さて・・・・と♪
どうにか、小五郎たちも例の組織のことを知りましたv
あと少しv

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           虹雫の涙  第8話    ~依頼~




食事が終わり。
各自各割り当てられている部屋にと戻っている全員。
「・・・・なあ?どう思う?」
そういって。
隣にいる妻の英理に、話を振っている小五郎。
「・・・事実、原因不明の突然死をしている人間は。
  少なくとも、私のところに家族から依頼があっただけで。すでに百件を超えているけど・・・・。」
 声を震えさせている英理。
資料として見せられた、組織が関った死亡者リストの一部。
どうしてそんな証拠まで持っているのに行動を起こさないのか。
と、詰め寄ったものの。
自分たちは表に出れないの一点張り。
それよりも、自分たちが表に出ることで。
この星そのものが、混乱を招きかねないという事実。
事実、この国では。
この惑星上で起りえたことならば。
たとえ、どんなにセキュリティや、秘密主義をとおしていようとも。
全てお見通しなのである。
この惑星を通じて。
一部だけですが。
といって、みせられた死亡者リスト。
その中に。
かつて、小五郎が刑事であった時代に。
追いかけていた、とある事故の夫婦も存在した。
あくまで事故だと処理する警察の上層部や、決定に反発して。
真実を突き止めるためにと、警察をやめて、私立探偵をすることになった。
とある一つの事件が。
あきらかに、車に細工がされている形跡があるのに。
車の点検ミスとスピードの出しすぎ。
それで、完全に事故死と断定された、昔の一つの事件。
再調査をしようとしたところ。
翌日というか、事故の決定が下されたその日の内に。
すでに、証拠の車両は、廃棄処分とされ。
跡形もなく消え去っていたという不可解な事実。
しかも、その事故の当事者が、海外に生活をしていたために。
という理由で、それに関る資料も全て翌日には、所轄地から海外にと送られて。
小五郎にとって、かなり心にと残っている昔の事件。
「・・・・なあ?」
「ふっ。止めても無駄でしょ。あなたの好きなようにしなさい。そ~いうところは嫌いじゃないわよ。」
視線で問いかける小五郎に。
軽く笑みを返す英理。
そして。
「私の方もあまり目立たないように。いろいろと調べてみるわ。― これは、かなり大掛かりな組織のようだしね。」
そういって腕を組む。
「・・・・だな。青二才にばっかり、危険な目にあわせられるかっていうんだよ!」
だん!
机を叩きつける。
「まあまあ。はい。」
「お、サンキュー。」
トブトブトプ・・・・。
グラスにと注がれてゆくワイン。
先ほどの女王の話の件で。
英理の部屋にと来ている小五郎。
二人は静かに、ワイングラスにと赤ワインを注ぎ。
テーブルを囲んで。
しばし、飲み明かしてゆく―。




くうくうくうくう・・・。
完全に寝息を立てているのを確認し。
― カチャリ。
部屋を出てゆく二人の姿。
「どう?」
「ああ、俺の方も大丈夫だ。」
カチャリ。
時を同じくして。
別の部屋からも、小学生くらいの男の子がそっと扉をあけて出てくる。
そして。
― ガチャリ。
少し離れた場所の扉も。
夜のほとばりが完全にと満たしている廊下に。
静かに、音を響かせつつ。
また違う扉が開く音。
「こっちもおっけーやで。」
そういって、扉から出てくる平次。
「とりあえず・・・・。何が目的なのか、聞き出さないと・・・。」
普段着にと着替えて言っている哀。
「まあまあ、哀君。どうやら、彼女達は。例の組織のメンバーではなさそうだし。そんなに警戒しなくても・・。」
そんな哀をなだめている阿笠。
そんな会話をしていると。
ふわり。
彼等の目の前の空間に。
小さな光の光球が出現し。
その球から。
「工藤様達ですね?姫様と女王より。ご案内するようにと、仰せつかってまいりました。どうぞ、こちらへ―。」
光の球の中にいる、
虹色の羽を生やし、銀色の髪をしている女性が。
廊下にと出ている。
コナン、哀、阿笠、平次。
この四人にと語りかけてくる。
「・・・・どーやら、向こうの方から出向いてきたようだな・・。」
コナンが小さく苦笑する。
「工藤君、油断しちゃ駄目よ?」
「わーてるって。服部はどうする?」
「何いってんねん。いくにきまってるやろーが!」
にっとその黒い肌から白い歯を覗かせる。
「博士は、部屋でまってて。」
哀の言葉に。
「お・・おい!哀君!」
「大丈夫だって。どうやら、危害を加える気は、あちらにはなさそうだしな。
   それより、チビたちが騒がないようにとよぉぉく、見ててくれよ。博士。」
抗議の声を上げる阿笠に言っているコナン。
「お・・・おい!新一君!」
「じゃ、いくか!」
「そーね。」
「だな。」
そういって。
ふよふよと。
廊下をいざなうかのように飛んでゆく光の球の後をついてゆく。
三人の姿。
あとには。
「・・・・・一体・・・・まあ、とりあえず。確かに・・子供達が騒いだら・・・・大変じゃしな・・。」
頭をかきつつ。
部屋にと戻ってゆく阿笠の姿が。
そこに見受けられていた。



