こんにちわv
前回、いけなかったので。
さって、今回、正体露見(でも一つだけの)にいっけるかな?
ではではvv
などと打ち込んでいる只今2003年の5月12&13日。
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蒼き水晶の歌姫 第10話
ざわざわざわざわ。
一目でも、姿を見ようと。
すでにもうそこはファンの山。
ロープなどが張り巡らされ。
警察や警備隊なども出動するほど。
普段はそれほど、人がいないといっても過言でない。
いくら観光名所とはいえ。
ここまでは人はまず集まらないであろう。
それほどまでに集まってきている、百合香のファン。
さすがに、コンサートなどでもそのチケットは、かなりの高値で取引が成されている。
そんな彼女が主役の映画。
その撮影を見学しようと。
星のいたるところ・・様々な国などから、見学にやってきていたりするこの現状。
「さすが、百合香ちゃんは人気があるから多いわねぇ。」
くすくすと。
百合香の身の回りの世話をしつつ。
外をみてわらっている、百合香のマネージャー。
山崎優。
その青い髪を少し伸ばした形のショートカットをしている女性。
「うーん、別に私を見たからってどうにもなるものでも。ないでしょうに・・。」
そんなことをつぶやきつつ。
今回の衣装である服を着てゆく。
彼女の役は天女の役目。
・・・・・はっきりいって。
これほど、ぴったりの役目もないかと思うのであるが。
その長い髪を緩やかに伸ばして。
纏う衣をイメージした薄い布は。
彼女の両手で支えられるように、背中で周り。
ゆったりとした感じのそれでいて、清楚な感じの古の巫女が着ていたような。
そんな感じの薄い色彩の着物を纏い。
撮影の準備をしている百合香。
まるで絵から抜け出したよう。
というのはまさにこのことであろう。
本物の天女のように。
どこか威厳というか雰囲気を漂わせている百合香の姿に。
思わず見とれつつも。
「あら、皆、百合香ちゃんの天女の姿。一目みたいのよ。」
確かに。
見ただけで、心が落ち着くというか。
本物の天女をみたかのような錯覚にと捉われる。
それほどまでに。
百合香のもつ雰囲気はしっくりときている。
その言葉に。
「・・・・・・古の人達と同じようなことをいうのね・・・・。」
ぽつりと小さくつぶやく百合香。
かつて似たようなことを聞いたことがある。
それは、かなり以前のこと。
一時期など、『彼女』を召喚するがために。
生贄などといった行為が行われていた時期もあった。
『彼女』のその思いとは裏腹に。
そんなことは望んでもいないというのに。
こういった格好は別に慣れている。
というか、『彼女』自身が、こういった格好をしているのであるからして。
「さあさあ!百合香の天女バージョンのプロマイドだよ!」
わあきゃあきゃぁ!
