はいっ!とうとうきたきたこの時が。
単発キャラが登場しますっ!
今回はセンちゃん♪です。
それでは、さっそく!

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「わかりやすい みち」6



「ん?歌が聞こえる?」
エルが、つぶやいた。

「お?なんか歌が聞こえるぞ?」
リナのからだのある部屋でも。ガウリイが聞き取った。

「リナの体治して、行ってみよっか。」
エルの言葉で、4人は、移動した。

「おや。ルナさん。いらっしゃったんですか?」
のほほーん、とゼロスが言った。
「・・・ゼロス。早くやりなさい。」
ゼロスと同じく、とうとつに現れたエルが命令する。
「はい。」
ゼロスがリナの額に手を翳す。それと同時に、こっそりとリナが体に戻る。
ばれないようにゼラスが現れ、気を逸らす。
「・・・ん・・・?・・・・・あ・・・おはよ・・・ねーちゃん・・・」
もちろん演技なんだけど。
「・・・っよかった・・・」
ルナはほっと一息つく。
「・・・おまえな・・・・・」
ガウリイは、気づいてしまったらしく、問い詰めようとするが。

ぷぷぷぷぴー♪

どこからかハーモニカの音が聞こえてきたので、中断した。

♪ 光の剣の戦士達〜
光の剣を失って 一同集まり会議して〜
魔族の襲撃あったなら〜
魔を滅ぼせし者の手によって 魔族は散らん混沌へ〜
スレイヤーの魔道士が〜
大怪我してまた大騒ぎ〜
それを見ていた エルメキアの国王様・・・ 何と彼女にひとめぼれ?
どうなる どうなる この恋路〜 ♪

ぶばっ!

その場の全員が吹き出したのは言うまでもない。

「ちょ・・・ちょっとそこのあなたっ!」
その詩人は、半ズボンの上にコートともローブともつかぬものを来て、肩から少し長めの濃灰色の髪をなびかせていた。
青く光る杖が腰に差してある。なんか・・・傘っぽい・・・。
おそらく、ハーモニカを吹くのに邪魔だからだろう。
「ん?なに?」
「今の・・・歌・・・何で・・・思いついたの?」
いきをきらせながら、エルが聞く。
「天井裏から見てたの。あ、私の名前はセンね。あ、自己紹介はいらないよ。
 皆知ってるから。そっちがクラゲのガウリイで、ドラま・・もとい、スレイヤーりな、そのおねーさんルナ、謎の人ゼロスとその上司ゼラス。
 んでもってそのさらに上司S、さらに上司エル。竜族の長老ミルガズィアさんと、破壊魔エルフメンフィスさん。」
ひといきにしゃべりだす。
「お宝探し人のルークとミリーナ。・・・皆いろんなところでゆーめー人♪」
「・・・・そ・・・そぉ・・・天井裏・・・」
「誰かいるなーとは思ってたけど・・・」
リナとガウリイの間のぬけた声。
「・・・それより・・・エルメキア国王がどうのこうの・・・って・・・ほんと?」
ミリーナが恐る恐る聞く。
「うん♪本人が自室でしゃべってるの聞いたもん♪あと、ヴァイゾムさんが、あなたたちを殺したがってるってのも聞いたよ?
  あと、リスゼル=メイルスターさんが、いとこ筋のメイルスター本家のジェフリー君の身の振り方について考えてたし、
  その時は、隣でジョセフィーヌさんが一緒に天井に張り付いてたかな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
リナの気になる情報ばかりだが。
(あることないことって感じね・・・・)
「将来のスナフキンって呼んでV」
「えっと・・・・センさん・・・でしたっけ?・・・何で・・・・下級魔族を引き連れてらっしゃるんでしょーか?」
ゼロスの言葉に。見てみれば、アストラルサイドにだが、下級魔族が集まっている。
『うげ。』
リナ、ガウリイ、メフィ、ミルガズィアが奇声を上げる。
「ん?・・・あ、あつまってた?まったくしかたないなぁ。」
そういって、杖を持ち、一閃する。いや・・・・なんか・・・傘が開いた。
ぷし。
変な音がしたかと思うと。下級魔族はそれぞれにどこかに行った。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・なあ、状況が飲み込めないんだが。」
ルークが突っ込む。
「・・・・・・・・・・・・・・世の中、知らない方がいいこともあるのよ。」
「そうか。・・・・・・・・・・。」

ひるるるるるるるぅぅぅぅぅぅ・・・・・・・・

風が吹き抜けた。

「あ、この傘、魔を払うらしいよV」
「・・・・・・・・・・そ・・そう・・・・」
みなが呆然としていたら。
殺気がもろに近づいてきた。
「ガウリイ覚悟っ!」
どっかの誰かが雇った暗殺者らしい。
めぎょっ!
「あ、そういえば、この村のとある宿屋って暗殺者の溜まり場らしいよ♪」
わらいながら・・・・センは暗殺者をどつき飛ばした。
「うぎょのむぐぅっ!?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・』
「そういえば、ギザンって人が貴方のこと探してたよ♪」
今度はどついた暗殺者に向かって言う。
「・・・ギザン・・・?それって・・・広報課長のギザン・・・?」
「リナちゃん正解♪」
「うあ。やっぱし。」
リナは、センの潜在能力(?)については考えないことにした。
「・・・・うむ。またお会いしましたな。」
「うのひゃっ!?」
いきなり背後にギザンが現れる。
「あ・・・びっくりした。お久しぶりです。ギザンさん。」
「・・・こ・・・広報課長っ!?」
「さあ。村に戻って村おこしの案を死ぬほど出してもらうぞ。」
「うひいいいいいいいいいいいいい。この疫病神詩人んんんんんんんんっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「突拍子もない展開ね。」
エルが言った。
「うん?これがふつーだよ?」
「そう。・・・とりあえず・・・朝食たべましょ?リナもお腹減ったでしょ?」
「うん!じゃ、そうしようっ!」

