闇:この章で『祝福の都の守り神』は終了です
ファ:・・・・・・長かったな
闇:そーですね
ファ:・・・・・・
闇:ちなみに、後書きのコーナーに次回予告があります
ファ:・・・・・・見ないでやってくれ
闇:・・・・・・頑張りますから
ファ:・・・・・・それでは本文へ・・・・・・
闇:あっ、セリフ取られた


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                祝福の都の守り神   エピローグ


メビウスが目覚めたのは二日後だった。
彼が目覚めたのは無事だった宿屋の一室。
『スプリン』である。
街は半分以上が炎上したりしていたが偶然この宿屋は無事だったのだ。
町に逗留していた戦士や治安維持隊などが協力し、外から来た魔物たちを撃退したのだ。
流石にソウル・イーターの方にいった戦士達は全滅したが・・・・・・
「しっかし、いい天気だな〜」
目覚めてから三日後、メビウスは暖かい昼の町をのんびり歩いていた。
「そうだな」
相変わらず無表情にラーがそう言う。
「新しい仲間も増えたし・・・・・・」
「・・・・・・それについては何も言わん」
 あれから、クレイは一人なら死んでいたから命の借りができたと言いメビウス達についていくと言ったのだ。
もちろん三人とも反対し、事情を話したが・・・・・・
『俺を何だと思ってる。知ってると思うけど聖戦士だぞ。秘密など絶対に話さん』
という強い意志に三人は負けてしまい、渋々同行を許したのだ。
今日二人が昼間歩いている理由はこれからの旅の物資の確保である。
半分以上が廃墟となったが人間とはしぶとい者である。
隣町などからの物資の援助などによってたった4日でメインストリートにも活気が戻っている。
「・・・・・・しかし、次は何処に行くつもりだ?」
ラーがメビウスに聞く。
「そーだな。シルの事だし・・・・・・どっかの大都市だろう」
メビウスはそう言うと共に少しばかり目を閉じた。
「すべて・・・・・・終わったんだよな」
ラーがそう言ってくる。
「・・・・・・ああ」
メビウスはそう言うと共に胸の中に言葉の後ろ部分を隠した。
『大きな問題はな・・・・・・』
そう言う言葉を・・・・・・


深夜、全ての者達が眠りについた頃、一つの人影が廃墟の一角に居た。
メビウスである。
いや、今の彼はサイレンスと呼ぶべきであろう。
彼がたっている場所は元大聖殿の穴の場所である。
今は崩れて埋もれているが・・・・・・
中は無事だという事を彼は半ば確信していた。
「土竜降下斬」
彼がそう言うと共に彼の指した地面が真下にぽっかりと口をあけた。
大地の精霊の力を借りた呪文である。
彼は開いた穴から軽く身を投じ、ちゃんと着地した。
地下はあまり変わってなかった。
「・・・・・・」
彼は無言でそれを見ながら進む。
そして、池の淵まで歩き、
「・・・・・・見てるんだろ。さっさと出て来い」
そう言ったと共に湖の上に一人の乙女が現れた。
服装は数百年前の神官服。
「あんた名前は?」
メビウスが聞く。
『私の名前はセフィル。竜機神にその身を捧げられた生贄です。あなたは?』
小さい声が返ってきた。
メビウスは少し悩んだ後、
「俺の本名はサイレンス=ツア=ベムス。今はメビウス=タウと名乗ってる」
『・・・・・・やはりあなたがメビウスなのですね』
まるで知ってたようにセフィルが言う。
「・・・・・・どういう事だ」
サイレンスの目が鋭くなる。
『私がここに霊体として残っている最後の使命がメビウス・・・・・・あなたに運命を教える事なのです』
セフィルが悲しそうにそう言った。
「運命?ばかばかしい」
サイレンスはそう言うと共に目を閉じ、
「俺は好きなように生き・・・・・・」
『あなたこそは、メビウスの名を持ちし者。あらゆる苦しい運命と宿命を背負う者』
セフィルがサイレンスの言葉の途中に割り込んで言う。
「・・・・・・話しを聞こう」
メビウスはそう言うと池の縁に腰掛けた。
セフィルはこくりと頷き、
『何時からだったかは教えてもらえませんでしたが一人の勇者が居たそうです。
   彼の剣はあらゆるものを切り裂き、魔法は的確に目標を貫きました。
   しかし、彼は死ぬ直前に一つの遺言を残したそうです。
   すべてはメビウスの名の元に循環する・・・・・・と
   そして、時はめぐり再び悪魔と天使の戦いがありました。そして、それを封じた人物こそが・・・・・・』
「メビウスって言う奴だったってことだろ。馬鹿馬鹿しい」
サイレンスがそう言って立ち上がろうとし、
『もちろんあらゆる人物がそう言ったそうです。偽者も出たらしいです。
  しかし、竜機神の元を尋ねてください。彼がすべてを知っております』
セフィルがそう言って目を伏せる。
「竜機神ね・・・・・・アレクス山の麓か・・・・・・」
『正確には麓の秘密の通路を通ってアレクス山の頂上まで登るのです』
セフィルがそう言う。
「・・・・・・そこに行けばすべてが分かるって言うのか?」
『そうです』
メビウスが疑問を露にしながらそう言ったが、セフィルに一蹴される。
「・・・・・・解かった。仲間をできる限りそこに向かわすように仕向けてみよう」
『!!という事は!』
セフィルが目を見開いた。
「ああ、あんたの人生で最後のその依頼。受けて立ちましょう」
そう言うと共に立ち上がり、
「まあ、信じてみるよ」
そう言って後ろを向いた。
『ありがとうございます・・・・・・これで、これでやっと眠れます』
セフィルはそう言うと共にその身を光へと還した。


