はいこんにちは!
パソコンがいかれて、次の話を投稿できなくなってたねじばなです!
おまたせしました!
「わかりやすい 四王」最終話です!
・・とか言いつつ、次の話あったりするんだけどね・・・
ちょっと一区切りしたかったのです!
なにぶん、ちょっと状況が変わるもんで。シルファたちの。
ともあれ、ごらんあれ!
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「わかりやすい 四王」19
「L様。例の計画の実行計画書ができました。」
「あ、ご苦労様。シェフル。」
混沌宮のあたしの執務室。
「・・・実行はいつ?」
「・・・まだ・・・もうちょっと後になるわね。
まずは計画の参加者を見繕わなきゃいけないし・・・。もちろん実行部長はあんたとヴァリルだけど。」
「作戦部長はL様ですね。」
「そ。」
・・・成功するか失敗するかはわからない。
でも、やらなくてはいけないこと。
あたしに与えられた、本来の役目。
「・・・シルファ様やゼロス様にはおっしゃらないんですか?いつもなら三人でやってらっしゃるのに・・・」
「うん・・・シルファが、立ちくらみ起こしてたから・・・さすがにやばいでしょ・・・」
「シルファ様が!?」
シェフルがかなり驚く。
「そんな・・・ゼロス様と一緒だから、睡眠はきちんととっていらっしゃるし・・・仕事の負担も減ったのに・・・」
「・・・だからかもしれないわね。これまで、ずっと気を張ってたから・・・緊張が解けて、今までの反動が戻ってきたのかも・・・」
「・・・シルファ様・・・」
「本格的に・・・『眠りの封印』施さなきゃならなくなるかもしれないわ・・・」
「・・・・・・・・・・・・?」
いちかばちかの封印だからなぁ・・・・反逆者を減らしとかないことには・・・
「・・・なんでもないわ。シルファにも、ゼロスたちみたいに転生させて休ませなきゃ、って思っただけよ。」
ちょっと違うんだけどね。
「息子を?」
「そう。あたしたちなら治せるかもしれないし・・・あたしたちにできなかったら、いろいろ知り合いがいるから・・・」
リナたちは、敵の目星がついたので、まず、ヒルト首相の息子を治すことにした。
「・・・わかりました・・・」
言って、馬車に案内するヒルト首相。
「うっわー・・・こりゃひでぇ・・・」
ルークが思わずそうもらす。
「何いってんのよ。これ、もともとはあんたのはいかが作り出した呪法でしょ。」
「だが・・・濁族の力が混じって厄介な構成になってるぞオイ。」
「ええ?!めんどくさいわねぇっ!ったく。・・・みせて。」
リナが、その傷口をよくみてみる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・この・・・構成・・・・・・・・・・・・・・・・」
それで・・・・・・何かに気づく。
「みたことあるわ・・・これ。確か、いつだったかシルファ姉さまが負傷した部下治してるときに・・・」
「・・・・・・?ってことは、かなり前の呪法なんだな?」
「・・・・・・うん。・・・ただ・・・ちょっと解呪が難しくって・・・」
「・・・できる?」
ミリーナの問いに、
「まあね。・・・んと・・・たしか・・・」
丹念に構成を編んで、呪を唱える。
「浄呪解毒陣!」
馬車の中に、その息子二人を囲んだ魔法陣ができる。
「・・・これで第一段階・・・」
さらに精神を集中し、もっと複雑な呪文構成を編んでいく。
魔方陣と干渉しあって、魔方陣内に魔文字がうっすらと浮かび上がる。
-汝が内に眠りし無の力を持って、呪縛より解き放て-
「解呪!」
ぱんっ!
