でええええええっ!
最後まで仕上がったっ!という訳で、一気にやっちゃえ♪

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              わかりやすい神託・第12話

「・・・え?」
とつぜん。あたりが闇に包まれた。
盗賊たちの気配もない。
「おや・・・リナさんここに来ちゃったんですか?困りましたねぇ・・・」
聞きなれた声がするが、どこにいるのか皆目分からない。
「何が困るのよ?ゼロス?」
「・・・ここ、精神世界ですよ。」
・・・・・・・・・・・・・・
「なんですってえええええええぇぇぇぇぇ!?」
「見てわかりませんか?現実にありえませんよ。こんな光景は。」
「目が見えないみたいなんだけど。・・・あ。肉体に頼るから見えないのかしら・・・?
  精神世界なんだから・・・内なる目を使えってねぇちゃんに言われたっけ・・・。」
(どういう教育指導なさってるんでしょう・・・?)
リナの言動にいぶかしく思うゼロス。
程なく、リナにあたりの光景が見えてくる。
「しっかし・・・なんだっていきなり、あたしの盗賊いぢめの邪魔したあんたを捕まえようとして、こんなとこに出る訳?」
「僕が精神世界に潜り込んだ隙間に入り込んじゃったんですよ。それにしても困りましたねぇ・・・」
たしかに。
今ので、リナと精神世界のつながりが濃くなった。
リナにもわかったはずだ。この世界への入りかた、利用の仕方エトセトラ。
「今が夜で、皆が寝てるからよかったものの・・・戦いの最中だったら危なかったわねぇ・・・」
なぜかリナが感慨深げにうなずく。
「・・・リナさん・・・?」
「・・・だって、そうでしょ?多分、あたしのからだはもう人間じゃない・・・」
「気づいてらっしゃったんですか・・・?」
しばし、沈黙が走る。
「ならばー死ね!」
突然、あらぬ方向から攻撃魔術が飛んでくる。
ー二人はすでにその場を離れてはいるが。
「へえ・・・ここだと魔術の特性がよく分かるわね・・・」
つぶやき、呪文を唱えはじめる。
神滅斬を。
ゼロスに目配せし、ゼロスがうなづいたのを見てから・・・二人は空間を渡る。
「神滅斬っ!」
「ばかな!?」
ばしゅうっ!中級の魔族はあっさりと滅びた。
一言をのこしてー
「なぜ・・その体で・・・実体を保っていられる!?」
その一言は、後に重大なことにつながる。たぶん。

「ねえ・・・なんでガウリイがここにこれる訳・・・?」
「さあ・・・あの時一緒だったからじゃないでしょうか・・・。」
「何の話だ?それより、ここどこだ?」
しばらくの後、リナを止めに来たガウリイが、リナの気配を察知して、本能で空間をねじまげて入って来たのである。
「ここ・・・精神世界なんだけど・・・。」
「ああ、本来魔族がいるとこだっけか?」
「そうです。普通、人間は入ってこれないんですが。」
「そっか。リナの最強の呪文のせいか。」
・・・・おそるべし野生の本能。
「ところで・・そろそろゼル達が追いついてくる。戻った方がいいぞ。」
「そうね。」

