ハイ。とぉとぉ最終話です。
まあ・・・続くんですが。
とんでもなく急展開で終わっちゃいました。
まあ、許したって下さい。

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               わかりやすい神託・第13話


「・・・・ねえ、なんか、魔族の気配がするんだけど・・・・。」
「とうぜんだろう。ゼロスやゼラス=メタリオムまでいたとあっちゃ。」
リナのつぶやきにゼルが答えるが、ガウリイの感はこう告げていた。
「・・・・ゼロス・・・・・これはまずくないか?」
「・・・まずすぎますよ。・・・・どうですか?ゼラス様。」
「・・・やられたわ・・・・ちょっとやそっとじゃ生き残れないでしょうね・・・・・。私としたことが!」
そう。ヘルマスターが本気で動いたのだ。
「残りの勢力全部つぎ込んで来たって感じね・・・。しゃーない。ガウリイ!ゼロス!あんたら『それ』つかえる?」
それ・・・すなわちあたしの力っ!
「おうっ!なんとかな!」
「・・・自ずと魔力増幅しちゃってます。」
「おし!じゃあちょっぴしあばれるわよっ!皆巻き添え食わないよーに防御に専念!いい?」
『ちょっとまてえぇぇぇぇっ!?』
「なによ?いそいでんだけど?」
まるでお出かけにでも行くような口調のリナ。
「どうやって防げって言うんだそんなもんっ!?」
ヴァルが一気にまくしたててくる。
「ヴァル・・・あんたが居るでしょうが。」
「へ?」
「ああ・・・なるほど・・・確か、エンシェントドラゴンの一族はどちらにも属さず、結構強力な力がある
  ・・・ということから・・・自ずとわかりますねぇ。」
ゼロスの納得した声。
「ををうっ!?そういえば、混沌の力に近いんだったな。」
ヴァルがぽんっと手を打つ。
「あとは、攻撃と防御に分かれて、自分たち狙ってくるのだけプチ倒すこと。いい?」
『了解。』

その言葉を合図にしたかのように、いっせいに出現する魔族(反逆者)御一行!
おしっ!勝手に少し暴走してやるっ!
「一番! リナ=インバース 竜破斬 of 金色の魔王っ!」
おっし!よくやったリナ!おまけに威力が数倍してあるぞっ!
きゅどどどどどどどどどどどどどおおおおおおおおおおおおおおおおんんんんんんんっ!
「っとわっ!」
「づげげげげげ。」
ゼラスとヴァルの声がする。予想外の威力に驚く声と、
結界がもたないかもしれないという不安の声とが。
「おっしゃ結構減ったっ!」
「へえ・・・腕を上げたね。リナ=インバース・・・」
聞き覚えのある声がする。
「ようやっとのお出ましね♪ フィブリゾ君♪」
「いやー。助かりましたよ。一時はどうなることかと。」
「何せこのままじゃ一ヶ月もたんしなぁ・・・。」
リナ、ゼロス、ガウリイのめっちゃくちゃありがたがってる声。
「なんのことかな?」
ちょっと引きつつ減らず口を叩くのを忘れないフィブリゾ。
『・・・・・・・・・・・・・。』
知らん顔を決め込むまわり。
おいおいおい。
「いやぁ♪こちらにも事情がありまして♪」
にっこにこの笑顔で言っているが、実はその間まわりの魔族達が悲鳴を上げてのた打ち回っていたりする。
もちろん精神世界からのゼロスの攻撃に対して・・・である。
ゼロス自身は小さな針ほどの本体を相手に送っているだけなのだが・・・
あたしの力添え(暴走ともいう)で、上級魔族でもかなりダメージが来る。
「・・・・・?ゼロス、おまえ・・・・いつそんなわざを・・・・?」
ゼラスが気づくが、ゼロスは、
「暴走してるだけです。気にしないで下さい・・・・いえ。気にしてはいけません。」
「わかった。気にしないわ。」
冷や汗かきつつの会話に、ヘルマスターが吹き出した。
「あっはっはっはっは・・・。ゼラス、君、いつからそんなに物分かりが良くなったんだい?
  部下のいうことをおとなしく聞くなんて。それにしても・・・・これだけ被害を出してくれたお礼はしなきゃね。」
いって、結晶を虚空から引き出す。
「覚えてるよね・・・?これを壊すと、どうなるか。」
アメリア、ゼルガディスの二人は、
「・・・死ぬ・・・・はず・・・・」
「りなさん・・・がうりいさん・・・・・」
かすれた声でつぶやく。
それを聞いたまわりが、叫ぶ。
『リナ(さん)っ!ガウリイ(さん)!』
しかし。二人は、そんなことなど気にもしていなかった。
「それで・・・?あたしたちがどうにかなるとでも・・・?」
「あの時とは違うんだよ。オレも、リナも、ゼロスも。」
「・・・・ノーコメント。」
「・・・ふむ・・・ゼロス、そのノーコメントっていうのはどういう意味だい?」
「そのままです。違うっていえば違うし、違わないといえば違いませんから。
  ・・・僕もまだあんまり状況についていけてないんですよ。急すぎて・・・。」
困った顔でいう。
「ま、いいけど・・・?じゃあ・・・そっちのお兄ちゃんの方から壊してあげるよ。」
「まった。あたしから壊してくんない?」
「おいおいリナ。何言ってんだよ。」
「三人同時の方がいいに決まってるじゃあないですか。」
「うんうん。もしリナだけだったら、止めなきゃならないしな・・・。」
「多分、これですよ。『処理』って。『とあることをきっかけにして直す』とかいってらっしゃいましたから。」
めっちゃくちゃほのぼのと・・・・緊張感すらなく、いう三人。
「何言ってるんですかっ!?」
「おいっ!?」
「なんのつもりだっ!?」
抗議の声が、あがる。
『これをもとにもどす(んです)。』
そういって自分を指す。
その一挙動で。
「頑張って下さい。」
「戻ってこいよ。」
「お土産くださいね。」
「まあ・・・殺してもしなんだろ。」
フィリア、ヴァル、アメリア、ゼルのつぶやき。
妙に和んで、お茶飲んで会話しつつ現実逃避に走っている、ミルガズィア、メフィ、ゼラス。
「お茶がおいしいわ・・・。竜族って、お茶を入れるのうまいのねぇ。」
「このお茶っぱは私のむらで作ってるんです。」
「当然のたしなみだ。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。いいんだろーか・・・・?
とにかく。それを見て、冥王は切れた。
・・・その部下は、すでに全員滅んでいる。
・・・ガウリイの一閃させた斬妖剣から出た混沌の衝撃波で。

ぱきいいいいいいいいいいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃんん・・・・・・
妙に長い余韻を残して、三つの結晶が割れる。
「・・・・・・・御愁傷様・・・・・・・・・。」
「自爆装置作動開始・・・・。」
「付近の皆さんは全力で逃げましょう♪」
それが。
三人の死にぎわの言葉だった。
言葉どおり、付近の生き物は非難し、なおかつ結界を張る。
「・・・・・・?」
冥王が首をかしげたその時。
先ほど壊した結晶の中から、混沌の力が溢れ出す。
同時、三人の被害者(?)の体が霧散し・・・いや。
一度霧散し、再構成されはじめる。

「 -有を無へ・・・・
無を有へ・・・・
われは純粋にして すべての母・・・・
在りし日の姿は有か無か・・・
われに反逆せしわれの一部をわが混沌のうちに・・・
われを楽しませしわれの一部をうつしよに・・・

わが意志は・・・汝が意志の欠片にして・・・・
汝が意志は・・・わが意志の欠片にして・・・・
混沌の・・・子供たち・・・・ - 」

歌が・・・聞こえた。その間に、冥王は滅び、三人は完全復活した。

「りなさああああああああんんんっ!」
皆が駆け寄ってくる。
「うしゃああああああああああっ!完・全・復・活っ!」
「はあ・・・・。これで僕の今回の仕事は終わりですね・・・・」
「リナぁ・・・腹減ったぞ・・・・。」
その喧騒の中。声が響いた。
「まだ終わってなかったりするのよね~♪」

びしびしびしっ!!

三人は、瞬く間に凍り付いた。
「なんっ!?なんで貴方がこんなとこにっ!?」
「何か・・・不手際でも・・・・?」
冷や汗垂らしつついう、リナとゼロス。
「・・・・。暇だから、あんたと一緒に旅しよっかなーって♪部下Sは当分溺死体の真似することになってるから♡」
もちろん、他の人も居るが、もう慣れたらしく、なんとか冷静になっているらしい。
「・・・・旅費は・・・・?」
「自分の分は自分で払うわよ。あ、盗賊いじめはいっしょさせてね♪分け前はいらない~♪」
「それならいいわよ。」
「そうだな。今回いろいろ世話になっちまったし。」
そういう問題じゃないんだけどな・・・。
ま、いいか。許可できたし。
「あ、ゼロス。あんた、この一行と一緒にいると面白いからいなさい。」
「御言葉のままに。・・・ま、確かにリナさんたちといるとあきませんしねぇ・・・・。」
「あの・・・私も同行してもよろしいですか?このところここの魔族は弱くって、回復ばっかりで暇なんです。」
「獣王・・・か。ま、いいわ。好きになさい。いいわね?リナ。」
「いいわよ。楽しそうじゃん?・・・ところで、なんて呼べばいい?」
「そうね・・・エルって呼んどいて。呼び捨てでいいわ♪あなたたち二人はね♪」
かくして。一つの事件は、終わった。

「さて・・・ミルガズィアさんとメフィは緊急会議開くとかって帰ったし・・・
  ゼルとアメリアもセイルーンに行ったし・・・フィリアとヴァルも帰ったし・・・どこ行く?エル。」
「なあ、俺の実家、一回帰ってみていいか?兄ちゃんと弟に顔見せたいし・・・。」
「なんで今更いうのよ・・・もっと早くに言えばいいのに。」
「わすれてた。」
あ、やっぱし。
「じゃあ、行き先は、ガウリイさんの実家、エルメキアのミプロス島ですね。」
ガイドブックなんぞ取り出しつつ、言うゼロス。
「ふむ・・・それでは・・・いきますか?」
『おうっ!』
ゼラスの問いに、最強の三人組みは、機嫌良く、返事したのだった・・・。

★☆ 完 ☆★






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はい。とんでもない終わり方です。続くことばればれです。
私、これ、今日、ついさっき仕上げたんですよ。
ただたんにL様とリナの暴れるのがみたいだけだったりして。

書き始めたときは、こんなこと予想もしていなかったんですよね・・。
恐れ多いですよね・・・いくらなんでも。
まあ、ぼちぼち書いてくると思うんで、それまで、待ってやって下さい。
もし良ければ、ですが。

それでは、ねじばなでした。