あらすじ
わけのよく分かる神託を受けて、フィリアとヴァル(卵から孵ったらもとの大きさになった。)がくにのねーちゃんのところへ行く途中。
ゼロスやリナ、ガウリイ、ミルガズィアさんやメフィまでもが合流して、リナの実家へ。
神託は、どうやら、魔王の封印がリナのせいで強化されて、
リナを狙っている覇王達がリナを殺せば、封印が逆に弱まることをいっているらしい。
解説しているのに、お茶を啜っていたヴァルとゼロスはねーちゃんにどつきまわされ、全治2日(魔法使っても)の怪我を負った・・・。
わかりやすい神託4
「さて。二人も復活したことだし。セイルーンにでもいきましょうか。」
とーとつなリナの一言に、最初に反応したのはゼロスだった。
「なるほど。アメリアさんのところ、ですか。」
「そ。どーせどこ行ってても同じなら、友人とか知り合いのいるところがいいじゃない。」
ー魔族に対しても少しはけいけんのある・・・ね。
「待ちなさい。リナ。・・・デモン・ブラッドもないのにどうやって戦うつもり?」
「ああ・・・それは・・・かみ砕いたときに少しずづ飲み込んじゃったみたいで。キャパシティけっこーあがってるからだいじょーぶ。」
「そう。・・・ゼロスの言動には気を付けなさい。何かものすごく巨大な力が関わってるわ。」
「わかった。」
(・・・さすがは赤の竜神の騎士・・・感が鋭いですね・・・)
しばらく街道を進んでから。
とーとつにガウリイが言った。
「なあ。あの、デーモンに襲われてるのって、ゼルじゃねーか?」
「へ?」
リナは、ガウリイのゆびさした方向をみて、
「あ。ほんとだ・・・・なつかしいわねぇ・・・・って言ってる場合じゃないっ!いくわよっ!」
ゼルは少し手間取っていた。
「・・・・・・・あれは・・・・・・・」
ゼロスがもらした一言は、誰も聞き取れなかった。
「ゼルー!やっほー。久しぶり!」
「・・・・!!なんだ!?そろって!・・・・ってゼロス!貴様なんでこんなところに!」
「すいませんが、この『偽』デーモン、僕に始末させて下さい。」
・・・・・・・・・・・・沈黙。
「ちっ!ばれたかっ!」
きぐるみを脱ぎ捨てる夜盗。
「・・・・・・・・・・・・。わかった。任せる。」
「どんだけ派手にやってもいいわ。ただしこっちに被害出さないようにしてね。」
戦う気が失せたらしく、あっさり言う2人。
「そうですか。・・・さて・・・あなたがたみたいなのがいるとね・・・迷惑なんですよ。」
ちゅっどーん。と、いきなし魔力弾をぶち込むゼロス。
戦いは10秒もせずに終わった。
「近頃はああいう人が増えてましてねぇ。困ってるんですよ。僕たちとしては面白くないわけですし、迷惑ですからね。
しかも、人魔が入ってたりするんですよ・・・」
「ふーん。だからゼルが手間取ってたのか・・・。」
「おい。事情を説明しろ。まったくわけがわからん。」
ゼロスの短い戦いが終わった後。ゼルが問い掛けた。
「うん・・。じつは、かくかくしかじかで。」
「・・・めちゃくちゃ省略したな・・・って魔王倒したのか!?別の欠片を!」
「うん・・・まあね・・・。」
「つくづく思ったが・・・伝説級の事件呼び寄せ機みたいだな。おまえらは。」
「そうですねぇ。でも、伝説級の事件って言うより、魔族がらみの事件って言った方が的確でしょうけど。」
「どっちもあんまうれしくないな・・・あたし・・・。」
セイルーンまでは1週間はゆうにかかる。急ぐ理由もない。
観光かねて進もうというのが一致した意見だった。
「・・・?何か注目されている気がするが・・・。」
宿場町に入って。しばらくもしないうちにミルガズィアさんが言った。
はあああぁぁぁ・・・
それを聞いて、リナとゼルガディスはため息を吐いた。
全身隠してるゼル。変な鎧つけてるメフィ。ぽやっとしてるガウリイ。
にこにこしているゼロス。とフィリアが何か言い合ってる。
この一行で、どうやったら目立たずにいられるとゆーのだ?!それに・・・
「ここはね、ゼフィーリアでも有名なごろつきの溜まり場なのよ。金目のものをねらってるのよ。用心しとくといいわね。」
「あぁら。リナにしてはよくしってるじゃない。」
ぴきぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ!