いつの間にやら。
リハーサルどきの百合香の姿を写真に収め。
機械にて編集し。
即決のプロマイドを作成し。
しかも、百合香のサインのコピーも含めて。
撮影現場でしか販売されない。
リハーサルと本番とでは、来ている服が違う。
しかも。
書き直しする台本の、コピー本もセット。
そんな代物を売り、商売をしている撮影スタッフの一部の人達。
ちなみに。
こういった資金によって、彼らの撮影資金は少しばかり、まかなわれている現状があるのであるが・・・。
『あなたは何を望んでいるのですか?』
「き・・・・きみ・・・・は・・・・。」
佇む一人の男性に向かって語りかける。
不思議な雰囲気を纏った少女。
さきほど、不思議な空間を見つけたばかり。
そして。
今、ここから飛び降りて。
命を絶とうとしていた、その矢先。
ふと。
何かに導かれるようにとはいっていった洞窟の中。
そこで見つけた、不思議な花が咲き乱れる空間。
そんな中で。
青年の前に姿を現した、一人の少女・・・。
『ここは、聖なる空間。・・・・あなたは何を望むのですか?』
洞窟の中だというのに。
なぜか、その中には、高い絶壁に。
さんさんと太陽が照らされ。
まるで外のような空間が出来上がっている。
何が何なのか・・・。
意味が分からないままに。
「私は・・・・もう・・・・生きる力が・・・ありません・・・。」
ずっと入院していた、彼の娘が先日死亡した。
たった一人の愛する妻の肩身であった。
自分も、彼女達のもとに・・・・と。
せめて、彼女達が好きであった、景色の中で、彼女達の元に出向こうと。
決意して。
出向いた矢先のこと。
そんな彼の言葉に。
ふっと微笑み。
『・・・・あなたには、まだやるべきことがあります・・・。さあ・・・・・・おいきなさい。』
― スパーク。
(そこで目を閉じる青年)
カツン。
「はい、カットぉぉぉお!」
ざわざわざわ。
その声にしたがって。
今まで辺りにあった雰囲気ががらりと変わる。
「いやぁ、百合香ちゃん、すごいよ!まるで本物みたいな神々しさ!やっぱり、いいねぇ。」
うんうんと。
満足そうにうなづく監督に。
「いや、本当に、一瞬人でない何かと話している感覚になったよ。私も。」
そういいつつ、今回、百合香と共演することとなっている一人の青年。
彼もまたアイドルではあるが。
「ふふ。」
髪をかきあげつつ、微笑み。
「じゃあ、次はシーン96ね?」
「それまで、各自休憩!」
ざわざわざわ。
その言葉に従って。
今まで撮影を行っていたスタッフなどが。
一時の休憩を取るために。
いろいろと右往左往し始める。
今回の映画は。
娘を亡くして、生きる気力を失っていた男性の前に。
娘そっくりの少女が出現し。
記憶を失っているというその少女の面倒を見ることになった男性が。
やがて。
生きる力を取り戻し。
人々に愛されるテーマパークを作ってゆく。
という内容。
そして。
見取る彼の傍らで。
娘と妻が、記憶を失っているという少女に連れられて。
最後、親子で天にと昇ってゆく。
というような内容の、いわゆるファンタジー物。
― 星空百合香、休憩室。
そう書かれた張り紙が張られている、一つの車。
こういった移動ロケーションでは。
彼女達のような俳優などの休憩室関しては、車があてがわれ。
そこが休憩室と化してゆく。
車の先にあるのは、断崖絶壁。
といっても、距離はあるので。
車が落ちる心配など皆無なのであるが。
がさがさ・・・・。
「うう・・・・狭いぃ・・。」
「でも、ここからだと、よく見えるよ?」
「うーん、本当だ。」
崖に張り巡っている、木の枝を移動しつつ。
一般の人々が入ることは許されてない場所までやってきているこの二人。
眼下にあるのは、きりたったがけ下にある、滝に通じる川が、見え隠れしている。
ひょっこりと。
そんな崖の外から、顔を覗かせれば。
予想していた通りに。
彼女達の目の前で、繰り広げられている撮影現場。
・・・・よっし!
ビンゴ!
こうして、近くでみる機会など。
滅多というかあるものではない。
・・・・危険を冒してまで、顔を拝む必要もないような気もするのだが・・。
「あっちまで行ったら、もっとよく見えそうね?」
「本当、いってみる?」
ここまできたら、もうとことんいってやる。
それが二人の本音。
今いる太い枝から、少し細い枝にと移動する。
「―!!!!」
何かが伝えてくる。
この映像は。
はっとなり。
崖の方を振り向く百合香。
「・・・もう・・・少し・・・・・。」
それでなくても、完全に足場とはいえないその枝ぶり。
そんなところに、女の子が二人。
乗っているのである。
当然のことながら・・・・。
グラ。
一瞬足場にしている枝がゆれ。
「・・・・え!?き・・・きゃぁぁぁぁ!」
「あ!洋子って・・・きゃぁぁ!」
ずるっ。
反動で、思わず足場を踏み外し。
そのまま、下にと落ちかける。
― しくじった!