と、乾いた音を立てて魔法陣がはじけ散る。
同時に、傷口も、普通の裂傷に戻り、血が諾々とあふれてくる。
「あとは普通に癒すだけ・・・ってことでお願い。」
こくりと頷いて、ミリーナとガウリイがそれぞれ癒し始める。
リナは、かなり消耗したようだ。
・・・・・当然といえば当然だが。
リナは今、『無』の力・・・シルファの力を使った術を使ったのだ。
それも、えらく高度で、混沌の一族でも、あたしとシルファとゼロスくらいしかできないであろうはずの術を。
無の力を使うからには、いろいろとリスクがついて回るのだ。
有そのものであるゼロスにとっては微々たる物だし、無そのものであるシルファは論外。
あたしは、両方を兼ね備えているので問題なしなのだが、普通は、自分の存在そのものを無にしてしまうほど危ういのだ。
では、なぜリナがこれを扱えたのか。
それは・・・リナが、あたしたち[三人]の子供だからだ。
知っているのはあたしたち三人だけだが。
「あ・・・・な・・・治った・・・・」
ヒルト首相が、とすんと馬車の中でしりもちをついた。
・・・ただでさえせまっくるしーのに・・・
「よ・・・よかったぁ・・・・」
「・・・幸運としか言いようがね-な。おいリナ。これ・・・おまえの話によると・・・解呪できるの・・・四王クラスなんだろ・・・?」
「うん。純粋な『無』を使った術だから・・・下手すると自分自身どころか、周囲の存在すら消えかねないし。」
あっさりというリナに、ガウリイもミリーナもルークも、凍りついた。
「お・・・・おい」
「それ・・・よく・・・制御・・・・しましたね・・・」
ルークがかすれた声を出し、ミリーナが簡単(?)の声をあげた。
「ま、リナだしな。」
ガウリイはいともあっさりと納得する。
おいおいおい。
「リナは、ただの『混沌』じゃないからな。」
あ。気づかれてるし。
さすがは野生のカン。
「・・・?どういうこと?」
「うん・・・。『無』と『有』も混じってる。」
すこぉぉぉぉぉん!
リナとルークが馬車の外にすっ飛び、ミリーナが、脂汗を流して硬直する。
「・・・ちょ・・・ちょっと・・・どういうことよそれ・・・ガウリイ・・?」
「・・・?リナは、あの三人の子供だろ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・い・・・・・いきなりばらすなあああああああああああああああ!?
ずっと秘密にしてたのにいいいいいいいいいい!
「あの三人・・・て・・・・ガウリイさん・・・まさか・・・」
「・・・L様とシルファ様とゼロス様・・・・か・・・?」
「ああ。ほら、シルファとゼロスって、子供ができない性質だろ?Lを媒介にして、唯一できたのがリナなんじゃないか?」
・・・って・・・・いとも簡単に真相を話さないでええええええええええ!
あんたいったい何者よぉぉぉぉぉぉぉぉ!
「・・・た・・・確かめるために・・・とりあえず!そこに隠れてるつもりの『炭酸カルシウム』を始末するわよ!オッケー?!」
『おうっ!』
好奇心の塊の前に、たかが中級の濁族が、勝てるはずがなかった。
や・・・やばすぎるぅぅぅぅぅぅぅ!
「ちょっとシルファ!ゼロス!寝てる場合じゃないわ!」
あたしは、いきなりゼロスの獣王宮の私室に出現し、いった。
『・・・L姉・・・?』
「リナに、あたしたちが親だってばれたわっ!ガウリイが野生のカンで、ぜんぶっ!」
『えええええええええええええええええええっ!』
「というわけで、しばらくトンズラするわよっ!」
『異議なし!』
「にげられたああああああああああああ!」
リナの絶叫が混沌宮にこだまするのは、その十分後だった・・・。
「どーする?ばれちゃったけど。」
「うーん・・・ばれると、厄介なんですよねぇ・・・」
「濁族がさらにリナを狙うだろうし。
わたしとゼロスの子供が見たいやつは、もう一回やれって迫ってくるだろうし。・・・本来、あってはならないものだから・・・」
「そうですねえ・・・リナは・・・・僕たち三人の生み出した、『純粋な歪み』ですからねぇ・・・」
そう。
今はまだガウリイですら気づいていないが。
リナは、『歪みの中心』。
いったいどれほどのものが知っているだろうか。
リナがあたしの中に宿ってから『濁族』が出現したこと。
「・・・でも、あたしたちの守るべきもの・・・・でしょ?」
「・・・ん・・・・。」
「そうですね・・・」
シルファとゼロスが、あたしにちゃんと微笑みかけてくれる。
「・・・今ね、『あの計画』をすすめてるわ。」
『・・・!?』
「シルファには、本格的に、『眠りの封印』施さなきゃならない・・・。
ゼロスには黙ってたけど。このままだとシルファは一生戻って来れなくなる。・・・『人格』が、壊れて・・・消えてしまうから・・・」
「・・・・・・・・L姉!言わない約束・・・・!」
「シルファ!?どういうことです!?」
「・・・封印施すと、シルファはほとんど無防備状態になるでしょ?そんなときに濁族がたくさんいると厄介なのよ・・・」
・・・二人とも沈黙する。
「では・・・『運命の歪みの補正』をして、しばらくの間の、濁族の発生と力をなくそうと・・・。」
「・・・それをすると、リナもしばらく動けなくなるわね・・・」
「・・・ま、ね。でも、やらなきゃ、もっとひどいことになる。」
