梓:そして伝説に・・・なりもしない駄文のゆっくりまったり気長連載「さん」更新です!!
L:長いわよ。せめて「駄連」にしなさい。
梓:いやそれは(汗)もはや何の略なのか分かりませんよ、L様・・・。


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 「K様!!K様大変ですぅうううう!!!!!!!!!!」
 「どうした、ロウェナ」
 ばたばたと慌てて走ってくる部下に、Kは怪訝な顔をして振り向いた。
 同僚の部下たちも、いつも冷静沈着で落ち着いているロウェナの
 慌てぶりに首を傾げる。
 Kの前まで来るとロウェナはぜぇはぁと肩で息を整えてから書類を引っ張り出す。
 「ほ、報告、し、します!!クリスは・・・すでに赤の世界にいるという事です!」
 かすかだがぴくりとKの眉があがる。
 他の部下達はあまりの事の大きさに驚いて、無言になってしまった。
 「・・・なるほど。ロウェナ、もう少し詳しく」
 「は、はい!!」
 そして、時空宮の中は一時騒がしくなっていく・・・。

           月光王   其の3



再会したフィルは変わりなく、いつものドワーフか山賊と間違えられそうな体で
アメリアの説得、というか
「リナさん達とまた旅に出て正義を広めてきます!!」
という言葉1つに
「うむ頑張ってくるのだぞ!!」
とだけ言い、後は大きくがっはっはっ!!と笑っていた。
リナとガウリイがフィルの性格を分かっていたので
「(・・・おいおい・・・)」
とか思いつつ、そしてそれを笑って見ているディースと一緒に、黙ってその光景を見ていた。
旅支度を終えたアメリアに、リナは聞いた。

「行事はどうするのよ」
するとアメリアは、えっへん!!と大きく胸を張って言ってのけた。
「丁度帰って来た姉さんに全部押し付けてきちゃいました!!」
「いいのか?それは」
その威張りっぷりに対してガウリイが苦笑して突っ込むと、アメリアは頷いた。
「いいんです!姉さん、ずっと道に迷ってばかりで私に押し付けてたんですよ?
  ようやく家に帰ってこれたんですから、少しはやってもらわないと!!」
アメリアは言うが、それのどこまでが少しで全部なのかは計り知れない。
「道に迷ってばかりって・・・」
呟くリナ。
ふと嫌に聞きなれてしまった高笑いが聞こえてきた気がして、ぶるりと頭を振った。
「気のせい気のせいありえないありえない聞こえない聞こえない」
「・・・くすくす・・・リナ?どうかしたの?」
耳を塞いでぶつぶつ言うリナにディースが聞くが、リナは何でもないと答える。
リナは思いたくなかった。
かつて出会ったあの悪の魔道士スタイルのはちゃめちゃ姉ちゃんが、アメリアの姉なのだと。
しかしそこで考えを終わらせてしまった、リナは、甘かった。


「おーっほっほっほっ!!アメリアってば・・・もっとおおまかな仕事だったら良かったのに・・・
  どうしてこんなに細かくて地味で疲れる仕事ばっかり持ってくるのかしら」

どこかの城のどこかの部屋で、彼女は時折高笑いを上げながらせっせと仕事をしていた。
事実は―――時として残酷なものである。



セイルーンを旅立ったリナ達一行。
森の街道を歩いていると、ふいにガサリ、と茂みが揺れた。
「お
「帰れゴキブリ魔族。って事でルークの恨みだ吹っ飛べドラグ・スレイブッ!!!!!」
ちゅどごぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおんっ!!!!!!!!!!!
キラリ、と空の彼方に星が光った。
いきなりの事に唖然としているガウリイとアメリアの横で、リナはぱんぱんと手を払う。
その見ていない一瞬の隙に、吹っ飛んだ道をちゃっかりディースが復活させた。
そして数分後。
星になった何かのコゲた物体が、ずるずると地面を這いつくばって戻ってきた。
「ひ・・・酷いですよぉリナさぁああん・・・いきなり吹っ飛ばすなんてぇええ(汗)
  それに、あの件はルークさんの意思でしょう?僕は何も関係ありませんよぉ」
「傍観者が何言ってんのよ。それにゴキブリ魔族が1匹滅んでも、あたしには関係ないし。
  でもフィリアだったらかなり喜ぶだろーけどね」
リナが冷たくそうきっぱり言い捨てると、そのコゲた何かの物体・・・
もとい青年はすっかり拗ねてしまって、いじいじと暗く地面にのの字などを書き始めた。
ディースはもちろん、アメリアもその青年を知っている。
紫のおかっぱ頭、人の良さそうな、だがどこか胡散臭そうなにこにこ顔、黒の神官服、
どこにでく売っているような宝玉のついた杖、そしてその声。
そう・・・ゼロスである。
ふいにいじけ終わって顔を上げたゼロスと笑っていたディースの目線が、ぱちりと重なり合った。
一瞬だけその紫の瞳を開眼したが、むくっと立ち上がるとにっこりと挨拶をする。
「どーも初めまして、僕はゼロスと言います」
等のディースも何事もなかったかのように、ゼロスに向かって穏やかに笑った。
「うん、初めまして、僕はディース=コズミット。ディースって呼んで♪」
アメリアやゼロスの2人が、ディースの正体を知るのはいつになるのだろうか。
しかし、そのディースの事。
楽しめないからと、すぐにはバレないようにするのだけは、分かっている。


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「・・・と、いう事です・・・」
報告しているうちに落ち着いてきたロウェナは、その言葉で報告を終わる。
Kは黙ってしばらく何かを考えて込んでいたが1つだけ頷いた。
「・・・ふむ、分かった。ロウェナはヘルガと一緒に引き続きクリスの動きを調べてくれ。
  ゴドリック、君はサラザールと一緒にその仲間と内通者の動きと、私の世界には
  異常がないかどうかを調べてくれ。私はLに連絡する事にしよう・・・」
「「「「はっ!!」」」」
4人の部下が一斉に仕事を開始すると、Kは1つ息を付いてから鏡に向かって話しかける。
「L」
『シャディ。・・・何か分かったの?』
その言葉にKは一通りロウェナの報告を教えると、聞いていたLは怪訝な顔をした。
『・・・本当に・・・何も学ばなかったのね、クリスは』

「どうする?」
『と言っても、あたしは今ディースの所には行けないし・・・どうしようかしら』
「では私の方から最適な者に頼んでおく」
『頼むわ』
そして連絡は途絶える。
Kはいつもと変わらない動作でイスに座り、ちらっと自分の空間である銀河を見つめた。

「・・・そうだな・・・頼むとなれば・・・」


                ー続くー



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あとがき:

梓:ふぅ・・・ようやく「さん」の終わりです。
K:またしりきれとんぼな終わり方を・・・。
  というか・・・まだ許可貰ってないだろうが。
梓:いやぁ・・・あっはっはっ(汗)
  えっと、許可はこれから、なのですが・・・。
  ま、もし許可貰えないとしても他に伽羅は考えてあるので大丈夫ですよ!!
K:そういえば、そっちは許可おりてるんだったな?
梓:はい、さりげなくだいぶ前に。
  いやあ私の考えていたその伽羅がとある私の好きなオリキャラさんと
  性格が結構似てたんですよねぇ。
  ・・・ね?雄馬さんv?(激待)
K:・・・許可おりたとすれば、結局日の目はあびないな・・・。
梓:・・・その子の話は考えてませんからね・・・。
  それでは、いつ更新するか分からない「よん」でお会いしましょう!!