まえがき&ぼやき:→前書きを読まない、というひとはこちらへ。

こんにちわv
こちらの二次さんもどきは、ヒカルが女の子であり、佐偽もまた女性である。
といった設定になっております。
ちなみにプラス、のりは「はらきよ」です♪
塔矢がヒカルにふりまわされまくるのをご想像くださいな~(笑
何はともあれプロローグはおもいっきり今後の展開をばらしまくっているブロローグですv
ではでは~♪
このブロローグをみてもよんでみようかな?というひとのみ本編におはいりくださいv
ブロローグは簡単な自己紹介とあとは今後の展開のネタバレvですv
ネタバレはみたくない!だけども本編はよみたい!というひとはまわれ右v

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星の邂逅   ~プロローグ~

「わ~い。またヒカルのまけ~」
「って、さい!また手加減なしでうったわねっ!」
「ヒカル、つぎつぎ~」
喜々として碁盤に向かいあうその様子をみていれば文句もどこかにふっとんでしまう。
いちかばちかのかけだった。
あのままでは完全に佐偽は消えていた。
だけどもそれはとにかく避けたかった。
そもそも、佐偽はまだ目標を達成していない。
そんなとき、まさに目の前にちょうどいい器があれば試してみたくなるのが勝負というもの。
あのまま、母が出産していても死産で母たちは悲しんだであろう。
だからこそ魂のはいっていない妹の体に佐偽の魂を組み入れた。
相手からむりやりにひきはがすのと逆の応用なのでできないことはない、とはわかってはいたが。
記憶などがひきつがれるのかすらもわからなかったが、そのまま消えてしまうよりはまし。
そうおもい、挑戦した結果生まれたのが、妹の進藤彩。
彩、とかいてサイとよむのはヒカルのみ。
今日もまた、進藤家ににぎやかな声が響き渡ってゆく。

「もう。彩ったら…ヒカルが碁に連れまわすから小さいのに碁が好きになってるじゃないの」
思わず苦笑してしまうのはしかたない。
「でも、お母さん?お母さんもお仕事いそがしいでしょ?」
何しろ母の仕事は警察官だ。
それゆえに自由のきくヒカルが赤ん坊のころから歳の離れた妹の面倒をみていることは周知の事実。
もっとも、その裏に隠されている事情は彼女の両親は知る由もない。
「そうだけど……あ、もうこんな時間!?ごめんだけどヒカル、彩をおねがいね!」
ふときづけば時間が迫っている。
そのままバタパタとあわてて家をでてゆく母親の姿を見送りつつも、
「さって。サイ!今度こそまけないからっ!」
「ふふ~ん。できるものならやってみて~」
「あのねぇ。おまえ体を得てから手加減さらになくなってるでしょ?」
思わずじと目でいってしまうのは仕方ないであろう。
何しろすでにプロとして生活している彼女に妹は手加減なく打ち込みしてくる。
「てかげんひつようするひつようないもんっ」
「…サイ。試験うけるときにはかわいそ~だから相手には手加減してね?」
小さな子供に負けて打ちひしがれる才能ある器がいる可能性もある。
おそらく、確実にある程度の年齢になれば佐偽はブロ試験をうけるのは確実。
というか絶対に受けさせる。
彩…佐偽以外に本因坊の座を受け渡すことは絶対にしない。
進藤彩。
ただいま一歳と少し。
まだ言葉もつたないというのにこの反応はいかばかりか、と知らないものがみれば思うのは確実。
地をだすのはいつも光とふたりのときのみなので問題はないが。
何しろまだあるくのすらおぼつかないのだから。
おそらくだれも信じないだろう。
まだ一歳と少ししかみたない幼子が雄弁に言葉をつむぎ、それでいて囲碁をたしなむ…などとは。
「それより、ヒカル!いつつれてってくれるの!?ずるいっ!」
「というかいつもつれてってるじゃないっ!」
「わたしはうちたいの~!!」
「ネットでむちゃうたせてるでしょ~!!」
「じっさいにもってうちたいぃ~~!!」
はうっ。
「…サイ。自分がまだ一歳だ、と自覚してる?」
「せいしんねんれいはひかるよりうえだもん」
そうかなぁ?
とおもわず問いかけたくなってしまう言葉をどうにかぐっとこらえ、
「そりゃ、千年以上もとどまってりゃねぇ~……」
おもわずぽそっとつぶやいてしまうのは仕方がないであろう。
しかも恐ろしいことにいまだに棋力は格段に成長を遂げている。
今目の前にいる彩は確かに彼女がよく見知っていた姿ではないものの、その面影はかなり根強い。
成長するにつれてあのときの姿にちかづいてゆくのがとてもうれしくおもう。
何よりもまだ幼いがゆえに肉体的に限界がくればその精神のみで現れる、という碁へのこだわりようは何よりも佐偽そのもの。
このことを知っているのは唯一、塔矢明のみ。
「って、ひかる。じかん~」
「あ。ほんとだ。いそがないと」
明日から再び若獅子戦がはじまる。
それの対局をみるのを彩はかなり楽しみにしている。
というかもし彼女自身がうてば相手はかなうはずもないであろうが。
棋院のほうも彩を同伴しての対局は今ではもう誰も文句をいうものもない。
まあ、それもそうであろう。
…対局中、一人で勝手に棋譜を並べて遊んでいる子供…誰が一体想像するだろうか?
まだ回りがそれにきづかずにただ石を姉のマネをしてならべているだけ。
そうおもっているうちは大騒ぎにはならないであろうことをヒカルは確信している。
してはいるが…どんどん自分もまた成長するのに佐偽もまた成長しているのでいつまでたってもおいつけない。
――永遠の目標。
そういっても過言ではないのであろう。

