ふふふ。
そろそろクライマックス(?)近し!いくのです!!
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遥かなる記憶の彼方に・・
ばたばたばたた。
「きゃぁぁ!遅れるぅ!」
ばたばたと、長い廊下を走る女性。
その解いた金色の髪が、ふわりと走るたびにたなびく。
「ぎりぎりまで仕事してるから!ミリーは。」
あきれつつ、そんな彼女にいっているのは。
横を同じく走っている紅い髪に琥珀色の瞳をしている女性。
「そんなこといっても。誰もスムーズにこなさないから!」
見ているとあまりの手順の悪さに、ついつい手を出してしまう。
まあ、翻訳の意味合いがまったく逆方向に違うわ。
指定された指示通りのことが、できていないわ。
どうしてそんな簡単なことが出来ないのか。
と疑問にもなるのも当然かもしれない。
しかも。
彼女にとっては、一瞬もかからずに出来ることすらも。
それを数分、いや、数日かけてやっているにも関らず・・である。
「・・・とゆーか、ミリーがすごすぎるんだと私は思うけど・・。」
どうやっても、何においても、かなわない。
彼女・・ミリアムには。
誰もがその思いはみな同じ。
しかも、美人で気立てがよくて、優しくて。
しかも、こんなに美人なのに、恋人は皆無。
彼女に好意を寄せるのは、別に男性に限ったことではないが。
なぜか、一様に、そんな存在達は彼女に声をかける時点で、何か、気後れしましまい。
そままま。
仲間として行動を共にしている。
という現状が、ずっと続いている今の状況。
「え?誰でも普通、一瞬というか、光速の一千分の一くらいの、時間があれば、出来るわよ。」
それくらいの時間で、普通。
軽く、大銀河数億個全ての情報などを処理することが誰でも出来るでしょうに。
などと思っている彼女・・ミリーなのであるが。
それはまず、どう考えても不可能に近い。
その気になれば、本当の一瞬で全てが出来るミリーだからこそ言える言葉でもある。
「・・・・出来ないってば・・・。とゆーか、どーしてミリーはそう、何でもそんなに素早く丁寧に出来るのか不思議よねぇ。」
不思議。
その一言で済ませているというのも、さすがといえばさすがである。
ここに彼女・・ミリアム=フィラが就職して。
はや、約十数年という年月が経過している。
その十数年という年月の間に。
この宇宙空間の全ての銀河という銀河。
そして、惑星など。
今まで、銀河連邦機関ですら、発見してなかったそれらの星系が完全に発見され。
今や、完璧なる、宇宙地図なるものが市販されているのも。
一重に、ミリーの情報の結果だといっても過言ではない。
ミリー曰く。
『星星と空間と、命の声を聞けば何でも誰でもわかること。』
そういって、軽くほんの一瞬のうちに。
それまでまったくの未開の地であった場所なども言い当てて指示しているミリー。
そんな彼女の情報があってこそ。
そのために、その地位が普通の隊員であるにも関らずに。
上層部にも顔が効くまでになっているミリー。
本人曰く。
どうやら、どこまでやったら気付くか。
というところを楽しんでやっているようなのであるが・・。
だが、それでも。
まさか、ミリーの正体が、その『姫』当人だと。
気付いているものなど、未だかつて・・・誰もいない。
何らかの関りのある人物ではないだろうか?