後ろを向いて説明していたリナは硬直した。
メフィの尊敬のまなざし。
その他の人の嫌そう(関わりたくなさそう)な視線。
それが、後ろの人物に注がれていた。
(まさかまさかまさかっ!)
そう思いつつ振り向いて。リナは絶叫した。
『いやあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
・・・・ついでにメガ・ブランドもでたけど・・・・
「なっ何するのよリナ!いたいじゃないのっ!」
「ナーガだからいいのよっ!すぐ復活するもん。・・・って言ってる場合じゃない!みんな!逃げるわよ!」
「リ・・リナ?」
「ナーガに関わると損ばっかしするのよ!これ以上話をややこしくしたくないのよ!」
結局。
逃げおくれた。
理由は・・・メガブランドを直撃した人がいたため。
あと、ナーガの復活が予想以上に早かったため。
「・・・というわけで、メフィの言ってた女魔道士、
手段のためなら目的を選ばない、無差別広範囲型の術をところかまわずぶっ放す、白蛇のナーガよ。」
「なんかすごい言われようですね・・・」
フィリアがあきれた口調で言った。
「類は友を呼ぶってやつですね。」
うかつにもゼロスが言った一言に、リナは慌てず騒がず、
「あんたもその、『友』のうちの一人なのよ。」
「ちがいますよっ!僕は被害者ですっ!」
・・・ガウリイは理解してないけど・・・
「被害者?あんた自分から関わってるんでしょ?そもそもいつもあんたが厄介な話持ち込んでくるのよ。」
「そういえばそうですね。はっはっはっは」
「笑ってごまかすなぁぁぁぁぁぁっ!」
「ところで、紹介してくれない?いまいち事情が飲み込めないで・・・。」
またややこしいことになった。
「へーえ。なんかトラブルがあるから知り合いのところに行こうって?」
宿を取った後、ナーガに簡単に説明をした。
「そう。お宝なんてないわよ。ただでさえ大変なのに・・・」
「ふん。そんな言い訳が通用すると思って?あなた、合わないうちにいろいろ名事件に関わってるじゃない!」
でたな!ナーガのよく分からん情報網!(正確)
「アトラスの魔道士協会のいざこざ、サイラーグの壊滅事件、セイルーンのお家騒動、ガイリアシティの事件・・他にもあったわね・・・」
「変に詳しいですね・・・。」
思わず感嘆するフィリア。
ちなみに。魔族については一切説明していない。
これ以上話をややこしくしてどーするというのだ。
「というわけでついていくわよ。」
「おいリナ。どうする?」
ゼルが聞く。
「あら?魔剣士ゼルガディスじゃない。どうしてこんなのと一緒にいるのよ?」
「こんなのだと!?」
「ちょ・・・ちょっとゼル!?」
慌ててとめるリナ。
「まあ・・・確かに『こんなの』ですよね。」
「ちょっとゼロス!?」
「白ずくめの人が『こんなの』って呼ばれないとでも言うおつもりですか?」
「まあ・・・たしかに。でも、ナーガだけには言われたくないな・・・。」
「まあ・・・そうかも知れないですね・・・。」
フィリアとヴァルガーヴはお茶飲んでてきいてない・・・。
「ゼロスって・・・確か、異界黙示録関係のトラブルに必ず関わってて、自称で謎の神官やってるあれ?」
「はあ。そのゼロスですけど・・・。妙にお詳しいんですね。」
