蒼き水晶の歌姫 第3話
「ねえねえ、由香子さん、帰りに一緒にカラオケいかない?」
そういって、話しかけてくる二人の生徒。
服装は青い色のジャケットに、白いブラウス。
その首筋にある、紅いリボン。
ここ、聖鳳学園の制服に身を包んでいる少女二人。。
ちなみに、スカート丈は、膝より少し長く、膝下十センチと少し。
「あ、ごめんなさい。今日はちょっと用事かあるの。」
そういいつつ、鞄にノートや教科書を詰め込んでゆく。
一応、ノート型のパソコンが、生徒に各自配布されるとはいえ。
きちんと別に教化書なるものも存在している。
他の学校などと比べたら。
その厚さなどに雲泥の差があるが。
何しろ、ここ、聖凰は、この星の中では。
その教育内容にしても、他のことにしても。
この地上の中では、一番どれをとっても最先端を誇っている。
まずこの学園出身。
そういっただけで。
就職が確保されるという企業なども少なくないほどに。
そう答えた、由香子。
そう呼ばれた少女は。
その長い黒い髪を。
二つにきっちりと分けて、前に分けて、紺色のゴムで、その二つに分けたその髪をみつあみにして、結んでいる。
みつあみにしている髪が、腰の辺りまであることから、結んでいないときの髪の長さが手にとるようにとよくわかる。
ここに入学して、はや数週間。
それでも。
クラスメートたちは。
彼女の髪を解いた姿や。
ましてや、その顔に掛けてある、大きな眼鏡を取った風貌など。
見たことは一度もなかったりするのであるが。
きっちりと分けた髪をみつあみにまとめて結び。
その顔には、大きな眼鏡をかけ。
見た目、どうみても、どこからみても、優等生、そのもののその少女。
彼女の名前を由香子。
岡村由香子という。
「まったく、真面目なんだから。」
そういいつつ、苦笑する。
どこか憎めないその笑顔に、思わず笑みがこぼれる。
まだ同じクラスになって、数週間。
それでも、仲のいい友達などはすぐに出来上がっていくのもまたお約束。
「でも、まだ由香子は、部活も決めてないでしょ?」
この学園には部活なるものが存在している。
その内容もまた、かなり隔たりがあるものがあったりするが。
何しろ、宇宙学部から、心理学部。
はては、地球学部などなど。
普通の学校などにはない部活箇所もまたあったりするのである。
一般的に、簿記や、会計、電算、演劇、運動部、文学部等等のほかに。
挙句は、アイドル部。
などといったものもこの学園の中には存在しているが。
そのどれにも所属してないこの由香子。
「私は、どちらかというと、帰宅部かな?だって、家が遠いし。」
そういいつつ、ぱたんと鞄を閉じ。
机の横にかけてある袋の鞄を手にとる由香子。
そして、カタンと立ち上がり。
「誘ってくれて、ありがと♡またいつかね?」
そういいつつ、教室を出てゆく由香子の姿。
「そういえば、由香子って・・一人暮らししてるんだったっけ?」
「それに確か・・この町の外の方らしいし・・家も・・。」
一応、規則として、○キロ以内にある家などからは。
自転車などの利用は認められているが。
それ以外は。
まずこの学園が経営している、とある磁場式、二輪車に乗るための試験に合格しなければ、使用は出来ない。
この学園は、環境問題などにも率先して取り込んでいるために。
市販されている、曰く、バイクや車。
などといったそのような代物は、一切禁止しているのである。
この学園の出資者でもある、とある企業から。
ここに勤める先生などが使用する足となるべく車などは、無料で提供されるという特典もあったりするが。
それは、水と太陽と、二酸化炭素などを使い。
使用するたびに、出されるのは、還元された水と。
もしくは、酸素。
そういった今注目を集めている市販で手に入れるのにはまだかなり価格が高い、エコロジー対策を儲けた車。
それが、ここにと勤める人々の足となっているのだが。
きょろきょろ。
周りに人がいないのを確認する。
そして。
そのまま、学園の裏にあるとある森の一角にと進んでゆく由香子の姿。
そして。
そのまま、しばらく進み。
とある、一つの大きめな木の幹の懐にとたどり着く。
「・・・誰もいないわよね?」
きょろ。
周りを見渡し。
誰もいないのを確認して。
ふっ。
その木の幹にと手を当てる。
と。
・・・・・ユラ・・・。
まるで、その木の幹が、水面の用にと揺らめき。
「・・・・ああ!急がないと、遅刻しちゃう!」
そういいつつ。
次の瞬間には。
由香子は、水面の用に揺らめいているその木の幹に、吸い込まれるようにと姿をかき消してゆく。
この時間帯は誰もいない。
それを確認して。
― バタン。
クローゼットの扉を開ける。
どうして、木の幹から、クローゼットにと続いているのか?
