はい♪というわけで、シルファファンにはきついかもしれない番外編その二です。
さっそくいってみましょー!
注:これは「わかりやすい」シリーズの番外編です。
ちなみに「光の王」1とは何の関係もありません(爆)
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「わかりやすい 光の王」2
「んっんっんっ」
「・・・・・・・・・・・・・・(滝汗)」
「どーゆー事か説明してくれるかしら?」
まぁたやってるし・・・・
「え・・・えーっと・・・妻が急に病気になりまして・・・」
「あら?貴方の奥さん、先刻私のところに挨拶に着たわよ?」
シルファは笑顔だ。笑顔なのに・・・なぜこうまでに寒気を感じるのか。
「え``。」
「貴方の浮気、ちゃんと見抜かれてるみたいね。」
シルファに満面の笑みで微笑まれ。
「で?」
「そ・・・その・・・えと・・・」
「早くして。こっちも忙しいの。あ、アシュト、これお願い。」
「はい。」
ここは光王宮の執務室なのだ。
「・・・すみません。なくしました・・・」
とうとう、その部下は折れた。
「素直で結構。じゃ、次の仕事しなさい。」
おや?
「・・あの・・・よろしいんですか?」
普通なら、もろに『説教』するのに・・・?
「書類-しかも、一応『C機密』のをなくしたんですよ?」
本人までもがそういい返す始末である。
「さがしておくわ。-で、次の仕事なんだけど。」
ほっ と、胸をなでおろすその部下。
-読めた。次の展開!
「自分の私物をまとめなさい。雑務十課に転勤よ。」
ぴきぃぃぃぃぃぃぃん!
やっぱり(笑)!
怒ってない振りして実はすでに根回しまで完了!
「『C機密』以上はね、提出遅れた時点でくびなの。」
まるで、些細な決まりでも言うかのように、微笑んで言うシルファ。
「シ・・・シルファ様ぁぁぁぁぁぁ!?」
「何・・・?リーナ。」
「何ですかこれ!?」
「どれ?」
「これです!この、大量というのさえ生ぬるい光形データの山!」
データ質のモニターされた画面を見て、混沌宮の仕事をもらいに来たリーナが叫ぶ。
「もちろん今日のノルマ。ちなみにそれ、データ室No.100のモニターだから。」
「あの・・・おてつだいしましょうか?」
さっきの部下が言う。
「雑務をね。」
はっきりきっぱり言い切られ、負のオーラを撒き散らして去る部下。
「それにしても、多いわね・・・。」
入れ替わりに、あたしはシルファのもとを訪れた。
「-ええ。今日は少し眠るので、多めにこなさないと。」
「眠る・・・って・・・ゼロス様がいないのにどうやって・・・?」
アシュトがたずねる。
シルファが、闇がなくては眠れないということは周知の事実である。
「・・・あの方法はやらせたくないけど・・・過労死してしまったらもっと大変なことになるし・・・」
そう。
あの方法は-やらせたくない。
「あの方法?」
「知る必要はないわ。」
あたしは、リーナの問いにそう答えた。
誰に言える?たった一人の妹を救うことすらできずに!
「心配しないで。たとえ10分だけでも、ちゃんと眠れるから。」
「そうですか?」
シルファがそう言っているが・・・知ったら、気絶するかもね・・・
たった10分の眠りのために・・・あんな・・・・
「あたしがあんたを包めるほどの闇を生めばいいんだけど・・・」
あたしは、純粋な闇を作れるには作れるが・・・
シルファを包むほどには、訳があってできない。
「大丈夫よ。L姉。起きればだいぶ回復するから。」
「・・・回復?」
アシュトが問い返した。
「知らなくてもいいことよ。リナたちですらまだ知らないことなんだから。」
「母様も!?」
リーナが問い返した。
「そうよ。ゼロスは知ってるけど。よし、と。じゃ、アシュト。あとお願い。少し寝るわ。」
「え・・・あ、はい。」
「くれぐれも、寝室のほうには近づかないように。」
あたしは一応釘をさしておいた。
シルファの私室で。
シルファは執務服から寝巻きに着替え、ベッドの上で宵闇を取り出す。
その切っ先を自分の胸に向け・・・
「・・・・・・・・・っ!!」
一気に突き刺す。
鮮血があふれてくる。
シルファは宵闇を抜き取り腕輪に直して、眠りにつく。
宵闇は、あたしとゼロスが創ったものだから、シルファの無意識な防衛本能に影響されない。
「シルファ・・・ごめん・・・」
たった・・・・たった10分の眠りのために、どれほどの苦痛を味わうことか・・・!
