ふっふっふっ・・・。
たかが一週間で・・・あっという間に噂は広まる・・。
これはどこの世界でもお約束v(こらまて!)そんなわけで、今回は文化祭v
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蒼き水晶の歌姫 第14話
ざわざわざわざわ・・・。
どやどやどや。
ぱらぱらばらばら。
ピーピービー・・・・・。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
どうしろっていうのよ・・・・。
一体全体。
どこからかぎつけたのか。
上空には、数十台もの、ヘリコプターが学園の頭上を飛び交い。
そしてまた。
学園の敷地内を埋め尽くすかのごとくの・・・はっきりいって人の山。
「・・・・誰が話したのよ・・・。」
思わず頭を抱える由香子に。
「さあ?噂は早いわよねぇ・・・。」
首をかしげているまったく人事のようにいっている悦子のその言葉に。
「・・・・人事のように言わないでよ・・。」
それでなくても。
まあ、確かに事務所には。
町の関係というか、その関連で、あるイベントに協力することは。
一応、話は通してはいる・・が。
ここ、聖鳳学園だとは。
一言もいっていない。
それなのに。
・・・それなのに・・である。
一体どこから聞きつけたのか。
いつのまにやら、会場となる、講堂付近には。
廊下までも人々が詰めかけ。
ちゃっかりと、それを利用して、他のクラスの人などが。
出店を開いていたり・・などとしていたりもするが。
「・・・・・どーすんのよ・・・。」
さすがに。
一体全体、本当に、どうやってかぎつけたのか摩訶不思議。
いつのまにやら、テレビ局のクルーなども詰め寄せていて。
事故などが起こらないように。
いつのまにやら警備隊や警察なども出動しており・・・・。
一体本当に、どこから情報が漏れたのやら。
・・・しかも。
生徒がこのことを知ったのは・・・・。
一週間ほど前だというのに。
・・・・さて。
どうしたものか・・・・。
とりあえず・・・・・。
ふっ。
軽く目を閉じる。
間違いなく、裏口にも前にも、人々は。
いつかくるであろう・・・百合香を待ち構えているのが見てとれる。
間違いなく。
どこからか入ってくるのを見なければ。
・・ここの生徒だと。
ばれかねない。
そのまま。
窓際により、かるく、その手から。
ふわりと。
髪の毛を一本抜いたそれを、窓の外に浮かべる由香子。
「・・・・?由香?何やったの?」
何かを外に投げたような感じをうけ。
首をかしげる悦子のその言葉に。
「ううん。別に。とりあえず・・もう少ししたら。人ごみ、切れると思うから。そのときに私着がえるね?」
一体、何を根拠にそういいきれるのか。
由香子・・いや、百合香の控え室の前にも。
生徒や一般人の人だかりが・・・出来ているというのに。
だがしかし。
にっこりと確信を持ってそういいきるその言葉に。
首をかしげつつ、顔を見合す洋子と悦子の姿が。
三人しかいない教室の中。
見受けられているのであった。
ざわざわざわ。
「本当に来るのか?」
それは確かに、星空百合香は。
あの伝説の町・・・蓬莱町の出身と噂があり。
そして・・また。
ここ、聖鳳学園の理事長兼設立者もまた、同じ町の出身だ・・ということは。
噂では聞いているが・・・。
確かに。
あの町の人々は、かなりつながりが深いらしく。
何かこう独自のネットワークを持っているらしい。
ということもわかっては来ている今現在。
そんなことを思いつつ。
テレビカメラなどを片手に。
そこからやってくるであろう、目的の人影を求めつつ。
「本当にくるのか?」
この人だかりである。
入り口から来るのはまず不可能であろう。
確か彼女はまだ16のはず。
免許が取れる年齢でもなく。
そんな会話をしていると。
「おーい!姿がみえたぞ!?」
どこからか聞こえてくる声が。
裏に面接している森と、そして山の方から。
まず山の方からくるのでは?
