第一話♪
こーしてどんどんふえてゆくんだなぁ・・・(まてこら!)
というわけで、第一話です。
はははは(汗)
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蒼き水晶の歌姫 第1話
ミィィンミィン・・・・。
ジィジィジィ・・・・。
かっ!
真夏の太陽が容赦なく照りつける。
ふと、視界を落とせば。
人影がうごめいている。
「今日もあついわねぇ・・。」
一人が汗をぬぐいつつ、ぼやく。
「まったく・・なんで休みに・・・。」
一人の男子がこれまた空をあおぎつつぼやく。
「・・・とゆーか・・・なんでこんなことしなきゃならないの?」
全員がジャージ着用。
軽くつづく坂道で。
一心不乱に除草作業にいそしんでいる子供達。
「まあまあ、いいじゃない。」
にっこりというその少女は。
漆黒の黒い髪をきっちりと二つにみつあみし、清楚な感じのする少女。
「由香は・・・・。」
一人が言いかけると。
キキキキィィィィ!!!
ばたん!!
いきなり、黒塗りの車が彼らの真横に止まる。
ばたん!
わらわら。
出てくる二人の男達。
「ああ!やっぱりまだこんなところにいた!!」
「・・・・へ?」
がし。
いきなり、肩をつかまれる。
「ちょ・・ちちちちちょっと!?」
狼狽する少女をしりめに。
「さ。早く急いでください!」
どん!
いきなり車に押し込まれる。
ちょっとぉぉ!?
誘拐!?
だが。
先生達も、クラスメイトすらも、まったく動じていないのはどういうわけか。
ブルルル・・・・。
やがて車が動き出す。
少女を乗せたままで。
「ち・・・ちょっとぉぉぉぉぉ!!!!?」
何が何だか少女には分からない。
あわてて、後ろを振り向くと。
なぜか全員が手を振っていたりする。
どうにかしてよぉぉぉお!!
少女の叫びもどこにやら。
全然だれも心配している様子もなく。
逆に。
「頑張ってね!」
「そっかぁ。そーいや今日あるんだったよな。」
なぜかそんな会話をしているクラスメートや先生達。
「ほらほら。由香子さんのことは、いいから。はやくやってしまって。私達もいきましょう。」
『はぁぁぁぁぃ!』
逆に。
全員が元気になっていたりするのはどういうわけか。
「ち・・・・ちょっと!?何処に連れて行くんですか!?」
うろたえるしかない。
「??何いってるの?・・・・あ、もしかして忘れてた?ほらほら、時間がないから早く用意してね。」
??
時間がない。
とはどういうことなのか。
というか、自分は彼らをしらないが?
疑問はつきないが。
「迎えにきて正解だったでしょ?社長?」
傍らの女性が運転手に何やらいっている。
・・・・社長?
キキキキキキ・・・・・・。
ばたん。
やがて数時間走り車はとある場所へとたどり着く。
「ほら!いそいで!」
わけのわからないまま、部屋に通されてゆく。
なぜか、そこには、自分の荷物というか・・服がすでにあるのはどういうわけか。
少女は混乱するばかり。
「ほらほら、ファンがまってるから、急いでね!」
せかされて、水着に着替える。
ふと壁をみれば。
イベントコンサート。
と書かれた大きなポスター。
しかも。
それに映っているのは。
「・・・・・わ・・・・私?」
何がどうなっているのか。
わからないままに、ともかく着がえる。
人違いなら、はやくどうにかしないと。
着がえて会場にいくと。
すでに、真夏のプールに設けられた会場は、入りきらないほどの人の山。
「はい!おまたせしました!これより、コンサートを開始します!」
ち・・・・ちょっとぉぉぉぉ!!!!!!?
はい。
いきなりマイクを手に握らされる。
どうしろっていうのよぉぉぉぉぉ!!!!!
狼狽する少女をしりめに。
やがて。
会場に音楽が鳴り響き始める。
やがて、音楽が序奏にはいると。
パッキィィィィィン・・・・・。
何かが少女の中で、解かれる感じがする。
気がつけば。
少女は、かろやかに、マイクを握り歌を歌いこなし始めていた。
何がどうなってるのぉぉぉぉ!!!!?
