闇:さて、間があきましたがXです。もうそろそろで終わります
本当はかなり長くあるんですが、めんどくさいので・・・・・・
ファ:理由はそれか!
闇:まあ良いとして下さい。自分のもやらなければならないし・・・・・・
ファ:一ヶ月更新が遅れるのは止めろよ
闇:はい、というわけでいきます
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黄昏の果てに望むもの X、タイムリミットは12:00、奇跡は起こるか!?
メビウス達は密室のエレベーターではなくオープンの階段を駆け上がっていた。
密室内襲撃を受けた場合のダメージを考えれば階段で少しだけ体力を使うほうがましなのである。
「時間は?」
「11:35だ」
「シルとの集合時間に間にあうかな?」
メビウスが心配そうに言うが、
「間にあわすんだ」
シルとの合流時間は12:05に南東ゲートとなっている。
南東ゲートから本社までは5分足らずで行ける。
少なくとも12:00には脱出してなければならないのだ。
「急ごう」
「ああ」
メビウスとラーは再び走り出し、
「次の階だな」
メビウスが警戒しながらそう呟く。
「ああ、そうだ」
彼らは80階に着いた。
再度メビウスが感知の魔法を使うが反応は上からある。
つまり、屋上という訳である。
メビウスとラーは目配せをすると、
二人とも短剣とタガーを構え、ラーが先頭にメビウスがその後に呪文を唱えて上の階に突撃する。
そして、瞬間の動作でラーが扉を開け、
「降魔雷撃陣!」
メビウスの広範囲雷系の呪文が炸裂する。
白銀の雷が広範囲にわたって暴れる。
その様子を見ながらラーが更に唱えていた呪文を解放させる。
「炎魔爆裂陣!」
爆裂陣のもう一つレベルの高い炎の魔法が炸裂する。
炎と雷は干渉を起こし、結果。
ズドゴヲオオォォォォォォォォォォォオン
恐るべき爆発が起きた。
メビウスとラーは間一髪扉を閉めた為余波は受けなかったが、しばらく耳が麻痺するぐらいの衝撃音だった。
爆発の余波が収まるのを気配で感じ、二人はドアを開け外に飛び出した。そして・・・・・・
「な、なんだこりゃ」
そこにあったのは、大きな白い塊、繭だった。
「もしかして成虫になるとか?」
「できればなって欲しくないな」
ラーとメビウスがそう言うが、無情にも繭はビシビシ音を立てて割れ始めた。
「・・・・・・さっきの魔法が目覚めのきっかけになったとか!?」
「・・・・・・言うな、考えたくない」
メビウスとラーがそういうのを聞いたように繭は割れ、中から一羽の蛾のような化け物が出てきた。
全長約8メートル近くある。
「戦うしかないな」
「・・・・・・そうだな」
二人は言葉を交わすと短剣を構え、
『ギシャアアアアアア』
蛾の叫び声が戦いの始まりになった。
「暗黒砲!」
「重・雷撃陣!」
ラーの魔法とメビウスの魔法が蛾に直撃する。
しかし、
「ギッシャアアアアア」
そう言うと共に触覚から不気味な光線を放ってくる蛾。
「うわわわわ」
慌ててその光線を急いで避けるラーとメビウス。
光線がたどった後は鉄より硬い超合金が溶けていた。
「一体何者なんだよ!」
「知ってれば苦労はしない!」
なぜかラーとメビウスが怒鳴りあう。
「ギッシャアアアアアアア」
蛾はまったく聞いてないのかメビウスとラーと両方に光線を放つ。
「いい加減に・・・・・・」
メビウスがそう言い、特殊な印字を宙に書く。
「しやがれ!」
途端、メビウスの目前まで迫ってた光線が蛾に弾き飛ばされた。
「一体何なのだ!」
ラーが怒鳴る。
「ジェノって言う反射結界を作ったんだよ!
