大丈夫


「ああああもう!これくらい大丈夫だってば!」
「いいや!だめだ!」
いつもの言い合いも何だかむなしいぞ・・・・おい。
そうあたしの抗議する声もむなしく、ひょいとあたしは抱きかかえられてしまう。
「リナはとにかくおとなしくしてろ!オレがすべてやるから!」
そういいつつあたしを寝室にと運んでゆくガウリイ。
「だ・・・だぁぁぁ!あんたに任せてたらろくなことにならないじゃないのよぉ〜!」
あたしの絶叫が響き渡る。
まったく、いくらあたしが大丈夫だからといっても。
このむちゃくちゃに過保護極まりない元自称保護者は。
最近ではその過保護ぶりがさらに激化しているような気がするのは、
絶対に気のせいではない。

理由は簡単。
あたしの妊娠が判明したからである。
なぜかなしくずしてきというかはめられたというか・・・。
なぜかこいつと結婚することとなり、そしてお約束の妊娠。
・・・まではまあ、よしとして。
・・・・よくないけど。
とにかく、あたしの妊娠が判明したガウリイはといえば。
あたしがちょっとした荷物などを持つのにも。
あたしとお腹の子供に何かあったらいけない!
とかいって・・・・前回も・・・・そしてまた今回も・・・・あぅ・・・。
あたしがいくら大丈夫だといっても、ガウリイは聞き届けるはずもなく。
そのまま情けないことに寝室にとつれられていってしまうあたし。
「ママ、リルナもいっしょにパパとするから、だからおとなしくしてて!ね?」
などといっているのはあたしとガウリイの一番目の娘でもある、リルナ。
まあものの見事というか・・その・・・何というか。
結婚一年目にも満たない新婚当時にすぐに妊娠が判明したあたしなのだが。
・・・・どーやら俗にいうハネムーンベイビーであるらしい・・・・。
で、ようやく手が離れかけてもう少しでリルナも二歳になる。
という矢先、またまたあたしの妊娠が判明。
一度目のときもそうであったがまあガウリイの喜びようといったら・・・。
「だぁぁ!リルナは何もしなくていいの!」
思わずガウリイに抱きかかえられたままで叫ぶあたし。
・・・・このリルナ、いったい誰に似たんだか。
何でも効率のいいやり方の研究とかいって。
今までに幾度家を半壊させかけたことやら。
とりあえずは少々の攻撃では家が壊れないように、耐久魔法をかけているので。
そう簡単に壊れはしないが。
姉ちゃんや母さんはリルナの性格はあたしにそっくりといっているが。
・・・・あたしそこまでところかまわず攻撃魔法なんて使わないもん。
・・・・・多分。
まあ、さすがに言葉を言いかけたとうじにドラグスレイブを放ったのには驚いたが。
・・・・どーやらリルナをつれて盗賊いじめに赴いていたときに唱えていたのを幼い子供ながら丸暗記したらしい。
それはさすがにこの天才魔道士の娘よねv
と一人納得しているあたしであるのだが。
「だぁぁぁ!リルナは何もしなくていい!ガウリイも下手なことはしないでぇ!」
あたしの叫びがこだまする。
・・・・何しろこの二人に任せたら。
・・・・加減、というものを知らないのである。
事実、つい数字前にもあたしがつわりでちょっとダウンしていたときに。
二人で家事をやる、といってやってくれたまではいいのだが。
・・・・・思い出すまい。
何しろ家は半分こげ。
・・・・どうやら何か生ごみがきたがゆえにそーなったらしいがそれはそれ。
栄養のあるものを。
というガウリイの意見で台所は食材の山。
おかげさまで周り近所に配って歩く・・・のは勿体ないので。
実家できちんとケースに入れておかずとして売り出したりしたのだが。
そのおかげである程度は小銭は儲かったが・・・とと、それは今は関係ないか。
とにかくこの二人、加減、というものを知らない。
「大丈夫。オレたちにまかせておけ!リナはとにかく、丈夫な子供をうんでくれよな。」
満面の笑みを浮かべていっているガウリイ。
そーいやガウリイは家族が増えるのはとてもうれしいとかいってたけど。
何でもあまり詳しくは教えてもらってないけど、ガウリイ。
家族のぬくもりとかあまりそーいったことに無縁だったらしいから。
「いやぁぁ!ガウリイ、リルナ、下手に動かないでぇぇ!
  って!?何そんなに食材またまた買い込んできてるのよぉぉぉぉ!」
ふと見れば。
・・・・リルナが物質を空中に浮かばせる術を覚えたせいか。
すでに買い物に出かけてこれでもか。
というほどの食材を買い込んできていたりする。
「だぁぁぁぁぁぁぁぁ!あたしがやるから、二人とも、何もしないでよぉ!」
「大丈夫だって。」
「そうそう、ママ、リルナたちにまかせといて!」
「まかせられないわよぉぉぉ〜!」
今日も今日とてあたしの絶叫が響き渡る。

結局、今回もまた無駄な出費が・・・・あぅ・・・。
ああもう!
今あたし妊娠中だから盗賊いじめ・・・・もとい、資金集めできないんだからね!
魔道士協会で教えようにもそれはガウリイに止められてるし・・・・くすん。
ああ・・・・ストレスがたまる・・・・。

結局このやり取りはあたしが出産するその日まで。
前回はガウリイだけとのやり取りであったのだが。
今回はリルナも含めた攻防が続いてゆくのであった。

・・・・絶対にガウリイとリルナ・・・加減というものを知らないからね。
・・・・どこが大丈夫なんだか・・・。
とにかくガウリイはともかくとして、リルナには常識を身につけさせないとね・・うん。
あたしは今回の一件でさらにそれを硬く心に誓うのであった。


ちなみに、二番目の子供はガウリイそっくりの男の子であったことを述べておく。



                                −終わりー

####################################

説明という名前のあとがき:
        薫:えっと、この大丈夫。という題名。
          実はシリアスも思いついたんですけど・・・。
          つまりはそちらはリナ、そしてアメリアの母死亡の話・・・・。
          でもそれじゃあ・・・・ねぇ?(汗)
          一応リナの場合は寿命なんですけどね。
          もうひとつのほうを打ち込みましたのです。
          ほのぼの家族ねたv
          ちなみに、このリルナ・・・実はとあるいまだに打ち込み途中。
          なかなかに進みません・・・エセゼロリナ・・・・。
          それに登場する人物を持ってきちゃいましたv(まてまて)
          ちなみに、関係ない話はおいとくとして。
          リナの妊娠が判明して。父娘でリナの代わりに家事などをこなして。
          逆にリナの仕事を増やしているガウリイとリルナでした。
          どこが二人が常にいっているリナが心配することはない。大丈夫。なんでしょうかね?(笑)
          いつも後始末をするのはリナv(爆!)
          ではでは、意味のない短編でしたv
          お付き合いくださりましてどうもなのですv
          ではでは。
          2003年8月2日某日



    
TOP     BACK    NEXT