まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

今回は、ほとんど勇者ミトスがどうしてこのような世界をつくりあげたのか。
かつての峡谷の語り部がいったことにたいする追加説明、みたいなものです。
ロイド達、今のような世界になった事情を今回、一応間接的ではありますが知ることになります。
え?ゲームではしらなかったじゃないかって?
やはり知ってるのと知らない、のとではミトス生存、というルートにもっていくのに違和感ないかとv

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あいかわらずの心配性、だとおもう。
ミトスが現れた、というのをしり、なぜか全員集合状態となっているセンチュリオン達。
さすがに八柱も同時に魔物に擬態させていても人数が人数であり、大所帯になりかねない。
また、八、という数字から何か勘づかれても面倒、ということもあり、
傍にいるのならば、影の中に半分はいろ、と命令をだしたのはついさきほど。
一番後ろから彼らのあとをゆっくりとついてゆく。
どうやらミトスは自分のことを秘密にしたままこの一行に合流するつもりらしい。
何を考えているのかはわからないが、すくなくとも、精霊の楔に関係しているのは間違いない。
ミトスによって歪に陰陽に分けられていたマナの流れと仕組み。
しかしそれらはセンチュリオンの覚醒とともに本来あるべき姿にともどしている。
彗星上における管理システムのほうは掌握しているがゆえに、正確な数値がはじき出せないようにはしてもいる。
ゆえに、上空からは地上の性格なマナの変動数値がわからないように今現在はなっている。
わざわざ管理部のものたちもそこまで調べたりはしないゆえに、ミトスは詳しいことはわかっていない。
おそらくは、地上におりてきて感じたであろう。
マナの安定を。
流れているはずのマナはなく、逆にマナが安定していることにおそらくは気づいたはず。
精霊としいなというヒトが新たに契約していることに起因しているのでは、
と精霊の楔がぬけたときにミトスがネオ・デリス・カーラーンのコアシステムよりはじき出した答え。

