梓:ふふふ、何気に続くゆっくりまったり気長連載「ご」です。
今回のサブタイトルは!!「〜宇宙の姫様、登場の巻!〜」でいきます!!
L:早く私を出しなさいよ。
梓:うーん・・・L様は話的にもう少し後になると思います。
ではいきませう!!
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「確かにユニットなら適任ね。・・・でも羨ましいわ・・・」
Lは最初はうんうんと頷いていたが少しすると、ふぅ、と溜息をついた。
鏡の中に映っているのは、Lと同じ金髪金眼の大事な弟。
そしてその周りには、結構気に入っている栗色の髪をした女魔道士、
金髪碧眼の青年、部下の上司よりは使える紫髪の魔族、そして今問題になっている
者の部下である真っ青な髪と瞳をした男と、茶髪茶眼の男が映っている。
「はぁ」
「L様、ディース様の所に行きたいのなら、早くダークスターのお仕置きを
終えられたらどうですか?さっきから見てましたけど・・・彼、数時間前から少しも動いていませんよ?」
側近の部下に言われて、そこで初めてLはちらっと床を見た。
黒い服を着た男がぐったりとして倒れている。
それを見たLはとても情けなく感じた。
「・・・はぁ・・・」
Lはもう一度溜息をついてから、手に持っていた大鎌を下ろした。
ぐさっ!!
振り下ろした鎌の先で、何かに刺さる音がしたが気のせいだと思いたい。
月光王 其の5
「おォ、ルスタじゃねぇかァ。どうしたんだァ?これは俺の仕事だろォ?」
後ろからかけられた声に、デリタは驚いた顔をして体ごと振り向いた。
そこには、デリタと同じ神官服を着た茶髪茶眼の不機嫌そうな顔をした男が立っていた。
ルスタ、と呼ばれた男はさらに不機嫌そうな顔をする。
「さっさと始末してしまえばいいものを、何をのん気に遊んでいるんだ」
「俺だってよォさっきの1発で殺そうと思ったんだぜェ?なのに避けちまうんだもんよォ」
「ならばさっさとしろ!おいそこの貴様!何故人間ごときに味方する!?」
ルスタに一喝されてデリタは渋い顔をした。
それを見てから、ルスタは虚空に浮かんだままのゼロスを睨んだ。
ルスタの問いに、ゼロスは普通に答える。
「おや、味方なんてしてませんよ?
・・・僕達は、ただあなた方にお帰りいただきたいだけなんですよ。・・・ここは、僕達の世界なんですからね」
そんなゼロスの言葉に、ルスタはピクリと眉を上げたがそれだけで終わった。
2人は睨みあう。
「ルスタァ早く終わらせようぜェ」
しかし、緊張感のないデリタの声にルスタは眉間に青筋が走ったが、いらいらと
デリタの頭を叩きながら、睨みあっていたゼロスから目線を外した。
そして何かに気がついたルスタが素早く動いた。
「きゃあああっ♪!!」
「ひ、卑怯です!!」
アメリアが怒声を上げる。
素早く動いた先のルスタの腕の中に、黒髪をポニーテールにした、10歳くらいの1人の少女が捕まっていたのだ。
何故か、辺りに響く悲鳴が楽しそうに聞こえるが。
その少女に目線を向けたディースが、懐かしさに「あれぇ?」と目を丸くする。
対してリナ達はルスタの企みを見抜いたのか、顔を青くした。
ルスタは自分の手を腕の中の少女の頭にと向ける。
俯いているので少女の顔は見えない。
「動いたらこいつを攻撃する。デリタ、やれ」
「えェー・・・でもォ、俺はそーゆーの嫌いなんだけどなァ・・・」
「やれ!!」
「ふゥ・・・分かったよォ・・・」
デリタがリナ達の方を向く。
少女に対するルスタの行動は本気だ。
動く事が出来なくなってしまったリナ達は奥歯をかみ締める。
ゼロスは動かない。
街の一角を吹き飛ばした先ほどの白い光を、手の平に集めていく。
ふいに、呆れた声がした。
「君達、礼儀悪すぎだよ。あまつさえその人を人質にするなんてね・・・」
声の主は、ディースだった。
いつもの穏やかな顔をしているが、手には銀色の宝玉がついた金色の杖を握っている。
しかし、声をかけた場所はリナ達の隣からではなく、ルスタの後ろから。
振り向いて驚きの声を上げるまでの、その数秒をディースはルスタに与えなかった。
ドンッ!!