「ほーっほっほっほ。この白蛇のナーガに分からないことはないわっ」
「ところでゼロス。あんた、覇王が反逆したっていってたけど、覇王の神官とか将軍とかについて知ってる?」
「なるほど。戦力確認ですか。まず、ご存知ダイナストグラウシェラー。その下には2人の将軍と1人の神官がいたんですが・・・
覇王将軍シェーラさんはすでに滅びています。残るは覇王将軍ノースとさんと覇王神官クロウさんですけど・・・
力のほどは・・・そうですね、ラルタークさんよりちょっぴし弱いくらいだと思って下さい。」
「なるほど・・・。まあ・・・どっちにしろ厄介な相手ね・・・。」
刹那!あたりが静まり返った。人もいなくなった。
・・・これは・・・・
「リナさん。僕はちょっと見物にまわらせてもらいますよ。敵さんにはまだばれたくないですからね。」
いつのまにか。ゼロスは姿を消していた。
たぶん、魔族の気配を察知した時点でいなくなったのだろう。
「ちょっと?なによこれ?」
ナーガが言う。
ーこれだから魔族を知らないのは・・・
「結界よ。魔族の・・ね。」
「貴様がリナ=インバースか・・・いろいろと聞き知っているのでな・・・」
「手は抜かない・・・ってことね。」
「ああら。あなたたちリナをねらってたの?
じゃあ、ライバルであるこの私、白蛇のナーガを倒してからにすることね!ほーっほっほっほっほっほ!」
「では行くぞ!」
そういって出てきたのは人間の形したのが十数匹っ!
「みんなっ!伏せて!」
「ボム・ディ・ウィン!」
リナの叫びとナーガの呪文が重なる。
ばぼべええぇぇぇぇぇん。
「じゃまだ。」
球を放たれて・・・
「あひぃっ?!」
あっさりぺち倒れるナーガ!
「みんなっ!いくわよっ!」
ナーガの攻撃を受けたのはフィリアのみのようだ。もう回復してるし。
「ナーガは勝手に復活するからほっといて!でも無差別攻撃するかもしれないから気をつけて!」
「どういう人なんですか・・・?それ・・・」
虚空からゼロスのつっこみが聞こえてくる。
−敵にばれるぞ。おまえ。
「うおりゃあぁぁぁ!」
早速にもガウリイは敵を斬っている。
「ほう?!はやいな。」
しかし。浅く入っただけ!
相手は光球を放ってくる!
しかしガウリイは光球を身をかがめてかわし、魔族の予想を超えた速さで相手の懐に飛び込む。
ざすっ!
魔族は叫ぶいとまもなく上下に両断された。
「ラ・ティルト!」
「ブラスト・ボム!」
ゼルはちょっと苦戦気味なのでリナとくんでやっている。
ぐおおおおおおおっ!
直撃したか、魔族が叫び声を上げる。
−弱いっ!もうちょっと頑張れ!
「ゴズ・ウ・ロー!」
ゼルの呪文がとどめを刺した。
魔族は闇に飲み込まれて消滅した。
「カオティク・ディスティングレイト!」
フィリアは神聖魔法で応戦。ヴァルガーヴも善戦している。
やはり神聖魔法はよく効くらしく、直撃すればすぐに消滅する。
あくまでも直撃すれば、だが。
「ゼラス・ファランクス!」
ミルガズィアさんとメフィもあっさりとやっている・・・が・・・
−ゼナファ!なかなかのあばれっぷりねぇ・・・
メフィが、ゼナファの完全装甲モードで暴れだしたのだ。
『うにょわわわわわっ!』
びーっ! びぃーっ!
