遥かなる記憶の彼方に・・


銀河連邦。
それは、この宇宙に散らばる、広大な銀河の全てをその異なる治安などを統一した、各銀河の統合機関。
この連邦の上層部には、各銀河などの代表者なども逆らえない。
この組織を運営しているのは、連邦に所属する、連邦直営の企業などによる利益から生まれていたりするのもまた事実。
この銀河でまず名前が知られている企業などは。
大概、この連邦の息がかかっているとみても過言ではないほどに。
その巨大な組織は、この広大な宇宙に、各所。
その支部を設けている。

― 今、彼女達・・ミレアたち、ユニバース学園の生徒たちが。
やってきているのも、そんな支部の一つ。
彼女達が住んでいる区域の銀河系を含む管轄を担っている、銀河連邦総合機関第784支部署。
一つの支部に各種の組織が含まれているがために。
総合機関と一様に称されるのである。


「ふふふふふ♡」
うきうきうき。
作業する手にも心が躍る。
「ご機嫌ね?ミリーさん?」
仲間がそんな淡い金髪をみつあみに編みこんで、後ろで束ねている透き通るまでに青い瞳の女性にと、
横から話しかけている一人の人物
「ま、当然じゃない?確か、ミリーさんの妹さんが、今回の社会見学にくる生徒の中にいるのよね?」
くすくすくす。
そんなミリー達の様子をみて、笑っている別の隊員。
かちゃかちゃかちゃ。
整備係なども多々といるが。
万全を期して、数名の隊員に見てもらうのが、ここの規則。
その、整備の方法も。
彼女―ミリーが示す方法ならばかなり性能が上がる。
ということもあり、ここに、こうして、技術指導として、この支部に本部から出張してきているこのミリー。
ミリアム=フィラ=ノクターン。
銀河連邦総合本部機関。
オペレーター本部所属。
すでに、もう二十歳を超えているというのにも関らずに。
その外見は、どうみても、まだ二十歳前か、十代後半にしか見えない。
女性の年齢は見た目では分からない。
という典型的な人物でもある。
だが、それにあまり驚くような隊員はここにはいない。
何しろ、この広大なる宇宙。
その寿命が、一億年以上あるような生命もまた存在しているのを。
彼女達・・連邦機関の隊員は知っている。
別にここには、女性だけが勤めているというわけでもないが。
周りを見れば、人?と首をかしげるような容姿をしている、隊員たちもこまわりに動き回っている。
ここには、この宇宙に生息している、様々な種族の生命が隊員として、働いていたりするのである。
中には、光だけの生命という隊員の姿も見てとれるが。
あとは、精神だけの存在である隊員のそんな彼らは。
自力で、物質化して、業務に差し支えがないようにと行動していたりもする。
自力で物質化できないような存在には。
連邦から配布される、とある品物により、その姿を具現化させている。
という事実もまたある。
「このごろ、忙しくて、あまり会ってなかったから。」
そういいつつ、その声がうきうきと弾んでいる。
会ってなかった。
というのは、確かに真実。
だがしかし。
毎日のように、会話・・しかも、立体映像つきで話しをしているのだから。
会ってなかったという表現は当てはまらないにも等しいのではないか?
彼女のことを知っている存在(もの)たちならば、そう突っ込みがはいったであろうが。
幸か、不幸か、そのことを知る隊員はこの場にはいなかった。
ぽん。
そんなミリーの言葉に手をうって。
「ああ、だから、上にかけあってたのねv」
「あ・・・・あははははv」
今回、やってくる生徒たちは、およそ、三百名程度。
生徒たちに、寝起きしてもらう部屋の確保に、異次元ホテルなどもまた用意はされている。

『休みをなくしてでもいいから。・・・妹と一緒に過ごしちゃ・・駄目ですか?』
うるうると。
瞳を潤ませて、今回のこの社会見学の責任者を任されている、平和支部長、クウォーツ。
その存在に直接掛け合っていたりするミリー。
その結果。
「・・・ま・・・・まあ、よく頑張ってくれていることだし・・。あちらの引率の方々の許可がでたら・・。」
その言葉に目を輝かせて。
「ありがとうございます!クォーツ部長!」
手を合わせて、本気で感激していたミリー。