これの欠点は魔力を以上に食うのと結界は一度しか持たないのと自分が攻撃できなくなるという点だけだ!」
怒鳴り返すメビウス。
その瞬間、ラーの顔つきが変わった。
「おい、耳を貸せ」
「へ?」
メビウスが驚きの顔つきになったがラーは苦しんでいる蛾を横目にメビウスに耳打ちした。
「炎魔爆裂陣!」
ラーの呪文が炸裂する。
その瞬間、炎が蛾を包み込むような形で形成される。
通常の『炎魔爆裂陣』は敵の真下に逆五紡の魔法陣を形成し
そこから強力な炎を出すという攻撃である。
包み込むようにするには最低でも敵に対して六個の同時発動をさせなければならない。
もちろんその分の魔力の負担も大きい。
しかし・・・・・・
「ギシャアアアアアア」
そう蛾が鳴くと共に霧散し、一つの塊となってラーを襲う。
ラーはその様子を見てすぐさま物影に飛び込むが炎がかすっているようだ。
苦悶の表情を浮かべる
蛾はそんなラーを見逃すわけも無く光線をラーに向けて放ち・・・・・・
ドウンッ
光線は放ったはずの蛾に直撃した。
「以外に簡単に引っかかったな」
自らが放った光線によって跡形もなくなった蛾を見ながらラーが言った。
やけどが残っているが彼女にとってそれくらいの傷はたいした事では無いのだろう。
「そうだな。まあタイミングの問題だったな」
メビウスも欠伸をしながら言う。
種明かしはもう解かったと思うが簡単だ。
さっきメビウスが放った光線は蛾にダメージを与えていた。
ならば光線を返したら蛾を滅ぼす事が出来るのである。
それだから、
ラーが『炎魔爆裂陣』で
メビウスの『ジェノ』の位置を確定させるのと蛾に対するメビウスへの注意心の削減を同時にやったのだ。
もちろん相手がラーに対して『炎魔爆裂陣』を返すとは思えなかったが、その分だけ注意も落ちたので不幸中の幸いである。
後は簡単だ。
メビウスが『炎魔爆裂陣』の一回り大きく『ジェノ』を発動させ、
蛾がその結界に攻撃する事によって自らに攻撃が返りそしてその直撃を受けたのだ。
「時間は?」
メビウスが聞く。
「今は11:55だ。脱出しよう」
ラーがそう言う。
「そうだな」
そう言ってメビウスが立ち上がり階段の方に歩きかけ・・・・・・
「待て!」
突如ラーが静止をかけた。
「どうした?」
「いやな気配がする。反応呪を発動してみてくれ」
ラーが青い顔で言う。
「あ、ああ」
メビウスはそう言うと目を瞑り精神を安定させる。
そして、
「な、なんで永遠炉の側に爆弾が!?」
その言葉に表情を硬くするラー。
「やはりな。私の勘はよく当たる」
そう言ってしみじみ頷く。
「そんな事言ってる場合じゃないだろ!」
メビウスがそう言うが、
「その爆弾がどんなタイプか分からんが永遠炉の近くで爆発されたら終わりだ。
多分区切りのいい12:00に爆発するんだろう。
12:00まで後4分。私たちが永遠炉に行くまでに最短で三分。一分じゃ解体できないな」
ラーはそう皮肉っぽい笑いを浮かべ。
「ゲームオーバーだ」
そう言って両手を上げた。
メビウスはほんの数秒悩んでいた後、
「いや、百分の一ぐらいで助かる確率があるぜ」
そう言った。
「何だと?」
「どうする?ここで何もしなくて死ぬのもよし。または百分の一の確率にかけてみるか。どっちを選ぶ?」
「・・・・・・」
ラーは無言になり手を組んだ。
しかしあまり考えている時間も無い。
時間は刻一刻と迫っていく。
二十秒ほどラーは沈黙し、
「・・・・・・解かったその百分の一にかけてみよう」
そう言ってメビウスの方を見、
「で?どうやるんだ?」
「はっきり言ってかなりの賭けだ。目茶目茶に行くぜ」
そう言うと不敵に笑い、
「まず反重力アーマーのコントロール装置を貸してくれ」
そう言った。
ラーは無言で自分のコントロール装置をメビウスに渡した。
「手順は簡単だ。まずこの屋上に張ってある結界を俺が壊す。
俺が同時に飛行の魔法を使ってわざと風に流される。
今は丁度いい事に南東ゲート方面の風が吹いている。
そして、都市の大結界に当たる前に飛行を解除。後は数秒間残っているはずの反重力のこれに頼る」
メビウスが大雑把に言った。
はっきりいってかなり無理があることである。
まずはいくら上空で風が強くてもメビウスとラーの二人の結界が飛ばされるかどうかの問題が一つ。
二つ目が大結界の場所である。
都市に張られている大結界は恐るべき大きさをもっているといわれるがどれくらいの大きさか分からない。
へたに判断を間違えると結界によってダメージを受けお陀仏だ。
そして三つ目が落下の勢いがついていた場合反重力アーマーだけで落下速度を相殺できるかどうかという問題だ。
反重力アーマーはくる時にかなり動力を使ってしまったのでもってせいぜい数秒。
その間に落下速度などすべてを相殺できなければ
地上に真っ赤な花が咲く事になる。
大きな問題だけでもこれだけあるのだ。
コントロールミスなど言っていたら数え切れなくなる。
しかし彼らはそれを知りながらホンの一筋の希望のためにその危険を冒そうとしているのだ。
「じゃあ行くぜ」
メビウスがそう言い無言で印字を切った、直後突風が吹き始めた。
メビウスが結界を破壊したのだ。すぐさまラーが詠唱を終わらす。
