まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。
このカンベルト洞窟のシーン。
かいてる話しによっては、エミルがわたしたエルフの飲み薬で回復したり、
いろいろと実はパターンがあったりします。
あとはラタトスク様が自ら再生したりとか。
つまり、生態系がくるってる自然をラタ様、なおされてますv
ラタ様にとって優先なのは大地そのもの、ですのでv
ようやくパルマコスタ……
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「すこし、眠る」
洞窟にたどりつくと、ほとんどのそこに生えていた植物などが枯れかけており、
かろうじてあるのは小さな植物やコケ類のみ。
生態系にかなりの影響がでていることを目の当たりにし、おもわずため息をつきつつも、
そのまますっと目をとじ意識を集中し、
この洞窟全体のマナの在り様を、本来の正しき姿にすべく力を解放した。
「ラタトスク様!?」
さすがに洞窟全体を再生させると、さらには周囲に結界もはってのこの行動。
力が満ちていないうえに依代たる大樹もない。
ゆえに負担が著しい。
「誰かきたらおこせ」
そのまま目をつむり、大地に直接体をつけて横たわる。
大地は地下の根にと繋がっている。
ゆえに一番回復するのにはちょうどいい。
光と闇の協奏曲 ~二つの港街~
「また、牢や……」
俺って牢やに縁があるのか?
おもわずそんなことをおもってしまう。
リフィル達はおそらく確実にきちんと原因をつきとめてここからだしてくれる、とはおもうが。
「クラトス。何かいえよ?」
「何をいえ、というのだ?我々はいわば人質だ。しかし原因が解明されれば船もでるだろう」
「そうでなくて、たとえば、この旅のことのことをどうおもうとかさ。
いろいろあるだろ?話すことは。たとえば、この世界再生の旅、とかさ」
「世界再生。か。ばかばかしいことだな」
「何がばかばかしいんだよ?」
「仮に…この再生が成功したとする。しかし、いずれまた世界は衰退するだろう。これまでのように。
そしてまた再生の神子が危険な旅をする。堂々巡りだ」
そのようにしたのはほかならぬミトスでありそれに手をかしている自分もまた同罪。
そんな思いをいだきつつもふとそんなことをもらしているクラトスの姿。
「それは……」
「我々がしていることは根本的な解決ではない。問題の先送りのようなものだ」
「…どうして世界再生なんてものができたんだろう……」
「……フ」
「な、何だよっ!」
「その疑問を今ごろ口にするとはな」
「・・・・・・・・・・・」
たしかに今まで考えていなかったのもまた事実。
ゆえにクラトスの言葉にロイドはいいかえせない。
「まあいい。お前は今、疑問を抱いた。思考を停止させなければあるいは何かがかわるかもしれぬ」
そう、半ば奇跡ともいえる誕生をした、この息子、ならば。
あらたな世界をうみだすきっかけになりえる、もしかしたら世界の光、になりえるかもしれない。
「クラトス。あんたってかわってるな」
「……そうかもしれぬな」
四千年ものあいだ、子供などできたことはなかった。
なのにロイドは誕生した。
エクスフィアをその身につけている女性、との間に。
ベルグというグミ職人の家はすぐにとみつかった。
ベルグは仕事着であろうエプロン姿のままベットに寝かされており、昏々と眠っているようにみえる。
付添は近所の若者がひとり。
何でも家族のいないベルグのために友人達が交代で看病にきているのだ、という。
「姉さん。どう?」
「これはひっかり蛙の毒の症状ね。この模様。間違いないわ」
露出している肌の部分に何かのアザなのか模様のようなものがみてとれる。
「おかしいわ。ヒッカリ蛙はフラノール地方とよばれている所にしかいないはずの魔物よ。
まだ子供のころそう読んだ記憶があるわ。寒い地方にいるといわれている魔物のはずよ」
「姉さん。たしかヒッカリ蛙はフラノール地方にしか生息していない魔物って今いったよね?