光と闇の協奏曲 ~勇者ミトス、そしてユグドラシルへ~


そうこうしているうちに、やがてアルタステの家のある崖の前までたどりつく。
「このあたりまでは被害は及んでいないようね」
「…というかさ。前よりこの付近の魔物…ふえてないかい?」
リフィルが周囲をみわたしていい、しいなが周囲をちらり、とみただけでそんなことをいってくる。
前回、ここに滞在していたときもあきらかに魔物の数が増えている。
きのせいではなく。
何しろみただけで、そこらかしこに魔物らしきものの姿がみてえてるのである。
「ああ。最近、ここの魔物の生態系もかわってるみたいなんですよね。しいなさん。
  今までいなかったはずの属性の魔物や、新種の魔物も増えてるんですよね。
  ここガオラキアの森だけに限った現象ではないんですけど」
そんなしいなにと、アステルが説明している姿がみてとれるが。
「新種の魔物?」
「ええ」
「…そういえば、以前、イズールドでグミ好きな蛙の魔物がいたっけ?結局姿はみつからなかったけど」
あれもあるいみ新種といえば新種だろう。
それゆえに思い出したようにジーニアスがぽそり、とつぶやく。
そんなジーニアスの視線の先では、
魔物にたいする検証をそれぞれ意見しているアステルとリフィルの姿がみてとれるが。
「そういえば、その子は?」
家にまでたどりつき、アルタステがミトスをみつつもといかけてくる。
「村に倒れてたんだ。村を襲ったのは天使だってこの子が……」
ゼロスの台詞に。
「…やはりか。裁きのいかづちがおちたがゆえにまさか、とおもったが。
  しかし、天使達が直接に出向いた、というのか?」
天使達が直接に制裁を加えることなど滅多とないはず、だというのに。
そもそもクルシスが直接動く、というのは滅多とないことのはず。
自分にたいする見せしめ、だとしてもそれはすこしばかりありえないような気がしなくもない。
「そういえば、アルテスタさんは昔、クルシスにいたっていってたよな?
  あのときは詳しくきけなかったけど、クルシスのこと、もうすこし詳しくおしえてくれないか?」
あのときは要の紋のこともあり、またコレット達のこともあり詳しくきく暇がなかった、といってよい。
「クルシスのことをか?なぜ?」
「なんかいろいろとあって、きちんとした意見をききたい、というか……」
「珍しい。ロイド君がまともなこといってるんだけど?」
「茶化すなよ。ゼロス。だってそうだろ?
  語り部のところできいた内容とか、なんかこうごっちゃになってるというか」
何が真実なのか、何が偽りなのか。
エミルがいっている偽りの真実。
マーテル教はクルシスが創りし偽りのもの。
ずっと女神マーテルが世界を大地を守っていた、そう習って…否、聞かされて生きてきたというのに。
アステル曰く、古代の文献や遺跡においての壁画などにはマーテルのマの字もなく。
世界をうみだせしは世界樹だ、そういわれている、ともいっていた。
それはエルフの里にしても然り。
勇者ミトスの物語と、クルシスの指導者ユグドラシル。
語り部曰く、ユグドラシルは、勇者ミトス、ミトス・ユグドラシル、だという。
精霊オリジンと契約していながらも、堕ちた勇者だ、とも。
古代大戦を終結に導いたような英雄…勇者がなぜ、堕ちた、とまでいわれてしまうのか。
それがきにかかる。
「クルシスのことはそういえばいまだに詳しい資料がないんですよね。僕もそれ知りたいです」
今現在はいまだに家にはいる前。
少しひらけた崖の下。
崖をくりぬいた形でアルタステの家は位置している。
このあたりは崖の近く、ということもあり木々もほとんどなく、
切り立った崖に囲まれている。
その前方のほうにはガオラキアの森の姿がみてとれるが。
クルシスのことに関してはほとんどといって資料がない。
あるのは教会にあるクルシスに関する伝承くらい。
しかし、その伝承もかなり創られたものだ、とおもえば信憑性はかなり低い。
アステルが知りたいのは真実。
「…語り部?まさかお前さん達、エルフの伝承者のところにいったのか?」
人里離れた地において、霊草をまもりしエルフの伝承者。
ロイドやアステルの台詞をきき、アルタステがおもわず逆にといかえす。
かの語り部はエルフの族長の許可の証がなければ対応してもらえないはず、なのにである。
そういえば、とおもう。
彼らの中にはリフィル・セイジ、となのっていた女性がいた。
もしも、彼女があのリフィルというハーフエルフの子供ならば、まあわからなくもないが。
何しろ王立研究院がその知識と知能の聡明さをかって、手にいれようとして失敗したという子供。
死亡した…ということだったが、彼女達はシルヴァランドからきた、という。
ならば可能性とすれば異界の扉を介し、あちらの世界に渡った、ということなのか。
そのあたりの詳しいことはアステルにもわからない。
ないが、語り部のところにいった、ということは、おそらく歴史の真実を聞かされたのであろう。
そして、クルシスの指導者…勇者ミトスのことも。
白衣をきているエミルとそっくりな人物はアルタステも知っている。
