過去の記事を見てたところ、第二幕を投稿し忘れていたことが判明!
というわけで、のっけときます!

ちなみに!序幕と第一幕は過去ログから検索してください。
ごめんなさい。

あ、そうそう、始めましての方に。
このシリーズは、「わかりやすい 神託」「わかりやすい みち」
「わかりやすい 四王」「わかりやすい 反乱」の順になっており、膨大な量になっています。
かおさんが、かおさんのHPでまとめてくれておりますので、そちらでもごらんになれます(はぁと)

では、いってみましょうか!

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  「わかりやすい 反乱」第2幕~反乱側~

少し時間を戻して。
金色の魔王らがまだ濁族と戦っているころの第18区。
「反乱を・・・してみないか?」
第18区は進化に失敗し、神魔合同対策会議の最中だった。
「鉄刃神フェリトリス!何をいきなり?!」
「このままでは、四王様方のお仕置きは必死・・・。
  だが、他の世界とともに・・・この神魔世界全てに呼びかけ、皆で反乱すれば・・・」
ざわり
その場の高位の魔族・神族らがざわめいた。
「人間たちも『民主主義』という制度で、皆平等なのだ。なぜ彼らに奉られる・・・畏怖される我らが封建制なのだ?」
「確かに・・・」
「まるで逆だな・・・」
幾人か、賛同し始める。
「全ては・・・自分が主でありたいが故の、金色の魔王のたくらみではないのか・・・?」
「そういえば、我らの力のバランスは、上層部のほうで定められていると・・・聞いたことがある!」
「本当か?!アグリトリス!銀刃神!」
「もしかして・・・混沌宮にその調整装置が・・・?」
「だとすれば・・・それを乗っ取るか、全ての力を平等にし、壊せば・・・・?」
――できるかもしれない。
今や、そんな考えがその場を支配していた。
そして、綿密に計画を練る。
この時点で、神魔世界第18区の反乱は決定していた。

一ヵ月後。本格的に反乱をおこし始めた。
まずは、第17区の乗っ取り。そこには神間世界専用転移装置がある。
鉄刃神フェリトリスは陣頭指揮をとっていた。
「空間壁がなかなか破れないな・・・」
と、境界域で困っていたところ。
「へぇ?なかなか面白いことを計画してるようじゃないか。」
男とも、女ともつかない中性的な美声が、背後からかかった。
振り向くと、銀の長髪をゆるく束ねた、超がつくほどの美男子がいつのまにかたたずんでいた。
「な・・・何者だ?!」
「安心しな。混沌の一族からの刺客じゃない。今はフリーの傭兵だ。」
挑戦的な濃い藍の瞳。光の加減によって緑にも見える。
服は黒尽くめで、身体にフィットした全身つなぎに、どう見ても特注ブーツ。
皮製のような手袋と、服の所々の武器ポケット。
その上から、濃灰色のローブを着ている。
「俺の名はナスィルだ。――情報屋でもあるから、あんたらのことは知ってる。自己紹介はいらないぞ。」
「どうして・・・こんなところに・・・?」
「面白そうだから、協力しようかと思ってね。情報なら金次第でいくらでも売ってやるし、気に入った仕事ならタダだ。
  俺はあんたらを利用する。あんたらも俺を利用する。――どうだ?」
フェリトリスは、本能的にこいつは強い、と感じていた。
「わかった。手を組もうじゃないか。」
「よし。んじゃ・・・おい、てめーら下がってな!空間壁破るぞ!」
不信そうに、一同が見守る。
彼らがなかなか破れない壁を、どうやってこんな細腕で(彼らにそんなものは関係ないのだが)破ると言うのだ?
ナスィルは無造作に手を振った。なんでもないことのように。
ぴばしぃっ!
それだけで・・・たったそれだけで、大きな亀裂が入った。
「これだけでいい。自由に転移できるぞ。18区と17区間はな。」
その場のものは硬直していた。ナスィルはただの衝撃波だけで彼らが傷一つつけられなかった壁に大きな亀裂を入れたのだ。
力の程は押して知るべし、である。
「・・・と・・・とにかく、皆17区へ行くぞ!」
「は・・・はい!」
かくして、思ったよりも速く、反乱に加わった17区を足がかりに、反乱は一気に広まる・・・はずだった。