と張り込んでいた人達の声が彼らの耳にと届きゆく。
「何!?」
その言葉をうけ。
ドドドドド!!!!!
ものの見事に。
全員が声のした方向にと向かってゆく。
シィン・・・・。
「・・・・・な・・・何?」
いきなり、姿がみえた。
という声が聞こえたかと思うと。
そこにいた人々が一斉に裏山というか裏の森の方にと駆け出していった。
この場に残っているのは・・・・もはやあまりいない。
くす。
あっけにとられている洋子たちを前に。
「どうやら人違いをしたみたいねvさ、今のうちに。」
そういいつつ、ぱらりと。
二つにみつあみしていた髪をほどき。
そしてまた。
その眼鏡を外す由香。
制服はそのままで、その青いベストに黒くながいストレートの髪が、さらりと落ちる。
そして。
ごそごそと。
用意してあった、袋から。
何やら小さいビニールのようなものを取り出し。
いや、袋というか鞄の中からといったほうがいいであろう。
そして。
その小さく折りたたまれているビニールについている突起をかるく押す。
ポシュ!
音をたてて、圧縮されていたそれが、元の大きさにもどっていき。
その中にあるのは・・・少し清楚ではあるが、綺麗な色の真っ青なドレス。
というかステージ衣装。
「あ、私、着がえるからv見張り、よっろしく♡」
そういわれ。
あわてて、教室の入り口に出てゆく二人。
くすくすくす。
あれは、影。
ただの影。
さきほど飛ばした髪によって創り出した幻影に過ぎない。
だが。
その長く黒い髪をなびかせて。
白い服をきて、歩くその姿は。
はっきりいって、人目を引くには十分。
こちらからあちらに注意をひきつけるための。
くすくす笑いつつ。
「簡単にひっかかってくれるから、便利だわ♡」
くすくすわらいつつ。
今着ている制服を脱ぎ去り、服を着替えだす由香。
いや、脱ぎさる・・・という表現はあっているのかないものか。
由香がそのドレス・・青いワンピースのようなステージ衣装を。
その身にふわりとかぶせるように持っただけで、淡い青い光が一瞬彼女の体を包み込み。
その一瞬の後には。
丁寧にたたまれた制服と・・・。
そして、一瞬のうちに着がえ終わっている由香・・いや、百合香の姿が。
制服をさきほどまで今来ている服がはいっていた袋にいれて。
出したときと同じように袋についている突起をおす。
刹那。
パシュ。
音をたてて、それは圧縮されてゆき。
手の平よりも小さいサイズと成り果てる。
それを手にもっている小さなポーチにと入れ、そのポーチを腰にとつける。
「おっまたせv」
出てきた由香子に思わず絶句する。
確かに、彼女が百合香だとは知っている。
いるが・・。
やはり目の前でこうして、百合香としての姿をみると。
とまどってしまうのは仕方がないであろう。
「どうしたの?二人とも?ほらv人が戻ってこないうちに、いくわよ?」
棟続きのイベント会場となっている講堂に。
そのまま、すたすたと歩き始める百合香に。
はっとその言葉にて我にともどり。
「あああ!まって!」
今回のイベントの実行委員である。
彼女達・・・いや、由香子、洋子、悦子。
この三人は。
他にもメンバーはいるものの。
すでに講堂にて待機している今現在。
学園の裏に面している場所は、鬱蒼としている森。
そういっても過言でない。
この辺り・・・というか、この学園がある山そのものが、ここの理事長の私物である。
生い茂る木々の間に見え隠れする白い服を着ている一人の少女。
どうにかつかまえ・・もとい。
おいつき、独断インタビューをとろうとするもの。
近くで写真をとろうとするもの。
その姿を映像におさめようとするもの。
それぞれ異なる思惑の人々が、木々の間を縫うように移動している少女を追いかける。
だがしかし。
翻弄されるばかり。
何しろ、この山は・・・。
地元の人でも迷うとか有名な場所。
