遥かなる記憶の彼方に・・


・・・・・・・・さま。
ふと、誰かに呼ばれたような気がした。
「・・・・・え?」
思わず振り仰ぎ、その長い金色の髪が、さらりとなびく。
「?ミリー?どうかしたの?」
「・・・ううん、何でもない。」
いきなり、振り仰いだ幼馴染を不思議に思い。
横に並んで歩いていた、彼女にとっての幼馴染でもある少女。
その、腰の辺りまで伸ばしている、真紅の髪が風にたなびく。
その右側をみつあみにして、下にたらしているが。
最近、よく、『声』が聞こえる。
さして、気にも止めなかったのだが・・。
その声は、自分が聞けることのできるはずの・・この星の『声』ではなく。
星の外から聞こえてくるのに少し戸惑う。
小さなころは、それが普通だと思っていた。
だが、そんな声は、誰にも・・ましてや、一族・・ノクターン家の能力が特殊であると知ってからはなおさらに。
― なら、自分は?
彼女・・・ミリアムは。
自分が両親の実の娘でないことを知っている。
以前は、当然と思っていたが。
―― どうして、自分は、その血筋でもないのに精霊や、星星の声を聞くことができるのか。
そう、思い始めたとたんに。
自分が何であるのか、極端に不安になってくる。
そして・・・・ファー。
自分が今、その身を置いている、ノクターン家の前に捨てられていたときから、持っている、石の精霊。
彼女ならば、自分が『何』なのか知っていると思うのだが・・。
何度か聞いたものの。
いつでも、『時がくれば』としか答えてくれない。
誰でも出来るのが普通だと思っていた、
物質を構成している、原子や分子の配列変換。
そして、その原子レベルのその仕組みの置き換えなど。
簡単に誰でもできるのが普通だと思っていた。
それらを組み合わせて、新たな物質を作ることも。
年を重ねるごとに、どうして、そんなに周りが、騒ぐのか。
今では、理解ができている。
普通なら、まず不可能と思われることを彼女―ミリアムはやってのけていたのだからして。
幼いときは、それが当然と思っていたが。
さすがに、十七にもなろうかという年になれば、今現在の常識というものが見えてくる。
だからか、昔から、ミリーが作った品物を巡って、大人たちが躍起になっていたのも。
今でははっきりと理解ができる。
当時は、分からないままに、どうしてこんな程度で?といった認識しか持ってなかったが。
誰にでもわかると思っていた、全ての宇宙に伝わる言語。
それすらも、あまりまだ知られていないのだと。
知ったのは、ごく最近。
――― 一体体、自分は『何』なのか。
その疑問はますます大きくなっている。
そんな矢先に、ふと聞こえ始めた、あの声。
「・・・・・・姫様?」
確かに、声は、そう・・・。
宇宙(そら)からの声は・・・そう、ミリーのことを呼んでいた。



