という訳でねじばなです!

なんだかとんでもなくシリアスになっちゃったんですが。まあ、見てやって下さい。

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           わかりやすい神託・第8話


ディルス王国。
いい思い出があったといえばあったし、悪い思い出もそれについてまわる複雑な気持ちになる国。
「しかし・・・なんでまたディルスへ?」
なにげにゼロスが問う。
「正確には、違うわ。ディルスはついで。目標はセレンティアよ・・・」
「もう・・・半年も経ったんだな・・・あれから・・・」
遠い目をするリナとガウリイ。
「なんのことだ?」
ゼルやアメリアはなんのことだかさっぱり。ヴァルやフィリアも首をかしげる。
「・・・。」
やはり無意味ににこにこしているゼロス。
「メフィとミルガズィアさんもくるっていってたわ。」
「僕はあまりいきたくありませんねぇ。元上司様の墓参りってのはちょっと・・・。」

『んなにいぃぃぃぃぃぃっ!?』

声を上げる4人。
「なにいってんのよ・・・面白がってたくせに・・・」
「あ・・・ばれてましたか?」
「わからいでかっ!」
「リ・・リナさんぐるじい・・・」

かくて数週間のち。セレンティア・シティ。共同墓地・・・。
ミルガズィアさんやメフィもいる。
「あ、この白百合を20本ほどちょーだい。」
「はいよ。」
花を買って。丘の上の墓標の前。
「ミリーナ・・・ルーク・・・仲良くやってる・・・?」
「もう・・・半年たったんだ・・・。」
風が吹く。
「こっちの二人は、アメリアとゼルガディス。それからフィリアとヴァル。向こうの変なのはナーガ。」
「変なのって何よ。」
「そういえば、聞いてよ。むかし、レゾ=シャブラニグドゥの部下に、ディルギア・・・っていたんだけど・・・」
「ルークはわかるよな。・・・ゼルも知ってるはずだよな。」
「ああ。」
「あ。そういえば・・・リナさんの実家にいませんでした?そーゆーの・・」
「は?」
フィリアの言葉にゼルが間抜けな声を出す。
「そーなの!あのあとうちのねーちゃんに拾われて“スポット”とかよばれてんのよっ!」
「あいつが・・?」
「なさけないですね。僕もちらっと見ましたが。」
「最初に帰った時は指差して笑ってやった。・・・それと・・・これから、もう一回冥王倒すわ。
  成功するかどうかわかんないけど・・・あたしたちの未来を、あたしたちが選ぶために。」
「それじゃ、そろそろいくな。」
そうして、そこをあとにした。

「そーいえば、この街、半年前に神官長が暗殺されてからすごかったらしいですね。」
とーとつにアメリアが言った。
「そういえば、大神官4人が傭兵雇っていろいろやってたってことね。結局生き残ったのは一人。
  みーんな次の神官長はこの人って思ってたら辞退しちゃったって話しだけど。」
やっぱりある程度に詳しいナーガ。
「どっかの宿でバラバラ死体が発見されたり、神殿が吹っ飛ばされたり。もぉほとんど殺し合いだったみたいね。」
「それ以上は言わないで下さいませんか。」
「?どうしてよ?メフィ。」
「それは・・・」
言ってちらりとリナの方を見るメフィ。その視線に気づいたか、リナは笑顔を作り、
「ね、ケレスさんのところいこっか?」
「あー。そうだな。いろいろと世話になったし・・・挨拶はしとかないとな。」
「だれだ?」
ヴァルが皆の気持ちを代弁する。
「ああ、その、唯一生き残った大神官さんよ。」
『へ?』
アメリア、ゼル、フィリアの間のぬけた声。
「ああ、そういえばこの事件にリナも関わってたわね。魔道士協会からの依頼で。」
さもとーぜんのことのよーに言うナーガ。
「評議長に泣き付かれたのよ・・・。」
「そうだったっけ?」
やっぱり覚えていないガウリイ。