「運転は俺がやろう」
「じゃあ私とクレイは中にいるね」
「・・・・・・私は前に乗ろう」
「いや〜、馬なら乗れるんだが馬車はな」
四人の声が響く。
旅立ちの日に治安維持隊や街の人々から感謝を込めてと言われてメビウス達は馬車を貰ったのだ。
しっかりした頑丈な作りである。
馬も元気な奴を2頭。
これによって旅の時間を短くすることもできる。
「しかし、本当にありがとうございます」
メビウスがそう言って集まった町の人々にお礼を言う。
「気にすることは無いわ」
ウゼルがそう言ってにっこり笑う。
「またここに訪れた時は泊まりに来て下さいね。歓迎しますわ色々な意味で・・・・・・」
にっこり笑ったウゼルの顔が少しだけ怖くなったラーであった。
そして、馬車はゆっくり歩き始める。
水の都に別れを告げて・・・・・・


「で?何処に行くのメビウス」
後ろからひょっこり顔をのぞかせてシルが言ってくる。
「そーだな。アクレス山の麓の町グレミーでデカイ一件が有りそうだし言ってみないか?」
メビウスがそう言う。
隣ではラーが座っている。
「グレミーだと?今現在王が死んだ直後で国が荒れ狂っているあそこにか?」
クレイが顔を覗かせてそう言ってくる。
彼の緑の長い髪が風で揺れる。
「そうさ。そんなところのほうがいい仕事もあるってものさ」

メビウスはそう言うと共に目を瞑る。
蘇ってくるのはセフィルの姿・・・・・・
『彼女はちゃんとあの世で幸せに成れたのだろうか・・・
   ・・・竜機神に会え・・・・・・何がそこにあるかわからねえけど・・・・・・』
もう一度メビウスは目を開き、
『行ってやるぜ。俺の運命って奴を知りにな』
心に決めた言葉は昔の雪の日を思い出した。
暖かきある一つの日の思い出・・・・・・
そして、全ての運命の歯車が回り始めたその日であった・・・・・・




                  祝福の都の守り神編、END




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 闇:という訳で第二部が終わりました
ファ:ご愁傷様とでも言っておこうか
 闇:俺を殺さないでくれ!
ファ:まあどうでもいいが・・・・・・何部まで押し付ける気だお前は
 闇:まあ、次で終わりにするつもりですが・・・・・・
ファ:・・・・・・つまり物語りの途中でほっぽり出すと
 闇:ちょっと違うんですけどね。気が向いたら書きます
ファ:おい
 闇:という訳で今回は感想は無し。しかし!
ファ:次回予告だろ
 闇:・・・・・・こういうのはもっと盛り上げてからするものだと思ってました
ファ:・・・・・・どうでも言いがさっさとやれ
 闇:へいへい、というわけで次回第三部『過去と現実』の内容を少しだけお教えしますどうぞ!




第三部『過去と現実』次回予告!
(正確にはちょっとピックアップ(書いてませんが・・・・・・))




ラーが机を叩いたせいでグラスが床に落ちた。
「おいおい、どうした?」
クレイが不思議そうな顔でそう聞くがラーは無言で依頼人の方に向き、
「その依頼・・・・・・受けよう」
そう言った。
シルは下を向いたまま無言でその意見に肯定し、メビウスはなぜか放心している。
クレイはその様子を不思議そうに見た後、後で聞けば言いと思い何も言わなかった。



(しばらくお待ちください・・・・・・)



「待て!ヴィソール=ウル=デス!」
ラーがそう言って窓からその身を投じた。
すぐ後にクレイが続く。シルもその後に続く。
しかしこの時三人は見てなかった。
すぐ傍に居たはずのメビウスが何時の間にか忽然と姿を消していた事に・・・・・・




(しばらくお待ちください・・・・・・)



「ソロ!」
メビウスが魔法を解き放ち、影はその魔法と共に消えた。
メビウスはその様子をじっと見た後に悔しそうに歯噛みし、
「ぜってえ許さねえ・・・・・・殺してやる・・・・・・」
そう言うと共に人が集まってくるであろうその場所からすぐさま離脱した。




   (それでは、最後です)



「・・・・・・信じてたのに・・・・・・お前だけは信じてたのに・・・・・・」
「・・・・・・ラー」
ラーは涙を袖で拭くと共に一言言った。
「・・・・・・さらばだ。大丈夫、一人にはしないよ。私もすぐに同じ場所に行くから」
彼は彼女の目をまっすぐに見たまま目を細めた。
そして、ラーの持っている銃のトリガーに力がかかり・・・・・・
「ラー!撃っちゃだめ―――――!」
やっとやってきたシルの声が遠くから聞こえ・・・・・・
「さよなら・・・・・・メビウス・・・・・・」
銃口から火花が散った・・・・・・





闇:という訳で次回予告はここまで
ファ:まあ、アホな事して自分の首しめた愚か者が居ますが気にしないようにしましょう
闇:それでは、第2部はこれにて!
闇&ファ:第三部で会いましょう!それまでしばしの別れを!