闇:あっはっは、やっぱり書いてしまいましたね〜
   ファ:・・・・・・おい
    闇:何となく続けてしまう文ってのもありますから
   ファ:だからおい待て
    闇:あはははは
   ファ:・・・・・・
    闇:という訳で、あの物語の続きです
   ファ:・・・・・・
    闇:またしてもメビウス達の物語です
   ファ:・・・・・・
    闇:それでは、短い間お付き合いください

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        祝福の都の守り神   T、いにしえの都の思い歌




「何度言ったら分かるんだ!」
「何度言っても分かりませんわ!」
メビウスとシルがついに口論を始める。
ラーはその様子を見てため息をついた。
彼らが都市を脱出してから二ヶ月、今だ彼らは一つの場所で仕事をしていた。
彼らが今いる場所は水竜の都ヴィンディティシオン。
昔、水竜神の祝福を受けたとされている都である。
もちろんここでも裏の者達は存在する。
強烈な光があればそれの隙を見て闇が必ず存在する。
その言葉通りこの水竜の都でもさまざまな陰謀が繰り広げられている。
もちろんメビウス達もそんな中で生活しているのである。
まあ、今二人が喧嘩している理由はまったく違うが・・・・・・
「何度言ったら私の皿から勝手に食べ物を奪うような行為を止めるんですか!」
「奪われたくなかったらなんとしてでも守りきったらいいだろうが!」
メビウスの言い分は少し、いやかなり変だが常にサバイバルの中で生き続けてきた
彼の言い分としては正しいのであろう。
「・・・・・・もう少し静かにできないか?」
ラーが冷たい目をしながら二人に言うが、
「ラー、これは死活問題ですよ!」
「どうでもいいけど俺のやる事に文句つけるな!」
「文句つけられるような事するあなたが悪いんです!」
再び口論をし始める。
周りのもう結構ななじみある客達は
『ああ、またか』という風体でいつも通りの食事を堪能している。
どちらにしても裁きが下されるのは知ってるから・・・・・・
ゴン!ゴン!
かなり痛そうな音がして二人が沈黙する。
その後ろにいる一人の少女。
「いい加減にしてよね毎朝毎朝、メビウスさんもシルさんも懲りるという事は知らないの!?」
この宿屋兼食堂の女将のような存在である少女である。
名前はウゼル。
赤い髪と青い目という稀な組み合わせを持つエルフの血を少し受け継ぐ人である。
そう、まだ少女と言っても差し支えない年齢である。
13にして事故で両親を無くし、あまり有名でなかった宿『スプリン』をたった二年で水竜の都有数の宿屋に仕立て上げた少女である。
今は16。
色々な人々と共にうまく生活しているのである。
まあ、一つ彼女にも欠点があるが・・・・・・
彼女はラーの前にコーヒー(ブラック)を置くと、
「じゃあ、ラーさんはゆっくりしていてもいいですよ。私ラーさんのためなら・・・・・・うふっ」
そう言ってにっこり笑う。
流石にラーは顔を強張らせながら笑うとそのコーヒーをゆっくり飲み干した。
彼女の一つの欠点、分かってもらえたと思うがレズなのだ彼女は・・・・・・
最初言われた時にはラーは流石にコーヒーを噴き出し、慌てて部屋に逃げ帰ったが今では噴き出す事も無く落ち着いている。
鳥肌は立っているが・・・・・・
「・・・・・・どうでもいいけどさ、いい加減それでブツのはやめてくれない?」
メビウスが叩かれた頭をさすりながらウゼルがもっているフライパンを指した。
シルは流石に倒れたままである。
なぜメビウスが倒れないか。
ただ単に彼が石頭なのでは無い。
彼はラーにもシルにも秘密にしているが完全な生身の身体では無いのだ。
サイボーグ。
それが彼に合う言葉の一つである。
彼は五年前ある事故で身体の80%を吹き飛ばされ、今でも生身の部分は40%近くしかないのである。
他の部分は数々の秘密などが隠された機械などである。
それでも、生身の部分はやはり生身だが・・・・・・
「メビウスさんが懲りてくださったらね」
ウゼルがそう言うと倒れているシルのほうを見・・・・・・
瞬間、ラーがシルを抱えて部屋に逃亡する。
その速さ疾風の如きである。
「ちっ」
ウゼルのそんな声を聞いたような気がしながら、メビウスは食事代を払いラー達の部屋に向かったのである。