というか、フラノール地方ってどこ?」
「それがわからないのよね。たしかに昔書物でみたのだけど。
昔のことだから今は地名がかわっているのかもしれないわね。
ともあれここは唯一の港町。どこからか積み荷にまぎれてやってきたあと、
この異常気象で繁殖したのかもしれないわ」
「この人がひっかり蛙の毒とかいうので眠っているのなら解毒すれば目をさますはずだよね?」
「なら、解毒すればいいんですか?」
コレットの問いかけに、首をかるく横にとふりつつ、
「残念だけどヒッカリ蛙の毒は無理ね。毒、というよりはウィルス感染のようなものだから。
たしか、ローズマリーで解毒薬がつくれる、そうかいてあったはずよ」
「じゃあ、ローズマリーがあったらこの人はたすかるんですね!」
コレットがうれしそうにいうと、
「そうね。この近くにあるカンベルト洞窟一体に自生していたそうよ。
でもここ数年の異常気象で枯れ果ててしまっているときいているわ。
だから最近ハーブが店頭でも値上がりしてるのよ」
姉の言葉にジーニアスがあせる。「そんなぁ!じゃあ、どうするのさ!」
「火事の原因はわかったのだから。
村人たちにお願いしてロイド達を解放してもらって船をだしてもらいましょう」
「そんな!じゃあ、この人はどうするの!?」
「残念だけど。今は旅を急ぐのが先決よ」
「そんなのダメです!目の前でこまっている人をほうっておくなんて。そんなの意味ないです!」
コレットが必至になっていってくる。
そんなコレットの様子にため息ひとつ。
「…仕方ないわね。このたびの決定権はコレットがもっているわ。コレット。あなたはどうしたいの?」
「私はこの人を助けたいです。まっててくださいね。必ず助けてあげますから」
カンベルト洞窟の内部は洞窟だ、というのにある程度の灯りが確保されている。
ところどころ日光が差し込む場所があり、下草やコケでびっしりと地面は覆いつくされているのがみてとれる。
「この辺りにははえていないようね。奥にいきましょう」
ローズマリーは洞窟の入口付近にはまったくみあたらない。
そのあたりにはえているハーブを確認しながらすすむことしばし。
やがて水の流れる音がきこえてくる。
しかし、異常気象で枯れた、と伝えきいていたが、この洞窟にはハーブがかなり群生している。
まるで生き生きとしているかのごとくに。
ひんやりとした空気が彼ら三人の体をつつみこむ。
「あれ?」
しばらく進んでゆくと、洞窟の内部のおそらく穴があいているのであろう。
太陽の光が差し込んでいるその一角。
そこになぜか魔物達の姿がかたまっているのがみてとれる。
否、魔物だけではない、なぜか動物などといった姿も。
「魔物!?」
「姉さん、あそこ」
「ええ。どうやらあそこにハーブがかなり生えているみたいだわね」
太陽の光をうけて、明るいその場所にハーブらしきものが生えているのがみてとれる。
魔物達はリフィル達に気づき、警戒態勢をとってくる。
(ラタトスク様。)
ふと名をよばれゆっくりと意識を浮上させる。
イグニスがどうやらかなり縁を結び直したようで、体に炎の力が満ちているのがわかる。
正確にいうならば、力を使うに問題がなくなった、というべきか。
ゆっくりと目をさますと、周囲にあつまっている魔物達の姿。
「護ってくれてたのか。ありがとうな」
そういい起き上がると、それぞれの魔物達から嬉しそうな声が。
「あれ?エミル!?」
ふと聞き覚えのある声に声のほうをふりむけば、そこになぜかリフィル達の姿が。
意識を別の・・否、わけられしもう一つの大地のほうにむけていたがゆえ、
リフィル達が何をしていたのかまではエミルは理解しておらず。
リフィル達からしてみれば、なぜにここにエミルがいるのか、という疑問がおこる。
エミルがかるく手をふり合図をすると、魔物達が一斉にとちらばってゆく。
「あれ?リフィルさんたち?どうかしたんですか?」
おきあがりつつも、かるく服をはたく動作をしてリフィル達にとといかける。
「どうした、じゃないわよ。どうしてあなたがここにいるの?」
「え?ああ。村の中に迷い込んでいたこがいたので、ここにつれてきてたんです。
ちょっとそれで眠っちゃて……」
嘘ではない。
完全に真実をいっていないだけ。
それよりも。
「あれ?ロイドやクラトスさんたちは?」
ここにいるのはリフィル・ジーニアス、コレットの三人のみ。
あの親子の姿がみあたらない。
「まいご?まいごがどうしてこんな洞窟につれてきたの?」
ジーニアスが首をかしげるが。
しばしリフィルが思案し。
「ちょっとまって。もしかして、あなたがいっている迷子、とは魔物のことかしら?」
「はい。本来ならば人里にいないはずのこたちがいたので」
まあ、人の家にすまう魔物もいるにはいるが、あの子達はまた別なもの。
リフィルのまさか、とおもって問いかけた台詞にさらり、と肯定され、
リフィルからしてみれぱため息をつくしかできない。
どうやらまだ一日ではあるが、この子は人と魔物とまったく区別をしていないようにみえる。
よくこれで今まで無事に生きてこられた、とおもうほどに。
「リフィルさん達はどうしてここに?」
「ローズマリーをとりにきたんだよ?」
コレットの言葉に。
「それならここにたくさんはえてますよ?
ここ、太陽の光がさしこむから群生地にちょうどいいみたいですね」
たしかにエミルの周囲にはかなりの数のローズマリーの姿がみてとれる。
枯れていたんではなかったのか?
という思いもあるが、まあ噂は噂。
異常気象で旅人や商人といったものたちも移動が難しくなっていたらしいので、
それから噂が飛躍したのかもしれない。
そうリフィルは勝手に結論づける。
…よもや、先刻、
エミルがこの洞窟の生態系を本来あるべきマナにと整え戻した、などとはゆめにもおもわない。
否、思えるはずもない。
「でもどうしてローズマリーを?料理にでもつかうの?」
それは素朴なる疑問。
もしかして、あの子、ヒトに毒でもあたえたのかな?