「”ツィーナルグルド”に連絡。反乱は予想より早く進行中。
  防衛は他に任せ、内部に潜入せよ。”薄紅”と”チェリー”は応答せよ。以上。」
第17区”チェリー”部隊はあせっていた。
彼らの主からの連絡を受けたとき、反乱軍は転移装置の始動をはじめていた。
冷静に今までの状況を話す。そして通信が切れてから、
「――転移装置の横の銀髪の男、命令にあったナスィルだ。
  だが、転移装置は破壊せねばならない・・・。おそらく生きては帰れまい。――梅は、牡丹、躑躅とともに報告し、生き延びろ。」
桜は命を下した。
「主、ルビレイ様のためだ。やるぞ。」
“チェリー”は装置の破壊に集中することにし―
転移して、一気に魔力弾を装置に叩き込んだ。
「ちッ・・・余計なことを!」
ナスィルは、舌打ちして、そばの兵士の槍を奪い、無駄のない動きで次々と急所を切り裂いていく。
すでに、梅たちは転移し、報告に入っていた。
「こちら”チェリー”の梅。転移装置を始動寸前に壊しました。
  が、ナスィルの妨害により梅、牡丹、躑躅以外は全滅!1~20区の装置のみ生きています!」
「”チェリー”?!なぜそんなことを!もともとそこの転移装置は1~20区用しか使われないようにしてある。
  だいたいナスィルは敵ではないのだ!」
「え・・・?」
「・・・彼は反乱を利用しているだけだ。我々が勝てる程度にしか協力しないだろう。
   ――”チェリー”は全滅する。彼は邪魔者に容赦などしない。たとえ知人だろうがね。」
「ルビレイさま?」
「甘く見るな。私が知る限り、ナスィルは並ぶものなき”消去者”だ。」
「――梅!奴がここを見つけた!」
牡丹の声が響く。
「――彼と××××。この二人は同一人物だ。
  性格は違うと思うかもしれないが、これが本来なのだ。――今までよく働いてくれた。」
その言葉に、3人は硬直した。
「ああ、バレたのか。なら――本来の姿でもいいか。」
ナスィルの姿が変わる。
それは、彼らのよく知る―
どづづっ!
3人は、なぜか納得していた。
(ああ・・・この方は、こういう性質も持っていらっしゃったな・・・)
彼らは、ナスィルの手であっさりと滅ぼされた。
「――ルビレイ。私の邪魔はするな。」
「わかっています。ご随意に。・・できたら、協力しますけど?」
「・・・ふむ・・・じゃあ・・・――――――」
その内容を聞いて、ルビレイは通信越しに、
「了解しました。・・・なるほど、さすがと言うべきですかね。」
「心配性はほっとけばいいから。ンジャ、まあ頼む。」
「はい。」
再びナスィルの姿になり、彼は去る。

「くそっ!これでは1~20区にしか出入りできん!」
「だが、通信システムは生きてる。何とかできないか?」
「すでに古代竜一族の手が回っている可能性が高い。」
「そういえば、第19区の奴、遅いな・・・・」
「もう、他の区域のものは戻ってきたのだがな・・・」
今回はそれぞれの世界の情勢調査だけなのだ。
「・・・ほろぼされたか・・・?これは・・・」
いきなり、転移してきたナスィルが言う。
「ナスィル殿?それはどういう意味で・・・?」
「・・・いや・・・来るぞ!」
19区の担当者が、ぼろぼろの状態で出てくる。
「どうした?!何があった?」
「だ・・・ダメです!第19区は、絶対!」
担当者レートは叫んだ。
「燐光の神王、金色の舞おう、闇翼王、朱金王、精霊王、燐光神官、陽緑司、
  黒翼王、白翼王、神王長、魔王長、書記長2人、その他混沌の一族幹部がほとんど赤星ゼフィーリアにっ!」
『なにいいいいいいいいいいいいいい!?』
一同まともにうろたえる。
「対策本部がありました。ただ、光翼王が見当たりませんでしたが。どうも行方不明らしいです。」
「ご・・・ごくろうだったな。」
「怖いな。19区は。」
「だが、それなら今、混沌宮は手薄なんじゃないか?」
「よ、よし、至急作戦会議だ!」
ナスィルは一人、ため息をつく。
「なにやってんだあいつらは・・・(怒)」
幸いにも、その表情を見たものはいなかったが・・・
見ていたら、恐怖に硬直しただろう。

                    第2幕~反乱側~:終 


 




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L:あれ?あたし、あとがきでないんじゃなかったの?
ね:急遽変更いたしました。今回、L様ぜんっぜん出てないんで。
L:・・・ほんとだー・・・。って、なんで出てないのよ!しかもルビレイの奴目立ってるしっ!?
ね:ま、彼にはこれからもいろいろと活躍してもらう予定なんですけどね。
L:しかも、ナスィルって誰よ?!
ね:まだ秘密です(はぁと)
L:しかも・・・シルファ・・・・シルファが戻ってこないいいいいいいいい!
ね:ああっ!泣かないでくださいよ!
L:うわあああああああああん!シルファああああ!どこいったのよぉぉぉぉ!
ね:ああああああっ!落ち着いて!次回にたっぷり出てきますから!
L:・・・出てくる?戻ってくるの・・・?
ね:いえ。むしろ・・・おっと・・・ネタバレしちゃだめですね。
L:どういうことよ?!
ね:とことん不幸のどん底に行っちゃうかもです。ごめんねシルファ・・・・・・
L:あんたこれ以上シルファを不幸にする気なの?!
ね:いやあの・・・とりあえず、不幸の後には幸せ、ってことにしてあるんですけど・・・
(Lが座った目でかまえる鎌を見て、あとずさるねじばな)
ね:とりあえず・・・このへんでっ!にげます!
L:待ちなさい!詳しく聞かせてもらうわよっ!
(その場には誰もいなくなり・・・)
ルビレイ:それでは皆さん、また次回。またまた私、出番があるんですよ―・・・。
ナスィル:俺もな。んじゃ。
(どこからともなく声が響き・・・・幕。)