「こんにちはー。」
水竜王の神殿。あの時とほとんど変わっていない。
ただ、傭兵たちが消え、参拝者が少々きているようだが。
「・・!リナさん!ガウリイさん!おひさしぶりです。」
ケレス大神官は礼拝堂の脇にいた。
「いやー。あれから結構大変でして、神官長にならないかって皆しつこいんですよ。それで・・」
ーでたな秘奥義ひたすらぐちっ!
「あー。それより、他の神殿の大神官ってどうなったんです?」
話が長くなりそうな予感がして話を変えるリナ。
「ああ、ちゃんと就任しましたよ。ところで、そちらの方々は?」
「あたしの友人よ。・・・違うのも一匹いるけど。」
「一匹って・・・?」
「あ、ちがった。二匹だった。そっちの黒いの二人のことよ。」
言ってリナはゼロスとナーガを指差す。それに抗議したのはゼロス。
「ちょっとリナさんっ!こんな人と一緒にしないでくださいっ!」
それに対してナーガは・・・
「ほーっほっほっほ。当然ね。わたしはリナの最大最後のライバルなのよっ!」
「あ、自称だから。本気にしないでね。」
「はぁ・・・。」
呆気に取られるケレス。
「ところで、そちらの方は巫女さんのようですが・・・?」
ケレスがフィリアを見て言う。
「フィリアといいます。今は巫女はやっていません。まあ・・・多少能力は残っているようなんですが。」
「どちらの巫女さんだったんですか?」
「火竜王ですわ。」
「そうですか。あ、立ち話もなんですから、奥へどうぞ。」

簡単な自己紹介を済ませた後。
ケレス大神官はまたまた話しはじめた。
「わたしは水竜王につかえる神官ですが、世間では水竜王は死んでしまったといわれていますよね。
  あなたがたはどう思われますか?わたしはまだ生きていらして私達を見守って下さっていると思うんですがねぇ。」
どう思うも何も、実際に死んでいることに違いはない。
ちなみにゼロスは『謎のプリースト』ということにしてあり、魔族だとはいっていない。
「死んでいらっしゃいます・・・。」
「ああ・・・。残念だが・・・。」
「確かに残留思念は残っているんですけれどね・・・」
フィリア、ミルガズィアさん、メフィのつぶやき。
「生きてはいないはずだ。昔調べたからな。」
「それに、生きていらっしゃるなら、魔族がもっと活発に動き回ってますよね。」
ゼルにアメリア。
「わたしも噂でそう聞いたわね。」
とどめのナーガ。
「なんでそう言い切れるんですか?」
悲しそうな目で、ケレス大神官が言う。
『いや・・その。』
自分は竜です、とか、昔魔族と戦った時に知りました、とは言えんわな・・。
「ゼロスは知ってるんだろ?」
なんにも考えてないガウリイが言う。
「ええ。死んでいらっしゃいます。でなければ異界黙示録なんてありませんし、世界がこんなに安定している訳ありませんから。」
「まるで、その場で見ていたようですね。・・・あ、そんなわけありませんよね。千年も前のことなんですから。」
(そーとは限らないんだけど・・・。)
リナは心のうちでつぶやく。
「そういえば・・・冥王が滅んだ、と聞いたんですが、本当でしょうかねぇ。僕としては水流王様が倒して下さったのだと思ってるんですが。」
ぎくぎくぎくっ!
「・・・どうしたんですか?皆さん硬直していらっしゃいますけど・・・?」
「いえっ!冥王が滅んだことに間違いはありませんっ!」
力強い口調で言うアメリア。
「なんでいいきれるのよ・・・?」
不信げにナーガが言う。
「私達がその場にいむぐっ!」
慌ててアメリアの口を押さえるリナ。しかし時既に遅し。
「なんですってっ?!」
ケレス大神官が興味津々で聞いてくる。
「ほんとですかっ!?」
そこでやっぱり何も考えていないガウリイが・・・
「魔族のことならゼロスに聞いた方が早いんじゃねーのか?
  それにあの時おれたちは気絶し・・・(すぱあああんっ!)・・・いってぇ!何するんだよリナっ!」
「あほかああああっ!そこで肯定しちゃだめでしょがっ!」
「あのっ?なんでゼロスさんに聞いた方が早いんですか?」
ーそりゃ魔族だし。うん。

『あ。』
ゼロスにリナにガウリイ。3人の声が重なった。
いきなり呪文を唱えはじめる。ガウリイはすでにブラストソードを抜き放っていたりする。
それでやっと気づくまわり。
「何してらっしゃるんですか?」
ケレス大神官は気づかない。
もう既に魔族の結界内にいることを。






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次回、神殿大破壊。

もとい。

「皆おお暴れ、ゼロスがやっとまともに活躍!なんでか弱いぞ魔族達!」

をお送りします。

今回はのっとられずにすんだようです。何でも料理バトルに参加なさってるとか。
あのかた・・・。あ、私も中継手伝い応募したんですけどね。

それでは、8でお会いしましょう♪