とはおもうがそれは口にはださない。
ノストロビアの毒はローズマリーにより解毒することが可能。
「魔物の毒に侵された人がいるのよ。その解毒にはローズマリーが必要なの」
「そうなんですか?ところで、ロイド達は?」
「…えっと。村でお留守番?」
なぜに疑問系?
おもわずテネブラエと顔をみわあせるエミルは…おそらく間違っては、いない。
洞窟にてエミルと合流した一行は村にともどる。
その最中、どうしてロイド達がいないのか説明をうけ
「…人ってほんとうに愚かだよね……」
なぜに解決させるのにあたり、他人を牢にいれる、などという選択をするのやら。
せめてどこかの家に軟禁、とかのほうがまだましである。
もしくは見張りをつけて監視する、とか。
「いいかえせないわね。そもそもどうして突発して牢や、となるのかも理解不能よ。
でも、村人たちは殺気立ってる。牢やの中のほうが安全かもしれなくてよ?
どこかの家で、とかいったら先走った村人が何をするかわからないもの」
いくら冤罪とはいえ、放火魔の候補がいる、といえば被害にあったものがどう行動してくるか。
リフィルとしても考えたくない。
まあクラトスがいるので大丈夫だ、とはおもうが。
それよりも牢やの中のほうがそれらを考えればよほど安全。
ローズマリーの葉の絞り汁を慎重にベルクの唇にとたらす。
すると男の体にうきでていた毒の影響だ、という模様がみるまにとかききえてゆく。
「う…うう…」
「やったね!コレット!!」
「あ、あんたたちは?」
起き上ったベルクはそこに見慣れない子供達と大人の姿をみて首をかしげる。
「とりあえず。事情を説明するわ」
どうやら昏睡状態であったがゆえか事情がわかっていないらしい。
しばしリフィルによる説明がなされてゆく……
「いつものように作業をしていたら、いきなり目の前に光があらわれたんだ」
「それがヒッカリ蛙だったの?」
「ああ。光る蛙だった。とにかくすごくまぶしくてさ。
もっともサングラスをしていたから気絶するまではいかなかったけど。
そうしたら、蛙がつくったばかりのかまぼこグミを食べ始めて突然、まわりが火をふいたんだ。
消そうとおもって火をはらったらその瞬間に気分がわるくなって…蛙をおいかけて外にでた。
までは覚えてるんだが……」
嫌な記憶がよみがえったのかベルクの顔色はどこかしら悪い。
「殴ったときにヒッカリ蛙の毒にやられたというわけか」
ジーニアスが納得、といった表情でおもわずつぶやく。
「あ、あれって、さわっただけで毒にやられちゃうのか?!これかれは気をつけないとな。
そうだよな。海の生物でも奇麗な生物には毒がある、しな」
何できづかなかったんだ、自分。
などと一人ぶつぶついっているベルクという人物。
「とりあえず。あなたにはお願いがあるの。
あなた、その放火をしたのは魔物だと説明してくれないかしら?
私たちの連れが、疑われて、疑いを晴らすまでは、といって人質となって牢やにいれられてるのよ」
「何ですって?それは…すいません。
ここさいきんずっとなかなか海に船がだせないうえに放火もあって、
村人たちもきっと余裕がなくなっていたんでしょうね」
「体力が落ちているみたいですから。とりあえず…ファーストエイド」
リフィルの治癒の光がベルクを包み込む。
「すいません。楽になりました。村長のところに僕は説明にいってきます。
あなた達のお仲間も解放してもらえるように、たのんできますね。
しかし、旅のひとを問答無用で牢やにって…なさけない。
これがよそにつたわると、この村はどんな烙印をおされるか、考えてすらいないんでしょうね…」
ベルグの盛大なるためいき。
そのままベルグはゆっくりと起き上がり、村長の家にいってくる、といって家をでてゆく。
「あの。少しきになるので、どんな場所が放火されていたのか、きいてみませんか?」
「まあ、理解するのは必要かもしれないわね」
エミルの言葉をうけ、とりあえず状況を正確に把握することに。
リフィルの言葉にコレットもジーニアスも反対することなく。
どうやら彼らも理由がしりたい、らしい。
何でもここ最近になって放火が連続して行われている、らしい。
これまでに放火された場所は全部で七か所。
最初にいってみたのは水辺にたつ民家。
倉庫などが燃える中、ベルクの作業場以外で唯一、燃えてしまった家、らしい。
「放火魔蛙のせいで、ここに隠していたお宝がもえちゃったよ!