ふいっ と空間から出て、着地する。
「さって・・・お宝巻き上げましょうか♪」
ちなみに盗賊たちはゼロスに向けて放った暴爆呪の巻き添え食らって倒れ伏している。
「りぃぃなぁぁぁ・・・やめろって。」
「なにいってんの!これをやんなきゃあたしたちの旅は成り立たないのよ!?」
自分がすでにヒトではないと自覚し、それなのに真っ直ぐ前を見る。
(だから好きなんですよ・・・あなたたちと旅をするのは。)
ゼロスは、いつもの微笑ましい情景を見て(ガウリイがはたかれている)、心のうちでつぶやいた。
「やっぱりここだったか。・・・よくあきないもんだ。」
「リナさんっ!私も呼んで下さいって言ったじゃないですか!」
ゼルとアメリアがそれぞれにいう。
フィリアとヴァルはまだ寝てる。意外と図太いしんけーである。
ナーガはまたまたどっか行った。その方が都合いいけど。
「で・・・なんでゼロスがいるんだ?」
殺気をあからさまに向けるゼル。
「いえ・・・。少々厄介なことがありまして。」
「そ。異界黙示録の写本があってね。あたしの盗賊いぢめの邪魔したから取り合えずはたいたんだけど。」
「・・・だからっていきなり暴爆呪はやりすぎでしょう・・・」
ゼロスの突っ込みが入るが、感知するようなリナではない。
と。違和感が走った。
リナ、ガウリイ、そしてゼロスの体のうちから、突き抜けるような光がほとばしる。
ただ、その光は常人の目には見えなかったのだが。

「・・・なんか・・・いま、とてつもなく嫌な感じがするんですけど。」
宿に戻って、待ち構えていたのはフィリアだった。
「俺も、なんとなく違和感がある。・・・あんたたちに。」
ヴァルは、迷うことなく3人を指差す。
『・・・・・・・・・・』
三人は顔を見合わせ、沈黙する。
自分でも、分かっているのだ。もう、時間がない。
「さすがというかなんというか・・・。」
後ろ頭をぽりぽり掻きつつ、リナがつぶやく。
「どういうことだ?」
ゼルが、全員の気持ちを代弁する。
「そう言われてもなぁ・・・オレもわかんねぇし・・・。」
いたって気楽にガウリイ。
「じつはあたしも。あんたはわかる?ゼロス。」
「いえ。ぜんっぜんわかりません。ただ・・・」
『きっとあれに関係してる』
三人の声はものの見事にハモった。
「『あれ』ってなんですか?」
アメリアの突っ込みが入るのだが・・・いえる訳はない。
前に死んじゃったときだ、などと。
結果。
「それはひみつです♪」
ゼロスお得意のこれをすることに決定。
「問題はあとどれだけもつかよねー。」
そしてリナが強引に話題をずらす。
「俺の予想だとどんだけ頑張っても・・・2ヶ月。」
野生の感を持つガウリイの言葉はかなり信頼が置ける。
「その間に冥王を倒せるかどうか・・・ですね。」
「ここんとこ音沙汰無しだから・・・近いうちに決戦ってことになるんじゃない?」
勝手に話を進める三人に、面白くなさそうな声を上げたのは、
どこから来たのか、はたまたどこから聞いていたのか、ミルガズィアさんとメフィだった。
「詳しく説明してくれんか?」
「うおわっ!?・・・・び・・びっくりした・・・どこからわいて出て来たのよ。」
リナの反応にも、二人は厳しいまなざしで三人を見るばかり。
「おまえのうちからあふれる違和感は間違いなく魔の気配。
  ゼロスからも感じられるのはなぜかはわからんが・・・。恐れていたことが本当になったならば・・・」
後半は言葉にならないらしい。
「魔の気配・・・?」
「そっか。魔は魔でも魔族や瘴気じゃなくって、あっちの魔・・・ていうか闇の気配なんじゃない?」
自分が分かる魔の感覚と違うせいか、理解してないガウリイにリナが解説する。
「なるほど・・・・って・・・おおごとじゃあないですかそれっ!!」
珍しくゼロスがうろたえて大声を張り上げる。
「さけんでどうなることでもないでしょ。ミルガズィアさんは、あたしのうちに魔王がいるっておもったんでしょうけど。
  それならガウリイやゼロスもってのは不自然すぎるし、
  そう考えれば、ゼロスが言われたことも、誰に言われたかもすぐ分かるってもんよね。」
「だから。説明してほしいんですけれども?」
「まあまあ。メフィ。落ち着いて。目が据わってるから・・・。」