そんな疑問も多々と残るが。
しかも。
その木のクローゼットを開けたその先には。
・・・・とあるどこかの部屋が広がっていたりする。
そこにある、鏡面にと向かい合い。
「・・・さて、用意しますかv誰かが来る前に・・ね♡」
マネージャーもいつものように、まだ来ない彼女を迎えに入り口にと出迎えに行っている。
それはいつものこと。
かたん。
そういいつつ。
いつのまにか、その手にしていた鞄は。
ふと気がつくと、まるでマスコットのように小さく成り果て。
それを携帯式の電話にとつけている由香子。
そして。
袋の鞄から、ごそごそと。
櫛と、手鏡を取り出して。
・・・・・ぱさり。
みつあみにして結んでいた髪を解く。
サラッ。
流れるような漆黒の長い髪が、さらりとたなびく。
そして、みつあみの癖で少しウェーブのかかったその髪を、櫛で数回といてゆく。
「・・・・よっし!次は・・・服ね。」
ごそごそごそ。
そういいつつ、鞄の中から、小さな押したたんである袋を取り出し。
その一部にある少し膨らんだ部分を。
パチン。
軽く押す。
ブワッ!
次の瞬間には。
手の平よりも小さかったはずのそれが、ふくらみ、膨張して。
そこにあるのは、一着の服。
その服を袋から取り出して、それが掛けてあったハンガーに今来ている制服をかけて。
袋を完全にとかぶせて、その一番下をワッパーで止める。
そして、下にある今度は少しいろのついた膨らんだ部分の場所をぽちりと押すと。
プシュゥ・・・・・・・・・・・。
袋の中の空気が抜けて。
一気に制服が圧縮されてゆく。
由香子が手にしているそれは。
簡易式、圧縮パック。
ちなみに、軽く布団なども、手のひらサイズにまで圧縮ができたりするという、優れもの。
しかも、まず破れない。
土に埋めると、年月が経過し、微生物の影響で完全に土と同化するという、
材質的にも何の問題もない未だに世間に普及してない代物である。
服を着替えて。
そのまま、小さな鞄に圧縮された、制服をしまいこむ。
そして。
カチャリ。
眼鏡を外して、眼鏡ケースに入れて、その眼鏡も、鞄の中にとしまいこむ。
「・・・・よっし!」
バン!