…おやつのかまぼこぐみ、全部たべずに隠しておいたのに……」
家の中よりでてきて説明してくれた男の子は家の中の植木鉢の隣をさして頬をふくらませていってくる。
ベルグのもたらした情報はあっという間に村の中につたわり、火事の原因が魔物だ、と皆理解したらしい。
まあ生き証人、というものがいるのと、ベルグは村人からも信頼があつく
…正確にいえば村の要ともいえる収入源たる職人。
ゆえにロイド達もようやく解放された、のだが。
しかもベルグはリフィルが旅業をするためにパルマコスタにいきたい、そういったところ、
船をだしてもらえるように交渉してみる。
といい、船の用意ができるまでの聞きこみ、となっている。
次は海鮮物をとりあつかっているという店の店主。
「ここにおいてあった商品全部がもやされたんだよね。まったく。大損こいたよ」
男は当時のことを聞かれ怒りがよみがえったらしく燃やされたあたりをばんばん叩きながらいってくる。
「何がはいっていたんですか?」
「いろいろだよ。ボトルとかグミとか…かまぼこグミも入荷してたんだがなぁ」
かなり悔しそうにいってくる。ちなみにそのかまぼこグミは蟹味ですこしばかり高級品。
三番目は一番始めにきいた、小型船の乗り組み員であったらしい先刻の男性。
ばつの悪そうな表情をうかべている男性にかわり、別の船員が説明してくる。
「ここにおいてあった。船につもうとした荷物が燃やされたんですよ」
どうやら先ほどより離れた場所に積み上げられている小箱がみてとれる。
「中身は?」
「アップルグミにオレンジグミ。それにカマボコにミラクル。各種グミです」
話しをきいていくと、ほとんどが荷物、もしくはそこに必ず特定のものがある場所がもえている。
「もしかして蛙がグミをたべてたの?」
「かまぼこグミの材料にはジェリーフィッシュという魔物をつかうはずよ。
もしかしてその蛙はジェリーフィッシュの幼生を食べるのかもね」
リフィルの台詞。その予測はまったくもって違っているのだが、エミルは何もいわない。
「まあ、原因が蛙、とわかった以上、村人たちも対策をとるみたいですしね」
そういうが、リフィル達は知らない。
エミルの手により洞窟につれていかれた魔物達は、
危害を加えられる畏れがつよいから、村には近づかないように、と命令されている、ということを。
そしてまた、彼ら新しい種族の誕生のお祝いに、ある程度もどった力をつかい、
新しい植物を誕生させている、ということを。
それはグミの食感と味をもつコケ。
水中にめぶくそれらは紅い花や様々な色の花をつけ、
その華が各種の味と食感と同じにしてみていたりする。
こういうところがセンチュリオン達からはよく甘い、とゆわれる所以ではある。
もっとも無意識のうちにできるエミル…否、ラタトスクをさすがというしかないのかもしれないが。
それにたいし突っ込みをするものはまずいない。
「海だ海だ~!」
初めての海と船に子供のように飛び跳ねるジーニアス。
はしゃぐジーニアスを咎めるのは姉のリフィルではなく、海に飽きたロイドだった。
ロイドがジーニアスに対して言った「狭いんだから落ちたらどうする」という言葉に噛み付くマックス。
村が用意してくれた船乗りはマックス、という男性で。
一応腕はいいから、という理由で選ばれたらしい。
コレットは揺れる船に慣れていないのか「落ちる」という言葉を何度か繰り返し呟いていた。
そんな子供達を呆れたように、しかし、何処か優しい目で見つめるクラトス。
リフィルは余程の事がない限り海には落ちないであろう場所で固まっているのがみてとれる。
どうでもいいが、海の中にシーワイバーン達が移動している様子が伝わってくるのだが。
どうやらせかせかとマナの調停をしているらしい。
この様子からしてみれば、どうやらアクアは目覚めているっぽい。
(アクアが目覚めているようですね)
(だな)
そうわかっていても呼べない。
絶対にアクアならば、名前を呼んだだけで問答無用ででてくる。
それだけは断言できる。
絶対に。
船の上でそんなことをすれば騒動になるのは目にみえている。
どこまで年月がたったのかまで把握していたとするならば、確実にこういうだろう。
は~い、お呼びですか。ラタトスク様。ざっと四千年ぶりですね!
とあの元気な口調で。
イグニスが多少の力が満ちたことにより実体化し、ゆえに今現在傍にいるのはなぜかイグニス。
テネブラエは縁の結び直しに出向いている今現在。
イグニスの姿は種族名ボーボーと呼ばれし炎属性の鳥の魔物の姿。
スズメのような姿ではあるがその色が赤とオレンジ色が特徴。
船にのる直前にイグニスがもどってきて、テネブラエと交代し今にいたる。
船旅は半日ほど。
「しかし、魔物がでる、ときいたがまったくでなかったな」
パルマコスタの港につき、そんなことをいってくる。
いるにはいたが、センチュリオンの気配を察知し、魔物達がよってこなかっただけのこと。
気配を隠すのはあくまでもヒトに対してのものであり、魔物達にまでその気配を遮断してはいない。
それはエミルとて同じこと。
魔物達はその本能でエミルが何、なのかすぐさまに察知することが可能、なのだから。
「あんたたち、運がいいよ。波もずっと静かだったし、魔物もでなかった」
甲板にて男が上機嫌にいってくる。
船の上でコレットが『ありがとうございます。お父様』とつぶやいているのは波の音とともにきこえていた。
その言葉をあるいみ冷めた目でみていたエミル達。
本当に人は愚かだ、とおもう。
偽りの真実を信じ、それにだまされつきしたがうのはまだ子供だからしかたがない。
子供は無条件に親を慕う。
だが、本能的にそれが親かどうかはわかるはずだ、というのに。
それでも信じ切っているそれが信じられない。
本来の親たるものはいったい彼女をどのようにして育てていた、というのだろうか。
そんな疑念すらわいてくる。
そんなコレットをみて、実の父親ってそんなにいいものなのか?