「おそいっ!」
「…って、アキちゃん。もしかしてまたむかえにきてくれたの?」
目の前にいる彼をちゃんづけでよんで怒られないのはおそらく彼女くらいだろう。
アキラだからアキちゃん。
何とも単純明快な呼び方ではある。
そもそも、はじめのころは塔矢君、と呼んでいたのだが彼が名前でよんでほしい、といったのをうけてそうよぶようになっている。
小学生のころからのあるいみ腐れ縁でありよき囲碁におけるライバルでもある塔矢明。
というかまだ自動車の免許がとれないから、といってわざわざ運転手を雇い毎日のようにヒカルを迎えにきているこの現状。
もっとも、ヒカルにしてはそれはとてもたすかるのだが。
何しろ小さな子供づれ。
満員電車などで万が一のことがあるともしれない。
「あたりまえだ!とにかく急がないと遅刻するぞっ!まったく、君は……」
「おこごとはあとできくから。あ、運転手さん、おねがいしま~す」
「わ~い、きいん、きいん~♪」
ヒカルに抱きかかえられてはしゃぐ彩の姿におこる気もうせてしまう。
そのまま車に乗り込む二人の姿をみて溜息ひとつつき、
「運転手さん。お願いします」
「はいはい」
このやりとりはいつものこと。
それゆえにすでに彼ももう慣れっこではある。
まあ、彼らを送り迎えするだけでかなりの給料をもらえる仕事はたしかにおいしい。
しかも、今噂というか人気の二人の素顔をみれるという特典付き。
「またヒカルのことだから碁をやってたんだろうけど…ずるいぞっ!」
それがまずかれの本音。
というか四六時中、碁を打つ相手がいる、というのは何よりも囲碁の棋士にとってははげみとなる。
「そういうけどアキちゃんも塔矢名人とうってるんでしょ?」
「父はいまだにsaiのことしか頭にないよ」
そもそも、ネットに彼が復帰したのをうけて何よりも格段に若返ったのは明らか。
いや、それは塔矢の父親だけではない。
どうやら囲碁界のトップに並みいる人物も同じらしいが。
「…いまだに塔矢名人…勝てないからなぁ~……」
そうつぶやきつつも、一人窓の外をみてはしゃいでいる彩をみる。
そもそも、持ち時間三時間で勝負をして、いい勝負をするものの今のところ「sai」の圧勝。
何やらネットの中だけではなく現実にもいつネットのsaiが負けるか、なんてかけまでがでている始末。
だが、未だにネットの最強棋士たるsaiの正体は知らない。
…まあ、普通は信じないであろう。
今の打ちてがまさか一歳と少ししかたっていない幼子などとは。
しかもその前は実態のない幽霊ときた。
「ヒカルヒカル、すごいよ!おそとのけしき~」
「…いい加減になれよ~よ~」
「わ~、すごいすごいっ!」
『・・・・・・・・・・・・・・・・』
毎度のことながらこうして無邪気に喜ぶ彩をみていれば何もいえなくなってしまう。
「と、とにかく運転手さん、急いでくれる?」
「はいはい」
傍目からみれば年若い中のいい親子連れに見えなくもないかもしれないこの三人。
最近の塔矢に雇われた初老の運転手は彼らの今後と成長がとてもたのしみになっているのも事実。
そんな会話をしつつも、車はひたすらに進藤家から日本棋院にむかってゆく。

