闇:それじゃあ、Vに逝きましょう(ちがう!)
ファ:どうでも言いが・・・・・・この話しはどうなるんだ?
闇:多分、この化け物倒したら終わると思う。って言うか終わらす。
ファ:・・・・・・
闇:不振そうだな・・・・・・それじゃあ本文へ・・・・・・
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黄昏の果てに望むもの V、暗殺依頼
「へ〜、普通の家だな」
メビウス達は裏通りを歩き、ようやくアジトについたのだ。
所々に警備隊の検問があったが、色々な方法で切り抜けた。
「置いてくぞ」
ラーに言われ、ようやく現実に戻るメビウス。
中は思ったよりも警備が厳しかった。
幾度も紋章のチェックがあったりした。
まあ初めてだったから、指紋などを登録して中に入ったのだが・・・・・・
「きらびやかだな」
中はメビウスが思っていた以上にきらびやかだった。
と言っても無駄な物は無くむしろ大切な物に金をかけたというような感じだ。
「さて、次の依頼が入ってるわよ」
シルが言ってくる。
「何の依頼だ?」
ラーがソファーに座りながら聞く。
メビウスもラーの隣に腰掛ける。
暗殺依頼よ」
シルがそう言ってメビウスの横に座り、手紙らしき物を見せる。
「へ〜」
興味深そうにメビウスは手紙の中を読む。
「普通だな」
普通の手紙のようにどこで待つと書いてある。
「マンガみたいだ」
ボソッと言うのが聞こえたのか、メビウスの首筋に当たるナイフ。
ナイフを持っているのはラーだ。
「なんか言ったか?」
いいえ、なんでもありません」つい手を上げてしまうメビウス。
哀れ・・・・・・
「まあ、行くわよ」
『何処に?』
メビウスとラーが声を上げる。
「決まってるじゃない」
そう言ってシルは人指し指を上げて、
「依頼人の所よ」
この返事に、ドット疲れてメビウスとラーが倒れてしまったのは言うまでも無い・・・・・・
「流石に休もうぜ」
メビウスとラーが反対を唱えたが、
「さあ、行きましょう」
二人の足を持ってシルは外に引きずり題していく。
『助けてくれ〜〜〜』
二人の声が響いた。
そこは、裏通りにはふさわしくなさそうな普通の公園だった。
まあ、色々な子供達が遊んでいる。
その公園のベンチに、サラリーマン風の一人の男が座っている。
しかし、そわそわして落ち着かない様子だ。
「あの人か?」
メビウスが聞くと、
「ああ、彼が依頼人だ」
ラーがそう言って手元からメモを取り出す。
「依頼人の名前はショー=マルフェスト。
年齢43歳。職業は社長秘書。何処の社だと思う?」
ラーが聞いてきたのでメビウスは首を振る。
ちなみに、メビウス達は公園から1ブロックはなれた場所に居る。
「ラウンドル社だ」
その一言にメビウスは驚きを隠せない。
ラウンドル社とは、この都の一番大きな貴族がやっている会社だ。
何をやっているかというと、表向きでは服から大型武器、
果ては電気の変わりになるものの製造やクローンの製造。
裏では、何をやってるか知れたものじゃない。
「それで?その社長秘書が何のようだ?」
「それは本人にきいた方がいいな」
そう言ってラーは物陰から出て行く。
仕方なくメビウスも後に続く。
シルは正面から公園に入り、ラーとメビウスは依頼人の後ろの大木に隠れるようにして依頼内容を聞く。
「あなたが依頼人のシューさんですね」
シルがにっこり笑いながら話し掛ける。
シューといわれた人は今まで俯いていた顔を上げ、シルを見る。
「あなたが暗殺者ドラグーンの一人ですか?」
「ええ、そうですよ」
そう言ってシルはベンチに座る。
「依頼内容を聞きましょう。あっ、手はそのままで」
そう言ってニコニコしているシル。
「あれで大丈夫なのか?」
俺が小声で心配そうに言うと、
「毎回ああだ」
ラーがため息をつきながら答えてくれた。
「依頼はラウンドル社を潰して欲しいのです」
この依頼人のセリフに俺の耳はぴくりと傾いた。
ラーの様子を見ると、彼女もそのようだ。
「詳しくお話しください」
シルがいつもと変わらず言った。
「私達の会社でついこの間画期的な開発が行われました。
プロジェクト名はリデンデスト。
このプログラムの内容は、かなりの再生能力を持ったものを作り出すことでした」