「・・・それで、ミリーは就職どうするの?」
ユニバース学園、高等部、その帰り道。
あと少しで学園を卒業を控えている。
「それなんだけど・・。あまりに勧誘・・しつこいし。
  最近では、やってみてもいいかなぁ?って思ってるのよね。私は。ルビーはどうするの?」
幼馴染であるルビーに話しかけているミリー。
「・・・・やっぱ、あれから・・・ずっと?(汗)」
「・・・・・・うん。よくまあ、勧誘、つづくなぁ・・って感心してるとこ。」
彼女達が、小学部にと滞在していたとき。
初めて試められた、とある行事。
今では、ランダムに、選ばれあげられた学校や、教育施設などが。
本部、もしくは、その支部。
この宇宙に生きている存在ならば誰もがあこがれる、
銀河連邦、その見学を許されるきっかけとなった、初の試み。
そのとき、ミリー達の学園が選ばれて。
ミリー達の学年が社会見学と称して、本部にといき、少なくとも、最後の数日は、実際にそこで働いたという敬意がある。
そのときから・・。
ミリーの元に、ぜひ、銀河連邦で働いてみないか?
と、ほぼ、毎日のように、勧誘が入っているのである。
どうして、そこまで自分を誘うのか気にはなるが。
まあ、父や母の仕事を継ぐのは、いつでもできるが。
それよりも。
まあ、そこまでいうんだったら、やってみてもいいかな?
― そうしたら、自分が何なのか分かるかも。
そう最近思い始めているミリー。
「そっか・・。私は、やっぱり、仕方ないけど。父の跡を継ぐ羽目になりそ~よ。」
ここの、星の最高幹部。
それは、いわゆる世襲制。
父の跡を継ぐのは、当然、一人娘である、このルビーにとかかっている。
「ま、私は、私で。この星を!宇宙一の楽園にしてみせるわ!」
夢が破れたとはいえ、ならば。
別の夢を叶えればいいだけのこと。
昔からの夢だった。
人や精霊、妖精などが共存して、同じ空間で過ごせるという星が。
「もう一つの夢は絶対に実現してみせるんだから!」
いつも、うらやましかった。
自分達の目には見えない、精霊などを見れるという、幼馴染のミリーが。
そして、その一族・・ノクターン一族が。
一人、ガッツポーズをとる、ルビーに。
「そ・・・・・そう。頑張ってね・・。」ルビー・・・・やると決めたら、とことんやるからね・・。」
さすがに幼馴染だけあって、ルビーの性格は熟知している。
「ふふふ!絶対に楽園にしてみせるんだから!」
「・・・・ま、まあ、精霊王には、話ししておくわよ・・。」
「お願いねvミリーv」
この星の自然を司っている精霊王。
ノクターンの血筋でも、なかなか滅多と出会うことがないという、その、特殊な存在ですら。
ミリーはすんなりと出会うことができた。
・・・というか、よく考えてみると、相手から来たような気もしなくもないが・・。
どういう知り合いなのか、自分と常に一緒にいる、精霊でもある、ファーの知り合いだったようで・・。
そのときのことを思い出しつつ。
「・・・・そういえぱ、どうして知り合いなのかと聞いても・・。・・・教えてもらってないのよね・・・・。」
小さくつぶやくミリーの姿が。
学園の帰り道に、見受けられていた。



― 進路希望。銀河連邦総合機関。



そのための、試験は。
あと、少しで開催される。




「ミリー、受験番号、持った?筆記用具は?」
おろおろ。
そわそわ。
「・・・・あのね、お母様・・・。母様がうろたえてどうするの?」
くすり。
今から、試験に向かう、ミリーを前に。
肝心の試験を受けに行く、ミリーより、かなり、緊張しているミリーの母親、マリア。
「あのね!ミリー姉様!これ、お守り!ミレアが作ったのよ!」
はい!
にっこりと笑って、差し出してくるのは。
ミリーの妹である、ミレア。
その手には、小さな、綺麗な石が組み合わされて作られている、ブレスレットが一つ。
「ありがと。大切にするね♡」
ぎゅぅ!
最愛の妹を抱きしめる。
このたび、小学部にと進学する最愛の妹―ミレア。
年を重なるごとにかわいくなってゆく。
「・・・でも、今から出発して・・間に合うのか?」
少し不安そうな声を出しているのは、ミリーの父親でもあるリュク。
「大丈夫よ。ワープしていくから。」
そういいつつ。
庭にと置いている、船にと乗り込んでゆく。
この船も、ミリーの手作り。
一般に普及しているものと、つくりや性能が格段に違う。
何光年でも、一気に瞬間的に移動できるのは。
まさに、ミリーが作った宇宙船でないと、いまだに存在達は、その成功の目を見ていない。
「それじゃ、いってきまぁす!」
元気よく、船に乗り込み。
そのまま。
コックピットにと座り。
「目標、銀河連邦総合試験会場!」
――了解。
ヴヴン!!!
手を振る、ミリーの視線の先で。
庭先にいる、妹や両親の姿がだんだんと小さくなってゆく。



今日は。
銀河連邦、総合本部。
その全ての試験が行われる・・その、前日。



普通ならば、その試験に行くためには。
数日、もしくは、数週間、挙句は数ヶ月を要さないと。
まず、ミリーが住んでいる太陽系・・ましてや、銀河からは。
到底にたどり着けない距離にとあるその場所。


しかし。
その、かなり時間がかかるはずのその一瞬を。

「・・・・・・・・・・ワーブ。」
シュン!