知っている、といっても噂できいたことがある程度、なのだが。
エクスフィアのことはかつて彼らがきたときに簡単に説明してはいる。
が、クルシスに関してのことはそういえば説明している暇がなかった、といってもよい。
そして、いまだにプレセアに妹のことをいっていない、というのもおもってしまう。
彼女が適合していたから、という理由で、家族だから、という理由でヴァーリに連れていかれてしまった、という。
ある貴族の屋敷の奉公にあがっていたが、家主と恋仲になり、身分が違うから、
という理由でその家の執事の手によりヴァーリに引き渡された、と。
その結果が実験の失敗。
風の噂でその彼女によってアルタミラにおいて数名の犠牲者がでてしまったらしい。
エクスフュギュアと化してしまったその彼女の手にて。
最も、それより気になるのはエミル、という少年。
かつてここにきたときに彼が使用した、世界樹の小枝。
その小枝に芽吹いていた新芽。
たしかにあのときも魔物が傍にいたにはいたが、
今はまるでエミルを守るように、常に前後左右にぴったりと寄り添うようにいるのが印象深い。
「王立研究院に所属しているものもクルシスのことに関しては詳しくはなかろう…
  そもそも、教会側もクルシスの真実はしらぬ、のじゃからの」
ちらり、と後ろのほうに木によりかかるようにしているエミルをかいまみてため息ひとつ。
「お前さん達に聞くきがあるのなら、わしでわかる範囲ならばクルシスのことについて教えてやるが?」
アルタステの言葉に、しばしロイド達は顔をみあわせ、そのまま無言でこくり、とうなづく。
知らないよりはしっていたほうがいい。
それは常々リフィルがロイドにいっていること。
きちんと頭にはいっていないようでもあなたはたぶん、本能的に頭に入っているみたいだから、
いざ、というときにその情報をもとに突発的な行動をするのよ、とはリフィル談。
ロイドはいわれてもピン、ときていないが。
「…長い話しになる。とりあえず家の中にはいるがよかろう」
「あ、僕はノイシュと一緒に外でまってるからね」
そんな彼らにとさらり、と背後からいってくるエミルの姿。
「え?エミル、また?」
また、とジーニアスがいうのもあるいみ仕方ないといえるであろう。
こういった場所は必ずといっていいほどにエミルが一緒に入ったりすることは滅多とない。
一度はいったとしてもいつのまにかすぐにそとにでている。
それは宿においてもおなじこと。
「だって、あまり大人数で人の家におしかけても何でしょ?
  すでに、ロイドにジーニアス、リフィルさんにしいなさん。リーガルさんにプレセアさん。
  ゼロスさんに加えて、アステルさんとリヒターさんまでいるんだよ?
  でもって、ミトスも加わって十人。すごいね~」
『・・・・・・・・・・・・・』
いわれてみれば、である。
エミルがいることにより、十一人、というあるいみ大所帯にて移動していたことになる。
はっきりいってちょっとした旅行者一行、といって過言でない。
旅行者、というよりは旅業の一行、というのでも十分に通用する。
もっとも、ここテセアラでゼロスのことを知らないものはいないので、
ゼロスとともにいるものは、ゼロスのお供、くらいの認識しかなかったりするのだが。
今まで人数に関しては詳しく思うこともなかったがゆえに、さりげにエミルに指摘され、
おもわずロイド達は無言になり顔をみあわせる。
「…たしかに。あまり大人数で押し掛ける…というのも…」
人の常識として、それは、とリフィルもおもったらしくおもわずこめかみに手をあてる。
「んじゃあ、俺様はエミル君とそとでまってるわ。アステル君達はクルシスのことききたいんだろ?
  リヒターはいないとアステル君の暴走…でなかった、ストッパー…でもない。
  とにかく、リヒターがいないとアステル君が困るだろうし」
言外に他者がこまる、という言葉がありありとわかるゼロスの台詞。
「む。どういう意味ですか?神子様」
「いやぁ。別に?というわけで、エミル君。いいかな?」
「まあ、ダメ、とはいえませんけど……。ゼロスさんは話しをきかなくてもいいんですか?」
「きいてもどうにもならないっしょ?それにエミル君を一人で外にまたせておくのもな。
  おまえ、わかってんのか?どうやらクルシスのやつらはお前までねらってるっぽいんだぜ?」
まあ、クラトスからミトスに報告が上がった以上。
そしてどうやら自分にたいし、生け捕り命令…すなわちミトスからの勅命がでている、
というのは偵察にいったセンチュリオン達から聞かされてはいる。
すでにかの地に安置してあったという石はアクアとテネブラエによって手元にともどってきている。
とりあえずなくなったことに気付かれては厄介なので、
力が満ちていない、別の石をかわりにそこにおいてきてはおかしたが。
「ミトスは?」
そんな中、ジーニアスが心配そうに、ミトスをみながらといかける。
「僕は……」
「ミトスは家の中にはいったほうがいい。もしまた天使達がもどってきたら危険だしな」
ロイドの言葉にミトスはしばしうつむきかげん。