「再生能力?」
シルが首をかしげる。俺はなんとなく頭で理解していたが、黙っていた。
「ええ、そのものが持っている再生能力を極限まで高め、そして一気に回復するというものです」
「ふ〜ん」
シルは、どうも分かってないようだ。ラーも首をかしげている。
「それで?そのプロジェクトはどうなったんですか?」
シルがそう言うと、シューさんはまたしても俯き、
「暴走したんです。ある一体のサンプルが・・・・・・」
そう言った。
「そのサンプルはついこの間掘り出された太古の生物だったんです。
そして、それが深い傷を負い、仮死状態に入っている事が解かったんです」
そこまで言ってシェ―さんは頭を抱えた。
「研究グループはすぐさまこのサンプルに実験中の薬を投与しました。その結果・・・・・・」
またそこで一つ区切り、
「サンプルは眠りから覚め、そして、職員達を次々に食料にしていきました。
慌てた私達は急いでそのブロックを隔離し、職員達を全員避難させました。
しかし、奴は通気網等からさまざまな出入りをし、私と社長とその他の数名が必死になって脱出したということです」
そう言って顔を上げてまた話を続けるシェーさん。
「今回の依頼はそのサンプルの抹殺。そして、会社の建物の崩壊です」
「なぜ建物の崩壊までするのですか?」
シルが聞く。すると、
「二度といれないと思います。そんな場所を消去してください。
私達はまた始めから始めます。これは社長の許可ももらっています」
「・・・・・・」
シルは黙り込んだ。そして、
「ねえ、どう思う二人とも?」
隠れている俺達に言ってきた。俺達は顔を見合わせ・・・・・・
「そんなんがいるんならきっとこの都もつぶれるだろう。消去しよう」
メビウスがそう言って出る。
「そうだな。それを境に私達もここを出よう。まあどうせそんな建物崩壊させたら追いかけられるのは必死だからな」
ラーもその後に続く。シルは首をすくめ、
「了解。じゃあシェーさん、私達はその依頼受けるわ。まあ高く付くけどね」
そう言って立ち上がる。
「暗殺部隊ドラグーン。この地での最後の依頼引き受けましょう」
ラーがそう言って公園から出て行く。その後を俺とシルとで追いかける。
「ありがとうございます」
シェ―さんが頭を下げているのが解かった。
アジトにもどった俺達は早速作戦会議。
「これがシェ―さんからもらって来たラウンドル社の全体図だ」
そう言ってラーが一個の記憶水晶を取り出す。
そして、土台にその水晶を置く。すると、
「すげえ」
机に立体化された図が浮かんできた。
「説明するわよ」
シルが言う。
「まずこの会社本体の階数は全部で80階。その周りを6つの塔が囲んでいるわ」
そこまで言うと、周りの塔が赤く輝く。真中の大きなビルが会社本体だ。
「今赤く輝いているのが回りの塔だ。全部同じで、階数は40階だ」
ラーがそう言って塔の一つを指す。それが緑に光る。
「そして、これが実験サンプルを覚醒させた場所らしい」
よく見れば、生物課と書いてある。
その後を、赤いラインがどんどん広がる。
「その赤いラインがサンプルの会社本体への進入経路と思われるわ」
そのラインはどんどん広がって次々と周りの塔などにも広がっている。
「そして、その通路で移動して全ての建物内に進入したと思われる」
ラーがそう言う。
「次に、このサンプルの事を教えるわ」
シルがそう言うと、画像も一緒に変わる。
そして、一個の何かの物体を映し出す。
「これがサンプルの本体よ。サンプルF=323。別名、シェリダー」
「なるほど、どんな人の手をも拒絶するからシェリダーか・・・・・・」
メビウスが頷く。このシェリダーは拒絶を現す魔の者の名前だ。
「まあ、ホントに魔になってしまったけどね」
シルが肩をすくめて言う。
「笑い事じゃないぞ。こいつの生態の続きを読んでみろ」
ラーが少し震えながら言う。
「えっ?何々?シェリダーの食料は主に肉?人でさえ食べる!?何よこれは!?」
シルが流石に驚きの声を上げていう。メビウスは流石に腰をあげる。
「何!?」
「その後も問題だ」
ラーがまだ震えながら言う。
「えっ?」
「先を読んでみろ」
そう言われて、恐る恐るシルが読み始める。
「この者は、メスの体内に侵入し卵を産み付ける!?
