残り時間

・・・・・いや!
ああああ!
そんなぁぁぁぁぁ!
「ガウリッ・・・そんな・・・いや・・・・・・」
あたしの甘い声もむなしく。
ガウリイの動きは止まらない。
「あ・・・・・ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!」

ひょい。
ぱくり。
思わずあたしは絶叫を上げる。
「あ゛あ゛あ゛!あたしの・・・・あたしのお肉さんがぁぁぁぁぁあ!」
思わず絶叫を上げてしまうが。
「おーい?リナ?急がないと時間がもったいないぞぉ?」
にこやかにそんなことをいいつつ、ぱくぱくとお皿から品物をとって。
口に運んでいたりするガウリイ。
「うううう!わかってるわよ!」
こうなったら・・・・ガウリイ以上に食べてやるぅぅぅぅ!
そのままかぶりつくように食事にと再び専念するあたし。
あたしたちの周りからは。

よっ!姉ちゃん、兄ちゃん、がんばれ!」
「すごいな、あの二人、とうとうこのメニュー、四回目だぞ?」
などといった野次の声が飛び交っていたりするけど。
そんなあたしたちの横では。
「あぅぅぅぅ・・・店がつぶれるかも・・・・」
などといいつつ涙を流しているこの店のオーナーらしきちょっと恰幅のいい男性。

いつものように旅の中。
ちょうどお腹もすいてきたのでさて、昼に。
と思ったまではいいものの。
そんなあたしの目に飛び込んできたのは。

【一周年記念、特性フルコースを一時間以内に完食された方にはもれなく金貨十枚を差し上げます。参加費用金貨一枚】

そう書かれている看板が目に飛び込んできたのである。
これは、やっぱし挑戦するっきゃないでしょぅ!
何しろこのあたし、リナ=インバース。
自慢ではないが食欲には自身がある。
それでなくてもここ最近は・・
・・・あぅ・・・・だぁぁれかさんのせいで、かなり体力使うのでお腹が、まあすくわ、すくわ・・・
ま・・・そりゃ・・・その・・・・いわゆる婚約者・・という肩書きに発展したから、
仕方ないといえば仕方ないのかもしれないけど。
とにかく!
「ガウリイ!間食してとりあえず数日の路銀を稼ぐわよ!」
「おう!まかせとけ!」


などという理由からあたしたちはこの店にとはいり。
すでにただいまあれから三十分が経過しているのであるが。
ガウリイは四回目、あたしは五回目のフルコースに取り掛かっていたりする。
・・・・だれかさんのせいでお腹がすいているからね。いや、ほんとーに。
それはいいとして、なぁぁぁぁんであたしのお皿からガウリイのやつは!
お肉さんをとるかなぁぁぁぁぁ!?
おにょれ!
「んじゃ、あたしはこれとこれとこれv」
とりあえずガウリイのメニューから数点を没収するあたし。
うーん、何て寛大

そんなこんなではや、四十分。
残り、二十分。
「あ、おじさぁぁん、また追加おねがいましぁす!」
「あ、俺も!」
カウンタの奥にといる店の人にと空になったお皿を上げて声をかける。

どよよっ。
「すごいな、あのねーちゃんたち、とうとう六回目だぞ?」
「あーあ、店のおやじさん、まじ泣きしてるわ。」
などといった声が上がっていたりするが。

んっふふ!
やっぱり一時間もあるんだったら、軽く十回は完食しないとね!



一時間後。
「で?もう一回チャレンジする?」
「だな。」
とりあえずすべてたいらげて。
あたしが金貨120枚。
ガウリイもまた金貨100枚。
んっふふ。勝った!!!
そんな会話をしていると。

「お願いですから、それだけはご勘弁を・・・・」
などとなぜか涙をだくだくとながしつつ。
「できたら、これで・・・・」
そういってさらにあたしの手に握らされたのは金貨五十枚。
「ラッキーv」
その金貨を受け取り一人にこにことするあたし。
「うーん、確かにま、腹八分というからな。」
「そうね。」
ガウリイにしてはまともな意見。

ドンガラガッシャァァン!!!

なぜかあたしたちの周りでこけているほかの客たち。
とりあえずなぜか本気で泣いている店の人を後にして。
店を出るあたしたち。
いやぁ、食事してお金をもらえるなんて、最高よねv


あたしは知らなかったが。
あたしたちがいなくなった次の日。

【一周年記念、特性フルコースを一時間以内に完食された方にはもれなく金貨十枚を差し上げます。参加費用金貨一枚。
  尚、お一人様一回限りでお願いいたします。】

という内容に張り紙が変わっていたらしい。
どうもこの店、ここの領主が道楽でスポンサーやってるらしく、あまりお金には困っていないらしい。
というのを後からきき、あたしはもう少し粘ってみるべきだったと。
とある宿の一室で思いをめぐらせていたりしたのは。
少し後のことである。

                                          -おわりー

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   あとがきもどき:
       えっと、状況という名前のあとがき、
       ゼフィーリアに里帰りしたリナとガウリイ。
       リナの気づかないうちに家族公認認定の婚約者に格上げのガウリイ君。
       (ルナの一言によりリナもあえなく了解)
       で、からかわれるのがいやなので少し滞在してから、また旅にでているこの二人。
       で、旅の中、食べたら金貨。というイベントを見つけて。参加している二人です。
       残り時間・・・・つまりはイベントには時間制限がある。ということですね。はい。
       それでは。
       ・・・この二人・・・こーいうこと、よくやっているような気が・・・しません?(笑)


       
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