それでは、いきますっ!
*************************************
「わかりやすい みち」3
「ゼロスくーん?準備はいいかなー?」
「いやですねぇリナさん♪『くん』だなんて。『さん』とかいって下さいね。」
「ゼロス・・・おまえ・・・男としてのプライドはないのか・・・・?」
「それ以前に・・・私の部下・・・獣神官としての自覚があるの・・・・?」
「いやですねぇ獣王様ってば。実はこれ二回目ですのよ。」
『二回っ!?』
「驚くのは早いわよゼフナ。ガウリイなんて、一回目はプロポーズされてたし、二回目も告られてたし、三回目なんて人魚なのよ。」
エルの一言に、一同は、
『・・・・にあってるかもしんない。』
「否定してくれぇーっ!」
ここまで来ればわかると思うが、彼らは女装をしているのである。
「でも・・・なぜ女装しなくてはならないんですの?」
ゼロスの問いに、リナは、一言。
「もちろんエルの発案で、楽しそうだったからのってみたのよ。女性の方が料金安いし・・・・」
「う”っ!?」
「頑張れゼロス。」
はくじょーな上司である。
「なんでゼフナはしないんだよー。」
「もちろん、彼にもしてもらうわよ。・・・さあゼフナちゃーん♪」
「抵抗はなしよー♪」
「きれいになりましょうねー♪」
リナ、エル、ゼラスがにじり寄った!
「うひいいいいいいいいいいいっ!たすけてぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
『頑張れゼフナ。』
ガウリイとゼロスはあきらめきって励ましたのだった。
ざわざわざわっ!
「目立ってるわねー♪」
「もちろん目立ちますわよゼラス様。エル様、ゼラス様、リナさんは言うまでもありませんけど、ガウリイさんやゼフナさんも美人ですからねぇ。」
「あーら。貴方も美人よゼロスちゃん♪」
「恐れ入りますエル様。・・・ところでリナさん。さっきから別の意味で目立ってきてますよ。」
「そーね。・・・そこらの路地にでも入って、一発やりますかー♪」
もちろん。『彼女ら』は、狭い裏路地へとは言っていき・・・・予想どうり、ごろつきのにーちゃんが出てきたのである。
「ねーちゃん達、このあたりははじめてかい♪案内してやろーか?」
ごろつきその一が言う。
「えー。でもぉ・・・今から、このガウりんの実家に行くから、ミプロス島行きの船に乗らなきゃ行けないしぃ・・・。」
ぶりっ子するリナ。
「じゃあ、船の手配してやるから、ついてこいよ。」
ごろつきその二が言う。
「もう、チケットとってあるのよねー♪」
エルもぶりっ子。
「手配したところ、一等室ですの。」
「ほほほほほ。さすがはゼロス。」
ゼロスとゼラスもぶりっ子。
「あの・・・この方々には・・・手は出さない方がいいと思います・・・・特にこの三人。」
ガウリイは、何とか堪え忍んで忠告する。
「ええ・・・・。わたくし、実家が商家ですから、知らない人にはついていくなって言われてます。」
ゼフナは涙を流しつつ言う。
「そうかたいこといわずに。なあ。ねーちゃん♪」
ごろつきその三がリナのかたに手を置く。
『御愁傷様。』
エル、ゼラス、ゼロス、ゼフナの声。
「気安くさわんじゃないわよ。」
「一応保護者なんでね。その子には手を出さないでもらいたいな。」
「まあまあ。」
そういって腰に手を回す。
「爆裂陣。」
ちゅどおおおおおおおおむ。
ぽてくりこ。
「・・・・なあああああっ!?」
そこらで見ていたごろつき残り5人が悲鳴を上げる。
「ふん。このあたしに触ろうなんざ、百年早いわ!」
「悪いことは言わん。・・・逃げた方が身のた(ごすっ!)・・・いたっ!?」
「ガウリイくーん♪・・・あんた、こいつら始末しなさい。」
「・・・いてててて・・・わかったよ・・・ところで・・・これ・・・」
「脱いじゃだめ。」
「しくしくしく・・・・・わかった・・・・。」
腰のリボンに隠した斬妖剣を取り出すガウリイ。
「今回の服は旅人風だから結構様になってるわね。」
「ええ。でも・・・言葉づかいに気をつけてくださいね。ガウリイさん。」
エルとゼロスの感想。
「おりゃああああっ!」
別口の一団が陰から見ていたらしく、ゼラス、ゼロス、そして、勇気のあることにエルに飛び掛かる!
ぽんっ!
ざすざすざす!
どひゅどひゅ!