などとロイドは思っていたりするのだが。
彼は父親のことはよく覚えていない。
三歳より前のことなのでよく覚えていない、というのが彼のいい分。
が、真実は三歳になり記憶もあったのに、母がいきなり異形とかして自分にきりかかってきた。
その衝撃からそのときの記憶、それまでの記憶がもののみごとにすっぽりと消えてしまっている。
ただそれだけのこと。
「おや?神子様であはりませんか!」
ふと街にはいりかけると何やら声をかけられる。
「マーチ祭司。…あ、すいません。たしかもう祭司長様になられたのですよね?」
みれば数名の神官達が近くにおり、そしてまたコレットにきづいたらしく声をかけてくる。
「?コレット、知り合いか?」
「うん。マーチ様が大聖堂で修業していらしたときにお会いしたことがあるの」
コレットのその言葉に、へ~とうなづくしかないロイド。
よくよく考えればロイドはコレットの神子としての生活をしらない。
ただ彼女をよく連れ出しては怒られていた、という印象くらいしかないのもまた事実。
「おや?こちらの港から、ということは今こちらにこられたのですか?」
「はい。今ここに到着したんですけど、それが何か?」
「?おかしいですね。祭司長様。こちらの少女が神子様、なのでしょう?」
その胸元には協会につたわるクルシスの輝石が輝いていることから間違いはない、とおもう。
「ええ。では、先日現れた、という神子様は…?」
教会をでたのは、神子がこの地をおとずれた、と噂できいたがゆえ。
教会にきたものたちからきくのに、神子が資金にこまっているような口ぶりだったので寄付をしたらしい。
お金にこまっているのならば教会として協力をおしまないわけにはいかない。
話しをきくと宿にとまっているらしく、宿にいけばもう出発した、という。
ゆえにこうしてまだ街の中にいるかもしれない、とおもい探していたのだが…
「では、まさか昨日、あらわれたという神子様は…!?」
「何とばちあたりな!?」
それにきづいたらしくおともをしていた神官達が口ぐちにそんなことをいっている。
「「「??」」」
そんな神官達の態度はまったくコレットにはわからない。
「ともあれ、よくこの地においでくださりました。
神子コレット様。そしてその護衛の方々。お初におめにかかります。
私はここ、パルマコスタのマーテル教会にて祭司長を務めておりますマーチといいます」
いいつつ、すっとひざまづく。
それにあわせ、神官たちもその場にひざをつくが。
「や、やめてください。マーチ様。そんなことをされられてはこまります」
その様子をみていた街のひとたちも、何事か、といった様子でいつのまにかあつまりはじめている。
そして。
「あれ?昨日の神子様一行とはちがうぞ?」
「でも、マーチ様がひざをついて神子様、とおっしゃられてるぞ?」
マーチがイセリアにて修業をしており、神子と面識があるのはほとんどのものが知っている。
ゆえに昨日の一行をしっているものはざわめきだす。
「しかし…神子様は、ついに神託をうけられ、マナの神子となられた御方」
「まだ私は神子、ではありません。再生の旅を完了させ、初めて神子、とよばれるにふさわしいのですから」
「おお、何と崇高なる御心!」
そんなコレットの言葉にさらに感きわまる神官達。
「ともあれ、ここでは何です。教会にご案内いたします。さあ、お供の方たちも」
たしかにこのままでは、人目がどんどんあつまってくる。
ちなみに、イグニスは今はエミルの肩にとまっており、
遠目には普通の鳥、にしかみえないのであまり騒がれてはいない。
まあ、ちゅんちゅんを飼いならし、ペットにするものもいるのであまり違和感がもたれていない、
というのもある。
ぐ~…
『・・・・・・・・・・』
「ろ、ロイド、あなたという子はぁぁ!」
おもいっきりお腹をならすロイドにおもわずリフィルがゲンコツをおとす。
「いてぇ!でもさ。先生。イズールドから何もたべてないんだぜ!?」
「そういえば、そろそろ夕方だよね。今日の宿は……」
「我らが宿は用意いたしましょう。教会の施設をおつかいくださいませ」
「ありがとうございます。マーチ祭司長様」
そんな会話をしつつも、一行は街の中へ。
「きゃ!」
コレットを中心に、一行がすすんでゆくと。
いきなり角より何ものかがとびだしてきて、おもいっきりコレットにとぶつかり、そのまま互いに尻もちをつく。
「てめえ!神子様にむかって何ということを!」
「ああ!せっかくもらったパルマコスタワインが!」
何やらぶつかってきた女性のつれらしきものがそういいはなち、そしてまた女性もまたそんなことをいってくる。
その言葉にすぐさま神官たちが顔をみあわし、ざっとそんな彼ら…四人を一斉にとりかこむ。
「な、何?」
「あんたたち、このおかたをだれだとおもってるんだ!?マナの神子様だぞ!?」
一人がそういうが。
「だまれ!きさまらか!マナの神子様の名をよりによってかたったのは!