「・・・ぐっ・・・ぁぁああああっ?!!!」
たった1発だけ。
たった1発の銀色の魔力弾を背中に喰らっただけで、ルスタは苦痛に叫んだ。
その隙に、少女はルスタの腕から抜け出してディースの隣まで歩き寄っていく。
リナ、ガウリイ、アメリア、ゼロス、デリタはその光景を見て唖然としている。
酷い苦痛に顔を歪ませながらルスタはディースを睨む。
「・・・き・・・貴様・・・何だその魔力は・・・!?な、何故ただの魔力弾がそんな力を持っている・・・!!」
「知る必要はないよね、それじゃあ」
さらりと言ってディースはさらにもう1発、杖から銀色の魔力弾を放つ。
しかしその魔力弾の威力は先ほどと同じくらいのようだったが、大きさが違った。
大人1人くらいが包み込まれそうなくらいの魔力弾。
ダメージが大きくて苦痛に耐えていたルスタには、当然避けれるはずも無く。
銀色の魔力弾が体に当たった刹那。
ルスタは跡形も無く混沌に落ちた。
「・・・うわォ・・・」
呆然としてデリタは呟いたが、すぐさま我に返って慌て始めた。
「あいつすっげェ!!闘ってみてェけど今日は退散ッ!!」
そして虚空に消えてしまった。
しかしゼロスは後を追う事は出来ずに、ただ呆然とディースを見つめている。
だが、注目の的になっているディースはにこにこと少女と話をしていた。
捕まっていた少女も、これまたにこにことディースを会話している。
「それにしても久しぶりねぇ、ディース♪シャディの所でも元気にしてた?」
「もちろんだよ♪あ、もしかして姉様と兄様の頼み?」
「えぇ♪」
静まり返った全員の中で、2人の楽しげな会話は終わらなかった。
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街は外部にバレないように結界が施されていただけなのか、ゴーストタウン化していた。
無人の宿を見つけ、リナ達は仕方なく今日はここに止まろうと言う事になった。
「どうも初めまして、宇空菫です。すみれでいいわよ♪」
ディースの知り合いと言う事ですみれ・・・もといユニットも、旅に加わる事になった。
何故かその少女の雰囲気は、10歳という感じではなかった。
そして、夜。
皆が寝た後で、ディースは宿の屋上に座って1人でのんびりと満月を見ていた。
そんなディースに声がかかった。
「こんばんは、ディースさん」
「やぁ、ゼロス。君もお月見しに来たの?」
「いいえ」
穏やかな問いかけにゆっくりと首を横に振る。
「・・・あなたが一体何者か・・・それを聞きに来たんですよ」
「知りたいんだ?」
くすくすと笑うディースを見てから、ゼロスはディースの隣に腰掛ける。
「別にいいけど報告しちゃ駄目だよ?」
ゼロスは開眼はせずに、微笑した。
「何故です?」
「だってもし言っちゃったら、ゼロス、お仕置きされるよ?L様とK様とユニット様に」
「・・・え・・・?」
「僕はディース=コズミット。L様とK様とユニット様の、弟みたいな存在♪」
「・・・え・・・!」
え、としか言葉に出せないゼロスは、だらだらと滝汗を流しまくっている。
その様子を面白そうにディースは見ている。
「あの・・・と、いう事は・・・あの・・・でぃ、ディース・・・様・・・ですか・・・っ?!!」
座ったままでつるんじゃないかというくらい、ゼロスは背筋を伸ばした。
ディースは片手をひらひらと振ってもう1度言った。
「上に報告しちゃ駄目だよ?」
「はっはい!!言えませんもとい言いません!!」
「くすくす、言葉は普通に戻しといてね」
そしてディースは微笑して、また満月を見上げて眺め始めた。
隣には滝汗を流し続けるゼロス。
そしてもう隣にはいつのまに来たのやら、ユニット。
ゼロスは、まだユニットの存在に、気がついていない―――。
宇空すみれ、ユニット=ユニバース。
彼女はLとKと同じ存在。
―――宇宙の姫である―――
−続くー
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あとがき:
梓:さようならルスタさん一発伽羅。
K:・・・身も蓋もないな・・・。
まぁ、知らないとはいえユニットに手出ししたのだから仕方ないだろうな。
梓:当たり前です。ちなみにデリタさんはまた出す予定だったり。
・・・あまりにあっけなさすぎて、活躍していないような気がするのは何故?
それでは「ろく」まで、皆さんさようならっ!!
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管理人よりのあとがき:
んふふふふ。スミレちゃん登場させてくださったのですv
人様に気に入ってもらえて使ってもらえるのがかなりうれしい薫ですv
何はともあれ、次回6です。ゼロス君・・・ふぁっいとv(まて)