アルタステの家にとある客間。
といってもさすがに十人が座れる、といったような広い机でもない。
ゆえに、数名がテーブルの前の椅子にとすわり、他のものはそれぞれ壁によりかかったり、
その場に直接に座り込んだり…これはタバサが座布団、とかいうものをもってきて、
彼らにそこにすわるように、とうながしはしたが。
ともあれ、クルシスの話しをきくために、ロイド達はアルタステの家の中へ。
外で待機しているのは、ゼロスとエミル、そしてノイシュ達のみ。
タバサがいれたお茶がそれぞれにと手渡される。
コップが数ほどないゆえに、このあたりに生息しているという木の実にてコップの代用。
中身をくりぬき、コップ替わりに。
ちなみに、中身の身はサラダに使用するのに都合がいいらしい。
「クルシスとは…ほとんどがハーフエルフで構成された組織じゃ。
  わし以外のドワーフもたくさんかかわっておる」
「ドワーフってけっこう大勢いるのか?」
「クルシスに属していなければ、そのまま大地とともにいるか、どうか、じゃの。
  本来ドワーフはかの古代大戦より後は滅多に人前にはでなくなったからの」
ドワーフ達からしてみれば、天使化、というその一端をヒトに教えてしまったがゆえに、
あのような兵器ができてしまった。
ゆえに、人とはかかわらないようにしよう、という動きが一部であったのもまた事実。
「親父とアルタステさん以外にもドワーフっていたんだな」
「…そういえば、お主はドワーフに育てられた、といっておったな」
ロイドがしみじみいうと、アルタステがそんなことをいってくる。
「彼らの目的はハーフエルフの千年王国と、マーテル様の復活だ。
  そのためにマーテル教を利用して、マーテル様の意識と融合させようとしている」
その融合は神子であったり、女神、という概念の意識とと、であったり、という注釈はつくが。
「でも、きになってたんだけど。どうしてディザイアンは神子の命をねらうの?
  神子がマーテル様の器になる、というのなら命・・・すなわち、死体になったら意味がないんじゃ?」
心を殺した状態で、生きたままの人形にし、そこにマーテルが宿る。
マーテルの器、クルシスの目的。
レネゲードの目的は、そんなマーテルの復活の阻止。
それらを聞かされているがゆえの素朴なるジーニアスの疑問。
「それは、エクスフィアやクルシスの輝石、とよばれしハイエクスフィアを目覚めさせる手っとりはやい方法が。
  人の恐怖や悲しみ、苦しみや闘争本能…すなわち感情の起伏などといったものに刺激されて目覚めるんじゃ。
  だからディザイアン達は衰退世界を荒らす。天使化促進のために。
  神子を危険に陥れる。よりスムーズに天使化を促進させ、器にするためにな。
  …しかし、本当の意味で神子の命までは奪わぬはずじゃ。ぎりぎり危険まで追いこみはしてもの。
  本気で命を狙うとなれば、ロディルのようにクルシスを裏切ったディザイアンか、
  あるいはレネゲードの連中であろう」
生死の境に追い込まれることにより、感情が爆発し、その感情によって石が目覚める。
そのための手段。
「何だよ、それ!」
おもわずロイドが叫び返す。
そのために危険な目にあわせる、というのか、クルシスは。
「ロディル…奴は何をたくらんでいるのだ?」
「でも、ロディルはあのとき、ゼロスが倒したんじゃあ?」
あの飛竜の巣で、ゼロスにおもいっきり体を貫かれた。
そのさまはロイド達もみてしっている。
「…いや、おそらく奴は生きておるじゃろうて。プレセアに奴が接触するたびに、微弱なる瘴気を感じておった。
  おそらく、奴は魔族とかかわりをもっておるじゃろう。だとすれば、
  奴にかかわっておる魔族がそう簡単にやつを殺す、とはおもえん。
  そもそも、もしも魔族とかかわりがあるのだとすれば、それは死ではない。
  ししてもその体は魔族の傀儡として永遠に利用される。魂ごとな」
ドワーフ達は大地とともにいきる種族。
ゆえに大地を穢す瘴気にも多少は敏感。
「あれ?でも、魔界はたしか精霊ラタトスクが門をつくり守っている、というのでは?」
アステルが調べたかぎり、かの精霊はこの世界をうみせしときよりずっと、
地上と魔界とをわけて地上が魔界にならないように守っている、ときく。
それゆえの疑問。
「…ラタトスク様が守りし門以外にも、かつての大戦のときに愚かな人が魔界との繋がりの扉をつくりおったからの。
  数万以上の民の生き血をもとに、生贄とし、力をもとめるあまり、魔界との契約をおこないおった。
  それによってつくられたものは、禁書、といわれ、エルフの里において厳重に管理されておるはずじゃ。
  魔界の魔王の一人、リビングアーマーを封じているといわれし書物じゃが。
  じゃが、その書物も勇者ミトス…ユグドラシル様達がかつて、仲間とともに記憶を切り離し、
  それらを表にでないように封じている、というのしかわしらはしらぬ。
  それでも、何ものかが外からその魔族と接触してしまえば封印もほころびるであろう」
アステルの言葉にアルタステはため息とともに説明してくる。
「あなたは、精霊ラタトスクのことに詳しいのかしら?」
「わしらドワーフの民は、大地とともにいきる種族。
  ゆえに大地の守護者たるラタトスク様を知らぬはずもなかろうて。
  そもそもこの大地そのものはラタトスク様がうみだせしもの。
  …クルシスが歌う、マーテルによる大地の守護、というのはドワーフ達も異論を唱えてはいるがの。
  それでも表だって声をださぬのは、かのユグドラシル様がたが、
  精霊ラタトスク様の…世界の加護をうけしものたちだからじゃ。
  かつての戦いのおりに、ラタトスク様と繋ぎをとった彼らは世界の加護をうけとっておる。
  わしらがクルシスに協力しているのもそれがある所以じゃよ。
  加護をうけしものをたすける義務もわしらはある、それゆえにな」
「何でそのラ、何とかっていう精霊は加護?とかいうのをあたえたんだよ?
  そのせいでこんな世界になるってわかってのことなのか?」
精霊の加護をうけている、というのがどんな意味をもつのかロイドはわからない。
が、精霊と契約をしているしいなが、その精霊の力がとてつもないものだ、
というのは理解しているつもり。
加護が何を意味するのかはわからないが、だけどもなぜそんなものをあたえたのか、という疑問がおこる。
「…いや、そもそも、ユグドラシル様はもともとはまっすぐな御方じゃったんじゃよ。
  どんな困難にもまけない、つよい意思をもちしもの。
  ミトス・ユグドラシル。たしかに勇者じゃった、よ。
  どんなに虐げられても諦めなかったらしい。前をむき平和を願い、
  そして自ら申し出て人がつくりし魔界の小窓を書物に封じ、自らの記憶を分けることにより、
  ラタトスク様の負担を軽減し…そして、皆の幸せを願い、シルヴァランドとテセアラの間に平和条約を結ばせた」
「…そんな。そんな勇者ミトスが、なんでクルシスなんてものを?
  だってどう考えてもおかしいじゃない?クルシスがやってることは…人々の犠牲をうむばかりなのに!」
ジーニアスの言葉に嘘はない。
「…マーテル様が殺されてしまったのじゃよ」
ジーニアスの言葉にため息とともにアルタステが説明してくる。
それとともに息をのむ気配がいくつか。

