ものすごくお久しぶりです。
こんにちは!
なんかテストの中休みに思いついたのを
つらつらと書いたら書きあがっちゃったのでのっけます。
ふふふふふ・・・・・・シルファの一人称なんて,「みち」以来だわ・・・
ちょっと壊れてるところもありますが。許してやってください。

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     「わかりやすい 光の王」

 

注:これは、「わかりやすいしりーず」の番外編だと思って読むといいかと存じます。


・・・・はぁ・・・・
私は,また知らず知らずのうちにため息をはいていた。
このところずっとだ。
あの三人がいなくなってからすでに幾千・幾億の何乗分もの時が過ぎ,
いまだに帰ってこない。
「あの・・・シルファ様・・大丈夫ですか?お顔の色が優れませんが・・・・」
「・・・ああ,大丈夫よ。アシュト。気にしないで。」
闇神官アシュトは,私を気遣って,光王宮で働いてくれている。
彼とて主がエスケープしてつらい立場。
いや・・・ほとんどのものが同じ立場。
それなのに,彼らを取りまとめるべき私が弱音を吐くわけには行かない。
「ですが・・・・・」
なおも心配そうな声をあげる。
・・・・一度過労死したせいか,心配性になったものが多い。
「だいじょうぶよ。・・・・そうそう、あなたもいいかげん,休暇取ったほうがいいわよ。結構疲れたまってるようだから。」
「私は平気です!そんなに根詰めてるわけではありませんから・・・・」
「そうねぇ・・・リーナのほうが大変かもしれないわね・・・」
リーナ。
いなくなった母親,リナの変わりに混沌宮の仕事の大半を取り仕切っている。
とはいっても,こなしているのは,必要最低限のみなのだが。
もちろん,それだけでもかなりの量がある。
中級の魔王なら,直に過労死することだろう。
「ですが・・・・・各王宮の雑事その他もろもろを一手に引き受けておられるあなた様のほうが・・・」
なおもアシュトがそういう。
「だいじょうぶだってば。心配性ね。」

翌日。
久しぶりにエル姉がたずねてきた。
「シルファ。アシュトが泣きついてきたわよ?なかなか休んでくれないって。」
「休んでるわよ。一日最低十分は。」
ずるごしゃあああああああああっ!
ここは執務室なので,周りに人がいたのだが・・・・その人のことごとくが滑って転ぶ。
『し・・・シルファさまああああああああっ!?』
悲鳴に近い声で叫ぶ。
「あんたねぇっ!まぁた過労死したいの!?」
「そういうわけじゃないけど。仕方ないじゃない。そうでもしないと仕事に追いつかないんだから。」
「部下に任せればいいのよっ!」
「みんなエスケープしてるか,この文字が読めないくらいに位が低いか,ほかの仕事に追われてるかのどれかよ。」
私たちが処理するデータの文字は特殊で,ある程度以上の力と位と知識がないと読むことが出来ない。
そういった文字が何段階もあり,それにより,自分が手を出せる範囲の仕事が決まる。
つまり・・・自己裁量の権限をも示しているのだ。
「・・・・ったく・・・・・。じゃ,いい情報よ。神魔世界第十九区に,ゼロスがいるらしいわ。
  赤星の獣神官やってるみたいね。もちろん覚醒はまだ。獣王はゼラスだけどこれも同じく。」
・・・・・・・・・・!
「ゼロス・・・・・が・・・・・・・?」
「・・・・遊びに行ってらっしゃい。見るだけでも違うでしょ?いい休暇だわ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わかった・・・・・行ってみる・・・・・」