まあ、道から離れなければ問題はないのであるが。
左にみえたとおもったら、次は右。
そうこうしているうちに・・・。
彼らは。
いつのまにか、
学園から少しばかり遠ざかった位置にとやってきているのであった。
ざわり。
会場が動いた。
というか、一気にざわめく。
全員が全員とも。
幻影にだまされてそちらにいったわけではなく。
ここにいれば会えるし。
という考えをもっていた、懸命な人々は。
この場所で百合香の到着を心待ちにしていたりするこの現状。
そして・・・・。
その入り口から入ってきたその姿に。
おもわず。
『きゃぁぁぁぁぁぁあ!!!!百合香ちゃぁん!本物だぁぁぁぁぁあ!!!!!!!!!♡』
ほとんど悲鳴に近いかなきり声が。
学園中にとこだましてゆく。
ぱんぱん。
きゃあきゃあと騒ぐそんな人々・・いや、一般客と生徒を前に。
「はいはい、みなさん、お静かに。ええと、今回、こちらの学園イベントに協力していただくことになった。
星空百合香さんです。・・みなさん、ご存知ですよね?」
そういいつつ。
ステージの上にいた、この学園の理事長が挨拶をし。
にっこりと笑いかけて。
百合香の手をとる。
そして。
その手にとマイクを手渡し。
「ええと。みなさん、こんにちわ。」
くるりと向きをかえ、ステージの上に立つ百合香に。
『きゃぁぁぁあ!百合香ちゃぁぁぁぁん!』
学園を揺れ動かすほどの声援が飛び交ってゆく。
「・・・・・・え?」
ふと気付いたら。
いつのまにか追いかけていたはずのその姿は見えなくなり。
そして・・・。
かなりの後ろの方から聞こえてくる、悲鳴に近い歓喜の声。
「しまった!?こっちはおとりか!?」
ようやく気付くがもうどうにもならず。
「・・・な・・なあ?ここ・・・・どこだ?」
『・・・・・・・・・・・え゛?』
ひゅう・・・・。
追いかけるのに夢中で。
かなり山の奥深くまで入り込んでいる彼ら達。
中には諦めて道を外れた時点で一般の人々などは引き返しているのもの。
さすがプロ意識というか根性というか。
そういった関連の人々は・・木々の間にみえる姿をおいかけて・・・。
気づけば、山の奥深くにまで入り込んでいるのであった・・・・。
そんな記者の一人のつぶやきに。
しばらく、由香子の作った幻影を追いかけていた記者たちなどは・・・しばらく。
その場に呆然と立ち尽くすより・・・・術がなく。
ただただ。
そんな彼らにむなしい風が・・吹き抜けてゆく・・・・。
「ええと、今回、同じ町のよしみということもあり。鳳凰亜美さんに呼ばれました。みなさん、こんにちわ。
なぜか秘密にしていたはずなのに。話を聞くところでは、一週間前にどこからか情報がもれて。
こんなに人が集まるとは・・この私も驚きです。
とりあえず、これから、しばらく。私のコンサートにつきあってくれるかな?」
『いぇぇぇぇぃ!』
『きゃぁぁぁぁぁぁ!!!』
百合香のその言葉に。
会場が一気に沸騰してゆく。
「では、今回のイベントの企画人でもある、代表者の二人に。内容をおねがいしますね?」
そういいつつ、軽くウィンクをして。
ステージの隅にいた洋子たちを名指しする百合香。
この時点で。
全員が百合香に気をとられて・・・・。
もう一人・・いるであろう。
代表者の一人・・・岡村由香子の姿がそこにないことを、生徒の誰一人としては気付いてもいなく。
・・いや、気付かれてもこまるのであるが・・。
「ええと。ご紹介に上がりました。今回の企画の責任者を務めている、木野悦子です。
「同じく姫野洋子です。」
黒い髪をおかっぱより短めにしている洋子。
そしてまた淡い茶色い肩の辺りより少し伸びている髪が印象的な悦子。
互いにマイクをとおして、今回のイベントの流れを説明してゆく二人。
・・・誰一人として、もう一人いるはずの。
