遥かなる記憶の彼方に・・・・


ユニバース学園。
そこは、ある意味。
全ての存在にとって、いや、知識ある生命にとっては。
一度は訪れてみたい学園。
何しろ、この辺りでは、一番。
進級率が高い学園である。
進級。
といっても、学歴のことでなく。
その、知識の豊富さ。
これに尽きる。
この辺りでは。
まずまずといった学園であり。
そしてまた。
その意味では、様々な種族が、平等に。
そして、共存などを図るその練習にもなる。
さすがに。
こんな時代というか。
誰でも、簡単に、宇宙に出かけられる時代だからこそ。
それに伴い。
犯罪なども多発する。
そういった、対処なども。
ここでは、幼少期から教え込まれてゆく。
まず、重視されるのは。
ともかく、感情と。
そして、その個人の性格。
この宇宙空間にと伝わる、伝説の女性の名前からついているその学園の名前は【ユニバース学園】。
一部の生き物たちは、コスモス・スクール。
ここの卒業生から、憧れともいえる、
銀河連坊機関にと、就職していった存在は、数知れず。


「おっはょう!」
元気に、小学部にと登校すると。
ざわざわざわ・・。
なぜか、クラスは、ざわめきたっている。
「あ、お早う!ミリー!ねえねえ!聞いた!?」
クラスメートの女の子が話しかけてくる。
「何を?」
キョトンとするミリーに。
「あのね!今度の社会見学!」
息を弾ませている、友達というか、クラスメートの面々。
・・・・?
「・・・・だから、何?」
意味が分からずに。
きょとんとしているミリーに対して。
「あのね!私達の今度の社会見学ね!何と!」
「信じられないけど、何と、あの、!」
そこまでいって。
またまたきゃーきゃーと騒いでいるクラスメートたち。
そして。
ミリーの周りに、集まっていた、十数人が同時に。
『何と、あの!『銀河連邦機関総本部』の見学ですってぇぇぇ!!!!』
同時に全員が叫んでいたりする。
・・・・・へっ・・・・っ・・・・て・・・。
「えええええええええ!!!!!!!!?」
当然のことながら。
ミリーもまた、叫んでいた。

まず、そこは。
かなり、というか。
まず、そんな、どうでもいいような・・というわけでもないが。
まず、そんなにおおっぴろげに、見学できるところでもない。
それでなくても。
そんなことは今まで聞いたことがない。
見学。
といっても、よくて、支部どまり。
はっきりいって。
一般の人々や、この宇宙に生きている存在などからは。
【神聖化】されている、といっても過言でないその場所。
まあ、その理由は。
さすがに、この宇宙の、全ての情報を取り扱っていたりするがために。
その、警備や、いろいろに対する備えが効いていて。
まず。
どう考えても、子供の世間見聞を広めるためというだけが目的の。
社会見学に。
いかれるような場所では・・・・断じてないはずであるはずの・・場所。


「・・・・・まじ?」
思わず、目が点となっているミリーに対して。
「知らなかったの!?もう、その噂で持ちきりよ!」
「何でも、『子供のこれからの進路や生きる目標などの参考に。』っていって。
  初めての試みに、何と!私達の学校!しかも、私達の学年が選ばれたのよねぇv」
とにかく。
それが原因で。
完全に、どこのクラスも、今や、大騒動。

― 今日のところは自習。

そう。
伝達があり。
もはや、すでに、クラスの中はその話題で持ちきり。
   

「しっかし・・・・何でまた??」
首をかしげるミリー。
「いいじゃない。私、いってみたかったのよねv本部v」
そのことで会議をしつつ。
その日は、全ての授業が自習となり。
平和にも、昼時。
そんな会話をしているミリーとルビー。
その周りには。
いつもの仲良しのメンバー。
水色の髪をしているマリンに。
緑の瞳をしているエメット。
ミリーの一番の仲のいい、友達、女の子四人組み。
どこで食べようと自由なので。
彼女達は、裏庭の芝生の中の、木陰の中で敷物をひいて、昼時タイム。
「・・いや、そうじゃなくて。何で、わざわざ私達の学校を?」
当然な疑問をいっているミリー。
そう。
別に、ここでなくても。
― たとえば、銀河連邦が経営している、育成学校。
そこの存在達もまだ。
本部には入ったことすらもないというのに。
どうして、一般の自分達の学園に話しが舞い込んできたものか。
「まあまあ、いいじゃないのよ!こんなチャンス、二度とないんだから!」
「そうそう!楽しみよね!今から!」
そういう友人たちを前にして。
「何かひっかかるのよねぇ〜・・・・。」
一人、腕を組んでいるミリー。
「そーいや、ミリー、また、あれから、何か誘いがあったとか?」
ふと、そんなミリーに話しかけているルビー。
「え・・あ、うん。何か、あの翻訳機の作り方が知りたいとかで。」
その質問に答えているミリー。
その金色の髪が風にたなびく。
「ミリーが作った物って・・市販のものよりも、かなり性能がいいからねぇ。」
「あ、ミリー、今度私にも、例のノーティス、作ってねv」
そういっている、エメットにマリン。
ノーティスというのは。
俗にいう、一ミリ単位にも満たない、機械情報編集ノート。
一部では、ノートパソコンとかも言われていたりするが。
一昔前、ようやく、人類が、宇宙に進出し始めたときよりも。
今はかなり性能がアップし。
それ一つで。
殆どの情報などのやり取りや、連絡など。
全てができるようになっていたりする。
そして、このほど、開発されたその品物の名前が【ノーティス】。
これは。
まず、手のひらサイズよりもふた周り以上小さくたため、どこにでも収納可能。
平たくいえば、紙切れと似たようなもの。
しかも、薄くて軽い。
今だに、発売されたばかりで、ある程度の上流社会にしか出回っていなかったりするのだが。
― それを、すんなりと作り出してしまうミリーの起用さは、もはや、全員が認めていた。
一部の人しかしらないが。
そのノーティス。
実は、ミリーが開発したものを、ルビーの父であるルピスの傘下の企業が買取り。
そのノウハウで、一般発売にこぎつけた。
という理由もあるのだが。
別に、ミリーは。
その発明とかで、お金を儲けようとか、そういうことは一切興味なく。
それゆえに。
まず、お菓子などには困らない。
何しろ、お礼は。
お菓子とかでいい。
という、無欲さであるからして。
「そんなことより!ね!今から楽しみね!ミリー!」
将来の夢は【銀河連邦で働きたい】。
という、ルビーは。
あと、数ヶ月先だというのに。
今からうきうきと楽しみにしていた。