「・・・・・・それで、調べの方は進んだか?」
気絶しているシルを介抱しながらラーがメビウスに聞く。
「いや、全然だ」
そう言うと共にメビウスはもう一つ開いているベットに身体を投げ出した。
「まったく厄介な依頼を受けたもんだ」
そう言うとメビウスは目を閉じて依頼内容を回想し始めた。
依頼主は水竜の神殿を管理している司祭長からだった。
古くから伝わる歌の謎解きをして欲しい。
依頼はそんな物だった。
今まで何人もの人々がその謎に挑戦し、そして解けなかったと言うのである。
彼らはこの依頼を受ける前に一つの難しい依頼をこなしていた為この依頼が回ってきたのだ。
「しっかし・・・・・・どう言う意味なのかさっぱりだぜ」
「そうだな」
メビウスが呟くと何時の間にかメビウスの傍に来ていたラーが同意し歌い始める。
「大いなる、石版の中央で、百回目の晩餐に、眠りし竜が身動きし、暗き太陽がやってくる。
  暗き太陽昇るとき、眠りし野望は封を解き、悲しみの歌を乗せてくる。
  悲しみの歌は水に落ちた波紋の如く、あらゆる場所に移るんだ。
  明るき光が満ちる時、聖なるベールが都を包み、悲しみの時は終わりを告げ、また遥かの彼方で待ち続く。
  今の時を生きる人、哀れなり生きるもの達よ。輝きの泉で待ってるよ、君と出会うその時を・・・・・・。だったな」
「ああ、そうだよ」
メビウスはそう言って立ち上がると何度も見ている町の地図を広げる。
町は完全な円で中心には水竜神を祭る神殿が建っている。
神殿から町を守る城壁までの距離は三キロ。
そして、神殿から東西南北に向けて道が伸びている。それがメインストリートだ。
そして、そこから色々なわき道があるのだ。
治安維持隊の詰め所は東西南北の城門の端に位置し、かなりの警備力を誇る。
町の治安はそのおかげでかなりいい。
司祭長からの依頼は丁度水竜神が祝福を与えてから
一千年目を祝う祭りまでに解決してほしいという事であった。
その祭りは後10日。気の早いところではもう準備が進められている。
しかし、調査は一行に進まない。
この話は民謡のようになってこの町ではかなり有名なのだが、作った者達どころかいつ作られたかも分からないのである。
「まったく手がかり無しって分けだ」
そう言うと共にメビウスはもう一度身体をベットに投げる。
「・・・・・・後十日ある。それまでにどうにかすればいい」
ラーはそう言う。
「・・・・・・そうだな」
メビウスはそう言うとすくっと立ち上がり、
「神殿の方に行ってくる」
そう言うと共にドアを閉めた。
「・・・・・・私もさっさとシルを起こしていくか」
そう言うと共にラーはシルの方に向き合った。



ラー達から離れたメビウスはいつも通り神殿に入り、いろいろな人々に話しを聞いていた。
属に言う聞き込みである。
彼が女性に丁寧に聞くと、大体が色々としゃべってくれるというわけだ。
・・・・・・まあ、本人はそれに気づいていないが・・・・・・
「へ〜、ここは改装してるんだ」
今日も一人のシスターに話しを聞いているメビウス。
「ええ、数十年前に大聖殿の床に大きな穴が開いて、それを塞ぐ為に改装したんです」
ほんのりシスターの顔が赤い。
「それと噂なんですけど」
シスターがトーンを落とす。
「何?」
メビウスもつられてトーンを落とした。
「その時に下に大きな空間があったらしいんですよ。でもその時の司祭長、あっ前の司祭長ですけどね。
  その人はその空間を埋めずに床だけ修理したと聞いたことがありますよ」
「ふ〜ん、ありがとう。ついでだけどその大聖殿って言うのは?」
メビウスがにっこり笑いながら聞くと、シスターはかなり顔を赤くし、
「あ、あそこに見える鐘つき堂の下にあるのが大聖殿ですけど・・・・・・今は立ち入り禁止になってますよ。
   鍵は確か司祭長が持ってるって言うもっぱらの噂ですけど・・・・・・」
シスターは顎に手を当てながらそう言った。
「そうですか・・・・・・」
メビウスはそう言いながら頭の中の記録装置に今の情報を記録し、
『全司祭長が何かを知ってるかもしれない』
メビウスは頭の中でそうインプットすると、しばらく他愛ない話しをしてシスターと別れた。


