管理人より:
ファイトだ!私!とりあえず、2004年の3月18日時点でもらっている話。
今のところ5話。あとこれと次で編集は完了だ!
がんばろ・・・・・(汗
あ、もし、おまけ、いらない!と言う場合はいってくださいねv
直美さんv(こらこらこら!
んでは、4話目をお楽しみくださいなv


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  アメリアの恋心    第4話


―郡狼の島 
魔王シャブラニグドゥの5人の腹心の一人の一人、獣王ゼラス=メタリオムが居城を置く、絶海の孤島である。
昼といわず夜といわず、一面濃い霧に覆われ、鬱蒼と魔界樹の茂るそこは、まさに魔族の住処に相応しい・・・
と思われるだろうが、それは実は見せかけである。
結界をすり抜け中に入ると、主の趣味を現してか、
けっこう長閑な島で、生息しているものは瘴気を放っているものの、何気に四季折々の花を咲かせていたりする。
絶壁にたたずむ堅牢な城は、1000年の時を経ても朽ちることなく、その概観を保っている。 
獣王のただ一人の腹心である神官ゼロスは、つい先ほど上司からの呼び出しを受け、
とりあえずの仕事だった、リナ=インバースの2人の仲間の監視を切り上げ、そそくさと戻ってきていた。 
魔族といえば縦社会。
縦社会といえば魔族。
そういうわけで、今日もゼロスは上司の下へ向かうのだが、
ふとそこにいるのが自分の主だけでなく、神気があるという事に。
かと言って、別に驚くべき事でもない。
神と魔は古来より犬猿の中、というのが定説だが、実はそれは下っ端連中だけの事。
そもそも、神も魔も同じ意義のもと創造されている。
それは即ち、世界のバランスを保つ、というものである。
この間、異界の魔王ダークスターがしゃしゃり出てきた件は、
明らかにこの赤の世界のバランスを崩す事であった上に、
母なる金色の魔王に反旗を翻す事であったために、神族のみならず魔族まで、屁理屈をこね回し、
世界を守るなどという茶番に付き合わざるを得なくなったのだ。
「おかげで僕は大ダメージです・・・ううっ。」
そういうゼロスの上奏は、今のところ黙殺されている。
まあ、それは余談だが、神族も魔族も、気が合う合わないは別にして、上層部はわりと仲がいいものなのだ。
大きな扉を杖を一振りする事で開き、一礼して、主の前まで進み、膝をついて頭を下げた。
「ただいま参上いたしました、ゼラス様。
   海王ダルフィン様、スーフィード殿もお変わりなくご健勝で、お喜び申し上げます。」 
他者の前で儀礼を失わず、恥を欠かせない部下に満足してか、
琥珀色の肌にけぶるような金髪をたなびかせる獣王は、にっこりと笑った。
「まぁったく、ゼロスはいつもそつがないですわね。私も部下は一人にするべきだったかしら。躾が行き届かなくって。」
「その意見には同感よ。ウチの馬鹿達に爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいわ。」
長い黒髪にゆったりとした青いドレスを着た女性が笑い、
肩より少し長い所で切りそろえた黒髪に赤い瞳の女性が苦笑した。
ゼラスと同じく、魔王シャブラニグドゥの腹心の一人である海王ダルフィンと、赤の竜神スーフィードである。 