すっ。
どうみても壁である所にて。
その光にと包まれている妖精は、壁の前にて立ち止まる。
「お連れしました。」
「入ってもらって。」
澄んだ声が壁の向こうよりコナン達の耳にと届いてゆく。
その言葉が終わりきるより前に。
『うわ(きゃ)!?』
コナン達の目の前の壁が一瞬にして、掻き消える。
その先には、部屋にと続くちょっとした入り口。
四方の壁には。
絶えず様子が変わり行いている、太陽系。
その全ての惑星や衛星の様子が映し出され。
先を進むにも、まるで太陽系という宇宙の中を散策しているようで、思わず息を呑むコナン達。
しばらく、そのまま、進むと。
やがて、広い部屋にとたどり着き。
その中心に。
丸いテーブルにと腰を降ろし。
コップを片手に手招きしている二人の女性の姿。
銀を主張としたその全ての家具のデザインは、全て見たこともないものであるが。
そのまま、促されるままに。
用意されている、丸く輝く銀色の蔦を形どている縁取りの椅子にと腰を掛けてゆく三人の姿。
くすくすくす。
小さく、くすくすと笑いつつ。
「ようこそ。ごめんなさいね。いきなりのことで。」
くすくすと忍んで笑っているのは、黒い髪をポニーテールにしている少女。
 「・・・・で?菫ちゃん?セレーネ姉ちゃん?一体、何がどうなってるんだよ?」
ぶすりと。
不機嫌なまでにと問いかけるコナン。
いや、今の姿はコナンではない。
この部屋にと進む道すがら。
コナンも哀も、本来の姿に戻っているがゆえに。
ちなみに。
二人とも、女王から渡されていた伸縮自在な子供服を着用していたがために。
というか、首にとある石の首飾りをしているがために。
服も体型にと伴って変化しているので不都合などはまったくないが。
「本当だったら、完全に傍観を決め込むところなんだけどね♡新一君も知らない仲でないし♡
  それに、何より、志保ちゃん?貴女の両親に私以前お世話になったのよ。
  だから、その手助けをしたいって。ちょうどやってきた姫様にお願いしたのよ♡」
何の悪ぶれもなく言っている女性は。
そういって。
その銀色の髪をふわりとなびかせる。
「・・・・え?父と母がここに来たことがあるんですか?」
その言葉に。
思わず問い返している志保。
志保が物心つく前に。
すでに両親は、組織の手にかかって死亡していたがゆえに。
志保は両親の記憶は殆どない。
その赤みがかかった茶髪を思わずなびかせて。
がたん!
と椅子から立ち上がる哀こと志保。
「ええ。志保ちゃんがまだうまれていないときにね。」
 組織の活動の最中。
天候に巻き込まれ、遭難した志保の両親。
ちょうど活動をしていたのが、バミューダ海域での、調査。
偶然に、この海域にと流されて。
この国にへと流されて、事なきを得た二人。
まあ、他の人間は。
そのまま、海の藻屑と掻き消えるか。
または、鮫のお腹の中にとはいりゆくか。
という運命を辿ったのであるが。
当時。
二人は、組織にと捕らわれ、束縛されての研究の毎日。
そんな中で、組織に隠れ、恋愛していた志保の両親。
彼等は知っていた。
組織がそれを好まないであろう。
ということは。
それでも。
それが許可されたのは。
二人が生還し、保護されたときに持っていた、とある物質。
それは、当時の組織の研究員達を驚愕させた。
二人が持っていたのは。
この国…ミドガルド王国の砂というか土。
砂浜の光る砂が綺麗だったので、志保の母親が記念にと瓶に詰めていたのだ。
そもそも、このミドガルド王国は。
俗世界から完全にと隔たる位置にと存在している。
それゆえに、ここのどんなに小さな品物や物質でも。
ひとたびこの国から出ると、それは、珍しいものにしかなりえない。
何しろ、ここには、地球上には存在してない。
といわれている物質なども多々と存在しているのである。
つまり、この国で。
この太陽系の中にある全ての意味あるものは、全てそろうといっても過言ではない。
その光る砂の成分の中から。
細胞の退行化を計る物質を見つめだした科学者達。
そして。
それを参考に。
とりあえず、目的のもの。
いずれ近づく年となりつつあるその年までに。
伝説の『石』を手にいれるのも。
また、組織の理由であった。
彼等が捜している『石』とは、輝石。
世間の一部では『ビッグジュエル』とかとも呼ばれているが。
とある鉱物の純粋なる結晶の中にと。
封じ込められているという、伝説の『聖石』。
彼等の目的は。その石そのもの。
石がなくても。
肉体的に、もしかしたら、若返る方法は可能かもしれない。
というので。
組織が開発に着手したのが ―。