勇者ミトス、とよばれていた彼がかわってしまったのはおそらく間違いなくあのとき、であろう。

「すでに当時、ミトス達が戦争を終わらせたそのときは…大樹は完全に枯れはてていた。
  何しろテセアラとシルヴァランド。両方の勢力達がこぞって魔道砲を発射しまくってしまっての。
  結果として、マナが涸渇し、一気に地上の命が死滅した。
  枯れた大樹のもとにのこされたは、唯一、大樹の種子である大いなる実りのみ」
アルタステの淡々とした説明。
「魔科学が世界のマナを消費した…のよね?魔道砲……ね」
それはロディルが開発している、といわれているもの。
「当時、種子だけでは世界の存続もあやうかった。
  いずれ、マナが涸渇し、地上の大半の命は失われておったじゃろう。
  じゃが、ミトス達が精霊達に提案した。世界を二つにわければ、マナの消費が抑えられるのでは、と」
「何だよ、それ!世界を二つにわけたせいで犠牲を強いる世界になっちまってるんだろ!」
ロイドの叫びは最も、かもしれない。
が、それはそのときの現状をしらなかったから、といってもよい。
知らないからこそいえること。
「種子が生み出せしマナだけでは世界は存続することは難しかった。
  確実に一度、世界は滅んでおったじゃろう。そもそも、ラタトスク様も地上に呆れておったことでもあったしの」
「呆れ…?」
「愚かなヒトがマナを大量に消費し、自分達の首をしめることになるともおもわずに、
  否、それをしっていながらも欲のためだけに利益のためだけに利用する愚かなるヒト。
  ゆえに当時のラタトスク様としては地上全てを浄化したほうが手ってり早い、とおもわれておったらしいの」
「…地上全ての…浄化?」
「全ての命が一度、無にかえり、再び世界を構成、構築しなおす。つまりはそういうことじゃの」
それが意味することを察し、完全に言葉を失うロイドとミトス以外のものたち。
ロイドはその意味がわからない。
理解することができない。
「それをしなかったのは、ミトスが提案したからだ。まだ世界を存続させる方法がある。
  世界を救う方法がある、とな。だからこそ猶予があたえられた、とわしらの間につたわっておる」
ドワーフの間につたわりし、伝承。
「大いなる実りが生みだせるのは大樹の十分の一、否、百分の一にも満たないわずかなるマナ。
  唯一、そのマナで賄えるのは大地の存続のみ。そこにすまう命までは潤すことはできぬ。
  まっているのは大地以外の死。すなわち、生命の死。
  それを理解した勇者ミトスとその仲間達は、世界を二つにわける、という方法を提案した。
  マナを交互に使えば、マナの使用量が限られるし、何よりも魔科学が発展することもない。
  そして、戦争が再発することもない。そもそも敵対する勢力同士をわけるのだからな」
争う相手がいなければ戦争にもなりはしない。
「…なるほど。少ないマナでは魔科学は使えないものね。
  そして、争う国がなければ兵器が発展してゆくこともない」
リフィルがそんな説明をきき、納得がいった、とばかりにうなづく。
「おそらくは、理解はしておったじゃろう。
  マナの量を制限すれば、豊かさになれきってしまっておる人は…苦しむものが大勢おるということも。
  そしてそのために犠牲がうまれることも。
  …事実、マナの量がへったことにより、国が目をつけたのは、ヒトや生命体がもつマナじゃからの」
「それは、どういう……」
アルタステのその言葉に何やら不穏な気配を感じるのは、リフィルの気のせいか。
「互いの国は、少なくなったマナを補うために、ついには人を兵器、として扱うのではなく、
   マナの供給源、とすることを決定したんじゃよ。
  それは、強制的にヒトからマナを吸い上げて、マナのみを取り出す、ということ」
『!!!!!!!』
息をのんだ気配はほとんど。
それが意味することは、すなわち、マナのために人を殺す、ということに他ならない。
そしてそれは人といわず魔物にまで及んだ。
結果としてマナの調停をしていた魔物達まで手にかけたことにより、
マナのバランスが崩れ、人は愚かにも自ら自分達の首を絞めていった。
「結果として、世界を二つにわけたことにより、世界の滅びはさけられた」
そのあとにおこった大規模なるマナの乱れは互いの国が魔物からマナをとりだしまくったがゆえ。
調停するものがいなくなり、乱れたマナにより多大なる被害がでたに過ぎない。
あまりに人が魔物からマナを取り出そうとするので、当時のラタトスクは魔物にあらたな理をあたえたが。
すなわち、ほとんどの魔物に属性耐性をあたえた。
「…その状況がずるずると今につづいているんですか?」
アステルの素朴なる疑問。
でも何か違う気がする。
それは直感。
そんなアステルの言葉にふるふると首を横にふり、
「いや。勇者ミトスとその仲間達は、約百年毎にこの惑星に近づく、彗星デリス・カーラーンをまっておったのじゃ。
  彗星デリス・カーラーン。それはマナの塊そのもの。マナそのもの。
  そのマナを使い、大いなる実りを発芽させるための時間稼ぎとし、
  精霊オリジン様より与えられし魔剣の力をつかって世界の仕組みをかえた、という」
「なぜ、大いなる実りをいまだに発芽させていないのだ?」
リーガルとて不思議におもう。
そもそも、デリス・カーラーンとは聖地、とよばれし場所。
クルシスが拠点とせし場所のはず。
すでにマナの塊、というその彗星はそこにあるはず、なのに、なぜ。
「発芽させなかったわけではない。発芽できなかった、ときく。
  勇者ミトス達が皆で天使化し、彗星デリス・カーラーンの接近をまち、世界を一つに戻そうとしたそのとき。
  ……人間達が大いなる実りのマナを独占しようとして、
  互いの勢力の軍勢達がカーラーンに軍を率いてやってきた、ときく。
  マナを生み出せるものは大いなる実りだけ。そうしった人間達は独占することを選び、そして実行した。
  その結果、何がおこるか、世界を滅亡させるともおもわずにな」