シュルリ。
二人がそう思ったその刹那。
『・・・・・・・え?』
落下するのを予想していたのに。
そんな気配は一向になく。
何かが巻きつくような音とともに。
自分達の体に巻きつく、何か冷たいもの。
おそるおそる目を開ければ。
そんな彼女達の体を。
蔓が・・・・まるで彼女達のを守るかのように、撒きついていたりする。
そして。
ふと。
ゆっくりと視線を前に向けると。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
いるはずのない一人の少女の溜息が一つ。
そう。
そんな場所にいるはずがない。
そこは、普通の・・・そう、普通の空間。
足場も何もあったものではない。
だが、確実に。
蔓に巻きつかれている彼女達の目の前に。
・・・・彼女達が近くで見たかった少女の姿が。
くっきりと空中に浮かんでいるのである。
腕をくみつつ、溜息をつき。
「・・・・・・・まったく、無茶するんだから・・・。」
昨日、服を汚していたのは。
このためか。
そう思いつつ、溜息一つ。
その声とともに、手をふっと掲げると。
まるでその意思に沿うかのように。
洋子と悦子の二人を守るように撒きついていてる蔓が。
しゅるりと崖の上にと移動して。
ストン。
彼女達を安全な場所に降ろしてゆく。
一体何が何なのか。
それと同じく。
まるでそこに足場があるかのように。
何でもないように歩いている少女・・・百合香の姿にも戸惑うが。
「ほら、怪我してる。手当てしなきゃ。」
どこかで聞き覚えのあるような声。
それが誰のものだったのかまだ理解はできないが。
今起こった出来事は。
ここにいる三人以外、気付いている人はいないらしく。
未だに周りでは、そんなこちらに気付く様子もなく。
休憩時間を利用して。
これからの日程などを話し合っているスタッフや、くつろいでいる参加者たち。
「ほら、ぼうっとしてないで。怪我からばい菌がはいったらどうするの?二人とも?」
混乱する思考の中で。
擦り傷を作っている二人に話しかけている百合香。
何が何だか分からないが。
とりあえず。
促されるまま、彼女に連れられて。
一つの車・・・ワゴンの中にと入ってゆく。
表には、星空百合香休憩室。
そうか書かれた張り紙が成されているその車の中に・・・。
「ほら、座って!」
「あ・・・・はい。」
促されるままに。
椅子に座る。
確かに、腕などに数箇所擦り傷が出来ている。
足を滑らせたときに切ったらしい。
目の前で、てきぱきと手当てをしてくれている少女は。
まぎれもなく、百合香当人。
「よっし!これでよし!」
ぽん。
軽く包帯を二人に巻き。
怪我をした部分を保護する。
「・・・あ・・・・あの・・・。」
とりあえず、何がどうなっているのか訳が分からない。
恐る恐る問いかけようとしたその刹那。
「百合香ちゃぁん、そろそろ休憩終るよぉ!」
車の外から聞こえてくる声。
「あ、はぁぃ!」
外に向けて返事をして。
「とにかく!二人とも!ここ、今は一般人立ち入り禁止になってるんだから!