― アポトキシン4869。

この、4869という数字は。
今までに開発されたアポトキシンの数を意味している。
かなりIQが高い博士などを攫い監禁しているとはいえ。
それでも、一様にと開発が日の目を見ずに。
志保がその両親の意思を受け継ぎ、研究にと明け暮れて。
かろうじて、副作用ではあるものの。
後々をまったく一つも残さない毒薬として……開発されてしまったのが。
新一と哀が飲んだ4869・・・。
つまりは、4869番目の品質である。

「まあ、それもあって。本来なら、手を出さないのが決まり。なのは当然なんだけど。
   許可が出たから、私も協力しようかと♡」
そういってにっこり笑っているセレーネ。
「??許可って・・誰からや?」
その言葉に突っ込みをいれている平次。
「ああ、それは、私よ。」
あっさりと認めているセレーネの横にと座っている菫。
「だから、何でこんな子供の許可が必要なんや?」
そういって菫を指し示す平次。
「あら。服部平次さん?そうはいうけど。私は、少なくとも、あなたの数億倍以上、年上よ♡」
「・・・・・・というか、この宇宙よりも年上ですよ・・姫様は・・。」
にっこりと言い切る菫につぶやいているセレーネ。
事実。
この宇宙を作り出したのが、この菫であるのだからして。
それは当然といえば当然の反応であるのだが。
「まあまあ、とりあえずどうでもいいことはおいといて。どうする?協力してくれる?
  私としても、こんなばかげた理由で、ここまで進化している人類、滅ぼすの、もったいないと思うし。
  新一君たちさえよかったら?便宜は図るけど?」
とりあえず、気を取り直して言っているセレーネ。
「?便宜って?」
その言葉に、ふと疑問に思った志保が突っ込む。
「たとえば、完全に灰原哀の戸籍を。そうね・・・イギリスにでも作りましょう。
  イギリスの女王は、以前私達一族と関りがありましたから。話せば話しはすんなりと通りますし。
  あとは、新一君に関しては♡長く帝丹高校休んでいるでしょ?
  このままだったら。出席日数不足で退学、もしくは留年は決定♡
  でも受けてくれるんだったら、こちらに留学という形にして。ついでに学力テストとかも。
  こちらで責任をもって、教育委員会にと新一君にやってもらって。提出するけど?どう?」
その言葉に。
「そりゃ・・・ま・・・確かに学校にはこのなりではいけないけど・・・。」
ぷつぷつつぶやく新一。
まさか、小学生の姿で。
高校に通うわけにも行かない。
まあ、姿に対して、それなりの場所…小学校には通っているが。
「あとは・・・そうね。完全に漫画や小説のままと突っ込むかもしれないけど。
   この依頼受けてくれたら。先日手渡しているネックレスの力で最高三人にまで分離が可能よ?」
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?』
にこにこと、あっさりと言い切るセレーネの言葉に。
思わず目を点としている新一と志保。
くすくすくす。
「ほら?よく漫画とか、映画とかであるでしょう?主人公が分身するっていう設定。
  魂を三等分に分けて分身するんだから。たとえ離れていても、もう片方が居る場所に移動できるし。
  便利よ?正体がばれそうになったときとか♡」
「え・・・えと・・いや・・それって・・。」
「ほんまに映画漫画のままやないけ・・・。」
「今だに、一人の人間が分身するという原理。
   理論的には、クローン技術とかで可能かもしれないとされているけど。今の技術では不可能ですよ。」
かなり興味を引かれている新一に。
最もな突っ込みを入れている平次。
科学者&研究者らしく、冷静に言葉を分析している志保。
「あら?それだったら、試してみる?」
にこにこと笑う菫の言葉に。
しばし、目を見合わせて。
小さくうなづく三人の姿がそこにはあった。