ただ、大いなる実りさえあれば、よりよい豊かさが手にはいる。
それだけの理由で。
豊かさどころかそれは世界滅亡へ近づけている、ということにすらヒトは気づいてすらいなかった。
協力していたハーフエルフ達にしても然り。
エルフ達が忠告しても人はききいれなかった。
それどころかエルフ達をとらえ、マナをすいだしていたあの当時。
だからこそ、ラタトスクはほとんど地上には手をださなかった。
もう好きにさせておいて勝手に滅亡すればいい、とおもっていたがゆえ。

「…大いなる実りを守るために、マーテル様は殺された、ときく。
  マーテル様はその命をもってして、大いなる実りを守りきったのじゃよ。
  そのとき、勇者ミトスは彗星に赴いていた。大いなる実りを発芽させるため、魔剣の力を解放するために」
「そんな……」
それをきき、まるで自分のことのように悲しげに顔をゆがめるコレット。
それをきき、ぎゅっとミトスが手を握り締めたことに気づいたのはこの場にはいない。

ミトスもあのときのことは昨日のことのように覚えている。
これで大樹が復活すれば、マナも蘇る。
停戦協定もむすんだ国がもう争うこともないだろう、そうおもっていた。
なのに、結果は……
視線の先にまるで自分のことのように悲しげに顔をゆがめているコレットの姿が目にはいる。
固有マナが酷似していることもあるのだろう。
その表情が、姉がよく浮かべていた表情と重なる。
重なってしまう。
姉マーテルも他人のことを自分のことのように感じてはこのような表情を浮かべていた。
柔らかな雰囲気も、他人のために心を痛める優しさも。
どこかずれまくっているところも。
本当にこのコレットというヒトの子はよくにている、とおもう。
だからこそ、姉の器にふさわしい、とそうおもった。
コアシステムがはじき出した適合率がはるかに高い、というのは直接みてみればすぐにわかる。
それほどまでに雰囲気がよくにている。
おっとりした雰囲気も、どこか抜けている雰囲気も。
そして何もかも自分のみにためこんでしまい、背負うところも何もかも。

「マーテル様の精神は大いなる実りを…死しても守ろうとしたのじゃろう。
  精神…すなわち、魂は大いなる実りに融合するような形でのこされておった。
  それゆえ、なのじゃろうな。勇者ミトスは…ユグドラシル様は。
  クルシス、という組織をうみだし、そしてデリス・カーラーンを魔剣の力でこの地にとどめおき、
  マーテル様を蘇らせるためにすべてのマナを注ぎ込むことになった。
  マーテル様を蘇らせたあと、大樹を蘇らせればいい、そうおもっているようじゃ、が……」
マナを注ぎ込まれたからといって人が蘇る、とはありえない。
それは魂そのものを変質させてしまうだろうに。
「…大樹を蘇らせるために、マーテル様の復活に手をかせ。そういわれてしまえば、
  わしら大地の民であるドワーフは逆らえぬ。じゃからクルシスに手をかすものがおるんじゃよ」
「それって…お姉さんのために世界を滅ぼすって…こと?」
マーテルが復活すれば種子も失われる。
ユアンがそういっていた。
ゆえに問いかけるジーニアスの声は震えている。
「ユグドラシル様にとっては、おそらく、世界を滅ぼすとかそういうのより。
  マーテル様が何よりも大切じゃったのじゃろう。世界を救ってもマーテル様がいなければ意味がない。
  そうおもっての行動、なのじゃろう。
  完全に種子と融合してしまったマーテル様が復活すれば種子の力がマーテル様に融合されかねない。
  その懸念はユグドラシル様の仲間である四大天使の一人、ユアン・カーフェイ様が提案しておるようじゃが。
  そんなことはありえない、とユグドラシル様は聞き入れておられぬようじゃからの。
  …もっとも、マーテル様を殺した世界に…人間に救う価値はない、とおもったのかもしれんの。
  じゃから、ディザイアンなどというものをつくりあげたんじゃろう……」

