さて、それではお話で気分転換を!
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わかりやすい神託・第10話
あのあと。
魔力を大量に消耗したとかで、リナ達はすぐに眠りについた。
「おやあ?ガウリイさん。眠ってらっしゃったんじゃないんですか?」
何とはなしにしたに下りて来たゼロスがガウリイを見つける。
「俺はリナ達と違って魔力の回復とかはいらないからな。さすがに疲れてるんだが・・」
(おかしい・・・。ガウリイさんが『魔力の回復には休養がいる』なんてことを知っている・・・?)
ゼロスはいぶかしげに首を傾ける。
「今回の事件が終わったら・・・リナをどうするつもりだ。」
「どう・・・とは・・・?」
ガウリイの目はいつになく真剣である。
「とぼけるな。」
「・・・。ガウリイさん。前から思ってたんですが・・・あなたはほんとにぼけてるときって少ないんじゃありませんか?」
「まあな。でも、関係ないことは全っぜん覚えてないぞ。」
「やれやれ・・・どこまでが地でどこまでが演技なんでしょうかね。」
「そんなことはリナは気づいてたぞ。こないだ聞いて来たからな。」
「おや。・・・じゃあリナさんが狙われていることはわかってますよね。」
「ああ。」
「僕はそれを利用して反逆者を掃討する。それじゃあいけませんか?」
ゼロスは何とはなしにガウリイには話してもいいのではないか・・・と思いはじめる。
「・・・そのあとだ。おまえはリナをどうにかしようとしてる。違うか?ゼロス。」
静かな物言いの裏には氷がはりついている。
(・・・やはりただ者じゃあありませんね・・・ガウリイさんも・・・リナさんも・・・。)
普段とこういったときとの態度が全然違う。
「・・・ですから、滅ぼしはしませんって。」
「ゼロス。」
ガウリイが静かに目を開く。真剣そのものの目を。
「・・・はぁ・・・・」
ゼロスは静かにため息を吐く。
「この件が終わった後リナさんをどうするのか・・・それを知っているのも考えているのも、魔族内では僕だけですよ。」
ゼロスもまた、目を開く。敬いと、恐れをたたえた瞳が異様にこの男にあっていない。
「・・・リナの呪文・・・か。」
「な・・・っ!?なんでわかったんですか!?」
「おまえがそこまで恐れるってことはそういうことだろ。ヴェゼンディで・・・おまえとリナとのやり取りは全部聞かせてもらったからな。」
「・・・。」
「ちょっと・・・思い出したんだ。えーっと・・・・何だっけ・・・へ・・・ヘル何とかってのと戦ったとき・・・」
「もしかしてヘルマスターですか。」
「そうそうそれだよ。」
これはほんとにぼけているらしい・・・。
「リナが・・・あれに取り付かれて・・・その時、言ってたじゃないか・・・?『すでに我が混沌のうちにある』とかって。」
「・・・ええ。」
「あれって、リナが死んだってことだったんだろ?あの時はそんな事考えてなくって・・・認めたくなかったんだが・・・。」
最後の声は小さくて聞き取れるか取れないかの声だった。
-まあ・・・あたし追いかけて来たくらいだし・・・返しちゃったあたしもあたしなんだけど・・・
「・・・まあ・・・似たようなものですね。普通の人間は死んだら転生しますけど・・・あの場合は転生できないでしょうね。」
「・・・あれ?もしかして俺も一回死んでるんじゃないのか?」
「へ?」
いや・・・確かにあたし追いかけて、例の空間の中に入って来た時点ですでに死んでる・・けど。
意志力だけで追いかけてくるんだからもーびっくり。
「まあ・・・いっか。」
(いや・・・あんまりよくないと思いますけど・・・。)
ゼロスは心の内でつっこむ。
「そんなことより・・・だ。それで・・・もしかしたら・・・リナを利用しようとしてるんじゃないかと思うんだが。」
「・・・ガウリイさんにしてはよく考えましたね。」
「・・・けなしてるのか?」
「一応誉めたつもりです。」
まあ・・・ガウリイらしいというかなんというか。
「でも・・・そんな心配はしなくてもいいですよ。ただ・・・ほんの少しだけ処理を施すだけですから。」
「処理・・・?」
不信げなまなざしで聞いてくる。
「ええ。これをしておかないと、そのうちとんでもないことになっちゃうんですよ。本人にとっても、僕たちにとっても。」
「・・・とりあえず・・・命とか精神とかには問題無いんだな?」
「ええ。」
「それ以上しゃべったら五寸釘で釘付けだかんねッ!」
突然。二人の耳に少し聞き覚えがあるようなないような声が聞こえて来た。
ゼロスは青ざめる。ガウリイは・・・寝てるし・・・。
-この状況でよく寝れるなこいつ・・・
「・・・と・・とととりあええず・・・へ・・へやにもももどりますかね・・・!?」
どもりまくるゼロス。
「ほら。ガウリイさん!おきて下さいよ!リナさんたちに気づかれますよ!」
「んーむぅ・・・?・・・わかった・・・。」
目をこすりながらも階上に登っていくガウリイ。
(・・・今後は誰にも話さないでおきましょう・・・)
ゼロスの冷や汗はしばらくの間引かなかった。
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短いな・・・・。よし、10も投稿しちゃえ♪
という訳で10に続く。見てね♡