この姿をみていれば。
どうみても、普通の・・・妹思いの女の子。
だが。
彼ら、クォーツたちは。
このミリーが、とある『姫』と呼ばれる、崇高なる存在に何らかの関りがある。
とそう見てとっている。
そのため、ミリーが行く場所全てに。
彼女に気付かれないようにと監視の目を光らせていたりするのもまた事実。
・・・ミリーには完全にばれているのだが。
そんなことには気付かずに。
まあ、彼女が本気になれば、誰にも気付かれなく、行動をするなど、当たり前のことよりもかなり簡単なのであるからして。

何しろ、指一本動かすまでもなく、思っただけで、様々なことが全て出来るのであるからして―・・・・。


「はい、長いたびをご苦労様でした。では、これより、あなた方の世話をしてくれる。隊員たちの紹介をしますね?」
始めはホテルに生徒たちを泊めよう。
という案が優先だったのだが。
ミリーが妹と一緒にいたい。
という意見を出したことで。
― 彼女を特別扱いしていることに、周りの隊員や、他の隊員・・ましてや、彼女自身にも気付かれないように。
生徒たち、数名を一人の隊員に預け、面倒を見てもらう。
という方法に切り替えた、上層部。
選ばれた隊員たちは、どちらかといえば、かなり上機嫌。
― 何しろ、生徒たちの相手をする場合には、面倒な仕事に回される確率は・・まず・・ない。
事前に生徒たちの間でも。
どの部署の仕事を優先的に見たいか?
などといったアンケートもとってある。
その結果、組み敷かれた、割り当て表。

社会見学とはいえ、全員が一緒に行動するわけではない。
何しろ、こんな大人数でうろうろと動き回っていてはまず仕事に支障がでる。
それゆえに、数名の人数に区切り、各別々に、見学を行ってゆく。
そういう仕組みがすでに確定されている今日この頃。

今回、この支部にやってきたのは。
この支部が管轄しているとある惑星の生徒たち。
ユニバース学園の生徒たち。



各自に今回、世話をしてくれる隊員たちの紹介がなされてゆく。

一列に並んだ隊員の中。
ひらひらひら。
小さく手振っている女性が一人。

「・・あ!」
その姿をみて、目を輝かす。
「・・もしかして、あの人?」
「うん!」
目を輝かせているミレアに。
そっと、隣にいる友人が話しかけてくる。
「・・へえ、あの人が。」
「綺麗な人ね、ミレアのお姉ちゃんって。」
「うん!」
淡い金髪に水色の瞳。
彼女、ミレアにとっての、永遠の憧れであり、大好きな姉。
ミレアの姉である、ミリーの姿を、その中にみつけ。
うれしそうに微笑んでいるミレア。


クラスごとに、数十組の生徒たちに分けられて。
ミレアたちの班は、四名の班。
ミレアのクラスの人数は、およそ、四十人。
一クラス、十組という振り分けである。
「きゃぁぁ!ミレアぁ!元気だったぁ!」
「きゃぁ!ミリアムお姉様ぁ!」
だきっ!
『・・・・もしもし?』
他にも生徒・・つまり、ミレア以外にも三人の少女たちがいるというのにも関らず。
目の前で、姉妹のスキンシップをとっているこの二人。
思わず、笑いながら、そんな二人をみているミレアの友人たちの姿。
「あ、ごめんなさいね。今回、私が、あなたたちの面倒をみることになった。」
そういいかけるミリーの言葉より早く。
『ミレアちゃんのお姉さんのミリアムさんでしょ?』
きっちりきっぱり。
三人の声が一致していたりする。
「あら。その通りよ。よくわかったわねぇ。」
そういいつつも、横にいる、ミレアの頭をなでて言っているのでは、分からないほうがおかしいのでは?
とそんなほほえましい姉妹の様子をみて、笑っている彼女達。
そして、にっこりと笑い。
「私は、ミリアム。ミリアム=フィラ=ノクターン。銀河連邦総合本部機関オペレーター部所属。
  今回は、ここには出張で来ているのよ。
  この、ミレアの姉よ。いつも妹がお世話になってて。どうもありがとうね?」
にっこりと、その透き通るまでの青い瞳で微笑みかけられて。
しばし。
同性だというのに、見とれている少女たちの姿がそこにはあった。