力的にも格的にも、スーフィードの方が上なのだが、彼らの上司である魔王シャブラニグドゥ、通称部下Sが無能だからか、
はては獣王ゼラスの性格からか、彼女達は仲がいい。
獣王、海王ともに、その力は人間やその他精神世界に身を置く事のできるものの中でも群を抜いているが、
同格と言えば、赤の竜神スーフィードの部下である天竜王、水竜王、地竜王、火竜王が挙げられる。
赤の竜神スーフィードは、常々自分の部下が、その部下をちゃんと躾けていない事にぶつくさ言っている。
「結局、火竜王はどうしたの?」
獣王が口唇を開くと、スーフィードは吐き捨てるように
「解任よ、解任!永久追放!ついでに魂も滅ぼして、二度と転生できないようにしてやったわよ!!
  古代竜の件は多めに見てやったってのに、知らなかったとは言え、
  リナやあの子の仲間まで、ドサクサ紛れに証拠隠滅しようとするなんて思わなかったわよ。
  まあ、自滅して一族もろとも皆殺しになったけど。
  どちらにしても、下っ端に責任はないわ。彼らはちゃんと輪廻の輪に乗せてやったけど。」 
と言った。
「では、神族は大分勢力を失ったのではなくて?私達には都合のいい事ですけれど。」
海王が口に手をあて首をかしげる。
「そうでもないわよ。古代竜を一匹復活させたしね。古代竜は知っての通り、黄金竜数千の力を一体で持ってるし、
   いずれ火竜王の一族の生き残りの娘と、新しく一族を成すでしょ。」
「まさか、ヴァルガーブを新しい火竜王に任命する気?」
「ええ。まだ先のことになるけど、あの子はこの世界の仕組みももう理解しているし、性格も義理堅いしね。
  強いて言うなら、全ての記憶を持って転生し、それでもって本来敵であるはずの火竜王に自分がなる、というのが、罰かしら?
  大体あの子がああなったのだって、全ての事の現況はあのへっぽこ火竜王だもの。
  頭も良さそうだし、結構期待してるのよ。ああ、もちろんエル様もご存知よ。」 
獣王の言葉にも、スーフィードはイライラと、しかし饒舌に語った。
火竜王が、襤褸ゾーキンのようになるまで、
スィーフィードにお仕置きされたというのは、その凄惨さのあまり、最近上層部で結構話題になっていたのだが、
それでも彼女としては飽き足らなかったらしい。
「まあね、私の力が戻ってきてるっていうのに、
  シャブのヤツがああもヘマばっかやらかして、エル様にお仕置きされてるでしょ?
  ガーブはいずれ復活するでしょうけど、フィブリゾ・・・あれは何千年かはエル様の宮殿の庭掃除やらされるみたいだしね。
  ただでさえウチのリナのせいで、そっちは景気悪いみたいだし、こっちもちょっとは力抑えとくわよ。」 
3人(ゼラス、ダルフィン、ゼロス)の頭に、エル様特性のスコップで串刺しにされている上司の顔が浮かんだ。
気の毒だとは思うが仕方ない。
ただただ、火の粉がこっちに飛ばないようにと願うだけである。
「あのう・・・僭越ながら、一つお伺いしてもよろしいでしょうか?」
律儀にも片手を上げて、ゼロスが口を開く。
「何だ、ゼロス?」
「リナ、というのはあのリナ=インバースさんですよね?なぜかスィーフィード殿とお知り合いのように聞こえるんですけど。」
「ああ、そのことか。そういえば、お前に言うの忘れてたな。」 
ゼラスが、ふむ、と頷く。
「わたしの人間での名前はルナ=インバースって言ってね、一応今はリナの姉になるのよ。」
「・・・・・」

