・・という何とも気の毒な町ではあるが。
根性性悪コピー人間に消滅させられさらには死んでいるというのに。
こんどは天使の姿をした悪魔に利用させられその姿をかりそめの姿として復活させられ手足とされ、冥王の拠点とされ。
その挙句には金色の王が降臨し・・・さらにはその後には。
とうとうこの地で魔王がとある世界を作り出し・・・とまあよくまあここまで不幸が連続する町ではあるが。
・・・・そのすべてにあたしがかかわっているというのはおいとくとしても。
とりあえず様々な思いはあるがあたしたちはサイラーグを後にする。
目指すはディルス王国にあるセレンティア。
その町の近くの丘にある共同墓地のひとつに赴くために。
ディルスにいくにはマレン湖の名前からとったマレン街道を抜ける以外に方法はない。
ちなみに余談ではあるがマレン湖の名物はそこに済むレイクドラゴンだったりする。
湖の近くにある村ではドラゴン料理が名物でそこの料理などはまた格別。
とりあえず何事もなくまあ道中お約束の追いはぎなどが出てきたりもしたけども。
それはそれ、あたしの呪文とガウリイの敵ではない。
進むごとに懐が寂しくなるのではなく逆に暖かくなりつつも、
あたしたちはマレン街道を抜け、そしてセレンティア・シティにとたどり着く。
セレンティア・シティ。
おろかな人間がたかが下級魔族の言葉に踊らされ・・・権力を争い。
その結果、闇の王たる魔王、シャブラニグドゥを覚醒させてしまう原因となった、
彼の・・・魔王が同化していた人間の・・・ルークの大切な人が命を落とした場所。
墓の前には大量の花束が。
それが誰が差し向けたものなのかは・・・あたしたちには何となくわかった。
毎日のように訪れていた形跡も気配もある。
「・・・・あいつ・・・・・魔王と同化しても・・・毎日訪れていたんだな・・・・」
「・・・・そうね。」
ガウリイの言葉につぶやくあたし。
その墓の前に残っている気配はあきらかにルークのもの。
そして花もかなり飾られている。
その横に申し訳なさそうに飾られている小さな花。
どうやら彼女の墓には彼、ケレス神官も訪れているのであろう。
ここしばらくはどうやらそちらしかお供え物などはされていないが。
・・・それもそのはず。
毎日のように訪れていたルークは・・・あたしが・・・この手で・・・
そっとそこにゆりの花を供え、墓石にと水をかける。
「・・・・ねぇ?ミリーナ?彼を怒らないでいてあげてね・・・」
ミリーナの元にいくために・・それでもそれがわからずに。
あたしたちの手でミリーナの元にいくことを望んでいたルーク。
そして・・・・そんなルークを手にかけたあたし。
呪文で倒したとはいえ・・・やはりあたしが殺したのには変わりがない。
「・・・・きっとあっちでミリーナと出会えているさ。もしかしたらいつものようにミリーナにいいよっているんじゃないか?」
そんなあたしの肩を抱き寄せてそんなことを言っているガウリイ。
「・・・・そだね。」
ふとあたしの脳裏に。
『ミリィィナぁぁ!あいたかったぜ!』
『ルーク、まったくあなたという人は・・・』
などといっている二人の姿が一瞬連想されるが。
それでもそれはやはり想像でしかなく。
・・・・二度と彼らにはこの地上で出会うことはないのである・・・そう、二度と。
「・・・・ねぇ、ガウリイ・・・・あたし・・いないほうがいいのかな?」
ふとした不安がもれてゆく。
ミリーナが命を落とした原因となったのは・・・あたしがかつて手がけた。
とある国の生き残り。
その合成された人魔の執念による結果。
ううん、それだけではなくあたしのせいでいったいどれほどの命が失われていることか。
・・・・サイラーグの人々にしてもそう。
・・・すべてはあたしが原因のひとつなのだから。
あたしは被害者、といってしまうにはあまりに大きなその犠牲。
そんなあたしの肩をだき。
「そんなことはないさ。リナがいなかったら。
もうこの世界は存在していない・・・・だろう?それにリナ、今までいろいろな人も助けたじゃないか。
誰もそんなことは思ってないさ。」
ガウリイの言葉に少し慰められる。
そういいつつあたしの頭をなでてくるガウリイ。
じっと墓石を見ていると、そこにまるでミリーナとルークが一緒に微笑んでいるような錯覚にあたしは一瞬捉えられた。
・・・・あたしは柄にもなく、そんなガウリイの胸の中で気づいたらしばらく泣いていた。
「・・・・さて・・・と、ミリーナの報告は済ませたし。」
「どうする?リナ?ガイリアかセレンティアによってみるか?それともこのまま出発するか?」
しばらくいくらかガウリイの胸の中であたしは泣いたであろうか。
すでに日は傾き始めている。
おそらくはいまだにゴタゴタしているであろうセレンティアと。
うわさでは何でも王位継承権のごたごたが起こっているとかいうディルスの首都。
ガイリア・シティ。
「そうね・・・どうしよっか?」
あたしはガウリイのその言葉にしばし考え込む。
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