魔道書
もう少し、もう少しで!
ふふふふ・・・・。
あたしの目の前ではあるものが今まさにできかけようとしているのだが。
ううっ。
ここまでくるのに長かった。
でも、これでもう!!!!!
グツリ。
最後の一煮立ちが・・・・終わった。
よっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!
おもわずあたしはガッツポーズ。
んっふふふふ!
「ふっふっふっ。これでもう怖いものなしよ!」
ぐつぐつと煮えているそれを瓶にと詰める。
よっし
あとは・・・・っと。
んっふっふっ。
これでもう明日からあたしは怖いものなんてないわよ!
翌日。
「リナ?どうかしたの?」
ふとあたしに聞いてくる元気爆発娘のかなりの正義オタクのアメリア。
これでも一応はとある国の王女様。
・・・・アメリアの父親は・・・言わぬが花というやつである。
世の中、知らないほうが幸せということもあるのだ。
今朝からにこにこしているあたしをみてどうやら不振がってるけど。
「はっ!?まさかようやくガウリイさんと何か進展が!?」
おいこらまて!
「だぁぁ!こらまて!何よ?!そのガウリイとの進展っていうのは!?」
「えー?違うの?」
何か本気で残念そうにいってくるんだけど・・・何考えてるのよ?
アメリアは?
「当たり前でしょうが!そもそも何なのよ!?その進展云々というのは!?」
まったく。
そういえばアメリア、なぜか先日冥王の手からガウリイを救出してから。
よくこんなこといってくるけど、何で?
ま、とりあえず・・っと。
「それはそうと・・・・そろそろ例の森に入るけど?リナ?」
「うっ!だ・・・大丈夫よ!」
そう、そのためにあれを作ったんだから!
つい先日高いお金を出して買った魔道書に、あたしにとってはかなり貴重なことが書いてあった。
これさえあれば!
なぜなのか、歪みなのか何なのか。
それはよくわからないが。
サイラーグで別れて、それぞれに移動しよう。
という話に一時はなったものの。
サイラーグのいったいに意味のわからない何かができていて。
しいていえばそれまであった瘴気の森のさらに深いバージョンか?
そんなこんなでその森の中に入ると、道がわからなくなる。
というのもあるのだが。
だけど、それ以上に!!!!
そんな会話をしつつ、なぜかそこに突如としてできた不思議な空間。
おそらくは一時のものなのであろうが。
「しかし、この森・・・・いったい全体何なんでしょうか?」
そんなことをいってくるシルフィール。
困ったことにこの森の中では魔法は一切使えない。
はっきりいってここから出るのにマイン湖にいこうにも、ウルル山脈を越えるにも。
どちらにしてもこの森は通らないといけないわけで。
ザワ。
ザワザワザワ。
恐れていた気配が回りからあふれてくる。
「き・・・・・きゃぁぁぁぁぁぁ!でたぁぁぁぁぁ!いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
思わずガウリイにと飛びつくあたし。
そう、あたしがここを嫌がっている理由・・・・・
「しかし・・・・・何でこんなものがここにいるんでしょぅか?」
それをみて半ばあきれたようにいっているシルフィールに。
「何にしてもこいつら、斬っても、斬っても分離するし。
しかもここでは魔術が使えない。こいつらを無視して進む。という方法しかないんだろうが、リナがこうだとな。」
それをみてパニックになったリナを信じられないような視線で彼らがみたのは。
先日のこと。
そんなことをいっているゼルガディス。
「〜♪」
なんかなんでなのかにこにこといつもよりうれしそうなガウリイは。
本当になぜか抱きついているあたしの背中に手を回して、しっかりと抱きかかえた格好にしてくれていたりするけど。
何でだろ?