そして、その産み付けられた者は子供が生まれる時に食われてしまうですって!?」
「つまり、私達にとっては捕まったが最後。無理やり卵を産み付けられ、そして死か・・・・・・」
「最悪だな」
ラーがいい、メビウスが口を挟む。
「少なくとも、その本体が何匹か居るって言うのが解かったな」
メビウスはそう言って、目を細める。
「なるほど、中にいた女性社員などがその餌食になったということか」
ラーが顔をしかめながら言う。シルは口を抑えて、
「そんな・・・・・・」
呆然としている。
「準備は万端に整えてから、進入してそして、本体を叩きのめすという方法じゃなければいけないな」
メビウスがそう言って立ち上がる。
「何処に行く」
ラーが聞くが、
「元の俺の住処だ」
そう言ってメビウスは歩き出そうとする。
「単独行動は許さんぞ」
ラーがそう目を細めて言う。
メビウスがそう言うが、
「いいわラー。気分転換のためにも行って来て。私は対抗できるような武器を作り出すわ」
そう言って地下に潜っていってしまうシル。
「じゃあ仕方ない。お前の住処は何処だ?」
ラーがメビウスを見る。
「着いて来な」
メビウスがそう言って歩き出した。
「ここは?」
「ああ、これが俺の住みかだ」
そう言ってメビウスが入っていったのは古びたアパートの一室。
あれから二、三十分ほど歩き、ようやく着いたのだ。
「古いな」
ラーがそう言う。
メビウスは苦笑しながら中に入る。
ラーもすぐ後に続く。
そして、
「何も無いじゃないか」
ラーが目を見開く。
そう、そこには少しの荷物しかなかった。
「まあ、こっちの方が動きやすいだろ」
そう言って荷物を一塊にして持ち上がるメビウス。
しかし、量はかなり少ない。
「お前はここ生まれじゃないのか?」
ラーが聞くが、
「いんや、俺は孤児院の育ちだ」
そう言ってにこりと笑うメビウス。
「まあ、孤児院っていっても入れただけよかったけどな」
そう言って扉の方に歩き始めるメビウス。
「・・・・・・」
ラーは終始無言だった。
メビウスもラーが何かを考えているんだろうと思って何も話し掛けなかった。
そして、
「一体何処の孤児院で育ったの?」
ラーが女言葉で聞いてくる。
メビウスは少しばかり驚きながら答える。
「それだけは覚えてる。確か、『鳶色の鷹』の家だった」
「鳶色の鷹・・・・・・」
ラーはまた無言になる。
メビウスも釣られて無言だ。
そして、アジトについた。
「で?どうやって進入するんだ?」
メビウスが聞く。すると、
「あそこのブロックは完全に隔離されているブロックだから進入するのは二つの道しかないの」
シルがそう言って記録水晶を土台にセットする。
すると、現れるのはラウンドル本社の空中社。
そう、ラウンドル社は空の上に浮いているのだ。
永遠炉と呼ばれる核爆発を永遠に続けて
エネルギーを永遠に持続させるという機械を使ってだ。
一般の外見から見るとそれは確かに会社かもしれない。
しかし、内部構造を見れば、国の軍とも一戦やれるぐらいの装備がしてある。
「なんて所だ・・・・・・」
次々に現れる情報を見ながらメビウスが呟く。
それほどまでに凄まじい構造なのだ。
「進入するとしたらさっきも言った通り二つの道があるわ」
シルがそう言うと同時に現れる赤い線。
「これが進入口その1。普通の社員などが使ってた連絡通路です」
そう言うシルだが、
「残念ながらこれはシェ―さん達が脱出後に爆発を起こして破壊しているので使えないわ」
そう言うと同時に、壊れる連絡通路。
「そして、もう一つが、この道」
そう言うと同時に現れる一本の線。
「これは?」
ラーが聞くと、
「それが今回私達が侵入する道よvvv」
シルが天使の笑顔で言う。
しかし、メビウスとラーには悪魔の微笑みに見えただろう。
理由は・・・・・・
『こんな所に道は無いじゃないか!』
そう、何も無い空中の部分に赤い線が貫いている・・・・・・
「ふふふふふ、じゃあ、明日侵入しましょう。じゃあお休み♪」
二人の文句を聞かずにシルは自分だけ寝室に歩いていってしまう。
「明日・・・・・・どうなるんだろうか・・・・・・」
「奇遇だな。私もそう思ってた・・・・・・」
その場には放心状態のメビウスとラーが残された。
続く・・・・・・
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闇:という訳でVでした。
ファ:あっそ
闇:・・・・・・
ファ:なんだ?
闇:それだけ?
ファ:そうだ。悪いか?
闇:しくしくしく。それでは、次回会いましょう。さようなら〜
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薫のつぶやき・・・。
・・・・クロフトカンパニーに・・・某映画のエイリアン?(まて!)