翌日,ちゃっかり仕事を一週間分終わらせてから赤星に降りた。
降りた場所は,竜の峰と呼ばれるところの近く。
深い森が神秘的なところだ。
「人間や,竜族,エルフ族の大半は,あなたがもういないものと思っているらしいけど。
   ・・・いるのでしょう?水竜王アクア=ラグラディア?・・・・異界黙示録といってもいいかしらね。」
前方にあるゆがみが人の形をとる。
「・・・・・・なにもの?見たところ人間の神官のようだけれど・・・・神気が強いし・・・・」
水色の長い髪を揺らし,青い瞳でこちらを見つめる女性。
「シルファ=フェルというわ。よろしく。」
「・・・よろしく。・・・・・・あ、そうだ!ちかぢか,新年会やるんだけど,あなたも参加しない?」
「新年会・・・・・・・・?」そういえば,彼らが去ってから,久しくしていない。
「ええ。完全なる写本の眠る神殿でね。降魔戦争以来,二人でやってたんだけど・・・二人じゃつまんないし!」
「二人?」
「ええ。人間たちのあいだに散らばる『写本』を処理しているとある魔族。」
・・・・・いいかもしれない。
その魔族つながりでゼロスに合えるかもしれないし。
「いいわ。いつ?」
「明日から三日間よ♪」
「わかったわ。場所を教えてくれない?」
「その必要はないわ。私が直接連れて行ったげるから。」
ふぅいっとあたりの景色が変わる。
「・・・・・結界・・・なるほど・・・・・」
「ま,今日はゆっくりしていって♪」

その夜,私とアクアは意気投合し,いろいろと話し合っていた。
「まさか水竜王と覇王が出来てるなんて,誰も知らないでしょうねぇ・・・」
「あら。気にすることないわよ。神と魔が出来てるなんて,そう珍しいことじゃないって聞いてるし。」
エスケープしたルークとミリーナも,神と魔とを統べる者でありながら,お互いに惹かれあっている。
ここの竜神と魔王も出来てるってエル姉がいってたし。
「すみません。ちょっと早めですけど,タイミングがつかめそうになかったので着ました。」
と,突然現れた魔族・・・・・・!
「−ゼロス!?」
思わず叫んでしまった。
「あれ。知り合い?」
知り合いなんてものじゃない。
・・・・・・よかった・・・・・・・ちゃんと無事にやってる・・・・
「・・・こちらは?ものすごい神気を感じますけど。」
・・・・・感じ入ってる場合じゃないわね。
彼はまだ覚醒していないのだから。
「シルファ=フェル。ただの神官よ。」
「・・・・はぁ・・・・ゼロスといーます。・・・ところで,どこかでお会いしましたか?」
「・・・・・それは秘密です♪」
私のちょっとお茶目な返答に,目を丸くするゼロス。
ああ,久しぶりだわ。
こんなに楽しんで人の相手するのは。
「・・・・・・・・・どこかで・・・・・」
いまだ悩んでいるゼロスを尻目に,私はアクアに語りかける。
「さ,宴をはじめましょ♪」

三人で,いろんなことを話し合った。
「シャブラニグドゥも情けないったら。」
「あ、ここだけの話,僕も同感です。」
「そうよねぇ・・・あれくらいの封印が解けないなんて・・・」
「ですよねぇ・・・・あの氷,実は普通の,魔力を持たない炎で溶けるんですよねぇ・・・」
気づいてたのかゼロス(爆)!
「あ,気づいてたの?何で上司に言わないの?」
「いくらなんでも,僕ごときがそんなことに気づいたなんていったら,悲しいじゃありませんか。
  それに,魔王様には今の状況のほうがあってるみたいですし。」
どうやら,部下Sがルナと逢引しているのが発覚したらしい。
「あなたも、でしょ?今の立場は,面白おかしく見物できて,いいんでしょ。」
私の指摘に,ゼロスは。
「はっはっは。いやぁ。ばれちゃいました?」
やっぱりね。
ああ、ほんと、かわってない・・・・・・・・ほんと・・・・・・・
ぴちゃん
・・・あら?雨でも降ってきたかしら?
「シルファ・・・・・?」
「シルファさん?」
「え?なに?」
二人とも,驚いた表情でこちらを見ている。
「なぜ・・・ないてらっしゃるんですか?」
ゼロスの問いに,初めて気づく。
「・・・・あ・・・・・泣いて・・・た?・・・・ふふ・・・泣くのなんて久しぶり・・・・」
涙が止まってくれない。
でも,とめるつもりもない。
ながしてしまったほうがいい。
かつて,あなたがそういったのよ?
「うれしかったのね・・・久しぶりに気を張らずにいたせいもあって・・・」
ふわり。
ゼロスが私を包む。
・・・・・?
「とてもそうは見えません。・・・・とても・・・悲しそうですよ・・・・貴女は・・・」
ゼロス・・・・・あなたのせいなのに?
「どうやら私はお邪魔みたいね・・・・。彼のところにでも行ってくるわ。後はお好きにね。」
アクアがそうとだけ言って消える。
「・・・知ってるでしょう?僕たち魔族は,負の感情に敏感なんです。
  あなたはこうみょうにかくしていらっしゃいますが・・・そのしぐさや表情・・・
  何から何まで・・・・悲しみに満ちていて,いたたまれません・・・」
「魔族の貴女が?」
抱かれたまま,問い返す。
「・・・魔族だって。恋くらいするんですよ。」
とさ。
砂漠のオアシスのそば,影はひとつになる。