という意見がもっぱら『上』の意見。
だが、そんなことは。
当然のことながら、ただの普通の隊員たちなどには知られているはずもなく。
今日も今日とて。
いつものように仕事をこなしつつ。
そして。
今回、特別に3日間の休みを貰っているミリー。
その直前まで今までミリーは、各種機関の仕事の手伝いなどに、追われていたのである。
しかも。
走りつつも、その片手と、その目の前に。
何らかの書類を手にもち。
そして、その目の前の空中では。
ペンが手をかざさずに勝手に動いて、何かを記入していたりする。
広い宇宙。
どんな『力』を持っている生き物がいても不思議ではなく。
ここ、銀河連邦は。
そんな様々な種族などが集まり仕事をしている場所。
ということもあり、この程度のことならばあまり、気にもされない。
「よっし!完了、これ、あそこの部署にお願いね。」
一般の普通の隊員。
オペレーター部に所属しているだけの、ミリアム=フィラは。
各部署の各種機関などのその指導役も。
今や、まだ入って間がないといっていいくらいの期間であるというのに任されていたりするこのミリー。
どさり。
そういいつつ。
自分と一緒に走っていた、同期である、女性・・・ミメットにと、それらを手渡す。
「・・・・・さすがね。」
走りつつ、それでなくても、数千の部署…
つまりは、今回の依頼されていた、全ての部署の問題点とその対策、などを表記したものを。
ミメットにと手渡しているミリー。
それをみてさすがに溜息をつかずにはいられないミメット。
そんな二人が走っている最中。
やがて。
銀河連邦機関、その入り口に当たる玄関口。
そこまでたどり着いているミリーとミメット。
ここより、手続きを得て、宇宙空間に機動部隊や、
警察、警備隊といった、実際に外にでて行動する隊員たちがここより出発する場所。
そしてまた。
今のように、休暇などで、ここから出るときなどにも利用されている、
この連邦の数箇所に設置されている空港地帯(ターミナル)。
「じゃ、後はよろしくv」
そういいつつ。
軽くその指にはめている指輪を。
軽くなぞり、指を前にと突き出すミリー。
ポムッ!
それと同時に、その瞬間。
ミリーの左手の中指にはめられていた指輪の石から何か、虹色の煙のようなものが出現し。
その煙の中から、そこに今までなかったはずの、一隻の、宇宙船が出現する。
本来ならば、別に物質を媒体とかにしなくても、出現させたりといろいろと出来るのであるが。
そこはやはり、人目があり。
そしてまた。
あくまでも『人』として生活しているからには。
この辺りの無駄なことをするのも結構楽しいし。
そう思って、怪しまれない範囲で様々なことを行っているこのミリー。
・・・・すでに十分過ぎるほどに怪しまれているのだが。
まあ、それは、ミリー本人も分かっていること。
ミリー・・・彼女、宇宙の姫と呼ばれる彼女は。
彼女には分からないことなど、何一つとして存在しないのであるからして。
「じゃ、いってくるねv」
軽く手を上げ、乗り物に乗り込む。
「時間・・大丈夫?」
確か、予定というか、聞いた範囲では。
そろそろというか、もうその日付になっているような気がするのは気のせいであろうか。
ミメットの言葉に。
「大丈夫よvたとえ、一秒前だったとしてもねv」
「・・・・・・・・・・。」
いや・・・だから。
どうして、そんなに短い時間中で、一瞬にしてワープとかができるのよ・・。
その言葉にしばし沈黙し、黙り込むミメット。
クス。
そんな彼女の心情は手に取るように分かるミリー。
「気にしない、気にしないの。」
クスクスクス。
クスクス笑い、そのまま、船に乗り込み。
コックピットの席にと座り。
「こちら、ミリアム=フィラ=ノクターン。休暇のため、外にでます。」
通信機器を作動させる。
ピピ。
― 了解しました、ハッチを開きます。 ―
この声に応じて、官製室から指示が飛び。
目の前にある、壁というか、普通の時空にと続く道が開かれる。
ここは、多種多様とある様々な機関があるために。
そのために、普通の通常空間とは少し異なる位置にある場所だからして。
ヴン。
そのまま、道が開いたのを確認し。
「出発、進行v」
何もパネルとか何も操作してないのに。
ミリーの言葉に応じて。
グン・・・。
ミリーが乗っている小型の宇宙船は動き出す。
周りに点滅する光を道しるべに。
そのまま。
音も立てずに、宇宙の深淵の空間に滑り出して行く。
「さて・・・と。ワープ!」
とりあえず。
今はまだ。
見られている範囲。
それゆえに、怪しまれないように、通常のワープ航法に入るミリー。
光の速度を越えた移動方法により。