「ふ〜、疲れた」
そう言ってメビウスは神殿から少しはなれた場所にあるベンチに座る。
「もてるなお前も」
メビウスが悩んでいると突然ラーが現れた。
「うん?どうした?」
何も気づいていないメビウスはラーに聞き返すが、
「いや、何も無い」
そう言って目を外すラー。
「?まあいいけど・・・・・・いい情報って言うか手がかりがやっと手に入ったぞ」
そうメビウスは言うと、一枚の紙をラーに渡し、
「エア・アイズ・オンリー」
そう伝えた。ラーはこくりと頷きその中身を読む。
しばらく沈黙が続き、
「解かった。しかし、調べる必要も無いな」
そう言ってラーが手に持っていたものをメビウスに渡す。
「うん?」
そう言って受け取ると共に彼は目を細くした。
『誰かに盗聴されている』
そう渡されたジュースのボトルに書いてあったのだ。メビウスはラーの方を見ると、
「ああ、そうだな。じゃあ俺達はしばらく休むとするか」
そう言うと共に一枚の紙を取り出してすばやく一文を書く。
『しばらく歩こう。詳しくは今夜部屋で・・・・・・』
ラーはそれを見ると共に紙を受け取り、
「ああ、そうだな」
そう言うと共にその紙を燃やした。
「それじゃあ行こうか」
そう言うと共にメビウスが立ち上がる。
「そうだな。久々のデートとしよう」
ラーが目で合図する。
つまり、話しを合わせろと言っているのだ。
「そうだな」
そう言うと共に手を出して身体を寄せて恋人の風を装いながらメインストリートを歩き始める。
「後ろについてきてるな」
ラーが小声でメビウスに言う。
「何人だ?」
メビウスも気配を探ろうとしながらラーに小声で聞く。
「大体3、4人だろう」
「了解」
そう言うと共にメビウスは目を細め、いつでも自分の短剣が抜けるように準備する。
「・・・・・・あの細い左側の角が行き止まりだ」
「了解だ。『影』の準備を」
ラーが小声でメビウスに指示し、メビウスが小声で返す。
そして、二人はその角を曲がり、瞬間、後ろからついていた何人かの人影が一斉に動いた。
人影は人ごみを縫うようにしてその角に向かい、
「火炎球!」
その行き止まりの角に向かって四つの『火炎球』が放たれた。
もちろんその一角は火に包まれた。
人ごみに悲鳴と罵声が飛ぶうちに、その人影はパニックに陥っている人ごみに紛れてどこかに消えた。
「・・・・・・まったくなんちゅう無茶を・・・・・・」
「流石にいきなり火炎球を放つとは思わなかったな」
メビウスとラーはその様子を上から見ていた。
簡単な仕組みである。
まず路地にはいると共にメビウスが飛行を唱え、ラーが光を屈折させてまるで路地に二人がいるかのように仕立てたのである。
『影』と呼ばれる魔法の一種である。
そのため、二人は狭い飛行の中でも腕を組んでいるような状況だが・・・・・・
「しっかしまあ、また厄介な依頼のようだな」
「まったくだ」
メビウスとラーはため息をこぼした。



                               続く


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    闇:という訳で今回は謎解きって言うかなんと言うかが
       今回のドラグーンの依頼です
   ファ:さて、終わるまでに何年掛かるかな
    闇:掛かりません!
   ファ:本当に?
    闇:一応全てのシナリオはできてます!
   ファ:・・・・・・ほう、珍しい事もあるもんだ。明日は雨だな
    闇:ふええーん。ファクト様がいじめる〜
   ファ:しかし、ほんとのことだろうが
    闇:・・・・・・(反論できない)
   ファ:・・・・・・それでは、今回はこれにて
    闇:次回(?)をお楽しみに、それでは!