「・・・わかりました。やりましょう。」
「つらいけどね。三人で、今までもやってきたものね。」
・・・・・・・・・・・・・・・
「『力の制御の因律』は、あたしとヴァリルとシェフルでやるから。二人で、そっちお願いね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん・・・・姉さま・・・」
「謝ることないわよシルファ。・・・さ、話はまとまったし。今までどうり、これらはかくしとおすこと。」
「・・・・・もどりますか。」
「ええ。」
「・・・どういう・・・ことなの・・・・・・?」
混沌宮に戻り。
リナの問いに、あたしたちはただ、こう答えた。
『貴女が私たちの大切な存在であることに変わりはないわ(です)』
「でも・・・・・・・・・・なんで黙ってたの・・・・・・?」
「・・・いろいろあるのよ。私たちにもね。・・・・・・・・・そろそろはじめるわよ。」
『了解。』
二翼の翼が、現れるときがきた。
「少し、厄介な仕事を片付けるから、しばらく仕事の代行頼むわよ。」
「それはいいけど・・・厄介な仕事って・・・・?」
「・・・あんたの力もしばらく戻らなくなるだろうけど・・・許してね。」
あたしは、笑顔だけ残して、指定の場所へ行った。
濁王宮、因律制御の間へ。
「おや。しばらくぶりですね。ルシファリルア。」
「そうね。フェスルドーリス。濁族の主。」
「シルファリアルとゼロスィストはもう準備は終わってるみたいだ。」
「ええ。シルファが危ない状態だから、ちょっとね。」
「みたいだね。見た限り、長くはもたないね。『運命の補正』をしないと。」
「だから、しに来たでしょ?」
あたしたち兄弟しか知らないこと。
この、濁族の主こと、フェスルドーリスは、私たち三人の実兄である事。
私たちのために、『濁族の主』という役柄をしてくれていること。
・・・彼は、『運命』や『時』そのもの。
「じゃあ、やりますかね。」
「ごめんなさい。わがままばかりで。」
「いいよ。べつに。なかなか楽しいんだよ、これで。」
濁王宮、因律制御の間で。
シルファとゼロスが翼を広げる。
光と闇の翼を。
「うわ・・・」
「はじめてみた・・・」
今回、参加してもらうヴァリルとシェフル。
彼らも、シルファとゼロスの翼は見たことがない。
たとえようもないくらいなのだ。この二人が翼を持つと。
「さて・・・それじゃ、あたしたちも・・・」
あたしとフェスルも翼を出す。
混沌の金色の翼と、運命の燐光に輝く翼を。
「我が名において、全ての運命の歪みを修正す。」
フェルスの声が響き、シルファとゼロスの力が導かれ、全てが補修されていく。
「我らが存在の全てにかけて、力の因律を封印す。」
あたしの言葉とともに、ヴァリルとシェフルの力を導き、全ての力を押さえ込む。
何ら、変わりはない。強さの関係は変わらない。
絶対量は変わるけれど。
『我らが子らに幸あらんことを!』
あたしたちの・・・『真なる四王』の声が響き、全てが変わる。
さすがに、ヴァリルもシェフルも、力を使い果たしたらしく、へばって気絶している。
ここは、濁族の都の中心部だった。
ゆえに、今ので、濁族のほとんどは吹き飛んで、滅んだはず。
・・・・・・・・・今のうちに。
「シルファに眠りの封印を。」
「そうだな・・・」
「・・・『シルファリアル=フェリル=ナスィング=ツィクル』。汝が全てにおいて、眠りを与えん。」
「『ゼロスィスト=メタリューム=エグズィスト=ナイトダーク』の名において、僕は彼女を守ります。」
「『ルシファリルア=エルスィネス=カオスィスト=ナイトメア』の名において、目覚めのときまで、全ての調和を守ります。」
「・・・つつしんで、おうけします。『フェスルドーリス=フォルチュネル=ウィール=ナイトメア』兄さま。」
あたしたちは、本名で呼び合うことで、全ての制約を受け、または与える。
この名を呼べるのは、同等、もしくはそれ以上の力があるものだけ。
たいてい、『制約・契約』のときにしか使わない。
もし、力ないものがこの名を使おうとすれば・・・ま、一生不幸になること請け合いである。
それは、『私は、貴方たちに一生従います』ということなのだから。
あたしたちに従って、不幸じゃないやつはそーそーいない。
・・・ヴァリルとシェフルは別にしろ。
さて・・・混沌宮に戻りますか。
「・・・な・・・んなの・・・?ちからが・・・・・・」
リナが、ちょうど困っているところだった。
「リナ。少し休みなさい。濁族いっきに片付けたから。」
「エル・・・なんで・・・あたしの力が減衰してんの・・・?」
「ひみつ。・・・シルファも、ちょっと力を封印して、休ませるから。
・・・特殊な封印だから、普通どうりに振舞ってオッケーだけどね。
一気に放出できる力がかなり少なくなるようにしたの。あんたも、その封印の影響受けたみたいね。」
まあ、命に別状はないから、我慢してもらうしかない。
「・・・でも、なんか変・・・。」
「あんたが小さいころにもあったでしょ?」
「・・・そういえばあったかな・・・。」
「さーて・・・シルファ。あんた、神魔世界第十九区で、休暇ね。しばらく。」
「やだ♡仕事するもん♪」
ずごがしゃあああああああああああああああああ!