「つまり、まあ・・・冥王倒したときの副作用、みたいなもんね。」
「副作用・・・?」
「・・・いや・・・その・・・ちょっと・・いろいろあって。」
言葉を濁すリナに、ミルガズィアさんは、
「そういえば・・・どうやって冥王を倒したのだ?詳しく聞いてはいなかったが。」
「うっ!そ・・・そりは・・・その・・・」
注目する一同。
「みんなをひとじちにとられちゃったから・・・
  重破斬完全バージョンぶっ放して、暴走させた挙げ句、金色の魔王に体のっとられちゃった♪てへっ♪」

びっきいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんんんんんんん!

あたりが空気ごと凍り付いた・・・
まあ・・・無理もないだろーけど。
「あ・・・やっぱし凍っちゃった・・・。」
「実は僕、この事報告してないんですよねぇ・・・恐れ多すぎて。」
汗など流しつつ言うリナとゼロス。
「追求とかされなかったの?」
「赤眼の魔王様は自ずとわかっていらっしゃったようで、『なにもいうな。頑張れよ。』とだけおっしゃいました。」
−そういえばあの件の後始末ゼロスにやらせたんだったっけ。
部下Sにやらせりゃよかった。
「あんときゃ成り行きとガウリイのこんぢょーで戻ってこれた訳だけど・・・
  また戻ってこられるとは限らないわけだし・・・完全版は使いたくないわね。・・・できるなら・・・」
その方が賢いわねー。
でもあたしとしてはちょっぴりでもいいから
自分で懲らしめてやりたかったりするんだけどね・・・。
「するってぇとなにか?おれたちの中からあふれようとしてる力は、とことん・・・ってことか?」
「とことんじゃなくて混沌だってば。」
「おや・・・・ゼラス=メタリオム様。聞いてらっしゃったんですか?って・・・おっと。」
いつのまにいたのか、ゼラスがその場でくずおれ、それをゼロスが抱き留める。
「だいじょうぶですよ。だいじょうぶですから。ちゃんと見分けさえすれば攻撃はされませんから。
  ・・・その点冥王様は間違って攻撃しちゃってああなった訳ですが・・・。」
ゼラスは震えている。
ーそんなに怖がらなくてもいいじゃない・・・
S:誰だって怖がりますよ。ふつー。(ぼそっ)
−あら〜♪ちゃんと這い上がって来たの?えらいわねぇ。じゃ、ご褒美にこれ上げる。
S:・・・?
(L、Sに国防色のジュースを渡す。)
−いーからのんで。
S:ごくごくごく。
   ・・・・・・体が重くなった気がするのがそこはかとなく嫌な予感が・・・!(錯乱)
−じゃーねー。(にっこり)
(以下同文。)

「あああああああああああああああああああ。」
「ゼ・・・ゼロス落ち着いて。私は立ち直ったから頭抱えてうずくまらないで。ね?」
(なんかいま頭の中にあの方と赤眼の魔王様のやり取りが・・・っ!)
恐くていえる訳がないが黙っていられる訳もない。
結果、少々錯乱してうめくことになったのだろう。
「うああああああああああああああああああ。」
「リ・・リナさんおちついてっ!何があったんですか・・・ってガウリイさんも頭かかえてどうしたんですっ?」
(見えた。おもいっきし見えた。)
『赤眼の魔王(様)って・・・哀れ・・・』
三人の口をついて出た言葉は、やっぱり一緒だった。
「・・・聞きたいような気はするけど。こっちまで錯乱するようなきがするからやめとくわね(汗)」
「そうなさっていただけるとありがたいです(滝汗)」
未だにミルガズィアさんとメフィは凍っている。
フィリアとヴァルにいたっては卒倒中。





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とりあえずひとくぎり。

もう私ってなんでこうおっちょこちょいなんでしょうとか思う今日このごろです。(意味不明)

それでは、次回最終話です。