「あぅぅぅぅ、ねーちゃん、とーちゃん、かーちゃん、リナちゃんに力をかしてぇ。あうぅぅぅぅぅ・・・・」
人間誰でも苦手なものというのは存在する。
あたしは意を決して懐にいれていた瓶を取り出す。
「?リナ?それは?」
それをみて首をかしげてくるアメリアたち。
そのまま、それを一気にはっきりいって存在するのすら許されないそれ。
・・・・・・なぜかちょっとした巨人程度の大きさのある・・ナ・・・(汗)
・・・・・いいたくなひ(涙)
それらに向かって投げつける。
【きゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!】
あたりに響く何ともいえない悲鳴のようなもの。
「うどわっ!?何かんがえてるんだぁ!?リナ、お前はぁぁぁあ!?」
「きゃぁぁぁあ!森に火が燃え移りましたぁぁぁぁ!」
「うきゃぁぁぁ!急いでここから逃げないとぉぉぉぉ!」
あたしが投げつけたそれは。
例の魔道書に書かれていたように。
きちんとその効力を発揮して。
そこにいる世の中にいてはいけないやつらの体を一瞬にして炎で包み込む。
ま、その余波で周りの森に火が燃え移ったりしてたりするけど。
あたりに何ともいえない香ばしいような香りを漂わせつつ。
「とにかく、逃げるぞ!」
ガウリイの一言で、そしてなぜかあたしをひょいと抱きかかえ。
そのままとある方向にと走り出しているガウリイ。
そう、あたしが手にいれた魔道書に書かれていたのは。
かなり精度の高い一種の薬。
これを降りかけられたらそれが何らかの反応を起こし。
一気に発火する。という代物。
いくらなんでもあれも、火にかなうはずもないし。
しばらくしてようやく森を入り口まで戻ったあたしたちの目の前で森が盛大にと燃えてゆく。
はた。
そしてようやく森から離れ一息つき、あることをしようとしてふと気づく。
「あ・・・・・ああああああ!魔道書!!!!!?」
それをみてとりあえず懐にいれていたあの書物を袋にしまおうと。
懐に入れると・・・・ない(汗)
ど・・・・どうやら逃げているさなか・・・あの火の海の中に落としたらしい。
「あ・・・・あたしの魔道書がぁぁぁぁぁ〜!!!!」
ただただ、空が赤くそまる中。
あたしの絶叫が響き渡ってゆくのみ。
とりあえず森は三日三晩燃え続け、後に残るのは。
ただの墨と貸した殺伐とした光景。
ちょっとアメリアやゼルガディス、シルフィールには注意されたけど。
とりあえずはようやく森がなくなりここから出発することができるようになったのは。
事実だし。
「それじゃ、またね。」
「またね!リナ!」
「元気でな。」
「リナさん、ガウリイさん、それでは、失礼いたします。」
そんな会話をしつつさらに数日後。
今度こそ本当にそれぞれの道を進むあたしたち。
しかし・・・・あぅぅぅぅ・・・・。
あの魔道書・・・・かなり高かったのにぃぃぃ・・・・。
ま、よしとするしかないか。
何しろ害虫以外の何者でもないあいつらの生息していた森を、完全に焼失させることができたのだから、うん。
「じゃ、いくか?リナ?」
「そーね。とりあえずあんたの新しい剣を見つけないとね。」
これから何があるのかわかんない。
だけどなんでなのかあたしはこいつと一緒にいられることが結構うれしい。
とりあえずはこいつの新しい剣を探さないとな。
うん。
そんなこんなで新たなたびにでるあたしたち。
さて、これから先にいったいどんなことがまっているのか。
それはあたしにもわかんない。
だけどこのリナ=インバース、何があってもうけてたつわよ!!!
決意を新たに再び旅にと進むあたしとガウリイ。
さて、とりあえずはどこにいこっかな??
−終わり♪ー
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あとがきもどき:
薫:えっと、状況説明です。
サイラーグから出ようとしたリナたち一行。
だけどなぜか出ようとするとサイラーグの周りに不思議な森が発生。
その森の中では魔力が使えないという。
霧にと覆われた不思議な森。
実は少しばかり空間のゆがみによりできた森であるのだけど。
当然リナたちにはそれはわかるはずもなく。
そして・・・・その森に住んでいるのは・・・・ちょっとした大きさ。
大人の数周りよりも大きな、巨人よりも一回り大きな、
・・・・巨大なナメクジもどき(笑)
それをみてリナ、パニック(笑)
で、めったに使わない薬に頼るために魔道書を購入したリナちゃん。
それに書かれていたのは一種の発火薬。
で、無事にその森を燃やしてサイラーグから出ることが可能になった、
リナちゃんたちでした(笑)
んでは。・・・・魔道書になってないなぁ・・・・(自覚はあります)
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