それはいつもの光景。
見慣れた、とてもほのぼのとした光景――


■ □ ■ □ ■ □

母は警察のかなり上層部。
父は元FBI捜査官。
母とであい、母と結婚するためにわざわざそちらを辞めたという経歴の持ち主。
どうして自分がこうなのかはわからない。
そもそも親戚一同見渡しても誰もそんな人はいないのだから。
物心ついたころから人には視えないものが視えていた。
年々強くなってゆくその力を怪訝し、とある場所にて鍛えたのは小学三年生のとき。
「ヒカル~。また本よんでるの?」
「というか。夏の後始末でつかれてるのっ!」
そもそもどうして夏が近付けばやらなくていいことをやろう、という人がふえるのかがわからない。
こんな場所であんなものをすればどうなるかわかっていないのだろうか?
そのつど、つ辟易しながらも後始末をする身にもなってほしい。
「でもさ。最近は皆やめたようでよかったよ。コックリさん」
そう。
なぜかどうしてもお約束ともいえるそういった系統が流行りだすのが夏。
「やめてくれないと面倒」
というか厄介事に巻き込まれたくないからこの力のことは秘密にしている、というのに。
だからこそ余計につかれる。
「そういえば、今日はお爺さんのところの手伝い、だったっけ?」
「うん。何かお婆ちゃんにいわれてしぶしぶ倉の整理をするんだって」
あの倉の中はどこかほっとする。
何となくだが神聖な感じがする。
それは誰にもいってはいないが。
「そっかぁ。ま、がんばってね」
「アカリ~。友達がない……」
進藤光。
ただいま小学五年生。
季節はようやくすずしくなりはじめた九月。
今月は彼女の誕生日の月でもある。
何か、大きな変化があるような気がする。
これもまた勘だが。
だけどもいくらヒカルでもそれが何か、まではわからない。
そんなヒカルに話しかけているのは幼馴染でもある藤崎朱里。
朱色に里、とかいてアカリとよむ。
き~ん、こ~ん、か~ん、こ~ん……
そんな会話をしていると鳴り響くチャイムの音。
「あ、もう休み時間おわりだ」
「う~…勉強、かったるいよぉ~……」
「それでもほぼ成績はいいんだから、ヒカルはいいよね……」
まあ、並み、という程度の成績なのではあろうが。
だけどもあまり勉強が好きだ!という人はあまり見受けられない。
中には子供のころから好きだ、という人もいるのかもしれないが……
そんな会話をしながらも、互いに隣り合った席にと座る。
今日の残り時間はあと一時限。
それがおわれば、放課後の掃除、そして帰宅となる。
九月といえどもまださすがに蒸し暑い。
最近の世界の気候…どうなってるんだか。
そうおもうのはきっと、ヒカル一人ではないであろう。
ともあれ、学生の本分はとにかく勉強。
ゆえに、しぶしぶながらも教科書を用意し先生を待つ彼女たちの姿がみうけられてゆく――