ほとんど敵味方が入り交じった状態でこれである。
敵と味方がほとんど同じに退く。
しかし、そのお陰でずば抜けた神経を持つガウリイの敵を倒すペースは上がってきた。
「ほーっほっほっほ!よくもやってくれたわねフリーズ・ブリッド!」
「だああああぁぁっ!魔族に物理攻撃が効くわきゃないでしょがっ!」
おもわず唱えていた呪文を中断して突っ込むリナ。
「あら。じゃあ・・・エルメキア・フレイム!」
・・こっちはただのぼけコンビ。でも少しは役に立ってる・・・と思う。
かくして。残るは一人!
「なかなかやるな・・・」
−当たり前よ・・・あたしの選んだ人間なんだから。
「だてに何年も関わってないからね・・・関わりたくないけど・・・。」
「あの・・・リナさん。ナーガさん、倒れてますけど・・・」
「ああ、ほっといていいわ。フィリア。すぐに復活するから。」
「ほーっほっほっほ。この白蛇のナーガにその程度のおぶっ?!」
リナのはなったフリーズブリッドで氷づけになるナーガ。
『それはいくらなんでも非道・・・』
全員の声が唱和する。
「いいの!とかいいつつラグナ・ブレードっ!」
ざわっ!
−いつのまに呪文となえとったんじゃ。おのれは。
結界が解けて宿の食堂に戻った。きっちしゼロスもいる。
「さってと。おばちゃーん!肉追加ねー!」
「ほーっほっほっほっほ。その前に説明してもらえるかしら?!」
『うわほんとに生きてるっ!?』
全員が驚愕の声を上げる。・・・リナは料理食べてるし、ガウリイも同じくだけど。
・・・ガウリイの場合、聞いてないのかもしんない・・・。
「それくらいで驚いててどーすんのよ。うちのねーちゃんなんぞ、ドラスレあたりもあっさりはじくぞ。普通の剣で・・・。」
「いやそれは・・・あの方は特別ですから・・・」
「ナーガに関してはどんなに不条理なことがおきても『ナーガだからねぇ』ですませるのが通ってもんよ。
雷が避けてとおっても全然おかしくないわ。」
「ナーガさんをまいらせることの出来る人っているんですか・・・?」
好奇心からゼロスが聞く。
「うちのねーちゃんと・・・うちのねーちゃんすらかなわないという、あの人種しかないわね・・・。」
「ええ?!どんな人なんですか!?」
「ああ・・・あれだろ、自称良家の奥様ってやつ・・・」
「ガウリイ!?なんで知ってるの!?」
「ん・・・いや・・・知り合いに、メイルスター家ってのがあって・・」
「そ・・・それってもしかしなくても・・・めちゃくちゃ弱っちいジェフリィのいるいえのことっ!!」
ごいんっ!
「ジェフリィ君の悪口を言うなんてなんて良識のないひとでしょっ!
・・・ああらごめんあそばせ。わたくしただの通りすがりですのよ。ホホホホホ。」
ナーガの頭をはり飛ばし、どこからやってきたのか分からん覆面のおばさんはまたまた一瞬にして立ち消えた。
「な・・・もしや今のは魔族かっ!?」
ミルガズィアさんが言う。
「やめてくださいよっ!魔族にあんな人、絶対にいません!」
かなり強い口調で言うゼロス。
「今のがその人よ。ジョセフィーヌさんって言うんだけど・・・彼女にかなう人は・・・魔族でもいるかどうか・・・」
「た・・・確かにちょっとあれは・・・。
それにしても、リナさんのまわりって不条理なことがたくさん起こるもんですねぇ。はっはっは。」
「それをいわないでえぇぇぇぇ!」
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いやあ。ゼロスが活躍してくれないなぁ・・・と思っているあなた。
安心して下さい。あとからどんどん目立ってくるから。
いろんな意味で。・・・たぶん。
ところで、一回目にやった、これは誰の一人称かという問いに答えてくれる人は未だにいません。
次回当たりにばらそうかと思います。
・・・明日から中間テストなのにこんなことやってていいんだろーか。
では。