過去と現実W




 闇:この章でメビウスがどれほどまでルキーナを思ってたかが分かります
  ファ:ほう
   闇:それではいきます〜


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           W、愛してるから・・・・・・殺したいほどに・・・・・・




翌日・・・・・・
あっちゃこっちゃを怪我しながらもメビウス達は生きていた。
まあかなり被害は酷いが・・・・・・
「痛い〜」
「・・・・・・立てない」
「あがががが・・・・・・」
「・・・・・・すまん。少し暴れすぎたかも知れん」
ちなみに上からシル、クレイ、メビウス、ラーの順である。
なぜか一番被害を被っているのがメビウスである。
とりあえず魔法でメビウスを回復させて四人は屋敷から宿屋に戻った。
一応今後の対策を練るためだ。
しかし、この時点で彼らに選択権は無かった。
「手紙をお預かりしております」
宿屋に帰ってくるとともに届く一通の手紙。
「ごくろうさん」
そう言うと共にメビウスはその手紙の宛名を見・・・・・・
「なるほどな・・・・・・挑戦ってことか」
その手紙の宛名は・・・・・・ヴィソール=ウル=デスと書かれていたのである・・・・・・


「ターゲットは私たちと言う事ですか」
「いい度胸してるな〜」
シルとクレイがそう言う。
手紙にはこう書かれてあった。
『暗黒の夜に抱かれし時にて、貴殿ら四人の炎が消える』
暗黒の夜・・・・・・つまり新月の日だ。
新月の日まで後二日・・・
・・・メビウス達はこうして部屋で作戦会議のようなものを開いているのである。
「・・・・・・ふん。返り討ちにしてやる」
ラーが物騒な事を言うが、
「・・・・・・」
メビウスは無言で立ち上がる。
「どうしたのメビウス?」
シルが聞くと、
「いや、ちょっとばかり装備を整えようと思ってな」
そう言うと共にドアから外に出て行った。
「う〜ん、そうだね。そろそろ装備をちゃんと整えないといけないね。というわけで僕もちょっと出かけてくる」
そう言うとクレイが立ち上がり部屋から出て行く。
「・・・・・・」
後に残った二人は不気味な沈黙を残し・・・・・・
「・・・・・・装備を整えに行く」
ラーがそう言うと共に出て行った。
残されたシルは・・・・・・
「いい加減素直になりなさいよね。それで無くても嫌な予感がするんだから」
そう言うと共に自らもザッハトルテを取りに馬車へと戻った。


メビウスは後ろからずっとつけて来る視線を無視しつづけていた。
宿から出てからずっとつけているのである。
もちろん撒こうとは思っているのだが、そのたびにちゃんとつけて来るのである。
『相当な実力者だな。暗殺者で言えば超一流って所だな』
暗殺者にもちゃんとランクがある。

三流・・・・・・黒い服を着て夜にしか活動しないような下級レベルの連中である
二流・・・・・・町の中で普通に活動する少しなれた連中である
一流・・・・・・ほとんどの依頼をこなし、普通に生活していたりするような連中である。
超一流・・・・・・依頼の成功率は約99%より上で
闇から闇に消える伝説とも言われる暗殺者達である。
はっきり言って超一流の腕前になると
それこそ伝説や幻とまで言われるような存在になる。
ヴィソール=ウル=デスもその伝説や幻レベルである。
つまり、ついて来れるとしたら同レベルかそれ以上かなのだ。

『一体何処のどいつかは知らねえが・・・・・・これ以上ついて来るというなら・・・・・・』
彼はそう心の中で決めると共にすぐさま走り出す。
後ろの目線の主も彼を追いつづける。
そして・・・・・・彼は行き止まりの角にはいると共に身体を反転させてすぐさま後ろを向く。
もちろん撃退の体制をとって・・・・・・
追ってきた人物は一瞬躊躇ったがその一角に顔を出し・・・・・・
メビウス・・・・・・いやサイレンスは愕然とした。
そこで見たのは・・・・・・
一年前に自らの腕の中で死んだ女の顔だった。


メビウスは撃退の体制を崩してなかった。
そう、彼女は死んだのだ。
目の前にいるのは彼女では無いのだ。
「何の真似だ」
サイレンスが声を出す。
剣の柄に手が掛かっているが抜いてはいない。
「なによ。久々ねサイレンス」
ルキーナの顔をしたものが言う。
「・・・・・・」
サイレンスは無言だ。
彼自身彼女が本物では無いということは嫌と言うほど分かっているのに生きていたのでは無いかと思ってしまうのだ。
「・・・・・・」
二人の間に無言が続き・・・・・・
「・・・・・・合言葉は?」
サイレンスがそう言う。
ルキーナは一瞬肩を竦めた後、
「まったく、何でそう疑い深いの?」
そう言うがその後に言葉を続ける。
「『黄昏と暁の間に』ね」
「そうか・・・・・・」
サイレンスはそう言うと共に呪文を唱え・・・・・・
「螺旋斬!」

ドゴオオオオオォォォォォ・・・・・・

その一角が魔法によって吹き飛ばされた。
「な、なによ」
いきなりの事で驚くルキーナの顔をしたものしかし、大爆発があったのにその身体は無傷だ。
もちろん人間では無い。
これは影なのだ。
その影は相手の思う姿となる特殊な魔法によって発生しているのだ。
「最後に教えてやる!ルキーナと俺との合言葉は俺がルキーナに思いを伝えた時の言葉だ!」
その瞬間、影が驚きを露にする。
しかしサイレンスはそれを見ずに早々と呪文を唱える。
「永遠の中に眠りし、竜機の神よ、今こそ汝が右腕に、その忌々しき命運尽きはつまで、大地の底に眠りし、
  孤独なりし始まりのものなり、さすれば我は求め導こう者なり、
  食らえ大地の力似て、我等が前に立ち塞がりし、全てのものを、その一撃をもちて、葬り去らん為に!」
その瞬間、彼はキル・ソードを抜き放つ。
瞬間的に暖かな光がキル・ソードに圧し掛かり、
「ソロ!」
メビウスが魔法を解き放ち、影はその魔法とともに消えた。
メビウスはその様子をじっと見た後に悔しそうに歯噛みし、
「ぜってえ許さねえ・・・・・・殺してやる・・・・・・」
そう言うと共に人が集まってくるであろうその場所からすぐさま離脱した。



                                    続く



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  闇:タイトルが実は合言葉なんです
  ファ:というと?
   闇:えっと、サイレンス君は素直になれなくて、
     ルキーナを目の前にして刃物を突きつけて
     『俺が死ぬ時はお前が死ぬ時でもある』って言ったんです
  ファ:・・・・・・
   闇:まあ、その後にルキーナが
     『じゃあ、私の事を愛してくれてるのね。殺したいほどに』
     って言ってくれたから二人は結ばれたようなものです。
  ファ:・・・・・・もうどうでもいい
   闇:さて、そろそろクライマックスに近くなってきましたね〜
  ファ:知らん
   闇:・・・・・・ヴィソール=ウル=デスの名を名乗る人物とは?
     ・昔の合言葉を知っているという事は?
     ・そして、予告編のあの最後のシーンとは!?
  ファ:・・・・・・興味が無いな
   闇:・・・・・・しくしくしく。
     それでは、次回、過去と現実Xにて会いましょう。
     それではこの辺で・・・・・・
  ファ:さよなら〜