遥かなる記憶の彼方に・・


どきどきv
わくわくv
そわそわそわそわv
「お母様!今日はね!これ作ったの!」
ドサリ。
「・・・・・・・・あのね・・・・・ミリー・・・・。」
思わずこめかみを抑える。
「あ!こんなのも作ったのよ!」
ドサササササ!
「・・・・いや・・だからね・・。」
普通、母親がこういうものは作るものなんだけど・・。
マリアとて、今、赤ん坊の靴下を編んでいる最中。
だが。
それ以上に。
マリアの妊娠が発覚してから。
毎日のように、妹にv
といって、山のように玩具や。
それでいて、絵本。
さらには、機械類などを作っているミリー。
しかも、絶対に自分がコーディネイトする!
といって聞かなかった、新たな子供部屋は。
すでに、ミリーの手によって、ベットから何から何まで手作り。
様々なものを作りすぎたりして、施設にそれらを寄付しているこの現状。
「あとね、あとね!」
毎日のように、うまれてくる妹に、何かしたい!といって、今だにうまれてもいない妹に対して。
何かをしているミリーをほほえましく思う。
ミリーにとっとは、初めての妹。
事実は血のつながりは一切ないのだが。
だが、それでも。
ミリーにとっては、かけがえのない妹が今。
母のマリアのお腹に息づいているのである。
学園の放課後などを利用して。
わざわざ他の星にまで、布地などを買いに行ったりして作っているミリー。
その精密なつくりなどがゆえに。
玩具会社や、ファッション関係からも。
ミリーにぜひとも、わが社に売って欲しい。という矢のような催促が続いていたりもするのだが。
今や、このノクターン家には。
絶えず誰かが、ミリーを勧誘するためにやってきているという状態が以前にも増して多くなっていたりする。
ミリーはミリーで。
欲しいのならどうぞ?
といって、何の見返りも求めないのだから。
余計にどうしてもその才能が欲しくなる。

「あ、そろそろ・・。」
そろそろ、食事の用意を・・。
そう思い、席を立ちかけるマリアに。
別に使用人やメイド、そして、食事を作るためのコックなども。
 このノクターン家には存在しているのだからして。
マリアが直接に作らなくてもいいように思えるが。
マリア曰く。
自分達がお世話になっているんだし、皆さんにも食べてもらうのが筋。
といって、マリアも少なからず、食事のニ三品は毎日のように作っているのだ。
そんなマリアの料理を習っているせいか。
それゆえに、ミリーも料理の腕は他の誰にも負けてない。
いや、ミリーが作った料理は、はっきりいって、その筋のプロも顔負けのほど。
「あ、お母様はいいの!赤ちゃんが生まれるまで!私が作るって決めたんだから!」
立ち上がろうとする母親をそのまま椅子にと座らせてゆくミリー。
まだ幼い娘に肩を掴まれて、そのまま、椅子にと座りなおしてゆく。
「あ・・あのね?ミリー?多少は動かないと、体にも悪いのよ?」
ぱたぱたと手をふりつつ、いうその言葉に。
「だって、母様、それでなくても体弱い方なのに。もし、お母様と、お腹のミレアに何かあったら・・・・。」
ひくっ。
「わわわわわわかったら!泣かないの!」
いいつつも、その青い瞳に涙を大量に浮かべる愛しい娘の姿に。
あわてて、観念するしかないマリア。
「絶対だよ?」
にっこり。
涙をピタリと止めて、にっこりと微笑み。
そのまま、ぱたぱたと部屋から出てゆくミリーの姿をみつつ。
「・・・・ミリーに泣かれたら、しゃれにならないからね・・。」
くすり。
小さく苦笑し、そのまま。
赤ちゃん用の、小さな靴下を編みかけていたそれの続きを作業してゆく。




「只今ぁ。ほら、こんなのかって来たぞ!」
どさり。
カプセルの小さなボタンを押すと。
ドサササ!
身長よりも高い荷物の山。
「あ、お父様、これ、少し改良したら、使いやすいかもv」
「おお、なるほど!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・。
部屋にこれでもかと積み上げられている、子供道具の真ん中で、和気藹々と会話をしているリュクとミリー。
さすがに、目が点と成り果てる。
一度ならまだいい。
― だが……こう、毎日、毎日となると・・・・。
ピクピクピク・・。
思わず、こめかみに青筋が立って行き・・・
「あなたたちぃぃぃ!少しは限度というものをしりなさぁぁぁぁぃぃぃぃぃ!」
今日も今日とて。
ノクターン家にマリアの怒号が響き渡る。