より、早く、瞬間的に近い時間で遠くに隔てた空間を移動する方法である。
「そろそろ、いいわね。」
クスリ。
周りはすでに通常空間ではない。
ここで何をしても、まず気付かれる心配などはない。
まあ、その気になれば、何処でも気付かれないように、行動するのはミリーにとっては簡単なのであるが。
そのまま。
パチン。
船のコントロールパネル部分。
・・・・実際は形だけそう見せかけているだけなのであるが。
この船の動力は、ミリーの力というか、精神そももの。
この船は、生き物の精神力のみで動く仕組みに作られている。
未だにその製法が確定してないこともあり。
ミリーはカモフラージュとして、普通の船のように見せかけているだけのこと。
そういつつ、軽く笑みを浮かべて。
軽くとある部分をなぞる。
その刹那。
ポシュ。
そのまま、まるで。
陽炎のようにミリーが今まで乗っていたはずの、それは瞬く間にそこから消失し。
煙のようになったそれが。
ミリーがはめている指輪の中にと入り込んでゆく。
揺らめく光の空間の中、佇むミリー。
普通、何もつけずに、生身一つで生きていられるはずがない。
ここは、普通の宇宙空間ならまだしも。
その宇宙空間を構成しているとある物質も、ない場所なのだからして。
光の速度を越えた場所に位置している、とある空間。
普通、そこにどんな存在が入り込んだとしても。
まず、何も身に着けてない場合は間違いなく押しつぶされる。
その『力』に耐え切れずに。
最も、『彼女』にとっては、そんなことはまったくといっていいほどに関係ないのであるが。
「さて・・・と。ここで着がえておきますか♡」
そうつぶやくと同時に。
ふわり。
ミリーの体が一瞬淡い光に包まれる。
その刹那。
何もしていないのに。
青いドレスにとその服装を変えるミリー。
胸元にペンダント。
腕にブレスレット。
質素だが、彼女が着ると、まるでどこかのお嬢様。
そんな雰囲気の服装にとその容姿を変えているミリー。
別に彼女にとって、服装などを変えるのはたやすいこと。
まあ、元々が。
この体そのものが、彼女の力をもってして、具現化しているようなものなのだからして。
そしてそのまま。
その空間にいるはずのない人影・・つまり、佇んでいたミリーは。
「さって。じゃ、いきましょv」
くすっ。
そう笑ったその刹那。
シュン・・・。
そこから、何事もなかったかのように。
完全に消えうせていた。
ザワザワザワ。
「よっと。」
地下の駐車場。
人気のないのを確認し、そこにと出現する。
上の方では、人がたむろしている気配がある。
今日は。
ここ、ミリーが育った惑星のとある場所で。
ミリーの妹であるミレアの結婚式が行われるのである。
そのまま。
何事もなかったかのように。
地下から一階にと、移動してゆくミリー。
チン。
エレペーターに乗り込み。
移動する。
「あ、ミリー!元気だった!?」
懐かしい声。
「きゃぁvルビ、久しぶりぃv」
そういって元気よく手をふるその先にいるのは。
ミリーの幼馴染でもある、真紅の髪に真紅の瞳。
その長かい髪を後ろでみつあみにして一つにまとめている。
彼女の名前をルビー。
ミリーの幼馴染であり、この星の今や最高責任者。
引退した父親に代わり、この星を治めている。
みれば。
その年齢からして。
「うーん、ルビ、歳とったわねぇ。その細胞における老化現象とめればいーのに。」
目の前にいる、すでに三十に近い年齢と同じく。
昔の面影を残しつつ、成長しているルビをみつつ。
軽く何でもないようにいっているミリー。
「・・・・・普通できないって・・・。ミリーはかわらないわね。」
ルビーの目の前にいるミリーは、あの当時のまま。
少しは大人びてはいるものの。
学園を卒業してからそのままの姿。
そのまとう雰囲気などがかなり磨かれて。
黙っていても、何か神秘的な感じの雰囲気になってはいるものの。
まず、並んでいて、同い年だととは、誰も思わない。
ミリーの見た目は、どうみても、二十歳前後。
対するルビーは三十前後。
実際に、ミリーもすでにそんな年齢なのであるが。
まったくそんな感じは微塵も感じさせないミリー。
「あら、出来るわよ。あんなの簡単よ。まず、いーい?細胞における、成長過程を・・。」
「・・・・出来るの一部の存在だけだってば・・・・。
ま、とりあえず、おめでとう、ミリー。でも、妹に先をこされちゃったわねぇ。」
そういいつつ、クスリと笑うルビ。
「あら、私は結婚する気ないわよ。」
そもそも。
ミリーが結婚して、ノクターン一族が安泰したら。
そろそろ正体を見極めるために周りが騒がしくなってきているから。
一度姿をここから消そうと考えているミリーである。