闇は今眠りの状態にあり、シルファを包んではくれない。
あたしが創り出すことも可能だが、それでは光と闇のバランスが崩れ、余計にシルファを 追い込んでしまう。
かといって眠らなければ、シルファの自我が崩壊してしまう。
光は鮮烈。
その光は他のものをも焼ききってしまう。
そしてまた無も・・・。
シルファはこの二つを同時にそのうちに抱え、押さえ込んでいるのだ。
もし暴走させれば、世界の半分は間違いなく吹き飛んでこなごなになる。
それゆえシルファはいつも、ともすれば噴出しそうな力を制御している。
疲労でそれが崩れれば、よくて過労死・・・最悪の場合・・・
『シルファ』は永遠に戻ってこない。
ただ、光と無がそこにあるだけになってしまう。
「・・・何が・・・『全てを統べる存在』よ・・・・?自分のたった一人の妹すら救えずに・・・!」
『悪夢を統べる存在』とはよく言ったものだ、と思う。
あたしは、ずっと悪夢を見つづけているのだから・・・。
でも、一番つらいはずのシルファは文句一つ言わずに微笑む。
いつも痛みに耐え、うめき声一つあげない。
それがまた痛々しくて・・・何もしてやれない自分がいやになる。
・・・濁族は・・・こういうあたしの感情から生まれるものも少なくない。
そしてまたシルファの敵を作って・・・その繰り返し。
・・・・・・・・・傷を負い、休暇と静養を兼ねて転生しようとした三人。
転生途中に濁族の最高幹部がちょっかいを出し、いまだにどこにいるのか見失ったまま。
ひそかに探させてはいるが、まだいい知らせはない。
この悪夢を解き放てるのは・・・あの三人しかいないというのに。
「失礼します!濁族が大群でこちらに・・・・・・・・・・っ!?」
あたしがシルファの私室であれこれ悩んでいるうちに、
緊急の報告をしに来たアシュトとシェフルが来てしまった。
「シルファ様ッ!?」
悲鳴に近いシェフルの声。
・・・近づくなっていったのに・・・
「あの・・・L様・・・これは・・・いったい?!」
ヴァリルがうろたえてあたしを見る。
そしてさらにうろたえる。
「L様?!どうかなさったのですか?」
ふと気がつけば、あたしは泣いていた。
「・・・大丈夫・・・シルファはただ眠ってるだけ・・・。」
「あ・・・あ・・・・・・いったいなぜこんな惨い・・・っ?!」
「シェフル・・・落ち着いて。シルファは眠ってるだけ・・・なん・・・だ・・・か・・・ら・・・・」
「え・・・・L様・・・・?」
言葉に詰まる。
あたしともあろうものが。
・・・・・・・・・・これは、あたしが言わなくてはならないこと。
あたしが耐えねばならないこと。
「・・・今はそっとしておいて・・・隣の部屋で話してあげるわ。」
と、
「シェフル!?どうした?シルファ様に何か・・・・っ?!」
タイミングの悪いことにアシュトとゾイスまで見てしまう。
「・・・説明するから・・・今は眠らせてあげて。」
「・・・・というわけで・・・シルファはずっと・・・ゼロスがいなくなってからずっと、眠るときはああなってたのよ。」
「シルファ様・・・・・・そんなそぶりは一つも・・・」
「馬鹿!あの方が我々にそんな素振りを見せるはずがないだろう!」
「おやさしい方だからな・・・」
「・・・どうすることもしてあげられないのよ・・・ごめんなさいね。」
「なにをおっしゃいますか!」
「L様こそ、知っていて、見守るのは辛かったでしょうに・・・」
「少しでもあの方の負担を減らすために、仕事をかなり処理してくださっていたんですね。」
「シルファ様はご存知ないがな。」
そう。
シルファに行く前に、あたしが処理しきれるものは処理している。
それでも追いつかないのだ。混沌の仕事は。
「・・・それはそうとヴァリル。あんたさっき、濁族がどうのこうのって言ってなかった?」
「そうでした!濁族の大群がこちらに進行しています!かなりの数ですよ!」
あたしの問いに、ヴァリルが慌てて答え・・・
「大群結構。蹴散らしてやるさ。」
「ああ。シルファ様に害なすとなりゃ、な。」
ゾイスとアシュトが不適に笑う。
「シルファ様が眠ってらっしゃるあいだに片付けましょう。」
シェフルが言った。
『おうっ!』
「あ、ゾイス様、アシュト様、ヴァリル様にシェフル様も!濁族の大群がこちらに!」
「知ってるよリーナ。」
「んで、これから、俺たちで片付けてくるから、それまで政務のほう頼む。」
ゾイスとアシュトがそれぞれの剣を手にして笑って言う。
・・・目はちっとも笑ってないし、薄ら寒いまでの殺気を放っているのだが。
「頼むわねリーナ。」
「シルファ様のために。」
シェフルとヴァリルもかなりすごいものがある。
「は・・・・はい・・・・・(冷汗)」
かつてないほどの濁族の大群は、たった四人に、たった3分で壊滅させられたことを述べておく。
生き残った捕虜の話だと、
『怒り狂ってるぜあの四人っ!にらむだけで数十滅びやがる。俺も、上級じゃなかったら滅びてたろうよ!
まさに鬼神のごときとはあのことだっ!絶対逆らいたくなくなるぜ!』
とのこと。
・・・・・・・・シルファは、たくさんの人々(?)に愛されている。
んでもって、その後。
濁族の生き残りから、あの四人がこうまで怒ったいきさつを、『シルファ様のために』という言葉から推理され、
シルファの睡眠方法がばれた。
しかし、不思議なほどに、あたしへの糾弾はなく、反逆していたものですら、シルファのために戻ってきて仕事をこなす始末である。
ゼロスの転生体が見つかったのは、それからもっとずっと先のことだった。
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L:うううううううううう。
ね:Lさまらしくないですねぇ・・・(汗)
L:あんたがそーゆー風に書いたんでしょうがっ!?
ね:そーです。・・・だって、L様、シルファさん大好きでしょ?
L:う・・・。そうだけど・・・
ね:まあ、そういうわけなのです。
L:普段のあたしはこんなにマイナス思考じゃありません。
ね:そーです。
ちなみに、シルファファンの皆さん(そんなにいないと思うけど・・・)。
シルファさんにエールを送ってあげてください。
彼女、本編でもだんだん不幸になってきてるのです。
L:あんたねぇっ!これ以上シルファを不幸にしたら許さないわよ!
ね:エスケープした三人に言ってくださいいいいいいい!
L:ったく!
ね・L:それでは、また今度♡
(ねじばなはL様にしっかりと引きずられていく)