マナの神子様はここにおられるわ!」
「ふえ?」
神官たちの剣幕をうけ、視線をむけられたコレットのみはいまだにしりもちをついたまま。
「な、何をそっちの子がにせも…」
偽物、といいかけて思わず声をつまらせる。
しりもちをついたとたん、反動でコレットの背に羽がはえているのをまのあたりにし。
それは桃色に輝く、薄く透明な羽。
天使の証。
「私はイセリアの村で神子様と面識があります。あなた達ですか。
昨日、この街にあらわれた、というニセモのの神子、となのるものは?
マナの神子をかたる、それはどれだけ罪深いことか御存じですか?」
ずざ。
その台詞にもののみごとに彼ら四人の顔色がかわる。
「大丈夫でしたか?神子コレット様?」
「あ。はい。ただびっくりしただけです。あ、でもその人がもっていたワインが…」
周囲にワインの匂いが充満する。
「コレット、羽がでていてよ?」
「あ。ほんとだ。えっと、しまいしまい」
リフィルの指摘に、意識してあわてて羽をしまいこむ。
「神子様、申し訳ありません。このものたちを総督府に引き渡しにいきます。
神子様もご一緒していただいてもかまいませんか?
昨日、教会にお祈りにきたものたちが、この偽物達が総督府にむかった、というのを聞いているもので」
「ふえ?この人達、偽物なんですか?すご~い。なんだかわたし有名人になったみたい~」
「…あのな。今やお前は世界中が注目する有名人なんだぞ?すこしは自覚もてよ」
そんなコレットにあきれたようにいっているロイド。
「あ。そうだったね。なんだか実感ないけど」
「…おいおい、大丈夫かよ?」
「コレット、名前をかたられて平気なの?」
「世界を救おうとしているのはコレットなのにさ。コレットは名前をかたられたのは悔しくないのか?」
「でも。神子がたくさんいたらそれだけ世界が平和になる確立が増えるんだからいいよね」
「「だめだ、こりゃ」」
そんなにこにこというコレットの言葉にジーニアスとロイドはもはや諦め顔。
そしてまた、神官達はといえば、
「何と慈悲深い」
「さすがマナの神子様」
などといい、ふたたび感極まっていたりするのだが。
総督府はパルマコスタの象徴、といわれているだけあって巨大で堅牢たる創りになっている。
この中にはそれぞれの部署、
地上、海上、治安などといった各分野における安全対策部署があり、
それらを一括してとりしまっているのが総督という立場のもの。
「これは、マーチ祭司長さま、突然の来訪、いかがなさいましたか?
おや?そちらの神子様一行は、昨日我がもとを訪れましたが?
神子様、お渡しした再生の書はおやくにたっておりますか?」
にこやかに神官たちに囲まれている四人にと視線をむけていってくる総督府の責任者でもあるというドア。
「やはり、ですか。ドア殿。このものたちは偽物です。
こちらの神子コレット様が紛れもなく本物のマナの神子。
胸元にあるクルシスの輝石が何よりの証拠でもありますし私はイセリアにて面識がございます」
「何!?」
「では、そのものたちは、神子様をかたる偽物…であったと!?」
「何とばちあたりな!」
さすがに祭司長だけのことはありすんなりと面談が通ったものの、
そこにてマーチよりかたられる、昨日訪ねてきたものたちの真実。
「このものたちは、さらには街のものたちから旅の資金を巻き上げているもよう。
すておけない、と判断いたしましてこうしてお連れいたしました。
ちょうど本物であるマナの神子様が街を訪れなければ、
我がもとにも訪れなかったこものもたちの罰あたりな語りもわからなかったでしょう」
「ちょっとまって。それより今、大切なことをきいたような気がしますわ。
失礼。私はリフィル・セイジ。神子コレットの護衛をつとめているものです。
今、総督様は再生の書、とおっしゃりましたが…
それは、かのスピリチュア様がのこしたという、あの再生の書ですか?」
「はい。全ての封印の場所がしるされている、いわれているものなのですが…しかし…」
「それを、この偽物たちにわたした、と」
リフィルににらまれ、びくり、と反応している四人の姿。
「再生の書を渡してもらいましょうか?」
きづけば兵士たちにもかこまれ、四人はなすすべがない。
「だからいったんだよ。再生の書にまで手をだすなって」
「うるさいわね!あんたたちだって賛成したじゃないか!