翌々日。
「・・・アクア。また、しんねんかいのときは呼んでね♪」
宴も終わり。それぞれがそれぞれのいるべき場所へと帰っていく。
「・・・いいわよ♪でも,どうやって呼べばいいの・・?」
「・・・・そうねぇ・・・」
私は,持っていたかばんの中から水晶を取り出す。
「この水晶は,無星水晶といってね。私の仕事場に直接アクセスできるから。」
ゼロスには,あげないわ。
貴方には,無用の長物ですもの。
「それじゃあ,また来年。」
私は,光王宮の執務室へと転移した。

「お帰り。シルファ。」
どすの効いた低い声で出迎えたのはエル姉。
・・・・お・・・怒ってるぅ・・・(汗)
「あたしは,休暇しに行きなさいといったのに,何でちゃっかり仕事がしてあるのかしら?」
やっぱりいいいいいいいいいいい!
「ほっとけなかったんだもんっ!」
「・・・・・・・・・ったく!少しは自分の体を大切になさい!」
・・体って・・・ないと思うけど。私たちには。
「で?ゼロスには会えた?」
「ん。」
「・・・・そこまでとびっきりの笑顔で言われても・・・//////」
いいじゃない♪
「ま、よかったわ。あんた,時々自分で自分の首を絞めちゃうから・・・」
・・・・そうかな・・・?
「さ,仕事しますか♪」
「シルッ!」

余談。
私が帰った後。ゼロスはしばらくのあいだ寂しがっていたらしい。
ゼラスが理由を聞くと・・・「闇の中で光る星が見えないんですよ。」
と,言ったという。
・・・・それ,いつだったかも言ってたわよね♪






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あとがき
L:・・・・・・・シルファがはじめて赤星に降りたときの話ね。
ね:そーです。
L:で,言い訳は?
ね:・・・・・・・ご・・・・ごめんなさいいいいいいいい!
L:なにが?
ね:だってええええ。シルファ暗すぎだし!ゼロスのろけすぎだし!
L:ま,無謀といえば無謀よね。
ね:しくしくしく。
L:そういえば・・・・「光の王」があるんだったら,「闇の王」とかもあるわけ?
ね:考えてません。
L:おいこら。
ね:でも、何かネタがあればやろうかなー・・と思ってます。
L:あれにすれば?ほら、シルファの仕事にだいぶ余裕が出来てきて,情報屋として活動し始めたころ,
   部下Sたちに,ゼロスとの仲がばれそうになったじゃない。
ね:ああ!あの,「部下Sの無謀なたくらみ1」ですね!
L:題名までついてるッ!?
ね:じゃあ,その件についてはリクエストがあればってことで。
L:ほかにも,書いてほしいエピソードがあれば,どんどん言ってください♪
ね:それから,シルファさんなどのオリジナルキャラを借りたいお方も募集してます。
L:あんた、そーゆーの見るの,好きだもんね。
ね:はい!
L:それでは,またー♪・・・・・・・とそのまえに・・・
ね:なんです?
L:さっきの・・・「部下Sの無謀なたくらみ1」って・・2もあるの・・・・・?
ね:たぶんあります。
L:たぶん?
ね:・・・・とりあえず・・・2のほうは・・・
   1の事件でしくじったので再度挑戦するっていう輪をかけて無謀な事件があったじゃないですか。
L:ああ!あったわねー♪
ね:・・・・ま、そういうことです。気が向いたら,3とか4とかでるかもしれません。
L:それでは今度こそ,さよーならー♪
ね:またの機会に♪
                あとがき,終わり