ちゅんちゅんちゅん・・・・。
「・・・・はっ!!!!」
辺りを見回す。
見慣れた風景。
ぼんやりと目に入る天井。
そして、家具。
「・・・・・うーん・・・・まずいなぁ・・・・。」
夢だ。と納得するのにそうは時間はかからない。
だが。
問題なのは。
自分がそういう夢をみた。
ということである。
「・・・気をつけなきゃ。」
それでなくても、今日は、出発の日。
慣れ親しんだ、今まで育った町からでてゆく記念すべき日。
かたん。
ベットからでて、窓をあけはなつ。
ちちちちち・・・・・。
そよそよ・・・・。
風がここちよく吹いている。
「うん。今日もいい風。」
ふわり。
長い漆黒のストレートの髪がたなびく。
〃お早うございます〃
「おはよう。今日も元気ね。」
小鳥たちがささやきかけてくる。
そして、風も。
木々も。
「おはよう。皆。」
うーん!
少女…由香子は大きく伸びをした。
とんとんとん。
かろやかに階段を下りてゆく。
「お早うございます。母様、父様。」
にっこりというかわいい我が子に。
「おはよう。とうとう今日ね。」
「大丈夫なのか?これは、父親としての意見と、この町に住むものの意見なんだが・・・。」
心配そうにいう父親たちに。
くす。
「大丈夫です。それに今、この町以外で。こんな非現実なことを信じる人がいるとでも?」
にっこり。
たしかに。
あまりに非現実すぎ。
科学になれた人々などは、信じられないであろう。
だが。
世の中には、科学では説明のしようがない。
そう。
人が忘れてしまった神秘のこともあるのだ。
「それにね。」
にっこりという少女の目は。
黒い瞳から気づけば蒼い色にと変化している。
「ここを騒がすわけにもいかないし。・・・だいぶ周りが五月蝿くなってるし。だから、ちょうどいいのよ。」
にっこりと、笑う娘に。
「ですが。私たち、この宝來町にすむもの達は。・・・貴女をお守りするのも役目なのですが・・・・。」
言いよどむ父親の姿がおかしく感じる。
「大丈夫よ。それに、通う学校もここの関係者が理事長しているところだし。」
にっこり。
たしかに。
彼女がいまからいく学校というか高等部の責任者は、この町の関係者である。
だからこそ。
町の人々は。
彼女が町からでるのを許可した。
といっても過言ではない。
何しろ、彼女は・・希望なのだ。
「そ・れ・に♡あそこからなら仕事するにのも楽だし♪」
「・・・まったく・・・・・。まさか、こんな仕事をなさるとは・・・。」
苦笑まじりの母親。
「あら、私のせいじゃないわよ?」
それは偶然。
ただの社会見学で。
首都にあるマジックタワーに見学にいったときがそもそもの発端。
その容姿から、たまたま間違われて。
そこで行われていた収録に借り出されたのがそもそもの原因。
次は。
友人たちと、コンサートにでかけたとき。
それから、今日まで続いている。
「まあ、いいじゃない?効率いい浄化のしかたじゃない?ね?」
にっこり。
天女の微笑みでそういわれては。
もはやただ笑うしかない。
『仰せのままに。タイニーさま。』
両親は、娘であるはずの少女に。
ふかぶかと頭を下げていた。
「おっはよぅ!!!」
服を着がえ外にでると。
空気の中に精霊たちが踊っている。
〃お早うございます。〃
〃お早うございます。今日ですね〃
くちぐちに実体のない羽の生えた生き物たちや、 どうみても人でない生き物が由香子に語りかけてくる。
「ええ。皆も元気でね。」
にっこりと。
小さなボストンバックを手にとり。
由香子は家を後にしてゆく。
すでに。
町の駅にいくと。
なぜか町の主だった全員が見送りにやってきていた。
「本当に気をつけてくださいよ?この町の外にいくのでしたら・・・なおさら・・・。」
町長が由香子に選別を渡しながらいう。
「いいなぁ。由香、私も一人暮らししたいわよ。」
いいつつ今まで一緒だったクラスメートたちまでもが見送りにきている。
「今日からは、別々だね。」
「まあ・・ここ・・・高校一つしかないし・・・・。」
すでに、三年生の全員は進学する学校を決めている。
多数は、このまま町にとどまるが。
中には町を出てゆくものも多々といる。
それでなくても。
この町には人口が少なく。