「まぁたそんなことをいって。少しはマリアさんとかを安心させてあげなさいよ。」
マリアというのはミリーの母親。
もともと体が弱かったということもあり。
今は家でゆっくりしているミリーの母親マリア。
「・・・・分かってるってば。」
マリアの名前を出されて、少し塞ぎこむ。
・・・・・分かっているのだ。
いや、本当は・・・・。
「・・・・・・・・・・本来なら、妊娠した時点で・・・・マリアは・・・・。」
そう小さくつぶやくミリーの言葉は。
歩き始めたルビーの耳には届くことはなく。
「ほら、ミレアちゃんがまってるわよ。ミリー。」
「あ、まってよ。ルビー!」
先を歩くルビーを追いかけるミリー。
本来というか、ミリー・・いや、『彼女』がここに来なかった場合の運命の時間率。
運命は『彼女』が世界を命を魂を創り出した時点で。
その様々に選択肢があるものの。
一つの道しるべととてとある情報に元づき。
時間は流れていっている。
本来ならば、マリアは。
医者から妊娠は不可能といわれていても、数年後に身ごもり・・・・そして。
赤ん坊共々命を落とす。
それが本来、元々の基本的に定めていた時間率。
だが。
『ミリアム』の干渉によって。
産まれてくるはずのなかった、ミリーの妹ミレアも存在し。
そして今。
あのまま、滅んでしまうはずであった、ノクターン家の血筋は。
マリアの実の娘、ミレアの手によって。
その子供の結婚という形で、未来に受け継がれようとしている。
それは、いつもの気まぐれ。
そのあまりに純粋なる想いを受け入れ。
少しの気まぐれを起こした結果。
「さ、今日は、ミレアの結婚式よ!」
これが終れば・・・・。
後は。
すでに、もう、そろそろ決めている。
ただ。
一応、跡継ぎが生まれるまで、残っているだけで。
名残惜しいのは山々だが。
あまり長居しているわけにはいかない。
・・・もし、自分の正体が上に分かってしまったら。
以前と同じく、『彼女』のために、無駄に命を投げ出す存在がいることを、ミリーはよくわかっている。
何回、諭そうにも、それは彼等はやめる気配は皆無。
まあその本質を完全に理解してないのであるからして。
しかたがないといえばしかたがないのかもしれないが。
ミリーが連邦に就職したのこともあり。
ノクターン一族は、今やちょっとした有名一族となっている。
そのために。
今回の結婚式は。
身内や関係者といった少ない人数で行われることとなっているものの。
それでもやはり。
かなり、この国における最高責任者であるルビーが参加しているのをみても、分かるとおりに。
かなりの招待客などが多々と存在している。
そんな彼等は。
どうみても、まだ若いミリーの姿を認め。
全員驚愕の表情を作っていたことは。
いうまでもないこと。
真っ白いドレスに身を包み。
今日。
ミリアム=フィラの妹である、ミレア=バール=ノクターンは。
その将来の伴侶を誓い合った男性。
アルテミス=ムーン=ディライト。
その彼と。
本日、今日、この場において。
結婚式を挙げて、晴れて、正式な夫婦となる。
ウェディングドレスに身を包んだミレアをみつつ。
「・・・・・そろそろ準備しておきますか。」
名残惜しいけども。
それでも。
別にここだけずっと留まるというのも面白くない。
ま、あとしばらくはまだいるし。
それに。
姿を消してもちゃんと会いにくればいいしね。
そんなことを思いつつ。
妹の結婚式を見守るミリーのその心情を。
当然のことながら。
今日の主役でもあるミレアはもちろん。
その両親ですら、知るよしもないことであった・・・。
「アルテミス=ムーン=ディライト。
汝は、横にいる、ミレア=バール=ノクターンを。生涯の伴侶とすることを誓いますか?」
「誓います。」
「ミレア=パール=ノクターン。
汝は横にいる、アルテミス=ムーン=ディライトを。生涯の伴侶とすることを誓いますか?」
「誓います。」
「それでは・・・誓いのキスと指輪の交換を。」
ミレアとその恋人のアルテミスの結婚式は滞りなく。
本日、今日。
何ごともないうちに、行われてゆくのであった――。
-続くー
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あとがきもどき:
薫:ちなみに、招待客は百人程度です(まて!)
全員、ミリーをみて驚いてますけどね(だからまて!)
何しろ・・・・どーみてもミレアより年下!(爆!)
・・・・・さて、そろそろコスモスに入りますのです・・・。
というわけでまたまた年月飛びます!(まてやこら!)
・・・・・うーん、30話では終らなかったか・・・。
んではではvv