「ミリーさんのことは、すでに、一部ではかなり有名ですよ?」
「あら、ありがとv」
あの星から、連邦に就職した存在が、今までいなかったわけではない。
だがしかし。
新人だというのに、いきなり本部に所属され、しかも活躍している存在というのは・・。
まず星からしても宇宙的規模としても画期的なこと。
相手がミリーなのだから、当たり前といえば当たり前なのであるが。
ミレアのクラスメートの友人たち。
ショートヘアの黒い髪の女の子に。
伸ばしかけのおかっぱ頭の天然パーマが少しはいっている女の子。
さらさらの黒い髪を長く伸ばして、腰の辺りで切りそろえ、前髪も眉の上で切りそろえている女の子。
身長別の振り分け方法で、メンバーは決定されている。
「とりあえず、皆、何処が見たい?」
四人を連れて歩くミリーの言葉に。
顔を見合わせて。
『とりあえず、機動部隊の練習施設!』
前々から、興味があった、その場所を。
全員一致で答えてゆく。



連邦に所属している機動部隊。
一様に、機動部隊といっても。
その部署などにより、その行動はかなり異なる。
たとえば、警察などでは、犯罪を犯した者達の追撃、逮捕、または始末などが挙げられるが。
軍施設においては、星同士のトラブル解決。
または、外交、平和的解決などなど。
警備隊においては、まだ警察などが手をつけるのは、早い段階の輩の処理など。
最近は、警備隊も警察も、似たようなことを行っている、現状があるのは、ひとえに人手不足のためというよりは。
犯罪が多発している傾向にあるがため。
面白いことに、未開の土地などでは。
そこの原住民などを利用して、臨時隊員にしたりと、そんなことなどもしていたりする。
本人の意思に関係なく、【勝手に押し付けている。】という意見も少なからず出ていたりもするのだが。
そんなことは、どうでもいいことなのである。


 シュミレーションとはいえ、実戦さながら。
下手に怪我などすると、本当に体にダメージを受けるシステム。
初級、中級、上級、最上級。
などといった、訓練施設に別れており。
初級の下までは。
一般の参加も認められている。
曰く、仮想現実の世界に、その精神を送り込み、様々な戦いを繰り広げる。
という代物。
これを少し改良して、一般の生き物にも、扱いが出来るようにと、コンパクトにまとめ。
ゲームとして売り出したところ。
かつて、かなりヒットした。
という事例ももっていたりする。
すでにかなり以前・・・千年以上前のことであるが。


「あら、ミリアムさん、その子達が、ミリアムさんの担当?」
ふと。
その初級コースの管理を任されている、隊員がミリーにと話しかけてくる。
その手に、持たれているのは。
このシュミレーションを受けた存在達の、その実績結果。
実績をみて、その隊員の適正などを見極めるのである。
「ええ。この子達に、何かいいのない?」
そういいつつ、にこにこといっているミリー。
周りではすでに、他の生徒たちが。

「よっしゃぁ!」
「うわぁぁぁ!やられる、やられる!」
などといいながら。
頭にヘルメットらしきものをかぶりじたばたしている姿なども見られていたりする。

ここ、初級コースのシュミレーションは。
簡単に言ってみれば。
よくある、ゲームセンターのようなもの。
その精度が高いゲームをやる感覚にかなり近いというかそういうような感覚、といって過言でない。
それゆえに、生徒たちにも、結構人気。
「うーん、今は、殆ど使われてるけど・・・。
   あ、そーだ。昨日、ミリアムさんが、寄付してくれた、あれなら。まだお目見えさせてないから、使えるけど?」
そういって、部屋の奥を指差す隊員の言葉に。
「・・・あれを?・・・・うーん・・・。ミレアたちに・・あれをねぇ・・・。ま、大丈夫かな?」
少し顔を潜めていっているミリー。
「姉様?何つくったの?」
きょとんとして聞くミレアに。
「ああ、ちょっとね。どんな存在にでも潜在意識や、潜在能力というものは必ずあるから。
   それを目覚めさせる仕組みのプログラムを組んだのよ。
   その形式は、よくある、剣や魔法なんかが使われているゲームみたいなものなんだけどね。」
ミリーはよく、何かと、こういった、シュミレーションなどのプログラムなどを頼まれるのである。
ミリーが作ったそれらは。
未だに、開発部が開発したそれらとは、比べ物にならないほどに性能がよく、的を得て、覚えていくためか。
新人でも、短時間で、かなり実力が伴っていくほどに。
しかも、それらが。
普通にただ、遊んでいるようなゲームをしている中で、培われていくのだから。
未だにその仕組みを・・・開発部のメンバーたちや、それらに関る存在(もの)達は。
理解できていないのもまた事実ではある。
だが、いくら理解ができなくても。
事実、たった、一度、ミリーが作った、それをクリアしただけで。
新人ですら、スムーズに研修や、現場で行動ができる。
というリスクはかなり大きく。
今では、ミリーに様々な部署な支部から、依頼が殺到していたりする現状があったりする。
何しろ、その仕組みが理解できないので。
他の誰にも・・・・量産が不可能なのである。