目を閉じると・・・ただの暗い・・・いや。
暗さも何もない空間。
・・・・・・一人?
そう。
そこには、何も……光も、闇も何もなく。
本当に、何もない。
というのは、こんなものなんだ。
と、納得がいくほどの・・・寂しい空間。
だからなのか・・・。
・・・・・何かを創りたかった。
そして。
『自分』の望むまままに・・・・。
光と闇が出来てゆく―。
そして・・・・・・・。
物質が出来てゆくにつれ。
自らは、一つの、何かを創りだしてゆく。
けど。



――――― ドウシテダレモワタシにキヅカナイノ? ――――



気付かないのなら。
なら・・・・。

孤独。

その言葉をとある存在が使ったとき。
それは、自分のことだ・・・。


と。

まどろみの中で理解し。

そして・・・・・・・・。


ポタ・・・・・・。



・・・様・・・・姫様・・・・姫様・・・・。

「姫様・・・フィラさま!!!」
名前を呼ばれて。
ふと、目が覚めた。
「・・・あれ?ファー?」
ぽたり。
何か、すっごく、悲しい夢を見ていたような気がする。
でも、自分にとっては・・・・大切な何かを。
ほっ。
ほっとした表情のファー。
そして。
ふわりと。
姿をミリーと同じくらいにと変化させて。
「・・・・私は、いつでも、側にいますから・・・・。」
そっと。
起き上がったミリーを抱きしめる。
「?」
その意味や、どうしてそんなことをいうのかは分からないが。
「・・ありがと。」
そういって、そっと、抱きしめられている手を握る。
その手の温もりが暖かくて。
「・・ね?ファー?一緒に・・ねよ?」
そういって。
ベットの横を叩くミリー。
何か、一人では寝られない。
何か怖いことを思い出しそうで。
・・・・?思い出す?
ふと、自分の考えに、首をかしげつつ。
ファーにと言っているミリー。
「はい。よろこんで。」
にっこりといって。
自分と同じ大きさになって。
背中の羽もしまっている、ファーは。
そっと。
ミリーの横にと寝そべってゆく。
「・・・ね?ファー?どうして・・・あなたは・・私の側に・・・いてくれる・・・の?」
・・・・・・ぐぅ・・・・・。
寄りすがるようにそのまま、寝付いてゆくミリー。
「・・・・・せめて、どうにもならないことなのですから・・・。ひと時の安らぎを姫様に・・・・。」
そう言って。
ミリーの寝顔を見つつ。
その温もりを感じつつ。
ファーもまた。
その身を、休息にと落ち着けてゆく。


― たとえ、それが、一時の安らぎであろうとも。・・・私は・・・・姫様には・・いつも、笑っていて欲しいんです。

逃れられない、その存在の本質。
そして。
それゆえに、存在している自分。
しかし。
今のミリーは。
そんなことは。
完全に、記憶と力を閉じているがために。
微塵も感じさせずに。
一時の安らぎを満喫しているように・・・。



「いってきまぁぁぁす!」
元気よく、いって家を出てゆくミリー。
その手には。
ちょっとした大きさの手提げ鞄。
何しろ、鞄なども。
次元式鞄が、一般的な、今日この頃。
それゆえに。
昔のように、多い荷物でも。
ちょっとした小さなものでも持ち運びは可能。
言い換えれば。
まず、鞄の大きさとかは。
もはや、お洒落の一貫として世間では捉えられていたりするのが現状。
「おっはよぅ!」
そういってくるルビーの目は、どこかしら紅い。
「・・・・・昨夜・・・寝てないわね?」
苦笑するミリーに。
「だって!すっごく楽しみなんだもん!」
きっぱり言っているルビー。


今日は、初めての試み。
 一般の存在を、その本部にと入れるのも。
初めての試みというか、実験を兼ねた。


― 社会見学の日 ―。


とどこおりなく。
数ヵ月後はやってきているのであった。



                                      −続くー


    


#####################################

   あとがき:
       薫:・・・・・・次回。
         本部にと向かうミリー達。
         ・・・ここから。
         ミリーの運命。変わってきます。
         ま・・・・まあ、ミリーには、
         運命なんて・・・始めからないにも等しいですけど・・。
         何しろ、その本質が・・ねぇ・・・(汗)

         ではでは・・・・・。



      姫:で?本部の中の様子v詳しく書ける自身、あるの?(はあと)
      薫:ないです!そんなもの!(断言!)
      姫:へぇぇvv

     ―ザシュ・・・・・。

     姫:それでは、次回でvv
      ・・・まだ、ミレアの登場・・・まだなのね・・・くすん・・・。