中学におけるクラス編成などは、三つのクラスしかなかったりする。
それは、この町が特殊であるがため。
というのは。
ここで育った子供達ならば、誰でもしっている。
いや、ここを基準に考えると。
外の方が変わっている。
といっても過言ではない。
本来のあるべき姿がこの町では、そのまま過去から受け継がれているのだからして。
空気を一切汚さない、地熱を利用した電車。
そして、空気を汚さない、水を利用した車。
この町では、すべての乗り物や移動手段。
ありとあらゆるものが、自然にやさしく出来ている。
世界に進出しているこれらの技術を開発したのは、すべてこの町の人である。
というのをみても、この町は、それでいて特殊なのである。
「大丈夫よ。それに、聖鳳学園はここの出身者の経営だから。」
そう。
だから、町の人達も由香子が町をでるのに賛成したのだ。
本当ならば、だしたくないのは、誰でも思うこと。
本人曰く。
「最近、パパラッチが五月蝿いから・・・。」
という理由で一人暮らしを決意したのだが。
「くれぐれも御身には気をつけて・・・・。」
「わかってるって♡心配しょうね♡)」
「由香!頑張ってね!」
見送られて電車にのりこむ由香の姿が、しばしその場所にて見受けられてゆく。
この町は。
はっきりいって、閉鎖的な町。
別名【霧の町】。【蓬莱の町】。などと様々な呼ばれていたりする。
この大陸の中の東に位置しているのだが。
いや、この小さな島国で、いまだに伝説の中にある町。
地図にはのっていない、伝説の町。
何しろ、この町に入るのは・・・穢れない心の持ち主でないと。
昔は町を取り囲む霧にはばまれ、はいることすらできない。
最近は、文明が発達したのに並んで、一部だけは外と窓をひらくため。
こうして、外と町をつなぐ交通手段をもちいてはいるが。
それでも。
それは本当の一部のみ。
本当の町の首都にはいるには。
はっきりいって、簡単ではない。
この町は、霧に覆われ、山々で覆われ。
しかも、大きなちょっとした湖なども存在しているが。
それでも。
地図に載っていない。
というか、地図に載せるためには、下調べが必要なのだが。
それが不可能なのである。
霧に入ったと思ったら、霧の外にでる。
霧の中にはいる。
ということは、滅多としてない。
純粋な子供だけならば、はいることはできるのであるが。
しかも、空からも進入不可。
空にも薄い霧のような雲が町の外からみるかぎり広がっている。
町の中からは、そのようなのは一切みえないが。
つまりは、この町は。
不思議な力に守られている。
そんな町。
そんな町にすむ一人の少女。
長い漆黒の髪をふたつにみつあみにして。
度の入っていないめがねをかけて。
今。
この町をでて、他の町の高校に通うために。
町をでようとしていた。
「じゃ、いってきまぅぅぁすす!」
りりりりりりりりり・・・・・・・・。
電車のベルが鳴り響く。
しかし、この電車ははっきりいって。
以前にリニアモーターカーとして開発されたものよりも断然早い。
しかも揺れがない。
そのために。
今や、かなりの利用客がいる。
しかし。
未だに、この構造は。
他の会社では、まねできていないのであるが。
実は、この電車を開発したのも。
この町にある一つの会社である。
この町から世界に広がる様々な技術などは。
すべて自然を汚さずに、自然と共存できる技術である。
そのために、この町には【環境保護ノーベル賞】をとっている会社がほとんど存在しているのも。
また、伝説の一つかもしれない。
見送る人々を後にして。
少女は一人。
新たな町へと出発してゆく。
岡村由香子。
ただ今、十五さい。
この二月、中学を卒業。
春から高校に進学するために、一人暮らしを開始。
通う先は、この日本とよばれる大陸の中心近くにある。
聖鳳学園。
-続くー
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あとがき:
薫:よっし♪次回からようやく本編に♪
じつは、これがプロローグに始めはしてたりして・・(暴露)
それでは、次回から、由香子の学園生活が始まります♪
ではでは♪
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