「飛行!」
そして、彼らは浮かび上がり突風に運ばれて一気にラウンドウル社から離れた。
とすぐにメビウスは飛行を解除。
「大丈夫か?」
「ああ、ぎりぎり魔力は残ってる」
メビウスがそう言う。
そんなことを言ってる間にもどんどん二人は落ちていく。
都市のメインストリートのビル街だ。
運がいいのか悪いのか二人は大通りに落ちようとしている。
「そろそろいくぞ」
そう言うと同時にメビウスは反重力アーマーのスイッチを入れた。
ビュウウゥゥゥゥウウ
「なっ、止まんねえだと!?」
驚愕の表情を露にするメビウス。
そう、彼はアーマーのスイッチを入れたが落下のスピードは以前止まる気配を見せない。
「まさかさっきかすった時のダメージか!?」
ラーもそう言う。
「しまった。しくじった」
メビウスが歯噛みする。
そう、さっきの蛾によって返された『炎魔爆裂陣』によって反重力アーマーが故障してしまったのだ。
『どうする!?どうすればいい!?』
メビウスが残されたほんの少しの時間で必死に頭を駆け巡らせる。
そして、
「ラー飛行使えるか!?」
メビウスが怒鳴る。しかし、
「いや、すまんが私は使えない」
そう、彼女は飛行を使う事ができないのだ。
シルと暗殺をする時にはシルが運搬役。
ラーが実行役という風になっているのだ。
「時間がねえ、俺が飛行を唱えるから俺の手に着いている暗器があるだろ。
あれを頃合を見計らってどっかのビルか何かに発射してくれ!」
地上がどんどん近づいて来る。
「お前は!?」
「俺は飛行を唱える!それで落下速度を相殺できなければアウトだ!」
そう言うと同時に彼は飛行の詠唱を開始させる。「永久の中 眠りし風の精霊よ 今一度我に力を貸したまえ・・・・・・」
ラーがメビウスの右手を取りいつでも暗器を発射できるように体勢を取る。
そして、
「飛行!」
そうメビウスが叫んだ途端ラーとメビウスとの周りに現れる風の結界。
メビウスは必死で上昇するように方向を取るが落下スピードが相殺できない。
理由は単純明解ラーとメビウスと二人だからである。
二人なら落下する事による重さも二倍になる。
「くそっ」
メビウスが集中を壊さないように必死になりながら飛行結界を維持しつづける。
人々は二人が落ちていく様を見て避難している。
バシュッ
瞬間、ラーがメビウスの暗器を発動させた。
矢は間違えることなく一番高いビルの高い位置に突き刺さった。
そして、
ブヴヂッ
いやな音を立ててワイヤーが千切れた。
それは、メビウスが考えていた最後の切り札が終わった瞬間であった。
飛行は発動していてもスピードが止まらない。
メビウスの頭に潰れたトマトが二つ思い浮かんだ。
そして、ラーが右手を掲げ、
「重・爆裂陣!」
その瞬間、落下スピードが止まらないメビウス達の真下で大爆発が起こった。
「遅いわね〜」
ここは南東ゲート。
そして、唯一外界に繋がっているゲートである。
ゲートとは古い言葉でいえば関所のようなものだ。
シルはその近くの通りで二人を待っている。
さっきからかなり嫌な噂がこちらに聞こえてきている。
まず一つ目がラウンドウル社の大爆発。
これは任務成功だから喜ばしい報告だが、二つ目が最悪だ。
二つ目、11:58頃、二つの人影が空中から墜落、
墜落する寸前に大爆発があった為死体等の確認は取れないがほぼ即死であろうという事だ。
シルはそこまで頭の中で整理すると時計を見る。
時刻は12:04、40秒。
後に秒で待ち合わせ時間になる。
待ち合わせ時間に来なかったらシルは二人が死んだものとして一人で脱出しなければならない。
「やっぱり遅いわね」
シルはそう呟き、壁に背を預けると、
「悪かったな」
「こっちは死ぬ思いをしたぞ」
突然背後から二人の声が聞こえた。
シルが振り向くと少々ずたぼろになりながらラーとメビウスが立っていた。
「まだぎりぎりで間に合っただろ」
ラーがそう言う。
「ええ、ぎりぎりでね」
シルがそう言うと同時にちゃんと立ち、
「さあ、脱出するわよ。脱出方法は簡単、時間が無いから正面から強行突破よ」
そう言ってびしっとゲートを指すと走り出す。
「おい!」
二人の抗議の声が聞こえたがシルは無視する。
三人はそのまま走りつづけ、
ゲートの少し前の広場でいきなりメビウスが止まった。
「メビウス?」
ラーが疑問の声を上げるが、
「・・・・・・先に行ってくれ。後で追いつく」
そう言うと共に動きを止める。
「?解かった」
ラーはそう言うと前を走っているシルを追いかけ始めた。
そして、二人が角を曲がり姿を消した。
その様子を見てからメビウスは口を開けた。
「・・・・・・出てこいよ。居るんだろ。あんたが」
そう言った時、銀髪の一人の男が現れた。
続く
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闇:ははははは、これで終わるつもりだったんですけどね
ファ:次までかかるということか?
闇:次で終わるかも自信なくなってきました
ファ:・・・・・・
闇:まあ良いとして、次回メビウス君のあることが判明します
ファ:・・・・・・ほう
闇:というわけで今回はこれにて・・・・・・