あるものはゼロスに頭を吹っ飛ばされ・・・
あるものはゼラスの不可視の力で袈裟懸けに引き裂かれ・・・
あるものはエルの力で無に帰る。
「うのりゅげろすにょおおおおおおおおおおおおおっ!?(混乱)」
ゼフナはただ悲鳴(?)をあげるだけだった。
「ん・・・・結構お宝持ってたわねぇ・・・」
リナの一言とともに、船に乗り込む一同。
「出港するぞー!」
船乗りの声とともに帆が張られ、風を受けて進みはじめる。
「なんか・・・・なつかしいなぁ・・・・」
リナの一言に、ゼロスが尋ねる。
「そういえば・・・以前もこられたんですよね。どうでしたか?私は行ったことはないんですけど・・・」
「ナーガに無理矢理連れてかれたのよ。・・・温泉は偽者だし・・・住民片っ端から変だし。
あたしを狙う奴等どっさりだし。・・・思えばあれが始めて純魔族と戦った事件だったわねー。」
「・・・・魔族・・・・?たしか・・・」
「ジョイロックよ。中級魔族だったわね。ドラ・スレ効かなかったから。」
「そうですか・・・?おかしいですね・・・ジョイロックさんは・・・降魔戦争以前に滅んでるんですけど。」
まあ・・・歴史が変わっちゃってる訳だし。
「あとで説明したげる。夢の中ででも・・・ね。」
言ってウィンク一つ。
「ガウリイは、ラウディさん知ってる?」
「・・・・何で・・・リナがラウディじーさん知ってるんだ・・・・?」
「・・・あれだろ・・・?この時期になると、誰かの夢に出てくる御先祖様。」
ガウリイとゼフナの問いにもリナは笑っているだけ。
「とりあえず・・・夕食にしましょう?レディー方。」
エルの声に、一同はこっくりうなずいたのだった。
涙を流してるのも3人くらいいたけど。
「・・・・・・・。ひさしぶりね。ラウディさん。」
「久しぶりじゃの。リナ=インバース。しかし・・ガウリイと一緒だとはのぅ。」
「あたしも驚いてるわよ。・・・・どーしたのよゼロス。」
「いえ・・・僕が今、夢の中にいるということが、不思議に思われまして。」
「・・・しょうかいしてくれんかの?」
「オッケー。まず、ガウリイは今、あたしの自称保護者。」
どっちが保護者かわからなかったりするけど・・・・
「んで、ガブリエフ家御用達の商家の息子のゼフナ=レディック。」
「・・・・・これが夢・・・・」
「んで、こっちがエル。知ってるはず・・・よね?」
「・・・しっておるよ。・・まさかここにいらっしゃるとは思わんかったがのぅ。」
「で、そこの黒いのが生ごみ獣神官ゼロス。れっきとした高位魔族よ。」
「なまごみっていったなっ!?なまごみって言った方が・・・っ!なまごみなんですっ!!」
半泣きのゼロスが微妙にかわいい。
「で、その上司の獣王ゼラス=メタリオム。」
「よろしく。」
自己紹介を終えて。
「で、こちら、ラウディ=ガブリエフさん。メリルーンっていうエルフと恋に落ちた、遺跡にあった剣士さんよ。」
「へぇ・・・ジョイロックさんを倒した御方ですね。」
「いや・・・倒したのは、正確に言えばリナ殿がいたお陰じゃよ。」
「・・・・・・?」
「殺されたエルフが、ミプロスの時間律を狂わして、ラウディさんがずーっと生き続けてたの。
で、あたしが過去に送られて、若いころのラウディさんと倒した訳。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『ええええええええええええええええっ!?』
「世のなかっておくが深い。」
「りなさんですからねぇ・・・・・・。」
「そーだったのかぁ・・・・」
「歴史を変えた・・・と・・・。」
ガウリイたちのつぶやきをよそに、ラウディさんが話した。
「・・・光の剣については知っておる。ただ・・・説明しても、信じたのはフェイルとライリイ、その客人の二人の旅人だけじゃ。」
「二人の旅人?」
「・・・確か・・・ミリーナとルークとい・・・」
『ルーク!?ミリーナ!?』
リナとガウリイが叫ぶ。
「プレゼントよ。・・・・あの二人結構いいコンビで面白かったしね。」
エルの言葉に、二人は、顔を見合わせ、エルに礼を言った。
「ありがと・・・ほんと・・・ありがと・・・・・。」
「すまん。」
「あ、関係者の記憶もちょっぴりいじってあるから。気にしないでね。」
「うん・・・・。」
ラウディのじーさんはまたもや、
「説明してくれんかの・・・?」
「オレも知りたい。」
ゼフナも言うが、
『それはひみつです♪』
5人の言葉はきっちしきれいに重なったのだった。
*************************************
はふぅ・・・なんか・・・テレビと小説つなげるのってつらい。
映画ならまだしも。
ま、いいけど。
エル様なかなかな傍観者ぶり。
まあ・・・そうでなくちゃお話し終わっちゃう可能性が大きいけど。
さあっ!次は私のお気に入りキャラ、ルークとミリーナがっ!
この小説は何でもありねっ!エル様が旅してるくらいだからっ!
それでは!ミスの指摘や御感想、ちょっとした矛盾点の指摘などしていただけるとさいわいです。(多分すかさずへ理屈を差し上げます。←いらないって)