それにちょろいっていってたのはあんたたちもだよ!」
神子一行をなのるとすんなりと再生の書を渡してもらえた。
それを今から売りに行こうとおもっていたのだが。
その言葉をききとがめ、
「どうやら、他にも神子の名をかたる余罪があるようですね。つれていけ」
「「は」」
呼ばれた衛兵達が四人をそのままひきつれてゆく。
「先生。質問」
「何かしら?ロイド」
「その再生の書って何だ?」
「はぁ。あなたは授業で何を…あとからきちんと説明します」
「あ、僕もきいてもいいですか?僕もしらないので」
というかエミルからすればきいたことすらない。
「そうね。なら宿で課外授業をしましょう。そういえば、エミル、あなたどこまで学力あるのかしら?」
「え?…さあ?」
本気で首をかしげる。
今のヒトの学力といわれるものがどの程度なのかすらわからない。
「あなたもお人よしすぎるわよ?」
「でも、あの人達のもっていたワインを割っちゃったのは事実ですし……」
何でも牢に連行されてしまったらしいあの四人づれ。
コレットが彼らのワインを弁償したい、といいだして。
ため息とともに仕方なく街の道具やにとやってきている一行。
護衛をつけるなどといっていた神官達の台詞をやんわりとことわり、
それでなくても、コレットをふくめ、ジーニアス・リフィル・ロイド・クラトス、エミルと大人数。
六人もいるのである。
これ以上ふえれば移動にも影響するので、とリフィルがやんわりと断りをいれた。
と。
「ふざけないで!そんな安い値段で売れるもんですか!」
店の開けると同時に女性の怒鳴り声が聞こえ、驚く。
カウンターにいる女性は顔を隠した二人組の男を睨んでいた。
その二人組がディザイアンだと分かり、ロイド達の目付きが剣呑なモノになった。
「こんなちんけな店の品物に金を恵んでもらえるだけでもありがたいと思わないのか」
「薄汚いディザイアンが偉そうに!こっちはあんた達みたいなのにグミ一つだって売りたくないのよ!」
「ショコラ、やめて!」
娘の言葉に母親らしき人物は血の気の引いた顔で声をあげた。
悲鳴にも似た制止の声にショコラと呼ばれた女性は一歩も引かないという態度で母を見た。
「だってお母さん!こいつ等、おばあちゃんを連れてった悪魔なんだよ!」
「いい度胸だな、娘!そんな態度でいるとこの街やお前自身がどうなっても知らないぞ」
「やれるもんですか!ドア総督がいる限りあんた達になんて屈しないんだから」
「こいつ!」
ディザイアンの手が武器の伸びる。
ここで暴れるようならと柄に手を触れるが、そのディザイアンを止めたのはもう一人のディザイアンだった。
「よせ!今年の間引き量を超えてしまう。
これ以上はマグニス様の許可が必要だ」
「ちっ……」
止められた男は今にも殺してやりたいと女を睨む。
それとは対照的に止めた男は女を馬鹿にしたような笑みを浮かべ、警告にも似た言葉を告げる。
「マグニス様の御意向次第では命の保障はできないぞ。
命の補償はできんということだ。覚えておけ!」
男たちは腹いせなのかカウンターの上の食料品などを派手に払い落すと、
反抗的な目で睨む女を前に店を出るディザイアン達。
必然的にロイド達の前を通り店を出ていったのだが、ロイドはディザイアン達をずっと睨み続けた。
ディザイアンの姿が見えなくなるとショコラは母に微笑み掛けた。
「じゃあお母さん。私、仕事に行ってくるね」
「気を付けてね」
元気よく店を出ていく娘に母親はホッと安堵したように息を吐いた。
だが、この後の事を考えたのか、暗い表情を浮かべる。
それでもロイド達の姿に気が付くと弱々しいものの笑みを浮かべて見せた。
「お客さん、ごめんなさい。驚かれたでしょう。でももう大丈夫ですから」
ショコラの母が頭をさげてくる。
「いえ。あのう。ワインがほしいんですけど」
「安物でいいですわ」
「それでしたらパルマコスタワイン、ですわね。
ですがここ数年のワインは質がおちて安くなっていますが。
以前のものはかなりのお値段がいたしますが…」
「近年のものでいいです」
「あら。お土産ではないのかしら?」
「お金は節約したいので」
「ああ。料理とかにつかわれるのですね。でしたらこれがいいですね」
提示された金額は百G。
確かに無難。
そのまま提示されたワインを手にとりそのまま店をあとにしてゆく。
「だって俺、さみしくて我慢できないよ」
六、七歳くらいの男の子の声がする。
体格のいい金髪の男性にむかって必至の形相で何かをうったえているのがみてとれる。
店をでて、あてがわれた宿にと向かう最中。
ふと聞き覚えのある声が。
みればさきほどの総督と説明された人物とその横に少女の姿。
が、エミルからしてみればその少女のマナが歪んでいるのがみてとれる。
それは無理やりに歪めているらしく、マナが悲鳴をあげている。
「父ちゃん、いつかえってくるの?ずっといいこにしてたらかえってくるなんて嘘じゃないか!