あたしとゼロスは、シルファのお茶目な答え(?)にすっこける。
「だって、まだいろいろと不安要素があるし・・・。ある程度なら、仕事はむしろ楽しいから。」
「何のためにあなたの力を封印したんですか?!」
ゼロスが説得にかかる。
「死なないため。・・・もちろん、ゼロスたちがちゃんと仕事するんなら、私が過労死することはまずないでしょ?」
「う・・・・」
早速失敗する。
「・・・でも、少しは仕事量を減らしてやりなさい。それでは休暇にならない。」
いきなり、フェスルドーリスが現れて、シルファに諭すように言う。
「誰!?」
リナが警戒する。
「あたしの知り合いよ。心配要らないわ。フェスルは。」
あたしが言うと、警戒を解くが。まだ、どこか疑わしげである。
「小さいころに会っているんだが・・・わからないかな・・・?」
「・・・え・・・?」
そういえば、フェスルにかんしては何にもいってないっけ。
いろいろ厄介になるから。
リナを守るためには。
「とにかく、まだ休暇を取るつもりはありません♡」
『シルファぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・』
あたしたち三人は、末の妹の強情ぶりに、涙する。
「確かに、以前より力は制限されてるけど、あんまり支障はないし。」
まあ、いくら本体と切り離した一部が、今ここにいる『シルファ』であって、本体は眠ってるとはいえ・・・。
「それに、闇がなくても眠れるようになったし。」
「もちろん毎晩あなたを捕まえますけどね。」
笑顔だったシルファの血の気が、さっと引く。
「さ・・・さて。ゼラスたちも何とか部下Sたちごまかせたみたいだし・・・もどりましょ。」
シルファの言葉に、あたしたちは、苦笑しつつも、赤の世界へと降り立った。
真の四王。
フェスルドーリス、ルシファリルア、シルファリアル、ゼロスィスト。
彼らは、末の妹を(いろんな意味で)守るため、赤の世界へと、降り立つ。
―四王・終わり―
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L:終わったのね・・・
ね:ええ・・・
L:その割に、おもいっきし中途半端じゃない?
ね:いわないでください。・・・どっちにしろ、続き、あるんだし。
L:まあ、濁族はこれで出番はないだろうし・・・
フェスルも出てきたし、かなり状況が変わったけど・・・
ね:・・・実は、次の『反乱』、リナさんたちがあまり出てこないかもしれないので・・・
L:今でも十分そうじゃない・・・・?
ね:ううう!ごめんなさいいいいい!
これも、文章を、何も考えずに行き当たりばったりで打ち込む私のせいです!
L:努力はしなさいよ。
L:ところで、『部下Sの無謀なたくらみ』はどうなったの・・・?
ね:あ、『反乱』の前に投稿したいと思います。
L:それに、どうやってゼラスたちが部下Sをごまかすか・・・・
ね:今から打ち込んでみます。どちらも、「番外編」としてお楽しみください。
L:まあ、いいけど・・・あんた、投稿ペース遅かったわよね・・・
ね:え・・・・L様・・・・・・・その手にされた混沌の塊は・・・!
(混沌のいかずちが荒れ狂う)
L:さて、『反乱』のほうは、ちゃんと早く投稿できるのでしょうか。
多分、また間があくかとは思いますが、待っててやってください。
あたしの一人称は、まだまだ続くようです!
でも、あたし、見てるばっかりだったな・・今回・・・
ね:『反乱』では、『真の四王』が活躍・・・ってことで、L様もそれなりに活躍・・します・・
L:・・・精神離脱してまで・・・あとがきに出たいとは・・・
ね:部下Sに習いました。
L:あいつぅ・・・・!おしおきしてやる!
ね:そういうことで・・
二人:また次回(もしくはレスで)、お会いしましょう!