どうせ価値がないのならば、道具としてせめて役にたてばいい。
そうおもって、人を器とすることを選んだ。
選ばれし心正しきもののみが、新たな世界に生きていればそれでいい、そうおもった。
だからこそ、このような仕組みをあのとき作り上げた。
自分の行動に失望したのか眠りについたオリジンをこれぞ幸い、とばかりにクラトスに封印させたのも。
全ては姉マーテルのため。
そんなミトスの心情がわかるものはこの場にはいない。

「あのユグドラシルにそんな理由があったのか……」
ずっと彼だけが悪い、そうおもっていた。
あのユグドラシルが全ての元凶なのだ、と。
だからこそ、ロイドのつぶやきはすこしばかり重い。
何が正しくて、何が正しくないのか。
本当にわからなくなってくる。
たしかに、自分は何もしらなさすぎた。
ただ、全ての元凶はクルシスだ、そうおもっていた。
コレットのこともそうだった。
ただ、神子が救いの旅をおえれば、世界が助かる。
それによってコレットがどんな目にあうか、などまったく考えも疑問すらおもうこともなく。
ふと思い出すのは、港町イズールドにて、クラトスがいったこと。
再生の旅は茶番だ、と。
今ならその言葉の意味がよくわかる。
当時は深く考えようともしなかった。
知ろうとしなかった、といってもよい。
エミルがよくいっていたが、知ろうとしないものに説明しても意味がない、と。
本当につくづくそうだ、とおもってしまう。
この真実も自分が知ろうとおもわなければ確実にアルタステから聞くことはできなかったであろう。
「…勇者ミトスが、クルシスの指導者になった、というのにも理由があったんだね……」
勇者ミトスの、誰もがあこがれる英雄譚。
その英雄があのクルシスの指導者…この犠牲をうみだしている当事者だ、とは信じられなかった。
だけども、とおもう。
自分にとっても姉は大切。
もしもその姉を蘇らせる手段があるとすれば、自分は?
姉を選ぶか、世界を選ぶか。
それでも姉を蘇らせたのちに世界を救えるのならば、きっと、自分も…
だからこそジーニアスの言葉もまた重い。
まちがいなく、それによって世界が滅ぶ、とか考えないとおもう。
きっと姉がよみがえったら、世界もまた助けることができる、そう思う、確実に確信をもっていえる。
だからこそ、ジーニアスとしても真実を聞かされた以上、
あのユグドラシル、となのったものを一概に非難することができない。
否、できなくなってしまった。
今までは、あのときからずっと、彼が一番の諸悪の原因だ、そうおもっていた、というのに。
「…クルシスを生み出せしは人、ということか……」
リーガルも思うところがあるらしくその声は重い。
何ごとに対しても結果とともに理由がある。
それは理解していたつもりではあったが。
だからといって、人を器とし…犠牲を強いるこの仕組みが正しい、とは絶対にリーガルとていえないのもまた事実。
「所詮、人が考えそうなことではあるな。どうせ停戦協定をむすんだのもうわべだけで、
  すきあらば当時勇者ミトス達がもっていた力をも我がものに、と。
  それぞれの勢力陣の上層部はおもっていたはずだ」
リヒターのするどい突っ込み。
「げんにここ、テセアラでは、俺達ハーフエルフをさげずみながら。
  最下層、という身分におしこめておいて、それでもハーフエルフの知識を欲する。
  家畜以下の扱いをしながら、な。不都合があればすべて俺達に責任をおしつけて、処刑する。
  おおかた当時、争っていたという互いの国もそんなかんじだったんだろう」
リヒターの言葉にミトスはただだまるのみ。
事実、そのとおり。
かつても今もほとんどかわっていない。
否、ハーフエルフに対するすぐに処刑、という点においては今のテセアラのほうがひどい、ともいえるかもしれない。
ミトスの誤算はよもやアルタステがそこまで詳しく内情をしっていた、とは知らなかった、ということ。
そして、ここで自分のことが暴露された、ということ。
もっとも、今の自分がそのミトス当事者である、とは気づかれてはないようではあるが。
ゆえにここはだまっておくのがあるいみ得策。
何よりも今のアルタステの説明で、姉を失ったあのときの絶望。
あのときの想いが、光景が今おこっているかのように思い出されてしまう。
ゆえにただただぎゆっとにぎる手に力をこめる。
それははたからみれば、過去の英雄が道を謝るきっかけとなった出来事にたいし、悲しんでいる、
というようにみえなくもない。