ゼロス沈黙。

そして復活。

「どぅえぇえええぇえぇぇぇえぇぇえ!?」
大げさに驚くゼロスに、スィーフィードはご機嫌麗しくニコニコと笑った。
「いやぁ。それだけ驚いてもらえると、こっちもバラしがいがあるってものだわね。」
ゼラスもダルフィンも、うんうんと頷いている。
「わたしも忘れていた甲斐があるっていうものだな。」
「そうですわねぇ。ほほほほほ。」
ああああああの、リナさんがスィーフィード殿の妹。
いやでも、それであの若さであれだけの見識があるのも頷けるような・・・。
あれ、でも僕はフィブリゾ様に命じられてリナさんにギガスレイブの件で・・・?
「フィブリゾの件はね、いいのよ。あれは、ほっとけってエル様から通達が来てたのよ。
  エル様にはどういう結果になるかお分かりだったんでしょうし、もともとああするおつもりだったんでしょうね。」 
っていうか、リナとガウリイにとってはあれが始まりなんだけどねぇ。
スィーフィードがそんな言葉を飲み込んでいると、ゼラスが思い出したように言う。
「あの件では、エル様から直々にお褒めの言葉を頂いたぞ。
   ダークスターの件は、本来ならわたし達が出向くところだったんだが、異例の大抜擢でな。感謝しろ。」 
ううっ・・・ただ面倒だったから押し付けられただけの気が・・・いいです。
僕は所詮しがない中間管理職のパシリ魔族・・・しくしく。
「ありがたく存じますぅ。」
ゼロスが涙声になっているのは、決して気のせいではない。 
だが、しっかり無視されるゼロス。
パシリ程度でも使えればいい、スィーフィードとダルフィンはそう思っていた。
「そういえば、この度の来訪は別件ではなかったか?」
ぎくっ。 
明らかに、ゼロスが固まる。
今回の非公式の会議の内容は、ゼルガディスとアメリアの件だったのだ。
ここしばらく、と言ってもフィブリゾの件以降。
ことさら、アメリアとゼルガディスに神族や魔族が張り付いている。
スィーフィードが神族を押さえ、ゼラス、ダルフィン、覇王グラウシェラーが一応魔族を牽制してはいるのだが、
手を出すな、と言われれば出したくなるのは人間も神も魔族も同じと言う事で、
下級の純魔族などは、水面下でゼロス自ら成敗したりしていた。
神族も同様で、こちらも天竜王、地竜王がその任にあたっていた。
おかげで、魔族も神族も景気が悪くなるばかり。
ゼロスの日課であるクレアバイブルの写本の処分さえ、この件に関わっている節さえある。
しかし、そういう命令が下っているだけで、
その理由を知っているのはスィーフィードと魔王シャブラニグドゥのみ、と言われている。
事この件に関しては、両者とも一切口を割らない。
ダークスターの一件が終わり、ようやく落ち着いてくると、いつの間にか見知らぬ気配が漂っている。
それもゼルガディスとアメリアの周囲から。
突き上げるような恐怖とも、光り輝くとも言えない、ただただ強大な何か。
永遠とも言うべき時間に存在してきた自分達にも計り知れない何か。
色めき立った両陣営が、あわてて原因を探ろうとしていた矢先に、知り合い、ということで、ゼロスに話が回ってきたのである。
これは・・・まずいです。
ゼロスは思った。
とりあえず、さらっと普通に言っておきましょう。
「ああ、そうです。僕まだ、ゼルガディスさんやアメリアさんとは接触できていないんですが・・・」
「何故だ?」 
ふっと、ゼラスの目が据わる。 
こ・・・こわひ(汗)
「いえあの・・・ちょっとあの2人、正の感情で溢れまくってて・・・その、ちょっと体力的に近づけなかったんですよね。」
「ほぉう?」
「ううっ・・・申し訳ありません。」
「かまわないわよ。たしかに、今のあんたじゃ辛いでしょうしね。」
ちょっと実体を現しかけているゼラスに怯えるゼロスに助け舟を出したのは、スィーフィードだった。
「本来ならシャブのヤツが説明するべきなんでしょうけど、
  ちょおっと今力を貯めとかないといけないから、わたしが来たのよ。」
「力を貯める?」
「今から話すわ。念のために、これはホントにトップシークレットなの。
   本来ならば、わたしやシャブでさえ関わるのは恐れ多い事よ。
   そもそもわたしも全てを知っているわけではないし。
   だから、絶対に他言無用でお願いね。心して聞いて頂戴。長い・・・長い話になるから。」 

3人が頷くのを確認してから、ルナ=スィーフィードは話し出した。



世界は混沌の海に浮かんでいる。
この世界を抱く混沌の海は、金色の魔王ロード・オブ・ナイトメア。
金色の魔王は、それぞれの世界に自らが創り出した部下に、神、魔王として管理させている。
だが当然、無限にあるその世界を統括するのに、彼らだけでは不十分だ。
だから、より金色の魔王に近い、より上部で管理するものが必要だった。

その中の最高幹部が、リナスレイヤー=トゥエル=ウル=ナイトメア・
カウリス=ガブリエル=パロ=ナイトメア・
ルーカス、ミリーヌと言う面々で、事実上、金色の魔王の抱く混沌の大幹部で、彼女にもっとも近しい存在である。



だが、その中で、リナスレイヤー、カウリスは数十億年も姿をみせていない。
この辺りは、一世界の魔族、神族の間でも上層部では有名な話である。
実際お目にかかることはないとは言え、仮にも一世界の幹部というところか。
上層部とは言っても、実際はゼロスくらいの位にいるものが最下層であるが。
このことは、決して下に漏らしてはならない。 
それが金色の魔王の勅命だった。
では、カウリスとリナスレイヤーは何故姿を消したのか。
これは、一切明かされてはいない為か、幾つもの噂が流れているが、
実はリナスレイヤーに横恋慕する反逆者が現れた、というのが事実である。
リナスレイヤーとカウリスは遥か昔よりの夫婦で、カウリスの嫉妬深さ故か、そのような者はさっさと消滅させられていた。
だが、その反逆者は(レティウスという)、長い時間をかけて力を高め、
それを気取られる事もなく、虎視眈々と勢力を伸ばしていった。
もともとレティウスは、カウリスの弟分のような存在で、カウリスもリナスレイヤーも彼の事を信頼していたし、
エル様は面白くなりそうだからと放って置いたらしい。
気が付いたときには、時すでに遅く、
丁度休暇にはいったカウリスとリナスレイヤーは執拗にレティウスにちょっかいをかけられ、魂を損ない、
遥かな時間をかけて転生を繰り返し、復活を目指す運びとなった。 

