最終話「わかりやすい 眠り」
「消えたね、ゆがみ。」
「ええ。」
「濁族も減ったわよね。」
「…よかったな。」
4人は仲良く微笑んで子供たちを見つめる。
そして。
わずかな残り香を残して、消えた。
以後、彼らの消息は途絶えた。
「まあ、しばらくは……ゆっくり休んでください、父上、母上。」
どこか寂しそうに、彼はつぶやいた。
「待っていますから。いつまでも、皆で。」
一滴、こぼれた涙を指先ではじいて、彼は彼の“家族”の…“皆”の輪の中に戻っていった。
おわり