ほとんどのものが、クルシスのことを知っている、またユグドラシルのことを知っているものからすれば、
ユグドラシル一人が悪い、そうおもっていたであろう。
が、真実はいつも一つ。
何ごとにおいても理由と原因がある。
そして、原因をつくったのは、ほかならぬ…当時の人々。
二つの勢力陣。
互いの利益しか考えない、愚かなるヒトが原因。
今の話題にあった、四大天使の一人、ユアン・カーフェイ。
それは、レネゲードの党首と同じ名。
勇者ミトスに…ユグドラシルに提案していた、と今、アルタステはそういった。
しかしそれが聞き入られていない、と。
だから、ユアンはおそらくは、レネゲードなるものをうみだしたのであろう、そうリフィルには予測がつく。
このままでは、マーテルを蘇らせるどころか世界をも滅亡させてしまうから、そのために。
「…世界か、大切な人、どちらを選ぶか…か…」
それは、かつて自分が選択を迫られたこと。
コレットか、シルヴァランドか。
あのときは、どちらを選んでもそれは偽りの真実であったがゆえに偽りの平和でしかなかったあの選択。
が、今の話しを聞く限り、勇者ミトスは…あのクルシスの指導者、といったユグドラシルは。
文字通り、偽りでも何でもなく、真実の意味で選択を迫られている、といってもいい。
姉か、世界か。
ロイドからすれば、身内をたすけ、世界もたすける!
そういいきりたい。
何となく、勇者ミトスの英雄譚から想像するに勇者ミトスもそうなのでは、とおもう。
が、現実は非情で…どちらかしか選べない状態になっている。
それがわかった。
否、わかってしまった。
だからこそロイドの言葉も重い。
「…それより、きになったのですが、精霊の選択、というのは?」
「それはわからん。が、おそらくは大いなる実りの発芽、という条件をもってして加護をうけとっておるはずじゃ。
  だとすれば、大いなる実りが失われしとき、精霊との盟約がたがえられた、ということになり、
  …精霊ラタトスク様の手により地上の浄化がありえるかもしれん」
プレセアも思うところがあるが、だがきになることがある。
皆、勇者ミトスの真実に心を奪われているようだが、それよりもきになることがある。
精霊ラタトスク、というものの存在。
「…つまり、大いなる実りが失われた場合。
  すくなくとも、今はどこにいるかわからない、精霊によって、
  全ての命が死滅してしまう、ということも考えられる、というわけね」
「全て、というわけではなかろうが。すくなくとも、大地のもは存続するじゃろう。
  かの精霊にとっては、世界の存続が何よりじゃからの。優先されるは大地の存続、じゃろうて」
ここにゼロスがいたならば、かつてのエミルの言葉を思い出すであろう。
優先するのは大地、そうエミルはあのみずほの里でゼロスにいっている。
何よりも優先するのは大地の存続だ、と。

「僕にはよくわかならいけど。だけどマーテル様がよみがえったら、
  そうすればその大いなる実り?というのも発芽するんじゃないの?」
今までだまっていたミトスが口を開く。
ずっとそうおもってきていた。
ユアンがいってくるのはたわいのない、杞憂にすぎない、そう自分にいいきかせ。
「可能性は低いわね。そもそも、世界樹の種子なんてものに融合してしまった魂が、
  ずっと人の精神でいられるのか、という疑問があるわ。
  すくなくとも何らかの形で変質していてもおかしくないもの。
  世界樹とは文字通り、無から世界を生み出せし大樹なのよ?
  そんなものに人の魂が一緒にいて普通でいられるとは思えないわ。
  最悪、復活と同時に種子の力全てを吸い上げてしまう可能性もなくはないとおもうわ。
  その力を制御していたであろう精霊がそこにいない、という現状ならばなおさら、ね。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ユアンがいっていたのと目の前のリフィルも同じようなことをいってくる。
ゆえにミトスとしては黙り込むしかない。
そんなことはない、そういいたい。
姉様をよみがえらせて、そして大樹をめぶかせれば、それで全てがまるくおさまるはず、なのだから。

しばしこの場において何ともいえない静寂が訪れてゆく……


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あとがきもどき:
薫:さてさて、勇者ミトスの大暴露大会~
  アルタステがここまで詳しい理由。要の紋、と伝えられている品物。
  人がエクスフィア、とよんでいる石、実はもともと、かの石は精霊石、とよばれしもの。
  彼らの力の制御のために開発されていたのが要の紋、という裏設定。
  精霊石は大地の申し子。ゆえにラタトスクも彼らを気にかけていたりします。
  何しろもともとが、かつてのデリス・カーラーンより誕生し、
  この大地でも、という願いのもとに精霊達全てによって生み出されている生命体。
  ちなみにその誕生にはセンチュリオン達もかかわってたり。
  理由は単純すぎるものではあるが、精霊達やセンチュリオン達にとっては何よりも重要なので。
  石の精霊…それが意味することが、ラタトスクの本体をしっている人々にはわかるかとv
  次回で話しはすこしはすすむ…か?

2013年7月13日(土)某日

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