いーい?車から出ないのよ!?どうにか話しを付けとくから!」
そう二人に言い放ち。
そのまま。
外に出てゆこうとする百合香。
そして。
ぴたりと足を止めて。
「あ、さっき見たことは内緒ねv二人ともv私が空飛んでたことは(はあと)」
そういって、口元に手をあててにっこりと微笑む。
言われてみれば、確かに飛んでいた・・としかいいようがないが・・。
ただただ、わけもわからず。
車の中に取り残され。
かといって、自分達が確かに、禁止されている場所に、入ってきているのは明白で。
「・・・・・・・・えと・・・・。どうする?悦子?」
戸惑いつつつぶやく洋子のその言葉に。
「・・・・・・どうするって・・。言われたようにここで待ってるしかないんじゃない?」
そんな洋子の言葉につぶやく悦子。
とりあえず。
言われたまま、しばらくそこで大人しく待つことにする二人。
不思議と手当てがよかったのか、切ったはずの手は、はっきりいって痛まない。
だがしかし。
何もせずに待っている・・・というのは。
あまりに退屈。
うろうろと。
二人が車の中をしだすのも、当然といえば当然のこと。
「・・・・・というわけで、崖から落ちそうになってた。一般人、二人ほど保護したんですけど・・・。」
百合香の報告に頭を抱えつつ。
一人は。
思いっきりおなかを抱えて。
「・・・・・そ・・・そこまでする!?」
目を見開いて驚きを隠せない。
まあ、確かに。
あの先の崖には、崖の側面に這うように、木の枝が張り巡らされていたが。
まさか、そこから撮影現場を拝もうなどと、考えるファンがいようなどとは。
一歩間違えれば、間違いなく、崖下に転落である。
・・・まあ、その途中に。
崖の中央部分がせり出して。
ちょっとした茂みになっているから。
そこに落ちるであろうが。
それでも。
落ちれば怪我はまず免れない。
「ねえねえ?監督?その度胸を免じて。その子達、エキストラ役やってもらわない?最後のシーンで?」
今回は、最後の部分の撮影も行われる。
「・・・・・ふむ。まあ、何しろそんな根性がある女の子達なら。大丈夫かな?」
・・・・・洋子と悦子の知らないところで。
そんな話がまとまりかけているころ。
「・・・・・あれ?」
ふと。
机の横に置いてある、鞄にと目を留める。
見覚えのある、その鞄。
薄いピンク色の。
「百合香ちゃん、由香と同じ鞄もってるのね。」
そういいつつ、机の方にと歩いてゆこうとする。
― が。
つん。
どて。
「っ!」
トトトト・・・・。
しか。
ガッタァァァァァン!!!
机の方向にと向かっていたのだが。
足元にある、小物にと小指をひっかけ。
そのまま。
脛をぶつけて痛みに思わずよろめくと。
そこにあった何か掴むものに思わず寄りかかり。
それが、安定してないものであったがゆえに。
そのまま。
机にかけてあった鞄ごと。
机の上にあるものごと。
盛大にこけている洋子。
「・・・・いったぁぁぁぁぃ!」
机が自分の上に乗らなかったのが不幸中の幸いか。
だがしかし。
パサパサパサ・・・。
机の上にあった台本などといった書類などの山が、倒れた洋子の顔にと降り注ぐ。
「・・・・何やってるのよ。洋子は。」
あきれつつ、悦子が苦笑いをして。
机を挙げて。
片付けようとするその手が一瞬止まる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・え?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何で?
倒れた表紙に掴んだものは。
机にかけてあったピンクの鞄。
そして、掴んで倒れた拍子に。
その中身が多少こぼれだしている。
見覚えのある眼鏡と・・・。
そして。
決定的なのは。
なぜか。
・・・・・・洋子と悦子が映っている・・・・とある小さな写真。
しかも・・・・。
『・・・・・何で百合香ちゃんが由香子と一緒にとった。プリクラもってるの!!?』
それは。
今回の旅行で。
旅館にあったプリントクラブにて。
今朝方写したばかりの・・・三人が映った写真であった。
−続くー
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あとがきもどき:
薫:・・・・・・あはは。
一応、現代版なのでv
ちなみに。
百合香がいる時代というか世界は。
はっきりいって私達の世界とさほど代わりがありません。
ただ。
空気を汚さないクリーンエネルギーを利用した、
様々な公共施設の乗り物などを。
蓬莱町などの出身者や企業が開発している。
という程度で。
プリクラ・・・・・・何年前が最後だろ?(こらまて!)
あははは・・・・。
んではではv
また・・・・。
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