学校の地区とは少し離れた場所にとある祖父の家。
といっても通えない距離ではない。
どちらかといえば学校帰りによったほうがはるかに自宅からよりも近いのも事実。
「お爺ちゃん、お婆ちゃん。きたよ~」
学校がおわり、そのまま直接祖父母の家にと向かう。



                                -第1話へー

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あとがきもどき:
薫:今回はプロローグ、ということでひとまず設定ですv

進藤光しんどうひかる
血筋に金髪の血があるらしく、生まれつき前髪部分が金色。
目もともぱっちりとした顔立ちもかなり目立つ、だまっていればかなりの美少女。
十一の歳に碁盤に宿る『藤原佐偽』と出会い、それ以後、囲碁の道になしくずしてきに進んでゆく。
十三になる夏に一発でプロ試験合格したという経歴の持ち主。
プロの生活が始まってすぐに歳の離れた妹がうまれ、そのためにしばし手合いを長らく母のために休んでいた。
ちなみに、その生まれた妹を連れて手合いにでるなど…囲碁界にかなりの新風を巻き込んだ人物でもある…
現在、プロ歴一年であり一年ながらも黒星は一つもなし、という経歴の持ち主。
ちなみに予断ではあるが知る人ぞしるかなりの霊能力の持ち主でもある。

塔矢明とうやあきら
囲碁世界の有名人である塔矢行洋の一人息子。
つややかな黒髪をおかっぱにし、くりっとした瞳のかなりの美少年。
十二…小学六年のあるひ、偶然に光(そのときは佐偽)と手合せし、ひとつしたの光にこっぴどく負けてしまった。
それゆえに異性ながらも光をライバルとみとめつつ、それ以外にもヒカルを恋愛対象者とみている。
…が、とうの光がそのことに疎く、いつもやきもきしているのは周知の事実。
碁の世界においては彼と並べるものは光しかいない、ともすらいわれている実力の持ち主。
が、しかしプライベートではいつもヒカルの妹の彩にことごとく光を奪われている節がある……

進藤彩しんどうあや
元、藤原佐為の生まれ変わり。
かつて平安時代にいき、江戸時代においては秀作の元で彼を通じて碁をうっていた。
現代では光とともに碁をうち学び、あることをきっかけに光の妹として転生することに。
だが、そのときすべての記憶と知識をそのまま受け継いだまま転生していることは母親すら知らない事実。
つややかな黒髪に黒い瞳。
ぱっとみため、光とははっきりいって似ていない姉妹でもある。
ちなみにヒカルとは約十四歳差である。

藤原佐為ふじわらのさい
平安時代、宮中において帝の指導後をしていた指南役。
長い漆黒の髪に整った容姿。
はっとみため見とれてしまうほどの容姿のもちぬし。
あるとき、同じ指南役のものから指南役は一人でよい、という話をもちかけられ対決するものの、
相手の卑劣なわなにおちいり汚名を着せられた。
女性ながらにその実力をかわれ、帝の指南役をしていた彼女をやっかんでの行動であったのだが、
誹謗や中傷、さらには都を追い出され失意のうちに入水自殺をしてしまった過去をもつ。
江戸時代、とある子供のもとによみがえり、その子を通じて碁をうっていた経験をもつ。
その子供こそが、歴史、そして囲碁界に名高い【本因坊秀作】であることははっきりいって知られていない。
現代において光のもとによみがえり、眷属として存在していたがある出来事をきっかけに、
光の妹、進藤彩として記憶も知識もそのままに肉体をもち現代に転生しよみがえることに。





2008年7月19日(土)某日

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