由香子の不在に気付くこともなく。
「今日で文化祭も最終日。
メインにアイドル歌手の星空百合香さんを招くことができたのは。ひとえに理事長と、そして。」
「それにこころよく答えてくれた百合香さんのおかげです♡」
とゆーか。
無理やり説得したんだけどv
そんな二人は内心おもいつつ。
会場の中にいる人々にと話しかけ。
「これから約数時間にわたって、まず百合香さんのコンサート。その後に、サイン会、握手会・・そして。」
どきどき。
わくわく。
はっきりいって、こんなチャンスは滅多とない。
テレビでしか・・そして、ラジオの中などでしか、聞いたことや、見たことがない・・・今かなり人気のアイドル歌手。
それが目の前に・・いるのである。
おっかけをするにもお金がかかる。
ましてや・・・。
彼女のコンサートなど。
・・・・・はっきりいって、プレミアムもの。
かなりの高値で取引などが成されている今のこの現状。
この話を聞いたときには、眉ツパではないかとも思った。
思ったが・・。
事実、丹なる学園のイベントに・・。
こうして、今、世界的にも有名な、謎のアイドル歌手。
星空百合香がこうして今彼らの目の前にいるのである。
すでに、そこにいる人々は夢見心地・・になっているのは。
しかたのないこと・・・なのかもしれない。
「では、みんな、しばらくこの私につきあってもらえるかな?」
『いぇぇぃ!』
マイクを振り上げ宣言する百合香に。
全員の歓喜の声が・・・・会場中にと響き渡ってゆくのであった・・・。
一体、何がどうなっているのか。
海上事故。
それも、かなりの量の油が・・。
流出・・・した・・・はずである。
だがしかし。
突如として発生した、今まで見たこともない・・・青い何か。
それがその辺りの海域を埋め尽くしたかと思うと。
あっという間に、そこにあったはずの油の膜は・・。
数センチに及ぶ膜をつくり、海にと垂れ流されていたのであるが。
それがものの見事になくなっていっているのである。
―― 常識では考えられないこと。
その海の色とは少し違う、それ・・水を回収して調べた結果。
・・・・・今までみたこともない、プランクトンが検出される。
・・・・それは。
油を養分として食べつくす・・・・新たなタイブのプランクトン・・・・・。
・・・海はまだまだ人々に未知なるものを残している・・・・。
その発見は。
世界中の科学者などを・・・。
奮い立たせてゆくのには・・・十分すぎる結果るのであった。
ぱさり・・・・。
会場の中。
コンサートに酔いしれているそんな中。
風にまい、一つの新聞がまってゆく。
そこには。
【母なる海の神秘か!?新種プランクトン発見!】
とかかれている見出しと。
そして。
【なお、あの前後に・・会場の上で人影をみた。という地元の目撃談もあり、その真意が未だに理論されている・・】
などといった見出しで。
ここ、一週間の間。
一面トップを飾っていた、この場所からは離れている、
海上でおこった、タンカー事故のことが。
またまた大きく取り上げられているのであった・・・。
-続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・どうして誰も気付かない?(笑)
全員、由香子がいないのにきづいてないです(爆!)
道にまよっている記者たちは・・・ま、がんばってくださいな v(こらまて!)
んではではv
・・・・・・百合香の歌・・・・いれるべきか・・・いれざるべきか・・。
あ・・あはは・・・。
・・・・・・・・自身・・・ないんだよなぁ・・。
・・・・いや、歌詞はあるんですけど・・・ねぇ・・・・(汗)
あうあうあう・・・・・。
2003年6月5日某日
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