「・・・・・・で・・・・これを全部?(汗)」
どさり。
積み上げられている参考書の山。
「そーいうこと♡勉強は自力で頑張りましょう♡大丈夫vここの部屋の時間は。
  外の数億倍遅いからvたとえ何年かかろうが。体も老いることもないからvじゃ、がんばって♡」
「ああ!せめて、もっと楽な方法でぇぇ!」
「努力はするにこしたことなし♡」
― ビシャリ。

「な・・・・何か、工藤君・・・・気の毒かも・・・・・。」
「・・・・・・せやなぁ・・・・。」
納得づくで。
とりあえず、正式にと依頼を受けた新一。
志保はこのまま。
あの薬の成分の分析と、完全なる解毒の創り方。
そして。
この場所からはあらゆる場所にと忍び込めれるというのを聞いて。
この国に持って来ていた自分のパソコンから。
組織の内部のコンピューターにとハッキングを試みる。
この国からハッキングした場合に限り。
どんなにセキリュテイがしっかりしていても、まったく、その痕跡は一切残らない。
平たくいえば、もしこの国から。
どこかの軍事設備にのコンピュータにと入り込んで、核の操作ボタンをぽちりと押す。
そういうことも、簡単にできる土地柄なのである。
ここ、ミドガルド王国は。

とりあえず、新一は。
時間がけたたましく異なる部屋にとつれてゆかれて。
とりあえず、まだ習っていない知識。
これから必要になりえる知識。
その全てを叩き込むべく。
勉強部屋にと閉じこもり早数時間。


やがて。

数時間後。
完全に疲れきり、ひょろひょろと出てきた新一をみたとき。
志保と平次は思わず息を呑んだものだが。
それが。
疲れきり、眠っているだけだとしり。
ほっと安堵の息を漏らしていた。




「・・・・・・・べ・・・・・・・・ベルモッド・・・・・・・・・・・・。(汗)」
新一を待っている最中。
壁に帝丹高校を映し出し。
平次が別の作業をしているのを見計らい。
以前、新一と平次が自分に隠れて。
怪しいといっていたそこの臨時音楽教師を映し出して見ていた志保は。
その、素顔をみて驚愕してゆく―。
事実は、彼女に化けている、その当人なのであるが。
そんなことは今の彼女が知るはずもないこと。
彼女は変装の名人であるがゆえに…よもや、とある『先生』に成り代わっているなどとは…彼女はまだ知らない…



まさか、こんな身近に。
すでに組織が入り込んでいるとは。
などと思いつつも・・・・・・・・彼女は驚愕してゆく…
彼女の思っていることと事実は異なるにしろ…組織のメンバーが近くにいることは…確かに事実…



                                       -続くー

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    あとがきもどき:
       ちなみに、新一。
       時間の異なる勉強部屋で。
       はっきりイって、全ての賞を取れるくらいまでの、知識を身に着けております。
       自力で勉強したもの。
       直接に脳の内部に情報を伝授したものと。多少些細なこともありますけど。
    薫:・・・・どこが?(汗)
    姫:えいv

―ボグ!

     はい。何かお目苦しい音が入りました。気にしないでくださいねv
     それではv
     次回v
     蘭が新一と再会です♡
     それにコナンも加わってますけどね♡
     それではvvまたvvv


 
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