朝食を終えて。
村をぶらぶら散歩していたら。ごろつきが絡んできた。
「・・・・おう。ねーちゃんたち。オレ達にちょっとつきあー」
「いやーねぇちょっとといわず・・・」
「とことん付き合ってもらえない?」
「ちょうどストレスたまってたらしいね。この二人♪」
リナ、エル、センが、笑いながらどつき飛ばす。
「・・・・・・・。く・・・・くそ・・・・こいつがどうなってもいいのか!」
ありきたりな台詞をはき、ルナを人質に取る。
そう。不機嫌が最高潮に達していたルナを・・・・
「くっくっくっくっく・・・・・・・・・」
ゼロスはゼラスとともに屋根の上に非難し、リナ、ガウリイ、ルーク、ミリーナは防御呪文を唱えはじめ、
メフィとミルガズィアはあたりの建物に結界を張る。
センは・・・ほっといてもだいじょーぶだろう。たぶん。(薄情)
「うっとおしいのよおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
どっごおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉっぉっぉぉぉぉぉぉんん・・・・・・
ルナの叫びと破壊音が・・・青空に響き渡った・・・・

「けっきょく全員無事ね。」
エルが嬉々としていう。
「申し訳ありません。取り乱してしまいまして・・・・」
冷や汗かきつつルナが弁解している。
「いーわよ。楽しかったから。・・・・センさんもなかなかねー。あれだけの破壊衝撃派を傘一本で防ぐなんて・・・」
「あは♪旅してるといろいろありまして・・・。そうそう、この間もアトラスシティで・・・・・・」
またまた話しはじめる。
「センって・・・とことん話すの好きなのねぇ・・・・」
リナが感慨深げに言う。
「・・・そうなのっ!・・・で、ヴァイゾム=ガブリエフさんには気を付けたほうがいいよ♪
  この暗殺者もごろつきも、雇われてたみたいだし。」
どげし。
暗殺者その二があっさりどつかれる。
(ひょっとして・・・・ねーちゃんより強いんじゃなかろーか・・・・)
「ところで・・・あなた・・・いったいなんでそんなに情報通なの・・・?」
ゼラスが問う。
「ああ、それはね・・・とある人が、情報のつかみかたを伝授してくれたの♪」
「・・・・まさかそれって・・・とげとげのショルダーガードの・・・・いや・・・やっぱいいです。」
リナに思い当たるものがあったらしいが、恐い考えのため、やめた・・・・が。
「ちがうよ?・・・んと・・・黒髪を後ろで一つに束ねてる人で、ノンスリーブの黒いシャツに、短パンはいてて、黒いブーツを履いてる。
  その上から、灰色の・・・布を腰につけてたかな・・・」
ちょうどエルと似た格好らしい。
エルは上着を羽織っているし、金髪だが。
「歌うのが好きな人だったから、仲良くなったの♪
  ・・・一ヶ月ほど前に、魔族に誘われたけど、条件出したら、結局条件守れなくって、引き下がった・・・とか聞いたけど・・・」
ぶふふっ!? げほっ!げふげふげふっ!?
アイスクリームを食べていたゼロスが急にむせ込んだ。
(・・・・・あ・・・あの方ですね・・・間違いなく・・・性格がころころ変わる・・・・)
「ゼロス・・・あんた、しってんの?」
エルが意地悪く聞いてくる。
「はぁ・・・。僕が誘ったんですよ。でも・・・『生の賛歌10かい歌えたら・・』とかおっしゃられまして・・・」
「き・・・きついわね。」
ゼラスが同情する。
「なんとか5回まで頑張ったんですけど・・・・そこで果てちゃいまして・・・」
「よ・・・よく生きてたわねー。」
リナが汗を垂らしつつ言う。
「はぁ・・・それがですね、彼女が介抱して下さったんですよ。『滅びの賛歌』を歌って・・・・」
「・・・なんだそりゃ?」
ガウリイが聞く。
「その名の通りです。生の賛歌とは対極にある、いわば魔族の賛歌ですね。
  ・・・普通の人間には歌えないはずなんですが・・・いったい・・・・?」
『うーん・・・・』
みんなしてうなりだす。
「セン・・・・あなた、とっても幸運ね。彼女に会えるなんて・・・」
エル一人がそんなことをつぶやく。
「『情報屋のシルファ』っていえば・・・かなり情報技術にたけてる人で、情報屋のプロよ。
  ・・・・まあ、あなたもプロになれるでしょうけど・・・それだけの腕があれば。」
「シルファっ!?・・・なるほどな。・・・・確かに・・あいつなら・・・。」
ルークがつぶやく。
「知り合い?」
「ああ。・・・・いとこだ。」
べちっ!ごんっ!
ミリーナの問いに答えたルークの一言に、一同がこける。
「・・・あ。そろそろ次の街に行かなきゃ。この間やっつけた暗殺者の親分がそろそろ・・・それじゃ!」
とうとつに、センがきびすを返して、森へと消える。
げしっ!ばしばしっ! どがっ!
『うのぎょおおおおおおおおっ!』
・・・・暗殺者の悲鳴が聞こえてきたりもするが・・・気にしないでおこう。





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オリジナルキャラ、シルファさん!この後しばらくは出てきませんが、
ガウリイの故郷編が終わったら出てくると思います。たぶん。

扇さん。これでよかったでしょーか?
なんかすごい人になっちゃいました。

それではっ!(逃げた)