気合を入れるために、軽く自分で自分の頬を叩く。
鏡に映っているのは。
さきほどまでのどこをどうみても優等生の少女ではなく。
艶やかな長いストレートの髪に、前で切りそろえてある前髪。
その、吸い込まれるようなまでの漆黒の瞳。
先ほどとは打って変わった雰囲気の少女がそこには映りこんでいた。
「あああ!百合香ちゃん!?いつの間に!?」
がちゃり。
扉を開けると、いつものように、いつのまにかやってきている彼女をみて。
いつものようにと驚いている彼女の付き人。
「こんにちは。優さん。」
山崎優。
彼女、由香子・・いや、百合香の付き人。
その紫の髪が印象的ではある。
いつも、入り口にまで迎えにいっても、姿が見えず。
こう突然と出現している彼女。
百合香。
「ま・・・まあ、いつものことだけど。それより、そろそろスタンバイしてほしいけど・・いい?」
「はい。いつでも私は大丈夫です♡」
そういって、クルリと振り向き。
彼女・・・百合香はにっこりと微笑んでいた。
「星空さん、あいかわらずかわいいねぇ。」
「あら、ありがとう。でも克己さん達の方こそ。」
和気藹々。
彼女がその与えられている部屋を出て、今回の撮影現場にと足を向ける。
彼女が今までいた部屋の扉には。
― 星空百合香、控え室。
そう、紙が貼られているのだが。
「うーん、今日も綺麗だね。百合香ちゃん。よぉし、今日も張り切って、いってみよう!」
『はぁぁぁぁぃ!』
『おう!!』
由香子…いや、百合香とスタッフたちの声が重なる。
わらわらわら。
どたばたばた。
周りでは、人々が、資材やケーブルなどを片手に、走り回っていたりする。
そういいつつ、広い部屋の一角にいた男性が合図を出す。
それと同時に。
チャーン、チャララルラリラルナッ♪
いつもの定番の音楽が、流れてゆく。
「はい!」
音響効果の止めをいれ。
そのまま、別な人にと指示を出す。
大道具の仕掛けと共に、セットの一部分にドライアイスの煙が立ち込める。
ジィィィィ・・・・。
違う角度から、その部屋の中ほどに作られている、とある、何かを。
数十台のカメラで追っている。
合図と共に。
出てくる、男女の二人。
「はい。今晩もやってきました。今話題のヒット曲。歌のヒット展!」
「いつものごとく、司会は、わたくし、慎也と。」
「音袮がお送りします。」
マイク片手に出てくる男女。
「はい、よしオッケー!」
何処からか声が飛ぶ。
「よぉし、もういっちょ、リハーサルいってみよう!歌手たちはそろってるかぁ!?」
「オッケーです!監督!」
などと、声が飛び交ってゆく。
ここ、第二スタジアム。
毎週水曜日、夜九時からこの国・・いや、今は世界規模といってもいいか。
今話題の歌を一般に提供する番組。
その製作が今、ここで行われているのであった。
そこに、どうして、由香子がいるのか。
それもそのはず。
由香子は。
もう一つの顔として。
アイドル歌手。
『星空百合香』
という顔を持っているのである。
そのことを知っているのは。
ほんの一部の人々のみ・・・・。
その出身地、住所。
その全てにおいて、謎多きアイドルとして。
彼女は世界的にも今や有名なアイドルと化しているのであった。
-続くー
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まえがき:
こんにちわ。
何気に。
始めは、百合香は、由理香だったはずなのに・・。
ま、いっか(こらまて!)
というわけで、やっぱ百合の花をイメージして、百合にした私ですv
ちなみに、これを思いついたのは・・・。
・・・・分かる人には分かるでしょうねぇ。
ちょっと数年前(一、二年ほど前)・・・・無償に見たくなって・・。
全巻・・・・ビデオでそろえてしまった私っていったひ・・・(爆!)
あ・・・・あははははvvv
あるってことは、人気なんでしょうねぇvフェザ○スターv(こらまて!!)
ではでは、第3話をいくのです♡(魔法物が好きな人v)
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あとがきもどき:
薫:・・・・・別に、アイドルが本来の姿。
というわけではありませんよ?(笑)
まあ、彼女にとっては。
手っ取り早い浄化手段を見つけられて、
結構楽しんでやってますけどね(まてこら!)
・・・・そう、分かりましたか!?
この大元は、何と、優ちゃんv
つまりは、マミちゃんですv
私・・・あの話好きなんですよ(はあと)ふふふふふ(はあと)
いつものごとくに菫ちゃん乱入させて。
あの話の続きを作ってみたりとかしていたし・・(実話)
つまり、これは、優と木蓮を足して二で割ってください(まて!)
そーしたら、この話・・
・・絶対にすぐに内容などがつかめるはず!(まてまて!)
まあ、何はともあれv
また次回で♡
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