一瞬のうちに。
ミリーが作った、その船・・宇宙船・・・シップは、あっという間に移動をこなしていたりする。





ざわざわざわ・・・。

宇宙空間に、無数に広がる、船の山。
見渡す限りに船、船、船・・・・。
中には、光の球なども、多数に存在している。
それらが、光の精神生命体だと、ミリーは漠然と知っている。
すでに、学園を通じて手続きは済ませてある。
というか、ミリーが【試験を受ける】といったら、嬉々として、相手が喜んだ。
という事実もあるのだが。
まず、書類審査で振るいに掛けられ、次には、学力テスト。
次に常識テスト。
次に・・・・宇宙の神秘たる事柄についてのテスト・・などなどと。
かなり、それを専門に勉強してないと分からない分野も多々とでてくる、この試験。
まず、一度でその試験、全て突破したものなど・・・・。
いまだに、数を数えるしか存在しないほどに、難攻な全ての科目。
何しろ、ここに就職するためのそのためだけの、学園でも。
それを専門に習っている生徒たちですら、この試験に合格する確率は、一%セントにも満たないほど。
まあ、まず。
一般から、しかも、普通の学校や、普通の存在がこの試験を受けにくるなどとは・・。
まず、滅多として例を見ない。
「・・・・さってと。受付にいきますか。」
一般受付とは異なり。
ミリーに待遇されているのは、特例者向け受付。
それは、曰く、以前、少しでも、働いたことがあるから。
とかいう理由なのだが。
それをいうならば、ここに来た存在全てが当てはまるはずである。


「あの?受付はこちらですよね?」
その、淡い金色の髪をみつあみにして、後ろで束ねてアップして。
少しだけ横の髪をたらしているミリーが、受付にて問い合わせる。
「はい。左様です。こちらに、お名前と、身分照明を。
  本人確認の生体検査をいたしますので、そちらに体の一部を置いてください。」
宇宙共通語の独特な言葉を話してくる受付人。
一応、人の姿をしているものの。
その特質すべきは、くりっとした一色の大きな瞳。
試験を替え玉受験など行わせたりしないために本人確認は、徹底している。
言われるままに、そこにある、パネルに手をのせる。
そのパネルの中には、今回、試験を受ける、全ての、メンバーの、生体記録がインプットされていて。
それと一致するかいなかを調べて、本人確認をしているのだ。

「はい、こちらがミリアム=フィラ=ノクターンさんの受験番号になります。」
番号を手渡される。
これから、名前でなく、しばらく、番号で呼ばれてゆく。

びぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!

やがて、会場となっている、惑星全てに。
受付終了の合図が鳴り響いてゆく。






ちなみに。
会場はここだけでない。
何しろ、銀河一つ、まるまる会場となっているのだ。
だが・・。
この、恒例の試験で、合格するものなど・・・・。
まず、一度につき、一人いるか、否か・・・という、究極の難問でもある・・・。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?
どこが難しいのかしら?
サラサラサラサラサラ・・・・・・・・・・・・・・・・。
さらさらと、手を動かしてゆく、ミリーの姿が。
試験中、ずっと、見受けられていた。

                              -続くー

    

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まえがき:
   こんにちわ♪
   さあ、今回から一気に年代が突破です!(こらこらこら!)
   というか、どーして、猫のつめ・・切ってるのに痛いのでしょうか?(こらまて!何の関係がある!)
   さて・・・・。
   んではではv
   ここから、実は、一度以前、中学のとき(とゆーか、小学六年のとき)
   一度、本気で原稿用紙に書き上げた話しとなっております・・・。
   (ちなみに、菫ちゃんネタで・・2本やったことアル人・・・)
   ↑書き上げただけで何もしてないけどね(笑)←実話(笑)
   まあ、あの当時より・・・多分、・・・・・・・・・・・おさらく、多分(絶対多分)
   ・・・・・・・・表現力や文章力は・・・付いてる・・・とは思うんだけどなぁ・・(気弱)
   ・・・・・逆に落ちてたりして・・・・あはははは(滝汗)
  (ちなみに、漫画も挑戦しよーとして、画力がなくて断念した人・・お゛い゛!)

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あとがきもどき:
   次回v合格発表v
   んでもって、ミリー、家を出ての、寮(?)生活ですv
   んではではvvv