ところが、この時代、ひょんな事からレティウスが復活してしまう。
それに気が付いたリナスレイヤーとカウリスの子供達が、
2000年程前から遊びに来ていた、リナスレイヤーとカウリスの親友であり、
別次元の混沌の大幹部である2人に応援を求めた。
彼らは、金色の魔王と同様に別次元混沌を統べる王
『ユニット=ユニバース=エターナル=コスモス』通称、『宇宙の姫(ユニバース・オブ・ザ・プリンセス)』
の腹心の部下であり、彼女の世界の最高幹部であった。
彼らの真実の名は明かされていないが、通称ゼルガディスとアメリアという。
同じく夫婦者で、リナスレイヤーとカウリスの子供たちの要請を快く引き受け、金色の魔王の世界に転生した。
子供たちは、その時間率の世界にはまだ誕生していないし、先に転生したルーカスとミリーヌだったが、
あろうことか魔王シャブラニグドゥがうっかりヘマやって、
ルーカスの中に魔王の欠片を封印してしまったのだ。
リナスレイヤーとカウリスに関わっても平気な確固たる魂を持った存在となると、
ゼルガディスとアメリアしか他にいなかったというのもある。
そういうわけで、彼らは、そろってこの赤の世界に転生したのだが。
本来ならば、レティウスとこと構えるのが近くなり、
全員が全ての記憶と力を覚醒させてから出会うはずが、またまた魔王シャブラニグドゥがヘマやって、
ゼルガディスのみ、覚醒しそうになった。
念の為、魔王の血族に転生させたのだが、
ゼルガディスの力をたった1/7ぽっちしかない力では抑え切れなかった。
なんとか、合成獣化してその場は事なきを得たのだが、
その後、魔王の欠片を宿した人間が暴走し、
それがまたゼルガディスが合成獣にされた事で憎んでいる、赤法師レゾ、彼の祖父にあたる人間だったのだ。
そんなこんなで、リナ達と出会い、アメリアとも出会い、リナ達関わっていく事になる。
異世界の確固たる魂という事で、かなり念入りに封印を施していたのだが・・・ 
つまりは、魔王シャブラニグドゥが入れなくてもいい念を入れすぎて、失敗したのだ。
リナスレイヤーとカウリスは、彼女がもともと激ニブなので、放っておいても早々進展はないが、
ゼルガディスとアメリアも、魂においても結ばれあっているし、どちらかと言えばアメリアがかなり強引なのもあり、
出会ってしまえば、恋に落ちるのは早かった。



そして、偶然か必然か、あまり長い時間を一緒に過ごせなかった事が祟ってか、
燃え上がるのも早く、あれよあれよと言う間に、アメリアが妊娠した。
そして、アメリアは産む事を決意した。
となると問題なのは、アメリアに宿った子供達である。
アメリアとゼルガディスにも数人の子供がいて、
当然彼女の胎内に宿っているのは、彼らの子供の魂である。
一応人間の身体に封じられている以上、そんな子の世界にあるはずのない魂を身体に宿して無事なのか。
答えは否である。 
もともとこの世界にない力なので、人間にはわからない。
だが、ちょっと勘のいいエルフや竜族、ましてや神族や魔族だったら、わかるだろう。
高位になればなるほど顕著に。
そして、その力が、アメリアの身体を蝕み始めているので、
とりあえずゼルガディスの封印を完全に解き、
アメリアの身体を支える事が出来るようにする、というのが、金色の魔王とユニットの決定だった。
どちらにせよ、一度アメリア達の子供には眠って貰うという手もあるのだが、
それはアメリアの意思がなければ出来ない事だし、彼ら自身が混沌の世界に帰ってくるというのも無理である。
混沌に帰る、つまり一度死んで本来の姿に戻ると言う事だが、それだと当然こちらの世界の呪文は使えない。
かと言って、彼らが本来の力を使うと空間が歪む為に、これほど手の込んだ事をしているのだし、
彼らの存在がなければ、レティウスを何とかすることは出来ない。


リナスレイヤーは、それほど傷ついたのだ。
リナスレイヤー=トゥエル=ウル=ナイトメア。
今回の生の名前をリナ=インバース。
カウリス=ガブリエル=パロ=ナイトメア。
今回の性の名前をガウリイ=ガブリエフという。