マリアの妊娠が判明してからの、恒例の日常。
ミリーはミリーで毎日のように、うまれてくる妹にvといって、様々な品物を作り出し。
父親であるリュクはリュクで。
市販されている子供道具や、服などなど。
毎日のように、こう・・・部屋に入りきらないくらいに購入してきては・・。
結局。
それらは、全て寄付する。という形になっているのだが・・。


そんなこんなで、平和に、時は静かに過ぎてゆく。





「最近ご機嫌ねぇ。ミリー?」
ユニバース学園の教室で。
にこにこしている親友にと話しかけるのは、真紅の髪に真紅の瞳の少女。
この星の最高責任者でもある人物の息女でもある、ルビー。
「だって!もうそろそろ、お母様に赤ちゃんができるんだもんv」
そういいつつも。
学業の間の休憩時間を利用して。
うまれてくる赤ちゃんのために。
いろいろな品物を創る作業をしていたりするミリーに。
「・・・・赤ちゃんにノーティスはまだ早いんじゃ・・・。」
赤ちゃん用に、ノート状の機械を作っているミリーに突っ込みを入れてゆく。
「大丈夫よ!ミレアなら!」
「・・・・・・無理だって・・・。」
赤ん坊が、機械を使いこなすなど聞いたことがないというか。
 ノーティスとは、この宇宙に一般に普及している、ちょっとしたパーソナルコンビターのような代物。
「それにねvこれ、赤ん坊の言葉も翻訳できるように、追加装置加えたしv」
カチャカチャカチャ。
よくまあ、細かい作業ができるもので。
見たところ、どうやってそんな細かい品物を組み合わせて、機械を組み立てているのか、まったく見た目には理解ができない。
というか、そんな品物を、学園で創ること事態がすでに。
かなり、とんでもないと思うのは、気のせいかしら?
などと、思っている他のクラスメート達などもいたりする。
「・・・・・本当にまめよね・・・。」
ミリーが作った、ノーティスには。
一般に普及しているのとは違い、様々な翻訳装置などの付随が付いている。
それゆえに、ミリーの作るノーティスの需要はかなりあるのだが。
本人がそれを仕事として作業しないという理由から。
かなり、高値でミリーはただで手渡しているというのに。
世間では取り扱われていたりする現状があったりするのだが。
赤ちゃんの言葉の翻訳もできる。
そんな品物を創ったからには・・。
・・・・・また、業者からの依頼がミリーに来るでしょうね・・・。
そんなことを思いつつ。
にこにこと、妹のためにと、ノーティスをくみ上げているミリーをみつつ。
半分あきれ返るルビーの姿が、教室中で見受けられていた。





そわそわそわそわ。
どきどきどきどきv
うろうろうろうろv
「・・・・お・・・・お嬢様・・・旦那様も・・・・落ち着いてくださいまし・・。」
くすり。
思わず苦笑してしまう。
この、父娘。
同じように、うろうろ、そわそわ。
部屋の中をぐるぐると同じ格好で回っているのだ。
今朝方。
マリアが産気づき。
そのまま、寝室で、只今、助産婦や医者たちと出産の真っ只中。
二人も、立ち会う!といっていたのだが。
あまりに、うろうろ、そわそわするので。
気が散ります!
といって、寝室を助産婦に二人してたたき出されたのである。
助産婦とは、文字通り。
出産の手助けをする人のこと。
通常などでは、産婦人病院などで出産することが多いが。
マリアの健康をも考えて、陣痛が始まったマリアを動かすよりは。
という意見で、家での出産と相成っている。
「あ!そうだ!お湯わかさないと!」
この日のために、出産の心得なる本を全て暗記しているミリーに。
「そうだ!産着の用意を!」
うろうろしていた、父と娘は。
各自。
うまれてくる赤ん坊のために。
娘であるミリーは、お湯を大量に沸かし。
その水も、わざわざ深海から取り寄せて、それを蒸留水と化し。
と、かなりの念の入れよう。
父であるリュクは、生まれた赤ん坊が着る、産着を。
あわてて、用意してゆく。
この産着、ミリーの手作りであり、普通の材質とは異なり。
かなり、肌に優しい素材と化したシルクで作られている。



「はぁ・・・はぁ・・・はあ・・・。」
お湯を沸かしていたミリーが部屋に入ると寝台の上で、息を荒くしている母親の姿。
「お母様、頑張って!」
そういいつつ、手を握る。
ミリーが手を握ったその刹那、痛みが一気に緩和されてゆくのに少し驚くが。
「はい。息を吸って・・・・はい、力んで!」
助産婦の掛け声が、部屋にとこだまする。




「おぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」




「はぁはぁはぁ・・・。」
どろりと、体液で少し赤みが差している小さな赤ん坊。
「お湯は!?」
「ここに!」
ぱたぱたと。
用意してあった、風呂桶にお湯を注ぎ。
ぬるく沸かしているそのお湯を少し救い上げ。
パシャパシャと、産湯にとつけて、その体についている、粘液などを丁寧にとぬぐってゆく。
血と体液とでねちゃりとしていたその体が。
やがて、ほのかなピンク色のそれにと変化し。
「次は、胎盤がでますよ。」
そういい終わる言葉より早く。
赤ん坊の次に、マリアのお腹から、マリアと赤ん坊をつないでいた、胎盤が、外にと出てくる。
ベットの上で、汗をびっしょりとかいて。
それでいて、満足そうな笑顔を見せているマリア。
「おめでとうございます。元気な女の赤ちゃんですよ。」
そういって、産着に包んだ生まれたばかりの赤ん坊をマリアに手渡す。
母親の背中に手を添えて。
半分起き上がるのを手伝いつつ。
マリアの手に、赤ん坊を抱きかかえてもらえるようにと手伝いをしているミリー。
「始めまして。あなたの名前は、お姉ちゃんが付けてくれたのよ?ミレア。」
まだ少し息は乱れているが。
小さなその手を伸ばす生まれたばかりのわが子に。
 その額に軽くキスを送るマリア。
「ミリー、だっこしてみる?」
「うん!!!!」
マリアに言われて。
抱きかかえたその赤ん坊の重みは。
とても、やわらかくて。
ずっしりしていて。
いとおしくて。
「あら、お姉ちゃんは、上手ですねぇ。赤ん坊の抱き方、教えてもないのに。」
感心した声を上げている助産婦のその言葉。
ミリーは、誰に教わったわけでもなく。
ちゃんと、首の据わらない赤ん坊のその頭に手を添えて。
その小さな体を固定して、抱きかかえていたのである。
「始めまして。ミレア。今日から、あなたは、私の妹よ♡」
初めての、姉妹。
それが、とてつもなくうれしい。
大好きな、父と母の血を引く、この赤ん坊。
どこかでこれでノクターン家も大丈夫。
という声がミリーの内部でしているが。
そっと手を小さな体に伸ばすと。
ギュ。
その、柔らかな、少し触れば壊れそうな小さな、小さな、その手の平でその指を握ってくる。
「か・・・・かわいいいいい!」
「はいはい。そろそろ。お母さんの母乳を飲ませてあげましょうね。」
始めの母乳が大切なのである。
始めの母乳には、それなりの、抵抗力を高める物質が、かなり含まれている。
その母乳によって、哺乳類の子供達は、全てといっても過言でないほどに。
母親から抵抗力を受け継ぐのである。
人間という種族も、その例に漏れず。
やがて、母親のお乳をその小さな手でんくんくと飲み干してゆく、赤ん坊の姿が。
寝室で見受けられていた。

「よくやった!マリア!」
産声と同時に。
屋敷の中を駆けずり回り・・。
使用人たちから、ほほえましい笑みを受けていたリュクは。
屋敷全体を駆け回ってから。
ようやく、ミリー達のいる寝室にとやってきていた。

淡いふわふわの少しウェーブの入った髪質の金色の髪。
ぱっちりと開いたその瞳は、両親譲りの澄んだ水色。
その大きい瞳が、この子が美人になると物語っている。
その整った顔立ちもあいまって。

ミレア=バール=ノクターン。
今日、ここに、ミリーの妹である彼女は。
この世に、生を受けたのであった。



この日より。
かなり、妹をかわいがるミリーの姿が。
何処ででも見受けられてゆく ―。



                                     -続くー

    

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      本日、よーやく、パソでDVDの鑑賞の方法わかりました!(遅すぎ!)
      そっかぁ・・。
      あの再生のところをクリックしてから、DVDを入れればいいのかぁ・・。
      (パソを購入して一年以上たってるだろーが!)
      というわけでアンジェリークのツインコレクションの6巻を見ましたv
      いやぁ、DVDデッキのあるTV・・・母がゲームに占領してまして・・・。
      あはははは・・・・。
      それはそーと・・。
      今日は仕事が六時に終わって戻ったの・・半過ぎなのに・・。
      今だに一話も打ち込めてないというのは・・・何事だ?(汗)
      んではではv(無理やり終わらせるな!)