「そーいえば、姉様が作ったゲーム、面白いもんね♡」
にっこりというミレアの言葉に。
「あ、確かに面白かった。というか、あれやってから。私、精霊見れるようになったけど?」
「あ、私も!」
などと、さらりと取りとめのない会話をしている子供達。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(汗)」
そんな会話を聞いて、少しばかり額に一筋汗を流して。
・・・いやあの・・。
クリアしただけで・・・・精霊とかが見れるようになったって・・・。
それは、つまり、自然界における、その次元のことなる世界が見れるように、なっているということ。
そんな会話に少しばかり冷や汗を流して。
「じ・・じゃあ、この子達に、テストやってもらう?ミリアムさん?」
とりあえず・・・・彼は聞かなかったことにし。
懸命な判断というか、半分現実逃避的な感情をもちながら。
「そうね。・・やってみる?ミレア?それに、皆も?」
横にいる、女の子達四人を振り向くミリー。
その言葉に。
『面白そうだからやる!』
全員の声が一致していたりする。



人数制限は、十人。
小さな箱のような乗り物の中。
その中に添えつけられている椅子にと座り、頭に小さなマイクのようなものをつける。
そして。
そのまま、目を閉じる。

精神感応を起こし。
次に彼女達が目覚める場所は。


もう、すでに、ゲームの中であるということを彼女達は知っている。
以前、ミレアの家で、ミリーが作ったという、ゲームをしたことが、あるゆえに。



目を開くと、辺りは、草原。
ピピ。
目の前に、選択肢が出現する。

― どの人物になりきり、行動しますか?


○剣士。
○魔術師
○魔道士
○エルフ
○踊り子
・・・・・・などなど。

この始めの選択しで・・・。
彼女達の基本的なこの世界での能力が決定する。
・・・・始めだけだが。
つまり、どれを選んでもさほど・・・問題はない。




しばらく。
ミリーが作った、ゲームの世界でと。
没頭しているミレアたちであった。




彼女達が、このゲームをクリアして。
そこから出てきたときには。
すでに、もう。
夕飯時に成り果てていたのであった。


                              -続くー


    


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   あとがきもどき:

        薫:・・・以前、RPGツクールで・・・・。ゲームを作ろうと頑張りました・・・・。
          ・・・でも・・・・できませんでした!うわぁぁぁぁん!
          思ったとおりにできないよぉぉ!(涙)
          しくしくしく・・・・・。
          とゆーか、まじで菫ちゃんのゲームを創ろうとするなよ・・・私(爆!)
          ちなみに、1で挫折したので2はチャレンジもしてません!(まて!)
          次にチャレンジしたのは、とある双子の王女の話しのゲーム・・・。
          ・・これまたダンジョンとイベント設定で・・挫折(涙)
          いや・・・ちゃんと設定ができないんですよ・・・。
          したはずなのに・・・(涙)
          まあ、どうでもいいことは置いといて。
          ミレアたちがやってるゲームは。一般的なRPG。
          ファンタジー系のポビュラーなものと捉えてくださいなv(笑)
          いや・・それの話しもあるにはあるけど(爆!)
          話しがまったく違うしね(だからまてってば・・・笑)
          ではではv
          次回は、・・・・・・え?どうして、ミリーのこの部屋が?(笑)
          と多分突っ込む人がいるでしょうねぇ?(まてってば)
          彼女達に割り当てられている部屋自体が。
          異次元空間にその部屋を置いているために。
          (半分ほど)どこの支部にいっても、部屋は使えるという設定なのですv
          んではではではvまたなのですv