「だからね、リナ達には強くなってもらわないと困るのよ。記憶を取り戻す前にね。
   何も知らないリナとガウリイを苦しめても、レティウスに面白い事なんて一つもないわ。
   でも、ゼルガディス様達もいらしてるし、今生では必ず覚醒する。
   だから、それまでにいろいろ手を回したかったのにぃぃぃぃぃぃ!!!シャブの馬鹿ぁああぁぁあ!」
ルナ=スィーフィードの声が、深遠に沈む宮殿にこだまする。
同じことを全員が思った。
我らが主は、何故こうも間抜けなのかと・・・。
「まさか、彼らがそれほどの大物とはな。」
まだ呆然としたまま、呟いた。
「あああうう。ゼルガディスさん・・・今まで僕がやらせたあんな事やこんな事・・・
   きっと許してくれないですよね。ううっ、僕覚悟をしなくてはいけないでしょうか。」
「あら、ゼルガディス様は平気だと思うわよ。厳しい方だけど、目下の者や弱いものにはとても親切な方だから。
   それよりも、全部思い出したときのリナの方を心配したほうがいいんじゃない?」 
はっきりと涙声になったゼロスにスィーフィードは笑う。
「弱いって・・・僕の事ですよね。うう・・・どっちしにてもまずいです。」
「リナスレイヤー様やカウリス様はともかく・・・
  その、ゼルガディス様やアメリア様のお力というのは、どれほどの物なんですの?」 
ダルフィンのもともと白い肌は、今や蒼白だった。
さもあろう。
自分達が名前を口にすることすら不敬に値するのではないか、というほどの存在である。
「さあ。わたしも実際そのお力を目の当たりにした事はないけれど・・・
    聞くところによると瞬き一つで星が私達ごと消えさって、
    指を動かすだけで、それが何事もなかったかのように復活するらしいわ。
    ただ、あまりお力を使われるのがお好きじゃないみたいね。恐ろしい力だって、仰っていたわ。
    だから、あちらの世界では、なるべく神も魔もなく、自然に全てを委ねたい・・・と仰っていらしたけれど。
    少なくともユニット様の全てのお力を使える唯一の方だから、
    どれほどと言われてもね。口で説明なんて出来ないわよ。」
スーフィードは、ふうっと息を吐いた。
「そういうわけでね、今夜ゼルガディス様をシャブの所にお連れするから、
    その間にどっかの馬鹿が、何か馬鹿な事やらかさないように見張っててくれない?」
どっかの馬鹿とは、いわゆる下っ端である。
「ああ、了解した。ゼロス、お前は引き続きリナ・・・
  リナ=インバースとガウリイ=ガブリエフ、アメリア様の周りに貼り付け。何かあったら、わたしも行く。」
「仰せのままに・・・」
一礼したかと思うと、ゼロスは虚空に消えた。
「では私は、この事をグラウシェラーに話してまいりますね。」
ダルフィンが虚空に消えようとしたその刹那、スィーフィードの声が響く。
「ええ。あ、できれば、リナス様とカウリス様の事は伏せて置いてもらえる?
  まだ、しばらくは、リナ=インバースとガウリイ=ガブリエフでいてもらわないと困るのよ。」
「承知しましたわ。」
何もない所から、ただ声だけだ響き、あたりから気配が消えた。


                          -第5話へー




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おまけv

それは、唐突の思いつき。
というか、エルの世界に遊びに行ったときに目にしたそれ。
「…面白そう♡」
まずおもったのがまずそれ。
今までに、そういった、遊びのためだけに。
というのは創り出したことすらもなかった。
ただ、どちらかというと、何となく、というのがほとんどであったがゆえに。
あとは、魂たちの純粋なる願いなどにほだされて。
いまだにあの二人は完全には力を使いこなしてはいない。
それは、彼ら二人が知らない事実。
彼らは二人でひとつであり、二人いてこそ、あの空間そのもものの力がすべて使え、発揮できる。
という事実は。
だって、教えたらつまらないじゃない♡ね♡








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管理人よりのあとがき:
薫:ふぅ。今回のお話読んでもう大爆笑!つーか、あ、直美さん。
  リナスの名前、間違いあったので訂正しときましたv(こらまて!
  リナスの子供たち出してもいいですよー(だからまてぃ!
  ふふふ。
  自分の考えた設定とかの話をもらうのって。どうしてこう、どきどき、はらはら、はたまたうれしいのでしょうか?(笑
  さて、残るもらっている今現在のは後ひとつ・・・・
  ただいま時刻八時です・・・・・二時から編集始めてるのに(実話・・・
  とりあえずがんばります・・・・・