牧場につれていかれた人はもうもどってこないって、
近所のおばちゃんがいってたの、俺きいちゃったもん!ほんとなの!?ドア様!」
さきほどあったばかりのこの街の責任者。
ロイド達は足をとめ成り行きを見守った。
男の子が泣きだすと、ドアの横にいた少女が優しく髪をなで、
「元気をだして?」
「そうだ。約束したろう?私が必ず牧場につれいていかれた皆をたすける、と」
「大丈夫。お父様はこの街みんなの味方だもん。
私のお母様は病気でなくなってしまったけど。
あなたのお父様はまだいきているはずだからきっとかえってくる」
「…ほんと?」
男の子は涙にぬれた顔をあげる。
「本当だとも。皆ディザイアンを倒そうと勇気をだして戦って…
……牧場につれていかれてしまった。だが、必ず救出するからもう少しまっていておくれ」
わかった、と男の子はうなづきそのままはしってゆく。
「さ。いこうか。キリア」
「はい。お父様」
二人はロイド達にはきづかずにそのまま連れたって歩み去る。
「中のよさそうな親子だったね」
コレットがそうしうと、
「あんたら旅のひとかね?」
散歩をしていたであろう街のひとらしき人物が声をかけてくる
「え?」
「いや。ドア総督のことを話しているのがきこえたのでな」
「ええ。あのかたはディザイアンと戦っているのね?」
リフィルの問いかけに、
「そうともさ。義勇兵をつのり、にっくきディザイアンに対抗しておられる。
奥様を病でなくされてからも男で一つでキリアちゃんを立派にそだて…
まったくすばらしいおかたですわい」
「義勇兵だなんて。この街のひとは皆勇気があるんだね」
ジーニアスが心底感心したようにいってくる。
ヒト、など他人がどうなってもかまわないような人種だ、というのに。
たやすく他者を見捨てるようなヒトが義勇兵などといったものをつくっているのが信じられない。
「当然じゃよ。わしらはドア様がいるかぎりディザイアンには決して屈しない。
たとえ牧場につれていかれてもきっとドア様がたすけてくださる。
そう信じて戦っているのじゃ。怖がってなどいられるか」
老人はかっかと笑い、そのまま残橋のほうへとあるいてゆく
「ディザイアンには決して屈しない…か」
もしも、ドア総督みたいな人がイセリアにもいたならばちょっとは結果がちがっていたなかな。
そんなことをおもい、ぽつり、とつぶやいているロイド。
「決起はときとして力にもなるけど、力なき行使は逆に悲劇をうむけどね」
ロイドの考えが手にとるようにわかり…というか何をかんがえてるのかはよみとらなくても何となくわかる。
それに何より、街の人がいったその台詞もかなりうさんくさい、とおもうのは仕方がない。
「でも、そんな組織だった犯行組織をなんでほうっているのかな?」
エミルのしごく最もなつぶやきに、
「それは……」
「抵抗がつよくて様子見てるんじゃないの?」
リフィルもどうやら同じ思いらしく言葉をつまらせ、ジーニアスは何ともおきらくなことをいってくる。
「でもここ、トリエットより大きいですね」
エミルがそういうが。
何しろ目覚めてから実際にきた場所の中では人の営みをするにあたりそこそこの大きさといえる。
「ここは総督府だけでなく、学校も大きな市場もあるのよ。エミル、あなたしらないの?」
「え、はい。すいません……」
「こんな常識すらしらない、なんてやはりあなた記憶喪失か、もしくは記憶があいまいになっているのではくて?」
これは一度、この子の今現在の常識などをてっていして調べる必要があるわ。
そう心に密かに誓うリフィルであるが。
手にいれたワインは神子様を罪人とひきあわすことはできません、といわれ。
それでも何とかたのみこみ、割ってしまったワインのかわりにならないかもしれませんけど、
という伝言をたのんで祭司長にと手渡すことに。
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あとがきもどき:
薫:ドア総督登場です。ちなみに、偽神子一行は、
さくっと正体がばれました(笑
祭司様がたと一緒にコレットがいたのが原因です。
いや、あれってなんで本当に祭司様達しらなかったんだろう?とつくづく思う…
だって、再生の神子が教会にたちよる、というのは祭司様達にとっては、
絶対にゆずれないというか立ち寄ってもらわなければこまる、とおもうのに?
まあ、偽神子達もたちよったら偽物、とばれるから立ち寄らなかったんでしょうけどね。
そもそもコレット…神子らしくないしv
2013年6月5日(水)某日
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